腕の筋肉痛の治し方|ストレッチや湿布を貼る場所について

監修者

府木 薫

健康体育学修士、健康運動指導士、PHI Pilatesインストラクター(Mat level.1,level.2 & Props)、日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部A級トレーナー、日本ノルディックウォーキング協会インストラクター

腕の筋肉痛を素早く取り除くためには痛みの症状が出ている部分を直接ストレッチすることをお勧めします。力こぶ周辺の筋肉痛には、上腕二頭筋のストレッチ。二の腕の筋肉痛には、上腕三頭筋のストレッチを実施してください。

筋肉痛とその原因

頑張ってジムでベンチプレスをしたら腕や胸が筋肉痛でつらいです(T_T)

府木 薫監修トレーナーからのアドバイス

健康体育学修士、健康運動指導士、PHI Pilatesインストラクター(Mat level.1,level.2 & Props)、日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部A級トレーナー、日本ノルディックウォーキング協会インストラクター

大丈夫ですか?笑 筋トレ後に筋肉痛がくることは筋肉が成長している証拠ですが、つらいですよね。

はい…。筋肉痛をすぐに治す方法って何かないんでしょうか?

府木 薫監修トレーナーからのアドバイス

健康体育学修士、健康運動指導士、PHI Pilatesインストラクター(Mat level.1,level.2 & Props)、日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部A級トレーナー、日本ノルディックウォーキング協会インストラクター

すぐに治すことは難しいですが、筋肉痛の回復を早める方法ならありますので解説していきましょう!

筋肉痛は、筋肉に生じる痛み全般のことを言います。広い意味では、肉離れなどのケガも含みます。一般的にケガであれば、運動中から、またその直後から痛みを感じますが。

運動した直後には発生しない、翌日起きた時に感じやすい「遅発性筋肉痛」について解説していきます。

遅発性筋肉痛は、エキセントリック運動を伴う筋運動やダンベルなどを使う高強度あるいは高頻度の激運動を行った後、運動後数時間〜24時間程度に発生すると言われています。また痛みのピークは、運動後24~48時間となります。筋肉痛が発生すると、筋肉の硬さが増します。また痛みの増加や関節可動域(柔軟性)の減少といった症状が現れます。

原因としては、筋肉の微細損傷(マイクロダメージ)にともなう筋内圧の増加などの機械的刺激、筋温の上昇による熱刺激、セロトニン・カリウムイオンなどの発痛物質による化学的刺激などが考えられていますが、未だ医学的にははっきりと解明されていません。

痛みが3日以上続く場合、全身を動かすのもつらいほどの激しい痛みの場合は、筋肉痛以外に他の病気が原因になっている場合もあります。1週間以上経っても痛みやこわばりが取れない場合は、筋肉痛ではないかもしれません。トレーニング中に知らず知らずのうちに、怪我を起こしているケースも存在します。その際は、近隣の医療機関を受診しましょう。

筋肉痛の治し方は大きく2つ

通常、筋肉の線維とその周りの結合組織の腱などの回復が進むにつれ、筋肉痛の症状も自然に解消の方向に進みます。しかし、できるだけ早く嫌な症状は取りたいと思うのが人の心。少しでも早く筋肉痛がとれる治し方を紹介していきます。

大きく分け、早く筋肉痛の症状を解消する方法として「消極的休養」「積極的休養」の2つに大別することができます。

消極的休養

消極的休養は一般的な休養の方法です。

・寝る
・食事をとる
・安静にする
・マッサージ
・アイシング
・入浴などで筋肉を温める
・湿布を貼る

といったものがあります。

筋トレをすると、筋肉が傷つき回復させる必要があります。激しく動かした身体をしっかりと休ませることは筋肉痛を治すために非常に大切です。

積極的休養

積極的休養(アクティブ・レスト)は、お散歩など軽めの運動・ストレッチングなどで血行をよくするなどがあります。

軽めの有酸素運動で呼吸循環器系を活発化し、疲労回復を早めることが可能です。積極的休養の基本は、使った筋肉と同じ筋肉を軽く動かし、血液循環を促すことです。筋肉痛の原因として筋肉の微細損傷にともなう筋内圧の増加が考えられていると前述しましたが、筋内圧が上昇すると筋肉がパンパンに張っているように感じませんか?これは、ダメージを受けた場所(筋肉)を早く回復させようと血液(特に白血球)が集まってくるため起こります。

頑張りすぎない。「8分目」くらいの軽めの有酸素運動や筋肉を伸ばしたり、緩めたりするストレッチングを行うことで滞留した血液が流れ、早い回復を促してくれます。

腕の筋肉痛の治し方

上腕の筋肉痛をとるストレッチ

男性の方であれば逞しい力こぶを作るためアームカールを、女性の方であれば、引き締まった二の腕を目指しトライセプスキックというエクササイズを実施したことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

上腕部分の筋肉痛を素早く取り除くためには痛みの症状が出ている部分を直接ストレッチすることをお勧めします。
力こぶの元になる上腕二頭筋のストレッチは、下記の手順で実施してください。

① 両手を横に広げます。
② 指先を後ろに向けます。
③ ①・②ができましたら肩を後ろに向かって大きく回しましょう。
 (気づくと指先が真横を向いている方、過剰に力が入り方が上がったままストレッチされていらっしゃる方を多く見受けます。指さきが真後ろを向いているか。肩の力が抜け、胸を張り肩甲骨を引きつけるようにしながら実施できているか確認しながら行いましょう。)

二の腕(上腕三頭筋)のストレッチは、下記の手順で実施してください。

①右手を万歳し、肘を曲げます。
②反対側の左手で、後ろから右の肘を掴みます。
  (肘を掴めない方は、右の指先または手首を掴みましょう。)
③左手で肘を右側(頭の方)へ引っ張ります。
  (二の腕を伸ばすと、背中が丸くなりやすく目線が下を向きやすいため。背筋をまっすぐにし、胸を張り、顔を上げ、まっすぐ前を見ましょう。)
※右側のストレッチの手順で記載しています。

ストレッチを実施する際の注意点として。
①息を止めずに、少し余裕をもって行う。(8割ぐらいの努力量)
②伸ばしている場所を意識しましょう。
③20秒〜30秒は実施しましょう。

軽く筋肉痛の部分をほぐすように運動を行うことで筋肉痛の症状は軽快しますが。過度な運動は、筋肉痛をかえって悪化させる場合もあります。やりすぎには注意し、ほどほどなことろで実施しましょう。

前腕の筋肉痛時の湿布の貼り方

重いダンベルを持つ、懸垂などで鉄棒を頑張って握ると握力がなくなり指先だけではなく、前腕部分の筋肉の張りを感じます。実は、指先を動かす筋肉の多くは、前腕部分の筋肉です。そこで指先をたくさん使うトレーニングした時には、指先周りではなく前腕部分に湿布を貼りましょう。

また手首のトレーニング行ったのちもケアする場所は、前腕部分になります。使った場所に直接、湿布を貼ってしまいやすいのですが。貼る場所は、前腕部分。湿布を貼る場所は、間違えないようにしましょう。

また薬局やドラッグストアで湿布を購入される場合は、筋肉痛の痛みをやわらげる成分が入った湿布が何種類もあります。筋肉痛には、湿布薬のように痛い患部に貼るタイプのものがあります。色々と種類があり、どれを選んでよいのか疑問に思うことはないですか?

炎症を抑える成分が配合され、筋肉痛の際に使用できる湿布は、パッケージの効能・効果を確認すると「筋肉痛」と記載されていてわかりやすくなっています。筋肉のエネルギー効率を高めるビタミンB群配合のビタミン剤も、筋肉痛の緩和に用いられます。

どの湿布が皆さんの筋肉痛の症状を早く取り除いてくれるか?それは薬局にいらっしゃる薬剤師さんに相談されるのが一番よいと考えています。筋トレやストレッチンぐなど運動のことは僕達スポーツトレーナーに、薬のことは薬剤師さんに。皆さんの声とともに、専門家の声を参考に選んでみてください。

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筋肉痛を軽快させるその他の方法

「歳をとると筋肉痛が遅く出る」と言われますが、同じ運動をしたのち、筋肉痛の出方に年齢による時間差は科学的に証明されていません。筋肉痛は、まだまだわからないことでいっぱいです。
さて、ストレッチングや湿布などにより筋肉痛の症状を少しでも早く軽快する方法を今回はお伝えしてきました。ストレッチングや湿布以外に筋肉痛を警戒させる方法がいくつかあります。そちらも少し紹介をしていきます。

〜食事〜
タンパク質やビタミンB1を多くとることで早めの軽快が期待できるようです。身体は口に入れるものから構成されます。運動をどんなに頑張って実施されても。しっかりとした休養と栄養の2つが疎かになってしまっては、身体も回復せず、さらには筋肉を作る材料が体の中になければ、筋力アップも引き締まった身体を作ることも難しいです。

〜アイシング〜
筋肉の微細損傷(マイクロダメージ)にともない炎症が起こり、その炎症程度により筋肉痛の痛みのレベルや痛みが引くまでの時間も変わってきます。アイシングを行うことで、運動後の微細な損傷を負ったことによる炎症を抑え、損傷が周囲に拡大の防止ができます。

食事の取り方に関しては、以下の記事をぜひ参考にしてください。

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