スクワットのカロリーは?ダイエットに最適なスクワットのやり方を解説!

監修者

赤羽 和希

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

【プロトレーナー解説】筋トレの王様と呼ばれるスクワット。やればやるほどカロリーを消費できる??自己流のやり方でも効果は出せる??スクワットにおけるダイエット効果と、鍛える部位を意識した効果的なスクワットのやり方を解説致します。

スクワットの消費カロリーはどのくらい?

スクワットと言えば誰もが知っているメジャーなエクササイズであり、スクワットは筋トレの王様と呼ばれています。その理由は、スクワットが下半身をメインとしながらも全身をくまなく使うトレーニングメニューだからです。

スクワットで鍛えられる身体の部位は、太ももの前側、太ももの裏側、お尻、そして内腿やふくらはぎと、まさに脚全体。身体の筋肉の約70%は下半身に集中しているので、そのほとんどを同時に鍛えることは非常にメリットがあります。
スクワットでは上半身を起立させておくことも重要なので、フォームをきちんと作れば、背筋と腹筋も鍛えることができます。

なるほど、スクワットは全身運動なんですね。ということは、スクワットの消費カロリーってかなり大きいんですか?

赤羽 和希監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

ダイエットといえば、いかに脂肪を燃やすかということがポイントですから、消費カロリーは気になりますよね。一緒に計算してみましょう。

カロリー消費を表すMETs

あくまで理論上の数値にはなりますが、消費カロリーはMETs(メッツ)によって算出することが可能です。
METsとは、「Metabolic equivalents」の略で、活動・運動を行った時に安静時の何倍のカロリーを消費(代謝)をしているかを表しています。
例えば、軽い階段の昇り降りは3.0METsなので、これは安静時に比べて3.0倍のカロリーを消費することを意味します。

METsを使った消費カロリーの計算方法

METs(メッツ)から消費カロリーを算出するには次の計算式を使います。

消費カロリー(kcal)=1.05 × METs × 時間 × 体重(kg)

例えば、先ほどの3.0METsの階段の昇り降りを、体重50kgの人が1時間行った場合の消費カロリーはどれくらいかというと…
1.05 × 3.0(METs) × 1.0(時間) × 50(kg)= 157.5(kcal)
上記運動時の消費カロリーはこのように計算することができます。

スクワットの消費カロリーを計算してみよう

では実際に、METsの式を使って、スクワットの消費カロリーを計算してみましょう。

ここで問題になるのは、スクワットにおけるMETsの値。国立健康・栄養研究所の『改訂版 身体活動のメッツ(METs)表』を参考にすると、スクワットは「コンディショニング運動」項目の「レジスタンス(ウエイト)トレーニング」に該当するので、METsの値は5.0となります。

次に、運動を継続する時間。METsの式では、運動時間の単位が一時間ですが、スクワットをひたすら一時間続けるというのはあまり現実的ではありません。今回は初心者の方でも頑張れそうな10分(1/6時間)で計算してみましょう。

5.0METsのスクワットを、体重50kgの人が10分間行った場合の消費カロリーは、
1.05 × 5.0(METs) × 1/6(時間) × 50(kg)= 43.75(kcal)

えっ、たったこれだけ!?
ダイエット目的でスクワットの消費カロリーを知りたかったという人には、なかなかショックな結果ですよね。そうなんです。スクワットの消費カロリーは、実はそんなに多くないのです。
ちなみに、METsによる消費カロリーの計算には個人差があるので、数値はあくまで参考程度と考えてください。特にスクワットは、その人の筋力レベルや実践方法によって誤差が出やすい項目です。

スクワットの消費カロリーがたったこれだけとは意外でした。スクワットを頑張ってもダイエットとしてはほとんど意味がないのでしょうか?

赤羽 和希監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

いえいえ、そんなことはありません。スクワットには、カロリーを消費するということ以外に重要なダイエット効果があるんですよ。ご説明致しますね。

スクワットにおけるダイエット効果とは

ダイエットの大前提は、
摂取カロリー < 消費カロリー
にすることですが、そもそもダイエットにおけるスクワット(筋トレ)は、消費するカロリーを増やすことが目的ではありません。

ダイエット効果① 脂肪を分解する

カロリーを大量消費したいなら、効果的なのは有酸素運動です。有酸素運動というのは、走る、泳ぐ、自転車を漕ぐなど、酸素をエネルギーとして取り込みながら行う運動のこと。
一方、筋力トレーニングは、酸素ではなく糖質をエネルギーとして使用するので、無酸素運動と呼ばれています。

この有酸素運動と無酸素運動が体脂肪に対してどのように作用するかというと、
有酸素運動は脂肪の「燃焼」
無酸素運動は脂肪の「分解」
と、脂肪に対する作用が異なります。

「燃焼」と「分解」、どちらも脂肪がなくなるってことではないのですか??

赤羽 和希監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

そういったイメージをお持ちの方はとても多いようですが、「燃焼」と「分解」は全く違う働きなんです。

簡単に言うと、
体脂肪の「燃焼」とは、脂肪をエネルギーに変えて消費すること。
体脂肪の「分解」とは、脂肪を「燃焼」できるようにスタンバイさせること。
すなわち、体脂肪はまず「分解」しておかないと、「燃焼」して消費されないのです。
つまり、体脂肪を効率的に燃焼するためには、走ったり泳いだりする前に、先に筋トレを行うべし!ということなんです。

ダイエット効果② 基礎代謝が上がる

体脂肪を分解する以外にも、スクワットをすることでその直後から代謝が上がり、且つ代謝の高い状態を維持できるという効果もあります。
代謝が上がる = 身体を動かすことで消費されるエネルギーが増える
ということですから、スクワットによって直接消費するカロリーがどれくらいかということではなく、その後の生活動作における消費カロリーが底上げされるという点がスクワットのメリットです。

基礎代謝が上がり、太りにくい身体、痩せやすい身体になるということですね。

ダイエット効果③ 下半身の筋力がアップする

筋肉を全く使わずに生活していると、1日に1%の割合で筋力は低下していくと言われています。とりわけ下半身の筋肉は衰えやすいという特徴があり、上半身に比べて約3倍のスピードで筋力が落ちていくそうです。それにも関わらず、全身の約70%の筋肉が下半身に集中しているのですから、これらを鍛えなければ基礎代謝はどんどん落ちていく一方です。

多くの女性が、30代後半を機に基礎代謝の低下を感じ、脚やお尻など下半身痩せに悩んでいるのも納得の結果ですね。

逆に、スクワットで下半身をしっかりと鍛えることができれば、ダイエット効果はぐっと高まります。

​消費カロリーは多くないものの、ダイエットにスクワットは不可欠なんですね。ただ、自己流のスクワットで効果が出せるかどうか不安です。

赤羽 和希監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

正直、スクワットは正しく行うことが難しいエクササイズではあります。でも、その分効果は高いので、ぜひマスターしてもらいたいですね。次は、ダイエットに効果的なスクワットのやり方をお伝え致します。

ダイエット効果を高めるスクワットのやり方

スクワットで大切なのは、股関節を使うこと。股関節をしっかり使うことで、大殿筋や太もも裏側のハムストリングスなどお尻周りの筋肉が動員されます。
股関節をしっかり使ったスクワットをマスターすれば、太もも裏側のたぷたぷを引き締め、ヒップアップが叶います。

ポイント① 股関節をしっかり使う

実際には、股関節を使わずにスクワットをしている人がほとんどで、多くの場合、膝の屈伸運動がメインとなってしまっています。

❌ しゃがみ込む時に膝を前に突き出す動きが大きく、股関節の動きよりも膝の前後の動きの方が大きくなっている。
❌ お尻が真下に下がっていくような動きをしている。

これでは大殿筋やハムストリングスではなく、太もも前側の大腿四頭筋ばかりが疲れてしまい、ヒップアップどころではありません。

股関節をきちんと使うためのポイントは、

⭕️ 膝を前に突き出してしゃがむような、膝の前後運動をしない。
⭕️ お尻は、下げるというより後方に引くイメージを持ち、股関節を深く曲げる。

ポイント② 上半身も気を抜かない

スクワットは下半身の大きな筋肉を使うエクササイズではありますが、上半身の使い方も非常に重要です。

ひとことで言えば背中を丸めないことが大切なのですが、背中が丸まり肩甲骨が開いた状態で、且つ上半身を前に倒してしゃがむ人が大半です。
背中が丸まると股関節の屈曲が入りにくくなるので、やはり大殿筋やハムストリングスに効きません。
この場合、同時に肩がすくむ動作も生じることが多いので、首筋から肩の辺りが疲れてしまうこともあります。

上半身のポイントは、

⭕️ 肩甲骨の下部を寄せるようにして胸を張り、背中が丸まらないようにする。
⭕️ 肩および肩甲骨を下げるようにして、肩がすくまないようにする。
⭕️ お腹に力を入れて、背中は真っ直ぐ起こしておくイメージ。

このポイントを意識することで、腹筋と背筋も使うことになり、スクワットが下半身だけでなく全身の運動になります。

ポイント③ 膝の向きと土踏まず

次は脚の使い方について。スクワットの足幅は、肩幅かそれよりちょっと広いくらいが基本です。
ここで大切なのは、常に膝とつま先が同じ方向を向いていること。聞くだけなら簡単そうですが、女性の場合、必ずと言っていいほど膝が内側に向いてしまいます。内ももに力が入っていないとこのように膝が内側に倒れてしまうので、ハムストリングスだけでなく内転筋も意識して行いましょう。

また、足部の使い方も重要です。多く見かける足部のNGパターンは、足の指を握ってしまうケース。足の指をギュッと握って土踏まずが丸まってしまうと、足裏から身体への力の伝わり方が崩れてしまうので、やはり股関節やお尻をうまく鍛えることができません。足指の力はほどほどに抜きましょう。

ポイント④ 重心の取り方

最後は重心の取り方。ここまでのポイントを押さえてスクワットをしてみると、つま先の方に重心が乗る人もいれば、踵(かかと)に重心がいく人もいると思います。結論から言うと、今回は踵に重心を乗せて行うことをお勧めしますが、つま先重心が間違っている訳ではありません。メインで鍛える筋肉が異なるという違いがあるだけで、それぞれにメリットがあります。

ただし、今回はダイエット効果を考えてお尻や裏ももを鍛えたいので、重心は踵にします。次のようなイメージで動いてみてください。

• 踵に体重を乗せていくイメージでしゃがむ。
• 踵で床を押しながら、踵とお尻を遠ざけるイメージで立ち上がる。

立ち上がる際に、お尻や太ももの裏側が活動しているのを感じることができればパーフェクトです。
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回数の目安とスクワットのバリエーション

赤羽 和希監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT、加圧トレーニングインストラクター、BESJマットピラティストレーナー、BESJマスターストレッチトレーナー、JCCAベーシックインストラクター

先ほどまでのポイントをしっかりマスターしたら、あとは実践あるのみです!

初心者の方であれば、まずは15回を3セット程度から始めていきましょう。
慣れてきたら、5回ほど増やし20回を3セット。さらに余裕が出てきたら25回を3セット…と、徐々にステップアップしていきます。
ダンベルなどの重りを持たない自重のスクワットであれば、1セットあたり50回くらいできればいいと思います。

基本のスクワットが上達したら応用編にチャレンジ

同じエクササイズばかりを続けていると、身体が慣れてきて効果が出にくくなります。
基本のスクワット50回であまり疲れなくなってきたら、やり方に変化をつけてみましょう。

今回はスクワットのバリエーションとして、ワイドスタンススクワットをご紹介致します。ワイドスタンススクワットとは、足幅を広くとって行うスクワットのこと。立ち上がる時に脚をしっかり開いておくことで内転筋に負荷が掛かるので、内もものぷよぷよを取りたいと願う女性にはもってこいのエクササイズです。
基本のスクワットと組み合わせて、ぜひこちらにもトライしてみてください。

スクワットは難しいエクササイズではありますが、ポイントをしっかり押さえて正しいやり方で行えば、高いダイエット効果が期待できます。少しずつ回数を増やしながら、あなたの目標を目指して頑張ってみてください。

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