ケトジェニックダイエットとは?なぜ痩せる?その理由を徹底解説!

監修者

田中哲

加圧トレーニングインストラクター

さまざまなダイエット方法が存在する中、結果が出ずに悩んでいたり停滞期で数字や身体に変化がない日々が続いている方。一つの新しい刺激としてケトジェニックダイエットというダイエット方法をご紹介します。

ケトジェニックダイエットとは?糖質制限と何が違うの?

最近ケトジェニックダイエットという言葉を聞きましたが、どんなダイエットなんですか?

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

簡単にいうと糖質制限なのですが、エネルギー源を変える(体質変化)ようなものだと考えています。

糖質制限はダイエットにおいて切っても切り離せない課題になってきていますね。
ですが、糖質制限しても痩せなくなってくると焦りが出てさまざまなダイエット情報を調べて試す方も多いのではないでしょうか?そこでケトジェニックダイエットに辿りついたという方もいるかと思います。

ケトジェニックダイエットはケトン体という物質が必要になってきます。

ケトン体とは

ケトン体とはアセトン・アセト酢酸・β-ヒドロキシ酢酸の3つの物質の総称で、体内にあるブドウ糖が枯渇する事で肝臓から作られる物質がケトン体になります。
これは本来、人間の身体はブドウ糖をエネルギーとして使うのですが、体内のブドウ糖を枯渇させる事で脂肪をエネルギー源として使うように身体を変える体質変化になります。脂質を中心にエネルギーを生み出す事を「ケトン体回路」と呼び、糖質中心にエネルギーを生み出していたエネルギー代謝回路ではなくなります。

人間の身体には大きく3つのエネルギー代謝回路が存在しており、解糖系代謝回路糖新生代謝回路ケトン体回路とあります。

1.解糖系代謝回路は糖質を摂取しブドウ糖を生成し、各細胞をエネルギーへと変化させます。そして消化しきれなかったブドウ糖は肝臓で蓄積され中性脂肪として身体に蓄えられます。

2.糖新生代謝回路は先程の中性脂肪をブドウ糖に再利用してエネルギーを作る代謝の事です。タンパク質を摂取し、蓄えた脂肪からアミノ酸を生成し、そこからブドウ糖へと変化させます。これは一時的に食事が摂れない(空腹状態)時に、体内に蓄えていたエネルギーを使う回路になります。

3.そしてケトン体回路です。基本的には食事コントロールをしなければこの回路を使う事は出来ません。

説明は上記の通りとなります。

ケトン体は酸性で通常身体はアルカリ性を維持させるのが好ましいのですが、ケトン体を体内で増やす事で身体が酸性となり体調が悪くなる場合もあります。またケトン体は体臭や口臭にも影響するとされていて、ケトン体が多い状態を長期的に行うのは止めた方が良いかもしれません。

ブドウ糖と比べてエネルギー変換も少なく、ケトン体が溜まってくるとストレスや疲れやすくなったりします。

さて、上記のように身体に影響も出ますが、このケトン体を身体で使えるようになることで脂肪をエネルギーとして燃焼させていきます。これをケトーシスと呼び、血糖値を適切に保つ為に肝臓で糖新生というものが行われます。
糖新生とは脂肪やアミノ酸などからグルコースを作りだすものになります。

プロテイン(タンパク質)・脂質の摂取が重要!

このケトーシスの状態を保つには、低糖質・中タンパク質・高脂質の食事が重要になってきます。
食事メニューはなるべく炭水化物(糖質)を避け、効果に個人差はありますが1日20〜60gの糖質摂取にすることでケトーシスになりやすくなります。カロリーは気にする必要がないとの事ですが、体重の数値が気になるのであれば多少カロリーも意識しながら行わないといけません。

タンパク質は1日あたり体重1kgに対して1.2〜1.6gが必要になってきます。
※体重50kgの方であれば、60〜80gのタンパク質が1日に必要になります。

小食の方ですと(特に女性の方)お肉やお魚で摂取するには少しキツイと思うので、プロテインなどをうまく使ってタンパク質を摂取して下さい。

また食物繊維やミネラルを摂取も忘れないようにしたいです。
食物繊維は水溶性・不溶性合わせて20g以上、ミネラルはカリウム・カルシウム・マグネシウムが必要となります。葉物野菜やきのこなどで食物繊維を摂取し、根菜類やいも類は糖質が高いのでケトジェニックダイエットでは避けるようにしましょう。

そして脂質です。脂質も何でもよい訳ではなく、オメガ3脂肪酸と呼ばれる必須脂肪酸を摂ります。
普段の食事では中々摂りにくく、亜麻仁油・えごま油・フィッシュオイルなどから摂取する事が出来ます。オメガ3脂肪酸は酸化しやすく熱に弱い性質を持っている為、サラダにかけて摂取できると良いです。

最近ではMCTオイル(ミディアム・チェイン・トリグリセリド)日本語訳で中佐脂肪酸トリグリセリドと呼ばれ、一般的な食用脂肪の長鎖脂肪酸と比べ、消化吸収や代謝速度が早く、消化する際に肝臓ですぐに分解されケトーシスになりやすいことから注目をされています。
これはココナッツオイルなどに多く含まれています。

ケトジェニックダイエットを行う上での注意点

このケトジェニックダイエットを行う上で、いくつか注意点があります。まず、行う期間は長期間行わないことです。

目安として期間は2週間となります。最長でも1ヶ月以内と短期間でのダイエット方法になります。
身体に合う・合わないは個人差があるので数日取り入れてみて、身体に支障が出るようであればやめましょう。

次に低炭水化物・高脂質を摂るという事です。
ケトジェニックダイエットは脂質を多く摂る事でケトン体を作り出します。ただ脂質ならどれでも良いわけではありませんので、前述した油を積極的に摂るように心がけましょう。

また、筋肉を極力減らさないことも重要になってくるので、定期的な筋肉トレーニングが必要です。トレーニングを継続して行っている方は挙上重量が少なくなったりするので、筋肥大目的の方は効率が悪いです。
そもそもトレーニングを定期的に行っているのであれば、糖質制限する自体効率が悪く思います。

糖質制限を行った事がない方はいきなり糖質を20gにするのではなく、徐々に糖質を減らしていくようにして身体を慣らしていきましょう。
ある程度ストレスを感じなくなってからケトジェニックに移行すると良いかもしれません。

あるメディアであったり、ご質問を頂きますがケトジェニックダイエットはカロリーを気にする必要はないと言われます。ですが低炭水化物の食事であったり高脂質・高タンパク質の食事でも収支カロリーが多ければ太ります。中身がどうであれ、カロリーが重要という論文は多くあります。もちろん中身も重要ですよ。

カロリーが減るのはあまり好ましくなく、長期的なダイエットであったり運動習慣のない方は無理にケトジェニックダイエットを行う必要はないかと思います。

なかなか正しく実践するのは難しそうですね…。ダイエット効果自体は高いんですか?

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

はい。結論として効果は高いです。

ケトジェニックダイエットの効果としては短期的に体脂肪や体重を落としたい方には高い効果が出るのではないかと思います。
よくボディコンテストに出られる方も行うダイエット方法になので、ある程度引き締めて体脂肪が少ない状態から更に減量できることから中級~上級者向けのダイエット方法かなと感じます。

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

ケトジェニックダイエットは健康な方向けのダイエット方法なので、糖尿病や腎臓・肝臓に問題のある方は主治医の相談の下行うようにして下さい。
自分が今どのような状態でどの期間ダイエットするのかであったりを見極めて、ケトジェニックダイエットが最適でストレスがないのか今一度考えてみて下さい。

【あわせて読みたい】