筋トレと牛乳は相性抜群!けど低脂肪はダメ?筋肉との関係について

監修者

高山 菜緒

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

脂質が多い、ダイエットに良くないと言った理由で、牛乳を敬遠してしまう人は少なくありません。しかし、実は牛乳は筋トレ・筋肉と相性が抜群にいいんです!牛乳に含まれる様々な栄養から、その相性の秘密に迫ります。

牛乳が筋トレにもたらす効果とは?

牛乳が筋トレにもたらす効果とはどのようなものがあるでしょうか。筋トレにはたんぱく質ももちろん大事ですが、その他にも大事な要素はたくさんあります。

牛乳が筋トレにもたらす効果として以下のようなことが挙げられます。

・3大栄養素が含まれている
体作りには欠かせません。

・電解質が多く含まれている
筋トレのパフォーマンスを上げます。

・カルシウムが多く含まれる
カルシウム不足は太る原因になります。

・牛乳はアミノ酸スコアが100点
タンパク質の吸収率が非常に高いということを意味します。

それぞれ詳しく解説します。

3大栄養素が含まれている

牛乳には筋トレによる体づくりに欠かせない3つの栄養素「たんぱく質・糖質・脂質」が適度に入っているのが牛乳の大きな魅力です。3大栄養素については後ほど詳しく解説していきます。

電解質が多く含まれる

電解質とはナトリウムやカリウムのことで、主に運動によって失われた汗などの水分の中に含まれています。運動時の水分は1時間で体重の約2〜6%失われると言われ、電解質も同時に体外に出てしまいます。

電解質が過度に失われると脱水症状になり、筋トレ時のパフォーマンスが下がってしまいます。

牛乳には電解質が多く含まれているので摂取することで脱水症状を防ぐ効果があります。

カルシウムが多く含まれる

カルシウムが不足すると体脂肪が増えるということをご存知ですか?
カルシウムが体内で不足すると、カルシウムイオンを脂肪細胞へ流出させ、これは脂肪を合成させる働きがあります。つまり、脂肪の分解を抑制してしまうので体脂肪が増えやすくなるのです。

牛乳でしっかりカルシウムを摂取しましょう。

アミノ酸スコアが高い

アミノ酸スコアとはたんぱく質の栄養価を示す指標のことです。アミノ酸スコアは100に近い数値ほど高く、牛乳のアミノ酸スコアはなんと「100」なのです!アミノ酸は体内で生成されないものが9種類あり、これを必須アミノ酸と言います。

体内で生成できない必須アミノ酸のすべてがバランスよく摂取できることでアミノ酸スコアは高くなるので、牛乳を飲むことによって体内で十分なたんぱく質が生成されるのです。

牛乳に含まれる筋肉に必要な栄養素とは?

前述した筋トレに必要な牛乳の3大栄養素を詳しく見ていきましょう。

① たんぱく質

牛乳に含まれる栄養素で何と言っても欠かせないのが「たんぱく質」です。牛乳のたんぱく質は大半が「カゼインプロテイン」で残りは「ホエイプロテイン」という構成です。

ホエイプロテインはプロテインサプリメントでも主流な種類で、吸収が早くすぐにたんぱく質を補給したい時にオススメです。
それに対してカゼインプロテインは、吸収がゆっくり行われることで筋肉の分解を防いでくれるので、寝る前に摂るのにぴったりなたんぱく質でもあります。(睡眠中に食事を摂取できないことによる筋分解を防ぐ)

これ以外にも、新陳代謝を高めることで脂肪燃焼を助けてくれる効果などもあるのです。

② 糖質

糖質は体を動かすためのエネルギーでもあり、筋肉を作る上で欠かせない栄養素です。
トレーニング後にプロテインや食事でたんぱく質を補給する際、たんぱく質と一緒に炭水化物を摂ることで、筋肉へ効率的にたんぱく質を届けることができるようになります。

筋トレ後にプロテインをドリンクに混ぜて飲む人は多いですが、その時に牛乳をドリンクとして使うことで、炭水化物の含有量を高める事が可能です。

③ 脂質

脂質はダイエットや減量の敵と思われがちな栄養素です。実際に、最近は低脂肪乳だけでなく脂質がほとんど含まれていない「無脂肪乳」と言った商品もスーパーでよく目にするようになりました。

しかし、脂質もたんぱく質同様に、細胞やホルモンの材料でもある大切な栄養素です。

牛乳の種類は全乳がオススメ

前述にて最近は低脂肪乳や無脂肪乳が多く販売されるようになったと伝えましたが、筋トレ時に摂取してほしい牛乳は「全乳」がオススメです。

全乳がいい理由は以下の2つです。

①無脂肪乳は全乳に比べてアミノ酸が少ない
アミノ酸が少ないと筋肉にたんぱく質が合成しにくくなるので、アミノ酸が多い全乳を飲むようにしましょう。

②牛乳の脂肪がタンパク質合成に効果的
脂質を作る素になるのは「脂肪酸」と呼ばれるもので、牛乳に多く含まれる飽和脂肪酸の中のパルミテートという酸が、筋肉へのたんぱく質合成を活性化させるように体に働きかける作用があるのです。

無脂肪乳と全乳に記載されている栄養価は脂質以外ほとんど変わりありません。しかし筋トレにおいて重要な効果が全乳に含まれているなら、牛乳を飲む場合は全乳をオススメします。

牛乳を飲む最適なタイミング

筋トレを行う上で牛乳を飲むタイミングはトレーニング後がおすすめです。

トレーニング後30分以内はゴールデンタイムと呼ばれ、その間には栄養素を摂取すると体に吸収しやすくなると言われています。プロテインも同じです。プロテインを筋トレ後30分以内に摂取することで筋肉が増加するという理論があります。この時間に栄養素を摂ることで筋肉の成長を最大限に促進すると言われています。

それ以外の摂取してほしいタイミングは、
・運動前
・就寝前

になります。

理想では運動の2時間前にバランスの良い食事を摂れることが望ましいですが、ジムに行ける時間や仕事帰りにトレーニングするという方には難しいかもしれません。そこでトレーニング前に栄養バランスの良い牛乳を摂取すれば、トレーニング直後から数時間の筋肉の合成量はほぼ変わらないと言います。

就寝前に摂取すると、寝ている間に分泌されやすい成長ホルモンの働きによって、たんぱく質が吸収されやすくなり、筋肉の修復が行われやすくなります。

牛乳と一緒に摂取してほしい食材

牛乳の効果をさらに高めるために、一緒に摂取してほしい食材はバナナです。果物は体に吸収されやすい糖質、「果糖」が含まれている中でもバナナは吸収速度が速く、トレーニング後に失われたエネルギーをすぐに補給することができるのです。牛乳+バナナを摂取できれば筋肉やエネルギー補給に十分な栄養素を取り入れることができます。

また、プロテインを溶かすときに水の代わりに牛乳を使うことでたんぱく質以外の栄養素も同時に摂取できるのでオススメです。

高山 菜緒監修トレーナーからのアドバイス

日本赤十字社救急法救急員 健康運動実践指導者 オープンウォーターダイバー 一般社団法人ボディリラクゼーション従事者安全安心機構 全米ヨガアライアンス200

牛乳はプロテインとの相性も良く、美味しく栄養素を摂取する事が出来ますが、乳糖不耐症の方は注意が必要です。また、急速にたんぱく質を補給したい時に牛乳でプロテインを摂取してしまうと吸収が遅くなります。目的とタイミングを考慮した上で賢く牛乳を摂取してください。