日本人がつけやすい筋肉とは?欧米人にも勝てる部位がある!

日本人は黒人や欧米人などの海外選手に比べて、筋肉が少ないと感じる人は多いのではないでしょうか。その理由は筋肉量に人種の違いがあるためです。しかし、そんなハンデを持つ日本人でも、欧米人に勝てる部位があるのです!その部位について解説します。

筋肉の人種差ってあるの?

欧米人や黒人と比較すると日本人の筋肉量が少ないのはなぜなのでしょうか?
その理由のひとつは、骨格の違いです。日本人と比べて欧米人は骨格が大きいですよね。

骨格が大きいということは、それだけ「筋肉が収まるスペースが大きい=鍛えることができる筋肉量が多い」ということが言えます。
しかし、骨格は遺伝子で決められてしまうので、大きさを変えることは困難です。

次に、「LBM」の違いがあげられます。LBMとはLean body massの略称で、日本語では「除脂肪体重」と訳されます。

除脂肪体重とは、全体の体重から脂肪を除いた、骨や筋肉などの総重量を示します。
ボディメイクにおいてLBMの数値は重要で、例えば筋肉を増やしたい場合には、この数値が増えるようにトレーニング量と合わせて食事量を増量させる必要があります。

LBMは【体重 -(体重×体脂肪率)】で求められるのですが、日本人と白人で比較すると、日本人は身長1m当りのLBMは白人よりも低く、その差は約5kg程度あるようです。
日本人では身長当りのLBMが欧米人より小さい、つまり、筋肉量としては日本人の方が少ないということが言えます。

最後に、スポーツ遺伝子と呼ばれる「ACTN3」との関連があります。
ACTN3はスポーツ能力に現在最も強い影響力を持つと言われており、α-アクチニン3というタンパク質をつくる遺伝子です。

このα-アクチニン3は、筋繊維の中でも速筋繊維で作られるタンパク質で、正常なタンパク質作れる遺伝子型(R型)と、まったくタンパク質を作れない変異型(X型)があることがわかっています。瞬発力を要する種目ではR型の筋肉(速筋)を持っている選手が多く、持久的な種目ではX型の筋肉(遅筋)を持っている選手が多いと言われています。

人種的にみると、X型の割合が、黒人では非常に少なく3%以下、欧米人は15%程度であり、一方日本人は30%だそうです。つまり、日本人は遺伝子的に、諸外国と比べて筋肉が付きにくいということが言えます。

しかし、そんな中でも欧米人にも勝てる部位はあるのです。

【参考文献】

日本人が発達させやすい筋肉

欧米人と比べて筋肉量が少ない日本人にも、欧米人に勝てる、発達させやすい部位はあります。
それは、大胸筋三角筋上腕三頭筋、そして、ヒラメ筋です。

例えば、人種的な違いとは言い切れないところがありますが、パワーリフティングなどではベンチプレスで活躍する日本人が多いです。ベンチプレスは大胸筋や三角筋前部、上腕三頭筋などを使う種目になります。

日本人がベンチプレスで活躍できるのには、海外の選手と比較すると、腕が短いという理由が考えられます。
なぜなら、腕の長さと可動距離は比例するので、腕の長さが長いほど可動距離は長くなり、ベンチプレスを挙げるのに、よりパワーが必要になるのです。

また、黒人はふくらはぎが短く、アキレス腱が長い形をしていますが、日本人はふくらはぎに存在する「ヒラメ筋」という筋肉が長くて大きい傾向にあります。

ふくらはぎにある筋肉を「下腿三頭筋」と言い、この筋肉は「腓腹筋」と「ヒラメ筋」の2つの筋肉に大きく分類されています。ヒラメ筋とは、腓腹筋のちょうど内側に薄く伸びている筋肉です。

速く走るためには腓腹筋が発達している黒人の方が有利になりますが、日本人のふくらはぎは太くてしっかりしていて、ヒラメ筋の筋肉量や筋力では日本人の方が発達しているといえます。

大胸筋や三角筋、上腕三頭筋を鍛えるトレーニング

ベンチプレスは、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋を同時に鍛えることができるトレーニング方法です。
ベンチプレスを行うことで、上半身が鍛えられ、厚い胸板を作ることができます。

ここでは、自宅でも行えるベンチプレスである「ダンベルベンチプレス」をご紹介します。

ダンベルベンチプレスの基本的なやり方

1. ベンチに仰向けになり、胸を張って肩甲骨を寄せるようにします。両肘は外側に向け、ダンベルを持つ腕を真っすぐ上に伸ばします。
2. 真っすぐにダンベルを下げ、再びダンベルを押し上げます。この時に、大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を意識して行いましょう。

目標

8~12回を3セット

ベンチプレスで鍛えるコツ

動作中、背中がベンチから離れてしまうと、効果がなくなってしまうので注意しましょう。
また、ダンベルを下ろす際には、ダンベルの重みに負けないようしっかり支え、腕がブレないように意識すると良いでしょう。

ヒラメ筋を鍛えるトレーニング

シーテッド・カーフレイズはヒラメ筋をメインに鍛えることができるトレーニング方法です。
ふくらはぎを鍛えることでたくましい脚を作ることができ、脚の筋ポンプ機能が向上し、代謝の良い体質にすることができます。

シーテッド・カーフレイズの基本的なやり方

1.椅子やベンチに座り、背筋を伸ばした姿勢のまま、ダンベルや水を入れたペットボトルなどの重りを膝の上に乗せます。
2.つま先を固定したまま、かかとをゆっくりと押し上げていきます。
3.ゆっくりとかかとを下ろします。この際、かかとが床につかないように気をつけましょう。

座高の低い椅子だと、つま先の可動域が狭くなってしまうので椅子の高さは足底が床につく程度のものを選択しましょう。
かかとの動く可動域はそれほど広くはないので、ついつい動作が速くなってしまいがちですが、遅筋が主体のヒラメ筋を効果的に鍛えるためには、ゆっくりとした動作で行うことがポイントです。

目標

15回×3セット

シーテッド・カーフレイズで鍛えるコツ

つま先をしっかりと固定させるように意識して行いましょう。つま先が動いてしまうと力が分散して効果が減少してしまいます。

また、かかとを上げる際は、足趾全体で押し上げるようにすると良いです。椅子に座って行うので、姿勢を崩さないように、背筋を伸ばして行うことを意識しましょう。

日本人には日本人の特徴がある

欧米人と比べると、日本人は筋肉を付けにくい部位が多く、遺伝子レベルで筋肉量に人種の違いがあり、その差を埋めるには限界があります。

しかし、日本人の身体には日本人の特徴があり、特に大胸筋や三角筋、上腕三頭筋、そしてヒラメ筋に関しては、欧米人に勝ることのできる部位だと言えます。

決して「日本人は欧米人より全く筋肉が大きくなりにくい」ということはないのです。

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