【プロトレーナー解説】内転筋・股関節が痛む原因から改善・予防方法まで解説します。内転筋が痛むからただやみくもにストレッチ・トレーニングをすればいいという考えは捨ててください。重要なのは内転筋が繋がっている関節部位を動きやすくすることです。詳しく解説します。
股関節の痛み|変形性股関節症などについて
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
以前よりも道端でびっこを引いている方や杖をついていたり、股関節を痛められている方を多くお見受けするのですよね。
そうなんです。若い方でも股関節を痛められている方が多いのですよね。
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
踊りやスポーツで痛めている方も多いですが、そうでなくても生まれつきや成長過程で股関節に症状を抱える方、自分の身体を支えられなくなり手術をされて人工股関節を入れられている方も最近は多いようです。でも人工のものは数年経つともろくなり新しいものに入れ替える手術の繰り返しになるとも聞いています。なんとも恐ろしいですよね。
えっ、そうなんですか?恐いですね。
そしてここからが大事なのですが、もし自分の身体の部位や股関節がなんらかの原因で症状を抱えているとしてもそこで落胆しないでください。弱かったら鍛えて人より強くしていけばいいのです。股関節に負担をかけないように体幹を強くしていけば身体は軽くなります。
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
私も以前踊りで股関節を痛めて歩くのも痛い状態から独自にリハビリを始めてそのときに考案したのが骨格改善トレーニング「バーオソルピラティス」になります。
股関節がもともと硬いので怪我にいたったわけですが、股関節にはいろんな筋肉が絡まっている状態なのでどれかが硬くなるとそれに関係する筋肉も道ずれで硬くなってしまうのがやっかいなところでもあります。
内転筋を痛める原因とは?
股関節や腰が硬い
また腰が硬い方は当然股関節が硬くなりますから、お尻の筋肉をほぐすと股関節が動きやすくなったり、様々な要因が絡んでいます。
ストレッチにも問題がある?
筋肉が無理に引っ張られてちぎれそうなイメージは伝わりますでしょうか?
ストレッチを全くしないのも問題があります。動いたり鍛えたりるのは好きでも柔軟を嫌がる方は少なくないと思います。硬いと柔軟の動きが痛いからですよね?しかしそのやり方に問題があるとしたらどうですか?柔軟をせずに鍛えている方の筋肉ははっきり言ってラインが繋がっておらず綺麗ではないです。硬いまま鍛えても怪我に繋がるだけですね。
内転筋が弱いから鍛えればいいかというとそうではありません。まず内転筋をきちんと使える状態にすることが重要なのです。
まず内転筋を鍛える前にきちんと使える状態にするということですね?
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
そうです。内転筋が硬いままストレッチしたり筋力トレーニングをすると痛める原因になります。
内転筋の痛みを改善・予防する方法
大内転筋は内転筋群(長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、恥骨筋)の中でも最大の筋肉で且つ最も強い筋力を発揮します。運動動作において大内転筋は股関節を内転、伸展、内旋させる作用があります。そんな内転筋群を鍛える代表的なトレーニング、ストレッチ方法を紹介します。
ヒップアダクション
マシンに座り脚を開いた状態から両脚を閉じていきます。2~3秒停止してマシンの抵抗に逆らいながら徐々に元の姿勢に戻します。これを繰り返していきます。
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
よくボールで股関節周りや内転筋を解す方法を紹介している方が多いのですが、道具を使わずに自分でできる簡単なメニューを紹介させていただきます。
股関節の転がし運動
右左やったら今度は持っている膝を内側に反対の胸の方に折りたたむようにして転がします。そして同様に膝を脇に抱えるようにして上下に揺らします。反対の脚も同様に行います。
シンプルですがこれを行うことで股関節周りの筋肉がよく解れて動きやすくなります。股関節の転がし運動を行った上で次のメニューを行うようにしてください。
内転筋のストレッチ
無理せずご自分のペースに合わせて行ってください。
分かりました。股関節を動きやすくしてから内転筋をよく伸ばして使いやすい状態にしていくということですね。
太もも内側の筋肉、「内転筋」は鍛えるのを怠りがちです。しかし、内転筋の筋トレをすることで太ももの引き締めなど嬉しい効果がたくさんあります!太ももの内側を鍛えるからこそ得られる効果もあります。内転筋とは何か?から鍛え方まで解説します。
内転筋・股関節をただ鍛えればいいわけではない
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
内転筋の筋トレメニュー・ストレッチ方法を紹介してきましたが、大事なのは内転筋が繋がっている関節部位を介してしなやかに動きやすくすることです。筋力トレーニングをしなくても使いやすくなった状態であれば力を発揮して自然に鍛えられていきます。
プロのダンサーはマシンを嫌って自重トレーニングを行っている方も多いくらいです。自分の体重を支える強さ、生かせる強さがあって始めて力を発揮できます。その上のプラスαのトレーニングだったり筋力アップということを忘れないでいただきたいです。
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
最近周りの方のトレーニング方法を見ていて非常に残念に思うのですが、内転筋を痛めた原因をお聞きすると、間違ったトレーニングをされて内転筋を痛めている方が非常に多いのです。
先に紹介したマシンを使ったヒップアダクションを股関節が癒着していたり固まっている状態で内転筋が硬いまま鍛えようとすると、筋肉がきちんと伸縮せず突っ張った状態でトレーニングすることになり筋肉を傷めたり損傷することにも繋がります。
また左右対称にバランスが取れていた上で鍛える分にはまだしも、骨格が歪んでいる状態で筋力トレーニングをするとどんどん歪んだ状態に偏っていきます。鍛え方には方向性もありますし、ただ鍛えてかえって硬くしてしまい怪我をする方もいらっしゃいます。本当に気をつけてくださいね。
最後に
一番大切なのは「何のためにその筋肉を鍛えるのか」です。例えば私は自分のトレーニングでバレエのレッスンをしていますが、一時期ピラティスのトレーニングで動きにくい身体になってしまい、それからメニューを研究し始めました。例えばよくありがちなボールを脚の間に挟んで行う内転筋強化のトレーニングも、いざバレエの5番をしたときに(両脚を外旋した状態で内腿からクロスして立つ基本のポジション)前より5番がしにくくなってしまい、変な感触を受けました。
私は筋肉が強く感覚が人一倍敏感なのですが、まるでそれこそボールを挟んでいるような筋肉の感触を身体が覚えてしまっていることに気づいたのです。バレエの5番とは脚をクロスして立つポジションでありバレエの基本姿勢です。内腿と内腿をクロスしてお尻を逆三角形の形に集めていくのが理想です。間違った使い方をしているとお尻を固めて集められなくなり結果的に股関節が固まって動きにくくなります。
身体は中に集めていくことが基本になりますので、ボールを挟んだトレーニングは一見内転筋を鍛えていいように思えますが、もっと身体を集めていきたいプロレベルで考えるともうひと捻り必要です。動きやすくするトレーニングが分かっていない方はただただ鍛えようとします。しかしそれが身体の動きを制限したり邪魔するものであってはなりません。それはトレーニングでかえって怪我を引き起こすことにも繋がります。
井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス
ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate
私は踊りで股関節を怪我して独自のリハビリで踊りに復帰した体験があり、その過程でトレーニングをしながら体感したことをお伝えしていますので皆様に安全で良いトレーニングをしていただくためにもトレーニングは繊細であることをご理解いただきたいと考えております。
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