筋トレをして筋肉を付けるためには「成長ホルモン」が欠かせないことを知っていますか?「成長ホルモン」の分泌量を増やすことで筋トレの効果を上げるための筋トレをご紹介します。
「成長ホルモン」とは?
「成長ホルモン」は肝臓で成長因子の「IGF-1(インスリン様成長因子1)」を作らせ、血液中に放出します。
成長ホルモンには骨を長軸方向に伸ばすことで身長などを伸ばす効果がありますが、成長板と呼ばれる骨が成長する段階の軟骨を持つ思春期を過ぎると、骨が完成した状態であるため「成長ホルモン」の作用によって骨が長軸方向に伸ばされることがなくなります。
【参考文献】
「成長ホルモン」と筋トレの関係
筋肉との関連において「成長ホルモン」は、アミノ酸のタンパク質合成を高め、筋肉を修復する働きを持つため、筋肉をつけるためには欠かせない物質です。
筋トレをすることで筋肉内に乳酸や水素イオンなどの代謝物が溜まります。そしてそれらの代謝物が、筋肉の中にある外部から危害が及んだことを感知する感覚器である「侵害受容器」を刺激します。その刺激によって「侵害受容器」が脳に信号を送り、脳に送った信号が脳下垂体に伝えられることで、「成長ホルモン」は分泌されます。
「成長ホルモン」を増やすメリット
その他にも、皮膚の表皮細胞の代謝を活性化させたり、毛根の細胞を活性化させたりという働きもあるため、シワを薄くしたり、高齢者の髪の毛量を増やしたりと若返り効果も期待できます。
そして「成長ホルモン」には、脂肪の分解を促進する働きがあるためダイエット効果もあったり、免疫力を向上させる働きもあったりと、様々な効果を期待することができるホルモンなのです。
【参考文献】
テストステロンは筋肉を成長させる効果など、男性に分泌されるイメージが強いでしょう。テストステロンとは何なのか?筋トレとどう関係があるのか?分泌されすぎるとハゲるというのは本当なのか?詳しく解説します。
「成長ホルモン」を減らしてしまうトレーニング
しかし、有酸素運動後に筋トレを行ってしまうと成長ホルモンの分泌はされなくなり、脂肪も分解されません。筋トレをする部位の筋肉が大きいほど「成長ホルモン」の分泌は活性化されるので、脚、背中、胸などの筋肉が大きい部位を先に筋トレしてから、有酸素運動を行うのが筋肉をつけながら脂肪を燃焼させるための最も有効なトレーニング方法でしょう。
【参考文献】
「成長ホルモン」を増やすための方法
「成長ホルモン」を増やす物質
アミノ酸には「成長ホルモン」の分泌を促すような効果を持つものがあり、リジン、オルニチン、アルギニン、グルタミン、シトルリンなどがあります。
これらのアミノ酸を摂取することにより、「成長ホルモン」の血中濃度が数倍に上昇したという研究結果が多く発表されています。しかしアミノ酸を一度に多量に摂ると、下痢を引き起こすことがあるので、こまめに摂取しましょう。
・アシュワガンダ
「アシュワガンダ」はナス科のハーブであり、インドの伝統的民間療法であるアーユルベーダにも記載されています。
「アシュワガンダ」には、タンパク質を取り込み筋肉を作る作用や、成長ホルモンの分泌を促進する効果を期待できます。
魚介類のタンパク質
筋肉をつけるためには、筋肉の材料となるタンパク質を摂取することが必要です。
タンパク質は様々な食材に含まれていますが、肉類は人間の筋肉とアミノ酸の組成が近く、筋肉の材料として効果的です。魚介類は人間の筋肉とアミノ酸の組成が少し離れているものの、アミノ酸であるアルギニンが多く含まれています。
アルギニンは「成長ホルモン」の分泌を活性化する働きがあるだけでなく、筋肉を大きくさせるために必要と考えられている一酸化窒素の材料となります。
よって肉類だけからタンパク質を摂取するのではなく、魚介類も摂取することが「成長ホルモン」を増やすために重要なのです。
質の良い睡眠
睡眠時の「成長ホルモン」の分泌量は、入眠する時間帯ではなく睡眠の質に関係します。「成長ホルモン」は入眠から3時間の間に多く分泌されるため、入眠してから早い段階で深い睡眠である「ノンレム睡眠」に持っていくことが質の良い睡眠をとるために重要です。
「ホリスティック法」
「ホリスティック方法」をすることで成長ホルモンの分泌がよくなるだけでなく、高負荷で得られる「筋力」と高回数することで得られる「筋持久力」の両方を向上させることができます。
「加圧トレーニング」
「加圧トレーニング」とは、腕や脚の付け根に専用のベルトを巻いて血流に制限ををかけながら筋トレを行うトレーニング方法で、専門家の指導のもと行う必要があります。
「加圧トレーニング」では筋肉内が低酸素状態になることで乳酸などの代謝物が溜まり、筋肉の代謝される環境が過酷になります。この筋肉内の変化が「成長ホルモン」の分泌を活性化させます。
普通に行う筋トレでも「成長ホルモン」は分泌されますが、「加圧トレーニング」では負荷が軽くなるため疲労が残りにくく、高頻度で行うことができるメリットがあります。
「成長ホルモン」を増やすための筋トレ
スクワット
スクワットでは大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を鍛える筋トレです。スクワットは、大きな筋肉である下半身の筋トレであるため、「成長ホルモン」を多く分泌することが期待できます。
①つま先をやや外側に向けた状態で両足を肩幅程度に開きます。腕は胸の前で交差させるか、地面と水平になるように並行にまっすぐ伸ばしましょう。これがスタートの姿勢です。
②ゆっくりと腰を降ろしていきます。このとき、お腹に力を入れて、腰が丸まらないように背中を真っ直ぐに保ちましょう。また、膝が内側に入らないように膝はつま先と同じ方向を向くよう意識してください。
③太ももと地面が平行になる位置まで腰を降ろしたら、ゆっくりとスタートの姿勢に戻っていきます。
一連の動作を1回と数え、1セット10回を3セット程度行いましょう。
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