【プロトレーナー解説】便秘になるとお腹がポコっと出たり張ったりして苦しいし太って見えてしまいます。太る原因にもなる便秘ですがなぜ便秘で太るのか、またその解消法をご紹介しながら解説していきます。
便秘になる原因とは?
便秘で太る経験をしたことがある女性って多いみたいです。ダイエットをしたいのに便秘で体重が減らないときはどうすればいいのでしょうか?
高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス
日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
便秘で太るというのは実は一部誤解だったりします。便秘になる原因と解消方法について見ていきましょう。
運動不足
原因の1つに運動不足が挙げられます。便秘の時はお腹が苦しい状態なので運動をしたくないと感じる方も多いと思います。運動をしなくなると筋力、特に腹筋が衰えてしまいます。便を排出させるために腹筋を使いますが、この筋力が衰えてしまうと腹圧をかけることが難しくなり腸に刺激を入れることができず排出できなくなるので便秘になりやすくなるのです。女性に便秘の悩みがある方が多いのは男性より腹筋の力が弱いからと言われています。
食事の量が足りていない
ダイエットで食事制限をしている方などは当てはまりやすいかと思います。食事を減らすと便の量が増えず少なかったり、水分不足で便が硬くなり力んでも排出されづらくなるので便秘の原因になりやすいです。また、食事の中で普段摂っている食物繊維も便を排出させやすくするものなので摂取量が減ると便秘を引き起こします。
ストレス
ストレスが原因になることもあります。便を排出させるのは副交感神経という自律神経です。自律神経には緊張状態の時に働く交感神経とリラックス状態で働く副交感神経があります。リラックスした状態の時に便が排出されやすくなるのでストレスがあると交感神経が優位になり緊張状態になります。そのため腸も緊張状態になり動きが抑制されてしまい便秘の原因となってしまうのです。
便秘で太るのはなぜ?
しかし便秘での体重の増加は先ほども説明した通り大腸に溜まっている便の重さであり脂肪や筋肉の重さではありません。排出されれば体重からマイナスされ、減ったことになります。便秘で太るというのは体脂肪が増えた、といったことではありません。
一度便秘になってしまうと腸の動きは鈍くなり、活発化しにくくなります。腸内の悪い菌と言われる『悪玉菌』が増えさらに便秘の症状を悪化させたりと身体に悪影響を及ぼすようになります。便秘が便秘に拍車をかけて体重増加につながる結果となってしまうのです。
便秘を解消すれば個人差はありますが1〜2kgほどは体重が減ることもあります。便は基本的に食べ物を口にしてから24〜48時間かけて体外に排出されます。1日3食きちんと食べているのであれば人の身体には常に便がある状態です。それ以上に体重が増えたりお腹が重く感じるほどであると余程の便秘ということになります。
便秘にも関わらず体重が減ってしまっている方は注意が必要です。体重が減るのは病気の可能性があるのでもしそのような傾向が見られたら病院で診てもらいましょう。
便秘の解消法を見つけよう
運動やストレッチをする
できるなら30分程度のウォーキングを行ってみましょう。運動する時間が取れないという方はストレッチをしてみましょう。立った状態で手を組んで上に伸ばし身体を横に倒して体側を伸ばすストレッチや仰向けで膝を反対側に倒してお腹を捻るストレッチなど腸に刺激が伝わり便秘の改善につながります。
高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス
日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
ストレッチはリラックスして行うために呼吸を止めずに行いましょう。
朝食をバランスよく摂る
忙しい朝は食事を抜きがちになりやすいです。朝食をとることで腸が刺激され体内も活動されるようになり排便を促す効果があります。食事の内容もパンなど単体の食事ではなく野菜・汁物・炭水化物などバランスよく摂取できるとより改善効果は高まります。
水分をとる
人は1日2リットルの水分をとることによって身体の中の水分が入れ替わると言われています。大体の方は2リットルの水は飲めていないと思いますので水分不足になっています。水分不足になると便が硬くなるので排出されづらい状態になってしまうのです。
しっかりと1日かけて水分をとることで便は柔らかくなり排出を促せるようになります。ただしコーヒーなどのカフェインが含まれるものは利尿作用があるので体内にとどまらず排出されてしまうので飲むのであれば水が最適です。
野菜・果物・ヨーグルトを摂る
乳酸菌は多ければ多いほど腸を活発化させてくれます。さらに腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制させて腸内環境を整えてくれる働きがあるのです。ヨーグルトに限らず、チーズや納豆などにも乳酸菌が含まれています。
便秘薬の効果は?薬を飲む時の注意点
最近ではドラッグストアでも便秘薬が買えるようになっています。薬で治るならと頼り切るのは注意が必要です。市販で売られているものでも病院で処方されてものでも副作用が認められています。
便秘薬の種類によって異なりますが腹痛・嘔吐・不整脈などが挙げられます。特に刺激性の下剤は直接腸に働きかけて活発化させるので作用が強く出ることがあります。また、刺激性下剤を常用することによって身体もその刺激に慣れてきてしまい、薬の効果が出にくくなります。そのため便秘の症状は悪化してしまったり、薬が効かないからといって飲む量を増やしたりしてしまうとそれがまた悪循環となって身体に耐性をつけてしまうので依存症になってしまうケースも問題となっています。
便秘薬をうまく使うには
薬の効果や副作用も個人差はありますが、やはり一番いいのは薬に頼りすぎないことです。先ほども説明した通り常用してしまうと便秘を悪化させてしまったりするのでまずは自分の生活習慣の見直しをして改善していきましょう。それでも改善されない便秘で悩んでいるのであれば一度医療機関に相談してみるのも1つの改善策です。
高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス
日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
特に初めて便秘薬を使う方は自分で判断せずに薬の効能や副作用を把握してから使うようにしましょう。
便秘の原因と解消法 まとめ
<原因>
○運動不足で筋力が衰えている
○ダイエットなどで食事の量が少なく、排出されづらい
○ストレスによる腸の緊張状態で排出されない
<解消法>
○運動不足の方は軽いウォーキングやストレッチを生活に取り入れる
○食事制限等を行なっている方は食事内容を見直して食物繊維など含まれるものを食べたり量を増やす
○ストレスが原因となっている方はストレスの原因を探し、リラックスする時間を自分の生活に取り入れてみる
○便秘薬に頼りすぎている方はよりひどくなってしまうことがあるのでどうしても薬を使いたい場合は専門医に相談する
便秘を改善するにはこれらの原因に自分が当てはまるか、自分の生活を見直して便秘の原因にあった改善策を見つけてみましょう。
高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス
日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200
改善させることにも焦りは禁物。自分に合った方法を見つけていくことが改善の一番の近道であり、生活習慣も見直せる機会になりますので便秘以外の身体の不調も良くなるでしょう。その結果、痩せることにも繋がっていきますよ。