【専門家解説】1日断食とは具体的に何をやるのか?その効果とは!?1日断食は、ダイエット目的というよりもダイエットへ向かう準備の時間、そしてダイエットの途中の休息の時間。健康で美しく痩せるために断食を賢く活用しましょう。
断食・ファスティングとは?
最近なんだか太ってきてしまって・・・。今までと生活は変わっていないのですが・・・。
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
年齢を重ねると年々代謝が落ちてきて、今までと同じ生活をしていても残念ながら少しずつ太ってしまうんですよね。
でも、忙しくてジムに行って運動する時間もなかなか取れないし、付き合いで外食も多くて・・・。いっそのこと今はやりのプチ断食とかした方がいいんでしょうか?
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
プチ断食にもメリットとデメリットがあるので、説明していきましょう!
基本的には準備期間→本断食→回復という段階をふみ、専門家の指導の下で行うものですが、近年では1日断食やプチ断食(週末2日間等)といわれる、手軽な断食が流行っているようです。断食のそもそもの目的は人それぞれだとは思いますが、ここではダイエットと健康という観点から見てみましょう。
1日断食のやり方
①前日の夜に軽めの夕食(繊維などの多くない、消化の良いもの)を摂ります。
胃腸への負担が少ないよう、21:00前には終了していた方が良いです。
②そして翌日、本番の日は、朝から水分のみの摂取。(水、白湯。2リットルは摂れると良いです。)
どうしても空腹が我慢できない場合は、味噌汁の汁を薄めたもの等を摂ります。
③本番の日を終了して翌朝は、回復食的なものとして、味噌汁やおかゆなどで胃腸を慣らします。
昼から通常の食事に戻して問題ないですが、せっかく一日断食をしたので、内容に気を付けたいところですよね。和食をよく噛む等でいいでしょう。引き続き水分もたくさん摂りましょう。
1日断食の効果
①体重が落ちる
普段の食事内容にもよりますが、一日食事を摂らなかったことでむくみも大幅に改善されるため、2~3kg体重が落ちる方もいます。とはいえ、通常の食事に戻せばもちろんすぐに元に戻ります(涙)。しかし、がっかりすることばかりではありません。食べ物が入ってこなかった分、普段フル回転している内臓たちはゆっくりを休めていますので、体重の減り以上に、身体が軽く感じるはずです。
②味覚が研ぎ澄まされ、薄味でも満足感を得られるようになる
一日食事をしていないため、味覚が敏感になります。
③集中力がアップ
特に普段小麦製品を多く摂取されている方は、一時的にグルテンの摂取が下がりますので、更に実感できると思います。
④お腹スッキリ
排泄に関しては、こちらも個人差がありますが、1日~2日便秘気味になります。通常食に戻ると宿便が出て、通常の便に戻るパターンが多いです。宿便がかなり出る方もおり、お腹の中がすっきりとした感覚を感じられると思います。
【プロトレーナー解説】便秘になるとお腹がポコっと出たり張ったりして苦しいし太って見えてしまいます。太る原因にもなる便秘ですがなぜ便秘で太るのか、またその解消法をご紹介しながら解説していきます。
1日断食のメリットとデメリット
1日断食の一番のメリット
たった一日だったとしても、空腹を味わうことにより、命をいただき、命をつないで生きることを改めて知り、また、食事ができることの有難さを思い出し、食材に関わってくださっている全てに心から感謝が沸き上がることにより、自分の身体の声を聴き、「その時」に「本当な必要なもの」を、「必要な分だけ」いただくことができるようになります。そして、日々休まず活動し続けてくれる自分の身体を今まで以上に大切にすることができるようになります。
1日断食のデメリット
①1日断食をしたことがストレスになり、翌日からドカ食いをしてしまう
太ってしまったことに罪悪感を抱いて最終手段として断食を始めたり、常日頃「痩せたい」と思いつつ食べ過ぎてしまう自分、運動できていない自分が許せていなかったりと、ストレスを抱えた状態で断食をすると、断食をしたこともストレス(我慢)になってしまい、終了した瞬間にドカ食いをしてストレスを発散しようとしてしまうことがあります。
②低血糖、頭痛、冷え等を引き起こす可能性がある
個人差はありますが、たとえ一日とはいえ、身体が通常と異なる状態になるため、上記のような症状が現れることがあります。
③ホルモンバランスを崩す可能性がある
食べ物が入ってこない状態が続くと、身体が危険を感じるときにでるホルモンが分泌され続け、無理が生じます。そのため睡眠障害、イライラや不安感、湿疹等の症状が出ることがあります。
④筋肉量が減少する可能性がある
食べ物が入ってこないと、身体は生きていくために必要なエネルギーを筋肉や肝臓から補います。残念ながら、脂肪ではなく筋肉も落ちます。
⑤「食べない」ダイエットをはじめてしまうきっかけになる
断食で体重が落ちたことが嬉しくて、「食べない」ダイエットをはじめてしまう方も多いです。
「食べない」ダイエットは太りやすい身体を作る
「食べない」ダイエットはやはりだめなんですか?断食した勢いで食べる量を減らせたら効果的なのではないですか?
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
「食べない」というよりも、その内容が重要です。また、入ってくるエネルギーが少なすぎると太りやすい身体になってしまいます。エネルギーが入ってこないと、身体は飢餓状態になり、脂肪をため込もうとします。体重は減ったものの、体脂肪率は減るどころか、逆に増えてしまい、生活習慣病の症状が出てきたりします。
「食べない」ことを意識するのではなく、「何を」「どれくらい」食べるのかを意識していただきたいと思います。となると、筋肉をつけて健康で美しい身体を作るためには1500キロカロリーでは足りないのです。
1日断食のデメリット対策方法
①「1日断食をしたことがストレスになり、翌日からドカ食いをしてしまう」に対する対策
・1日断食がストレスにならないよう、事前に準備をする
・始める前に「そもそもなぜ1日断食をするのか」理由や目的を書き出す。書き出したら、目につくところに貼っておく。
こちらはメンタル面での準備です。理由や目的はただ「痩せたい」ではなく、「〇〇のブランドのジーンズをかっこよく履きたい!」、「今年こそ夏にビキニを着たい!」、「内臓を休ませて、内側からクリーニングをし、穏やかな日常生活に繋げたい」等、できるだけ具体的に書き出しましょう。そして、こちらが一番重要なことですが、『ワクワクする』理由、目的を書きましょう。
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
ご自身にとって、『ワクワクする』理由、目的であればあるほど、成功する確率が高くなります。ここは時間をかけてしっかりご自身と対話していきましょう。
1週間程から準備をすると良いでしょう。
ドカ食いをしてしまうタイプは、食べることでストレスを解消する方が多いです。翌日食べられないというプレッシャーで、断食前日に大量に食べてしまい、そして、断食終了後にドカ食いをしてしまう傾向があるため、徐々に準備をし、メンタル面をフォローしていきます。
アルコール、砂糖、グルテンが抜けていくとそれだけでも頭がすっきりし、むくみがとれ、身体が軽く感じるので、断食に向けてモチベーションを保ちやすくなります。
・断食日記をつける
体重、体脂肪、食べたもの、摂取した水の量、気分等、1日断食の1週間前から断食終了の翌日くらいまで日記をつけてみると、振り返りができ、モチベーションが保たれます。
②「低血糖、頭痛、冷え等を引き起こす可能性がある」及び③「ホルモンバランスを崩す可能性がある」に対する対策
水分量の調整と準備食に気をつけましょう。
・普段より水分量を多めに摂る
1日断食中は食事をすることにより入ってくる水分が極端に減ります。身体に水分が不足すると、頭痛等を引き起こすことがるため、最低でも2リットル以上の水分は摂取しましょう。
・準備食から始める
2日ほど前から、消化の良いものを意識して摂り、また、量も腹八分目→腹六分目と徐々に減らしていきましょう。特に初めて1日断食にチャレンジされる方、貧血気味の方にお勧めいたします。
④「筋肉量が減少する可能性がある」に対する対策
1日断食中もプロテインは摂取する
ちなみに、タンパク質を構成する9種類のアミノ酸はバランスが非常に大切です。アミノ酸1種類1種類を桶の板に例えるとしましょう。1枚の板だけ高さが低いと、そこから水が溢れて出て行ってしまいます。せっかく他の8枚の高さが一緒でも、1枚の板の高さが低いと水は低い板に合わせて分しか溜めることができません。大変もったいないですよね。ということで、プロテインを選ぶ際にはアミノ酸スコア100を目安にしてくださいね。
また、食材でアミノ酸スコア100のものを例としてあげておくと、卵、牛乳、大豆、豚肉(ロース)、鰺(生の状態で)等があります。ご活用ください。
ちなみに、ダイエット中のプロテインの摂取の仕方については以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。
プロテインがダイエットに効果的であるということをご存知でしょうか?飲めば痩せる、というものではなく、食事を置き換えるのにはプロテインは最適なのです。そのメカニズムを知り、ダイエットに活用してみてください。
⑤「「食べない」ダイエットをはじめてしまうきっかけになる」に対する対策
正しい知識をつける
正しい知識を身に付けていれば、食事を摂取しなければ筋肉が減少する→基礎代謝がダウン→リバウンドし、これを繰り返すことにより、どんどん痩せにくい体質になることがわかります。
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
正しい知識を身に付けているトレーナーの話を聞いたり、正しい情報を発信しているwebサイトや本などでぜひ学んでいただき、ご自身だけでなく、周りのご家族やお友達も健康にしてさしあげてくださいね。
断食はダイエット目的ではなくリセット目的で
パーソナルトレーナーの観点からお話をさせていただければ、ダイエットのためには断食は積極的にはお勧めしておりません。
理由は、やはり筋肉を分解する時間を作りたくないということと、また、反動が出やすい方が多いからです。一時的に体重が落ちるので、その際はモチベーションが上がるのですが、通常の生活に戻ればもちろん体重も戻ります。そうするとまた体重を落としたくなるのが人というもので、繰り返し断食を行うようになるのですが、身体は学習しますし、また、年齢も重ねていきますので徐々に体重が落ちにくくなります。
すると、それがストレスになってしまい、身体づくりをすることが楽しくなくなってしまうんですね。太ったということは、基本的には必ず太った原因があります。それをまずやめること。そして、さらに健康的になるために、快食・快眠・快便、心地よい運動をして、たくさん笑って過ごすこと。毎朝目覚めるのがワクワクする毎日を過ごすためには基本的なことを続けていくのが一番の近道なんですね。
三口 めぐみ監修トレーナーからのアドバイス
加圧トレーナー、BESJピラティス、睡眠栄養アドバイザー、耳ツボジュエリー認定講師。一人一人の姿勢や動作の癖、それぞれが持つ特性を活かし、日常生活につなげていけるトレーニングを開発し、ボディメイクパーソナルトレーナーとして活動中。
ということで、外食続きだったときや、なんだか胃腸の調子が良くないときなどに、リセットするため、また、ヒーリングやリラックスのためにご自身のタイミングで断食をされることをお勧めさせていただきます。
今、話題のファスティングですがファスティング後には回復食が不可欠です。なぜ、回復食が必要なのか、ファスティングとはどういった目的で行うべきなのか様々な観点から解説します。