はちみつでダイエットができるって本当?効果をプロトレーナーが検証!

監修者

原田 直生

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

本当に痩せるの?どんな効果があるの?と話題の「はちみつダイエット」のメカニズムについてプロトレーナーが徹底検証!すでに実践しているあなた、これからやってみようと考えているあなたにプロのトレーナーがお伝えします!

はちみつダイエットの効果とは!?

最近いいダイエット方法を見つけたんですよ!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

それは気になりますね(^-^)どんな方法ですか??

その名も…はちみつダイエット!!今回ははちみつの選び方を教えてください!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

…うーむ。はちみつ…ですか。。

あれ?!なんかあまり反応が良くないような…

皆さんは「はちみつダイエット」をご存知でしょうか?寝る前に蜂蜜をスプーン1杯摂る事で楽して痩せる事が出来る魔法のようなダイエット方法です。果たしてそんな上手い話しがあるのか、あったとしたらトレーナーが要らないじゃないか!!?
という事で今回は「はちみつダイエット」の効果とメカニズムについて徹底的に検証をしていきたいと思います!!

はちみつダイエットの方法

まずは「はちみつダイエット」の方法を一緒に見てみましょう。「はちみつダイエット」の方法はとてもシンプルのようです。

・寝る前の1時間前にスプーン大さじ一杯分の蜂蜜を飲むか食べる(液体に溶かすのも良し)
・しっかり睡眠をとる

以上です。これで痩せるんだったら本当に魔法のようですよね!!
そして「はちみつダイエット」を成功させるための条件が2つ。

①睡眠3〜4時間前までに食事を済ませること。(晩ご飯が遅いと胃に負担がかかり質の良い睡眠が取れないため)

②晩ご飯では炭水化物の摂取を控えること。(蜂蜜も糖質ですので晩ご飯で糖質の量をコントロールしないと摂り過ぎてしまい結果的に体脂肪が増加してしまう可能性があるため)

とのことです。ふむふむ…。

はちみつダイエットのメカニズム

では次に「はちみつダイエット」のメカニズムを一緒に見てみましょう。

『はちみつダイエットは寝る前に蜂蜜を摂取することで質の良い睡眠が出来ます。質の良い睡眠が出来ると成長ホルモンの分泌量が増え、寝ている間に脂肪燃焼が促進されます。』

ふむふむ…。ここで一つ疑問が出ますね。この理論だとあくまでも成長ホルモンの分泌量が体脂肪燃焼に繋がっているわけで、蜂蜜を摂取しようがしまいが質の良い睡眠ができれば問題ないんじゃないか…と。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

そこで「はちみつダイエット」のキーポイントとなっている成長ホルモンについて少し掘り下げて見ましょう。

成長ホルモンとダイエット

成長ホルモンが分泌されると脂肪組織が遊離脂肪酸とグリセロールとに分解されます。分解された遊離脂肪酸は運動する上でのエネルギーとなり消費されます。要するに成長ホルモンというのは蓄えている万が一のエネルギー(体脂肪)を使用できる状態に分解してくれているわけです。もちろん成長ホルモンによって分解されても消費しなければ脂肪燃焼にはなりません。

ではこの成長ホルモンですが一体どんな時に分泌されるのでしょうか??

一つは睡眠時。睡眠時には2〜3時間おきに成長ホルモンが分泌されると言われています。よく「寝る子は育つ」って聞いたことありませんか??睡眠が体づくりに必要な理由もこの成長ホルモンの分泌に関係しています。

さらにもう一つがレジスタンストレーニング。特に速筋線維をいかに刺激させるかで成長ホルモンの分泌を促すことに繋がります。速筋線維が働く条件は「高負荷でのトレーニング」「エキセントリックの筋収縮を入れるトレーニング」「テンポの良い動きで伸張反射を入れるトレーニング」などなど…

ではここまでの話を整理しましょう。
①体脂肪を落とすためには成長ホルモンの分泌が重要。
②成長ホルモンはトレーニングや睡眠時に分泌される。
③分泌された成長ホルモンが体脂肪を分解し使用できるエネルギーに変換する。
④変換されたエネルギーはその後運動することで消費され体脂肪燃焼となる。

…お気づきのように、脂肪燃焼のメカニズムに蜂蜜はそこまで必要ないんじゃないか…と言うわけです。
さらに言えば、睡眠時の成長ホルモンの分泌により分解された遊離脂肪酸を寝ている間にそこまで消費できるのか?と言う疑問も残ります。

年齢によっても大きく異なりますが、1日の基礎代謝は男性で約1,500キロカロリー、女性で約1,200キロカロリーと言われています。
1日6時間の睡眠だとしたら基礎代謝の1/4を睡眠時に代謝していることになりますので、男性で約375キロカロリー、女性で200キロカロリーが睡眠時に代謝するエネルギーと考えられます。

あくまでも仮定の話ですが、睡眠時に分解された遊離脂肪酸は寝ているだけでは200〜375キロカロリーしか消費できないんです。蜂蜜を摂ったとしても…です。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

冷静に考えれば寝ているだけで痩せるなら肥満の人はいなくなるはず…。

ではなぜ「はちみつダイエット」で実際に効果が出た例があるのか?
それは「はちみつダイエット」そのものではなく、その条件にポイントがあるように思います。

痩せた理由は蜂蜜ではなく条件の方にあった?!

条件① 「寝る前3〜4時間までに食事を済ませること」

食事から摂取された糖質は消化吸収後、血中・肝臓・筋肉へ入ります。筋肉へ入った糖(筋グリコーゲン)は筋肉を動かすエネルギーとして消費されるはずですが、食事と睡眠との間が短いと筋グリコーゲンを消費できず体脂肪として蓄えてしまうのです。

「はちみつダイエット」では食事から3〜4時間空けたことで体脂肪として蓄積されず、ダイエット効果があったのではないかと推測されます。

条件② 晩ご飯では炭水化物の摂取を控えること

言わずもがな、炭水化物(糖質)の過剰摂取は体脂肪増加へと繋がります。
蜂蜜を摂ることを見越し、夕食で糖質の量をコントロールした結果がダイエット効果に繋がったのではないかと推測できます。

なるほど…蜂蜜が良い悪いではなく、ダイエットに直結しているかどうか…ですね。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

蜂蜜を摂ったから痩せました!というのは…ちょっと難しいかもしれませんね(^_^;)

質の良い睡眠を取るための条件はなにも蜂蜜だけではありません。
例えば寝る直前までテレビやスマートフォンを見ていませんか??就寝前の強い刺激の光は質の良い睡眠の妨げとなります。睡眠の質を上げることを考えるなら寝る1時間前にはテレビを消し、スマートフォンを見るのを止め、強い光の刺激を入れる行為を避けましょう。

流行する〇〇ダイエットの効果|本当に痩せるのか?

ダイエットはいつの時代になっても需要が高いものです。需要が高いが故に〇〇ダイエットという流行りものが次から次に出てきます。
はちみつダイエットの他にも、リンゴダイエット、黒酢ダイエット、コーヒーダイエットなどなど…。

昨日まで注目されていなかった〇〇が、急に「ダイエット効果がある!!」などと謳われ取り上げられます。過去にも様々なダイエット方法がたくさん出ては消えていきました。
でもよく考えていただきたい。身体の本質的や機能は昨日の今日で変わることはありません。故に流行りすたりなど無いんです。

〇〇ダイエットをされる多くの方は結果的に偏った食事をすることとなります。もちろんリンゴしか食べなかったら栄養失調で痩せるのは当然です。当然ですが…それでいいのでしょうか。。
本来ダイエットに近道などないと思います。強いて言えば、朝・昼・晩の適切な食事、適切な運動、適切な休養が唯一の近道なのではないでしょうか。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

今後も新たな「〇〇ダイエット」は間違いなく出てくるでしょう。そんな時にこの記事を思い出し、一度冷静に考えていただけたら…。皆さまの健康に携わるパーソナルトレーナーとして嬉しい限りです。

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