【プロトレーナー解説】「登山に挑戦してみたいが、体力が心配で…怪我しそうで…」そんな登山初心者でも安心して山に登れるトレーニング方法をご紹介。登山に必要な体力要素を理解し、的確なトレーニングを行いましょう!
登山に必要な体力要素とは?
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
早速ですが、登山に向けたトレーニングでイメージ出来るものってなんですか?笑
僕の場合は体力が心配なので…ウォーキングとかですかね。(^_^;)
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
とても良い答えです!確かに有酸素運動は大切です。ですがウォーキングだけでは足りないんです。
筋トレ…ですか(T ^ T)
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
(笑)では先ず登山に必要な体力要素について解説しましょう!
登山に必要な体力要素① 【心肺持久力】
登山に敏捷性や瞬発性が必要かというと…そんなに重要ではないですよね。と言うのも、登山には球技などの「反応する」という要素が必要ないからです。
では登山に必要な体力要素とは何か? まず一つ目が心肺持久力。長時間登り続ける為には相応の体力が必要となります。加えて高い所に登るということはそれだけ気圧が低い位置に行くということ。地上よりも酸素が薄い中で身体を動かし続けるという能力も「心肺持久力」が必要となります。
心肺持久力を高める為には水泳やウォーキング・ランニングといった有酸素運動で鍛えることができます。
登山に必要な体力要素②【筋力】
実はここがとても重要なポイント!筋力と言っても様々で…登山に必要な筋力は「筋持久力」「最大筋力」そして「伸張性筋収縮能力」の3つです!
この3つの【筋力】についてさらに掘り下げて見ましょう!
登山に必要な3つの筋力とは?
登山に必要な【筋持久力】について
筋持久力とは、ある特定の負荷をどれだけ長い時間動かし続けるかを指す能力を言います。
登山の際、下半身の筋肉には、自分自身の体重、持っている荷物、そして斜面を登るという負荷が常にかかっている状態です。筋持久力が乏しい人は頂上に辿り着くまでに何度も休憩が必要となるでしょう。
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筋トレでは、筋瞬発力だけでなく「筋持久力」を鍛えることも重要です。では、実際に筋持久力のアップにはどんなことをすればいいのでしょうか?筋持久力鍛えるために必要な要素を、「トレーニングメニュー」「プロテインなどの栄養補給」の2つから解説していきます!
登山に必要な【最大筋力】について
せっかく登山を楽しむなら怪我なんてしたくないですよね…。階段の上り下りだけでも膝が…なんて方はなおさら心配だと思います。
一般的に、ランニングでかかる下半身への負荷は体重の2〜3倍だと言われますが、登山でも同等の負荷がかかっています。体重60kgの人だと120kg近くの負荷が下半身へかかるわけです。最大筋力が乏しい人は高負荷に耐えきれず膝を怪我するリスクが高くなるでしょう。
登山に必要な【伸張性筋収縮能力】について
登山は登って終わりではありません。次にやってくるのが下山です。実はこの下りの方が下半身にかかる負荷は大きいと言われています。
下りの際、モモの表にある大腿四頭筋は身体が前方へ転げてしまわないようブレーキのような役割を行っています。このブレーキこそが伸張性筋収縮という状態です。
例えるなら、ゴムバンドがギューっと引っ張られ引き伸びているような感じです。この引き伸ばされる負荷を耐える伸張性筋収縮能力が乏しいとブレーキがかからずに転倒してしまうかもしれません。
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大腿四頭筋は人体において最も大きい複合筋となります。意外と、この筋肉の正しい機能と鍛え方を知っている方は少ないかもしれません。日常生活やスポーツなどのあらゆる場面で使用されるとても重要な筋肉であり、ダイエットの際はこの筋肉が大きな味方となってくれます。
下半身の筋肉を鍛えるトレーニング
なるほど…ウォーキングだけでは足りない理由がわかりました!
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
では次に下半身の筋肉を効率よく鍛えるトレーニングを解説しましょう
実はこのスクワット、キングオブエクササイズと言われるだけあり下半身のみならず体幹まで鍛えられる万能トレーニングなんです。先ずはそのスクワットについて正しいフォームをおさらいしましょう!
スクワット(基本姿勢)
先ずは基本姿勢です。この基本姿勢は動作中でも常に変わりません。
足の幅は肩幅くらいに開き、つま先を正面に向けましょう。
背スジを伸ばし、お腹を引っ込めるように力を入れておきます。
アゴを引き、目線を前方に向けておきます。
スクワット(動作姿勢)
基本姿勢を意識したまま動作を行います。
しゃがんだ時に横から見て背スジとスネのラインをお互い平行にしましょう。そうすることで重心が前後に動かず足底にしっかりとかかります。
しゃがんだ時に正面から見てつま先と膝の方向を揃えましょう。膝が内側に入っていると怪我の原因となりますのでご注意ください。
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
よく「どこまでしゃがめばいいですか?」という声を聞きますが、もちろん深く出来ればより効果は高まります。しかし深さばかりに気を取られフォームを崩してしまっては意味がありません。必ず基本姿勢と動作姿勢をキープできる範囲の深さで行ってください。
より「登山」に合わせたスクワット
汗かいてきました!
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
フォームはバッチリです!ではこのスクワットをより登山向けメニューにアレンジしていきましょう!
筋持久力を意識したスクワット
筋持久力をトレーニングする際に重要なのが回数です。一般的な筋トレでは10回でセットを組みますが、筋持久力では「動かし続ける」ことが最も重要です。
そこでスクワットの基本姿勢が崩れない範囲の最も深くしゃがめるポジションで止まり、その深さのまま小刻みに上下立ちしゃがみ運動を30回繰り返してみましょう!慣れてきたら回数を増やしていきましょう!!重りを使わず自宅でも簡単に取り入れやすいですね!
最大筋力を意識したスクワット
基本動作の立ち上がる際に力強くジャンプを行いましょう!着地はスクワットの最も深くいけるポジションで止まります。その時に基本姿勢が崩れていないか確認をしてください。
慣れてきたら連続してジャンプ→スクワットで着地→そのまま力強くジャンプ→スクワットで着地を繰り返し10回行いましょう。高重量を扱うトレーニングではありませんが強い負荷をかけることで最大筋力をトレーニングできます。
伸張性筋収縮を意識したスクワット
スクワットの際の伸張性筋収縮の局面はしゃがむ場面です。そこでしゃがむスピードをゆっくりと行うことで伸張性筋収縮の能力を強化することができます!
一般的なスクワットでは立ち上がるスピードが2秒、しゃがむスピードが4秒と言われますが、ここはわざと20秒かけてしゃがんでみましょう!!その際にも基本姿勢・基本動作が崩れていないかを確認しながら行ってください。ポイントは「しゃがみ続ける」こと。
その場に止まって耐えていては、「ゴムバンドがギューっと引っ張られる…」ような伸張性の筋収縮ではなくなってしまいます。あくまでも下りで転ばない為のブレーキですので、カウントの間はしゃがみ続けることで筋肉を引き伸ばしてください。
慣れてきたらしゃがむスピードを30秒間、60秒間と長くしてみましょう!
原田 直生監修トレーナーからのアドバイス
JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー
スクワットの基本姿勢・基本動作は何があっても崩さずに!!
登山に合わせたトレーニングを
登山に適した身体を作るためには、まずは登山に必要な体力要素を理解することが大切です。
心肺持久力だけではなく、今回ご紹介したスクワットで登山に必要な「筋持久力」「最大筋力」「伸張性筋収縮能力」をそれぞれ強化し、怪我なく素敵な登山ライフを送られることを応援しております!
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