【プロトレーナー解説】大臀筋を大きく綺麗に発達させることは意外と難しいです。この筋肉の機能や特徴を正しく理解することで効率よく理想的なボディラインを作ることが出来るようになるでしょう。
大臀筋の機能と作用
大臀筋を鍛えてお尻を引き締めたいです!
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
いいですね!大臀筋の説明は以下の記事で説明させて頂きましたが、ここでは更に詳しい解説を加えていきたいと思います。
【プロトレーナー解説】脚のトレーニングはやっているけど大殿筋が発達しない方は大殿筋の動きが正しく理解できていないかもしれません。今回は大殿筋を使うために必要な動きをマスターするのに役立つ種目を紹介していきます。正しく動けば自ずと刺激が入り、理想のボディラインに近づけるかも!
大きな特徴としては、単一の筋肉として人体で最大のサイズの筋肉であるということがあげられます。筋体積は864㎤です。当然発揮する力も強い筋肉です。深部に中殿筋、更にその下に小殿筋が位置しています。ちなみに人体で2番目に大きい筋肉は三角筋で792㎤です。この二つはどちらも自由度の高い四肢の動きのかなめになる関節を動かしている筋肉ですので非常に強い作りをしています。
支配神経は下殿神経となっており、主な働きとして股関節の伸展(特に屈曲位から)、外旋、股関節の外転、内転です。
股関節の伸展は階段や傾斜の強い坂道を上る時の動作やスクワットなどの座位からの起立動作に移る動きなどが分かりやすいでしょう。走る動作の際にはハムストリングスと共に体を前方に運ぶ為、強く働きます。
体のバランス制御の作用
また、殿筋群はバランス制御にも大きく貢献しています。お尻の筋肉が弱ってくると片足でバランスを取ることが難しくなります。通常片足で立つときは軸足を体軸の中央にキープすることでバランスが取れるのですが、殿筋が弱いと軸足を中央に維持できなくなる為、軸がずれてバランスが取れません。
股関節の外転とは股関節から脚全体を外向きに捻る動きの事です。スクワットで足を外側に向けて開いたワイドスタンスを取ると大臀筋を強く収縮させることができます。股関節の外転とは直立姿勢で片足を外側に開く動作の事です。よく床に横向きで寝転がり脚を上部に持ち上げて開くエクササイズがあると思いますが、あの動作がまさにこの股関節の外転のトレーニングになります。マシンのトレーニングでいえばアウターサイがこれに当てはまるでしょう。
内転はその逆で、開いた脚を閉じる動作になります。股関節が外旋(膝が外側に向いている)状態で脚を閉じる動作を行うと非常に強い収縮を感じられます。
大臀筋は強い力を発揮する
大臀筋は羽状筋であるため基本的に収縮速度は速くないですが非常に強い力を発揮します。可動域を取ることよりも、しっかりと重りを持ちながら殿筋に負荷をかけるトレーニングを行いたいです。
ワイドスタンススクワットを実施する際に挙上重量の変化で各筋肉の仕事量や関節トルクがどのように変化するのか実験した論文があります。
筋繊維の割合は速筋繊維が47.6%、遅筋繊維が52.4%となります。
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上記の点を踏まえると大臀筋の発達には重さを持つ種目と回数をこなす種目の両方を行うことがベストになります。
しかし、女性の場合は下半身に関してもともと脂肪が多かったりむくみやすい方が部位ですのでトレーニングを継続することでの引き締め効果の方が筋肥大反応よりも早く表れるかと思います。
これらの機能・特徴を踏まえて臀部のトレーニング筋トレを行うことが出来ればフリーウエイトでも自重でも効果的な筋トレが出来るでしょう。
大臀筋の鍛え方|自重トレーニングメニュー
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まずは自宅でも実施可能な大臀筋の鍛え方・筋トレメニューをご紹介します。
ドンキーバックキック
足の裏中央にバンドを引っかけて逆側を手に持ちます。そのままバンドの負荷を感じつつ、後ろに足を蹴りだします。足を伸ばし切ったらゆっくりと負荷が抜けないように戻します。
ヒップリフト
ステーショナリーランジ
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自重では強度が高い方もいらっしゃるかもしれませんが、5回でも10回でもまずは出来る範囲で反復しましょう。
大臀筋下部とハムストリングスの境目を作る筋トレメニュー
大臀筋下部を鍛えるにはハムストリングスにストレッチがかかる種目やスクワット系の種目が非常に有効です。同じ筋トレ種目でも、太ももを狙うフォームとは多少考え方が変わってきます。
ワイドスタンススクワット
ルーマニアンデッドリフト
【プロトレーナー解説】デッドリフトで腰を痛める人は少なくありません。正しい鍛え方とポイントについて解説します。デッドリフトは全身の総動員する数少ないトレーニングとして、是非とも取り入れて頂きたい種目の一つです。しかし、知識もなしに行えばケガをする危険性が非常に高い種目なのでぜひマスターしましょう!
大臀筋上部を盛り上げる筋トレメニュー
ブルガリアンスクワット
大臀筋・大腿四頭筋・内転筋・ハムストリングスなど下半身全体の筋肉が使われるため、筋肥大反応を起こしやすい種目です。股関節が弱い方やスクワットが苦手な方は、この種目をメインの種目として取り入れることもできるでしょう。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
ダンベルがあれば自宅でも高負荷で大臀筋上部を鍛えることができます。
最初に90度程度に曲がるように足の位置を決めるようにお伝えしたと思いますが、そこからさらに1歩大きく踏み出して動作中に膝が自分のくるぶしよりも前に出ないくらいの位置にセットしてみてください。ここまでしっかりポジションを決めればかなりダイレクトに大臀筋を刺激できるでしょう。
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ヒップスラスト
セットが完了したらそのままお尻を高く持ち上げます。トップまで持ち上げたら1秒静止してゆっくりウェイト下ろします。ストレッチを狙う種目ではありませんので可動域全体の半分程度まで下ろしたらすぐに切り返すようにしましょう。8回~12回前後反復出来る回数で行いましょう。
ブルガリアンスクワットやヒップスラストはスクワットやデッドリフトとは違ってある程度高重量が扱えて、大臀筋にメインの刺激を送ることが出来る珍しい種目です。下半身のトレーニングとして積極的に取り入れるようにしましょう。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
後半で紹介した大臀筋の種目をワイドスタンススクワット→ブルガリアンスクワット→ルーマニアンデッドリフト→ヒップスラストの順で行って頂くと下半身全体を万遍無く鍛えながら、大臀筋を大きくきれいに作りあげる事が出来ると思います。是非試してみてください。
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