ダイエットならインナーマッスルを鍛えろ!その理由とは?

監修者

松永有紀

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

ダイエットの目的が「体重さえ減ればいい」場合、筋トレ、さらにはインナーマッスルのトレーニングはあまり役には立たないでしょう。しかし「すっきり引き締まった美ボディ」を目指す場合、インナーマッスルのトレーニングは必須です。それはなぜ?どんなことをやればいいの?詳しく見ていきましょう。

インナーマッスルのダイエット効果とは?

ダイエットというと「食事制限と運動」とよく言われます。その運動も「有酸素運動と筋トレを組み合わせろ」と言われますよね。筋トレというとウエイトやマシンなどを使ってハードにトレーニングするイメージがありますが…。

筋トレはどうも気が進みません。マッチョになりたいわけじゃないですし…。

松永有紀監修トレーナーからのアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

筋トレといっても、ここでおすすめしたいのはマッチョになるトレーニングではなく、体の奥深くに存在するインナーマッスルのトレーニングです。

運動経験のあまりない人、長い間運動から離れていた人にも無理なくできるのでお勧めです。簡単で、安全、そして引き締まった体を作りますよ。

インナーマッスルのダイエット効果① 体を引き締める

インナーマッスルとは体の表面にある筋肉ではなく、見えない奥にある筋肉、深層筋のことです。見えない分普段意識することはあまりないかもしれません。

ダイエットしたい体がゼリーでできていると想像してみましょう。ぐにゃぐにゃ、ぼよんぼよんしています。ダイエットに筋トレがいいと聞いたので、早速わかりやすい体の表面にある大きな筋肉を鍛えることにします。お腹の表面やお尻、腿の前側などをトレーニングしました。すると、ゼリーの表面はきゅっと引き締まり固くなったのですが、内側はぼよんぼよんのまま、大変バランスが悪くなってしまいました。

「腹筋を続けたおかげでお腹は結構固くなったのに下腹はへこまないなあ…。」という方はこのゼリーのように外は引き締まったのに内側が全く変わっていないのかもしれません。

そこで、インナーマッスルを鍛えます。内側から鍛えていけば奥からきゅっと引き締まり、全体的にサイズダウンします。インナーマッスルを鍛えるということは、内側から体を引き締めていくことでバランスよくきれいに体が引き締めるのです。

・お腹まわり

お腹周りのインナーマッスルが鍛えられると、骨盤の位置が整い、内臓が収まるべきところに収まります。その結果、ぽっこりお腹がすっと引っ込みます。

・脚やお尻

お尻の奥の筋肉をうまく使えるようになると、太腿の余計な筋肉が落ちて脚が細くなり、お尻がぷりっと立体的になります。

・背中

背中のインナーマッスルが鍛えられると猫背が改善して姿勢がよくなり、背肉が取れ、首が長く、頭が小さく見えるようになります。

このようにスタイルアップに欠かせないのがインナーマッスルのトレーニングです。

インナーマッスルのダイエット効果② むくみを解消する

むくみとは体が余分な水分をため込んだ状態のこと。血液やリンパ液の流れが悪くなることで起こります。

デスクワークなどで座っている時間が長い人はお尻に体重が乗った時間が長いので股関節に負担がかかりむくみがひどくなりがちです。また、立ち仕事の人は重力で水分が下半身にたまりやすく、十分な筋力がないと水分を上半身に戻す力が弱くなりむくみに悩まされることが多いようです。

お腹の周りのインナーマッスルが鍛えられると骨盤の位置が整います。骨盤が整うとお尻奥のインナーマッスルも使いやすくなります。すると骨盤と太ももの骨の境目である股関節がよく動くようになり、下半身からの血液やリンパ液の戻りがよくなります。

その結果、むくみで太く見えていた脚はすっきりと細くなり、人によってはため込んでいた水分が抜けるので、その重み分1~3㎏の体重が減ることもあります。

インナーマッスルを鍛える初心者向け簡単トレーニング3選

メリットの多いインナーマッスルのトレーニング、自宅でも簡単にできる初心者向け方法を3つご紹介しましょう。

おなかの奥を鍛える「ドローイン」

お腹のインナーマッスルを鍛えることで下腹ぽっこりを改善します。

<やり方>
1.仰向けになってひざを立て、おへその左右に両手を置く

2.おなかをへこませたらその状態を30秒程キープして呼吸を繰り返す

おなかをへこませると腹筋の中でも最深部の腹横筋が使われます。特別な道具もいらず、場所も選びません。慣れてくると立っていても座っていても、電車の中でも仕事中でも気付いたときにトレーニングすることができます。

お腹のインナーマッスルを簡単に鍛える方法についてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。

お尻の奥を鍛える「クラム」

お尻のインナーマッスルを鍛えることでぷりっとした美尻を作ります。さらにむくみ解消効果、美脚効果もあり、下半身のお悩み解消には欠かせないエクササイズです。

<やり方>
1.横向きで片ひじを前に突き出すようにし腕の上に頭を乗せ、下の肩の位置を決める

2.下の肩の延長線上に骨盤を置く

3.膝を90度ぐらいに曲げ、かかとを下の肩、骨盤の延長線上に置く

4.ウエストの下には少し隙間ができるよう、肋骨を閉じるように、背骨をまっすぐにセットし、腰や胸を反らせないようにする

5.上の手で骨盤を軽く押さえ、吐く息に合わせかかとを付けたまま、上のひざをゆっくり持ち上げる

6.吸う息に合わせて膝を閉じる

7.左右それぞれ10回ほど行う

お尻の上、奥の方に「効いた!」感があれば成功です。このあたりの筋肉が目覚めると、腿の前側やお尻の横など太くなってほしくない部分が出しゃばってくるのを防ぐことができます。

肩甲骨の奥を鍛える「ダム・ウェイター」

見落とされがちですが背中のインナーマッスルを鍛えることで猫背が改善され、余分な背肉が落ちてすっきりします。肩こり解消にも効果があります。

1.足の幅を骨盤幅ぐらいに開いて立つ

2.ひじを90度に曲げ軽く脇を締める。手のひらは上に向ける

3.ひじの位置を変えないように、ひじから先を外に開く

4.呼吸に合わせ10回ほど繰り返す

猫背が改善すると、体の前面、鎖骨のあたりに余裕が生まれ血流やリンパの流れがよくなります。簡単な動きですが、背中がすっきりするだけではなく全身のむくみ解消にも効果があるエクササイズです。

とても簡単で今までの筋トレのイメージとはずいぶん違うのですが、じんわり効いている感がありますね!

松永有紀監修トレーナーからのアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

「効いている感」これがとても大切です。この感覚があると、他のエクササイズもより効果が高くなりますよ。

インナーマッスルトレーニング 応用編

簡単トレーニングでなんとなくインナーマッスルの存在が意識できるようになったら、様々なインナーマッスルを一度に使える少し難しいエクササイズにもチャレンジしてみましょう。

おすすめは「プランク」「スクワット」です。どちらのエクササイズもうまくインナーマッスルを使えれば使えるほど程よく筋肉量の多いアウターマッスルも鍛えられ、より代謝が上がりダイエット効果が期待できます。

プランク

ヨガマットを敷くと滑りにくく手や足が痛くなりにくいのでおすすめです。

<やり方>
1.うつぶせで、肩の真下にひじが来るようにひじをつく

2.腿がマットについている状態でも、腰を反らせて痛めないよう、ドローインでおなかのインナーマッスルのスイッチを入れておく

3.脚の幅は骨盤幅ぐらい、足指を立ててしっかりマットを捉える

4.息を吸って準備をしたら、吐く息に合わせて頭のてっぺんからかかとまでピッと糸を張ったように、ひじでしっかり床を押しながら体を持ち上げる

5.吸う息でそっと腿をマットにつける

6.5回ほど繰り返します。

7.余裕があれば、プランクの状態から、吐く息に合わせて脚を交互にマットから離してみましょう。

スクワット

スクワットには様々なやり方がありますが、ここでは初心者の方でもひざなどを痛めにくい壁を使った方法をご紹介します。

<やり方>
1.足の幅は肩幅ぐらい、壁から10~20㎝離れて立つ。つま先、膝がまっすぐ前を向くようにする

2.お尻、背中(肩甲骨)を壁につける
腰の後ろは少し壁から離れていてもOKです。

3.吐く息に合わせてお腹、お尻のインナーマッスルを意識しながらゆっくり膝を曲げ、背中を壁につけたまま、接地面が全く変わらないように下へ滑らせる
膝がつま先より前に出ない程度でストップ、吸う息でゆっくり元の位置に戻ります。

膝を曲げても特にきつさを感じなければ、膝を曲げる時に同時に背中のインナーマッスルを意識しながら両腕を前に、肩の高さまで上げてみましょう。膝を戻すときに腕も元の位置に戻します。

スクワットはうっかりすると前腿にばかり負担がかかってしまいます。インナーマッスルを意識すること、壁を使うことで前腿への過度の負担がなくなります。インナーマッスルを使ってできている感覚を掴めたら、壁を使わないより負荷の高いやり方にもチャレンジしてみましょう。

松永有紀監修トレーナーからのアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

加齢とともに基礎代謝量、筋肉量が落ちるので太りやすくなるのは仕方がないとも言えます。その運命に対抗する手段が筋トレ、中でもインナーマッスルのトレーニングです!

ダイエットのために是非トライしてみてくださいね

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