ステロイドの筋肉増強効果とは?副作用にも注意するべし!

ステロイドは筋肉の増強効果があることで有名です。嬉しい効果がある一方、ステロイドには注意しなければならない副作用があります。ここでステロイドと筋肉増強のメカニズムや注意すべき副作用について理解し、ステロイドを安全に使用しましょう。

筋肉増強効果を持つステロイドの正体

ステロイドとは、体内分泌される様々なホルモンのことを意味します。まずは、ステロイドがどうして筋肉増強作用を持つかを解説します。

筋肉増強作用を持つステロイドとして「アナボリックステロイド」や男性ホルモンがあげられます。
アナボリックステロイドは筋肉増強剤やタンパク同化ホルモンとも呼ばれています。筋肉を増強させるメカニズムは未だにハッキリと解明されていませんが、結果筋肉増強に繋がることはわかっています。そもそも、ステロイド自体が具体的にどんな方法で身体に働きかけているかが不明なのです。

様々な説がある中、アナボリックステロイドや男性ホルモンは筋肉サイズを調節する因子の遺伝子に効くという説が一番有力視されています。

筋肉の成長を抑制する物質に「ミオスタチン」というものがあります。これは筋繊維から分泌されるタンパク質です。筋肉肥大を望む方には邪魔でしかないタンパク質と感じられますが、ミオスタチンは身体を守るために必要不可欠な存在でもあります。
何故ならば、ミオスタチンは筋肉が以上に太くなることや簡単に癌になってしまう危険性を持つ「筋サテライト細胞」の増殖にブレーキをかける役割を持つからです。

そして、アナボリックステロイドや男性ホルモンはミオスタチンを作る遺伝子を抑制する効果を持ちます。その結果、筋肉のサイズを調整するミオスタチンという物質に抑制をかけることで筋肉のタンパク質合成が促進されます。

これが、現段階で解明されている筋肉増強作用を持つアナボリックステロイドと男性ホルモンのメカニズムです。

【参考文献】
石井直方『筋肉まるわかり大事典』(ベールボール・マガジン社)

ステロイドの副作用① 肝機能に負荷をかける

ステロイドと筋肉強化のメカニズムがわかった所で、次は副作用について知りましょう。
ステロイドには様々な副作用があります。まずは、経口摂取ができるアナボリックステロイドで起こる肝臓への副作用について解説します。

経口摂取ができるアナボリックステロイドとしてオキシメトロン、ダイアナボルやプリモボランが代表としてあげられます。
通常のステロイドホルモンを経口摂取した場合は肝臓ですぐに濾過されて、その効果はすぐに消失します。しかし、アナボリックステロイドの場合はその効果が長く続くように加工がされています。

薬や健康食品はいくら肯定的な作用があったとしても、体内で長く貯留していることは危険なことです。アナボリックステロイドも同じく、体内に長期間貯留していることで肝臓に負荷をかけます。

肝機能は消化・吸収された栄養を使いやすい形に変える、栄養貯蔵の場、不要物を排出するといった様々な生命維持のための役割を担っています。そんな肝臓の機能が低下してしまうと以下のようなことが起こります。

1.栄養状態の悪化
2.身体に不必要な毒素が溜まる
3.血液凝固因子が低下することで出血が止まらなくなる

また、肝臓は体内の色々な器官と繋がっているため、最悪の場合、全身へ悪影響が及びます。

アナボリックステロイドに対する肝臓への影響について、海外での研究によってアナボリックステロイドを大量にマウスに投与したり、血液透析患者に投与しても肝機能は下がらなかったという結果が出ています。しかし、これらの研究は被験者が多くないことから肝機能への悪影響を全く及ぼさないとは言い切れません。

ステロイドの副作用② ホルモンバランスの崩壊

筋肉増強効果を持つステロイドには男性ホルモンであるテストステロンが含まれているサプリメントはホルモンバランスを崩壊させる副作用を持ちます。

男性ホルモンは本来体内で生産されて、体内で分泌をします。しかし、ステロイドホルモンを外から取り込むと身体はそのホルモンが足りていると錯覚します。その結果、そのホルモンの生産は止まり、分泌もされません。服用を止めたとしても、体内で生産されるホルモンは簡単に元の数値へと戻りません。

男性ホルモンは筋肉増強効果以外に声変わりやひげの発生、陰茎や前立腺の発育、精子の産生といった働きを持ちます。また、男性ホルモンの一部は女性ホルモンに変換されるとも言われています。そのため、テストステロンが低下すると睾丸の萎縮、精子の減少、脱毛、前立腺癌の発症確率の上昇、女性化乳房といった副作用が現れます。

また、女性がステロイドを服用した場合にも性機能の異常が副作用として現れます。頭以外の体毛の増加、月経周期の変化あるいは月経が止まる、声が低くなる、頭髪の減少あるいは脱毛といった副作用が起こります。

性機能異常と関連して、副作用として依存症があります。
ステロイドによって低下したホルモンは服用を止めたとしても、元々体内で生産されていた量と同じ量に戻るまでには時間がかかります。時間がかかり、副作用がなかなか消失しないことによって再びステロイドの服用を始めます。この負の連鎖が続くことが依存症を招くのです。

ステロイドの副作用③ 精神状態への悪影響

前述では、ステロイドの服用による身体的な悪影響について解説をしていきました。
しかし、ステロイドによって害されるのは身体だけではありません。

ステロイドの過剰服用は時によって精神状態に悪影響を及ぼします。ステロイドは乱用することでドーパミンの役割を果たすと言われています。

ドーパミンとは私たちが生活をする上で必要不可欠な存在です。私たちは何かしらの活動(食べる、読む、歩く等)をする前に、その行動を引き起こすように脳を働かせる必要があります。そして、ドーパミンが行動を引き起こす物質の一つに挙げられます。つまり、人間の運動機能に関与しているのです。
その他に、記憶や学習能力、向上心やモチベーションにも関与をしています。

しかし、ドーパミンの分泌が減少すると、活動意欲の低下に繋がります。かといって、ドーパミンは増えすぎても問題が生じます。

ドーパミンの分泌が過剰な場合、人一倍周囲の環境に敏感になる、気分が常に興奮状態にある、行動が衝撃的になるといった精神的症状が現れます。つまり、ステロイド過剰摂取によって精神症状が出現します。

実際に海外で行われた研究でも、アナボリックステロイドを摂取していない被験者と比較して、摂取していた被験者は興奮状態、気分高揚による睡眠障害、衝撃的行動を発症したという結果が出ているのです。加えて、ステロイドを使用している1000人を調査した結果、ステロイドを摂取している方たちの方が摂取していない者と比較して暴力事件を起こす確率が高いこともわかっています。

ステロイドを安全に使用するためには

ステロイドの使用にあたり、安全に利用をする方法を説明します。

1.使用経路

ステロイドの使用方法は二つあります。それは経口摂取と筋肉注射です。この2つのメリット・デメリットについてまとめてみました。両者のメリット・デメリットを踏まえた上で使用方法を検討しましょう。(メ)=メリット、(デ)=デメリット

経口摂取のメリット・デメリット
(メ)手軽で初心者にオススメ
(メ)注射と異なって、痛みを伴わない
(デ)肝臓にて代謝されるため、肝臓に負担をかける
(デ)体内で長期分布しないため、こまめな摂取を要する

筋肉注射のメリット
(メ)肝臓での代謝を要しないため、副作用が起こりにくい
(メ)体内で長期間分布するため、週1回の利用だけで済む
(デ)痛みを伴い、注射部位を誤ると危険
(デ)注射器の購入、安全のために清潔な管理が必要

2.使用量

摂取量や注射量はメーカーや種類によってことなります。しかし、共通して使用量を守ることが一番大切です。また、使用量を守っていても副作用は出現することがあります。

使用量を守っているのにも関わらず、副作用が出現した時は一度使用を止めて医師等の専門家に相談をしましょう。

3.回復サイクル

ステロイドを使用する時は必ず休憩期間を設けましょう。

使用量と同様に種類によって可能な使用期間は異なるため、規定を守りましょう。経口摂取であろうが、筋肉注射であろうが、3か月以上の使用は控えることをオススメします。
また、休憩期間は使用期間と同じ期間に設定すつことが大切です。

上記のことを意識して、安全にステロイドを利用しましょう。

ステロイドの効果、ビフォーアフター画像

最後に、ステロイドを使用した方のビフォーアフター写真をいくつかピックアップしました。
ステロイドの効果は一目瞭然ですね。
また、ステロイドを使用している方の結果報告ブログ等を読むと、全員共通して述べている・行っていることを以下にまとめました。

1.筋トレを同時進行で行うとシェイプアップにも繋がり、効果がアップする
2.食生活でタンパク質を豊富に摂ることを意識する
3.回復サイクルは必要不可欠、ケアサプリメントを同時に飲む
等と様々な意見が共通して出ています。

ステロイドの使用を検討する上で、既に使用をされている方たちの経過報告等を参照することも1つの目安になることもあります。しかし、人によってステロイドの効き方や身体反応が異なるため、参照をしつつ、自分のサイクルを確立させましょう。

ステロイドの使用は慎重に!

ステロイドは筋肉増強効果という、とても魅力的な効果を持っています。その反面、副作用が現れやすく、時には生命の危機にも繋がる物質であります。

使用を開始する前は必ず、ステロイドのメリット・デメリットを認識しましょう。そして、効果を出すためには規定されている使用方法を守ることが大切です。
ステロイドの管理は慎重に、安全に行いましょう。

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