ボディビルダーやメンズフィジーク選手のようなきれいな逆三角形の体型を作り上げるには、ただ何も考えずに筋トレをしても難しいでしょう。自分の中で明確になりたい体型をイメージして、そこに向かって計画的にトレーニングを進めましょう。
逆三角形の身体を作るために鍛える筋肉部位は?
逆三角形の体型になりたいんですが、どこの筋肉を鍛えればいいでしょうか?
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
鍛える筋肉部位に優先順位があるので解説します!下半身も重要だったりするんですよ!
三角筋、広背筋・大円筋、そしてウエストを作る腰回りの腹筋群・脊柱起立筋群でしょう。
そしてやはり腹筋のパックやウエストの締まりも重要です。メンズフィジークからクラシックフィジークに移行したIFBBプロのサディック・ハゾビック選手はウェストラインが非常にきれいで、これぞVシェイプといった体型です。もともとの骨盤の細さもありますが全身万遍無く発達した体だからこそ、綺麗なフィジークを作りあげられたのだと思います。
基本的に自分の弱点になっている部位に集中して取り組むことが大事なのですが、あえて優先順位をつけるとするなら
肩/背中 > 腹/腰/脚 > 胸/腕
肩と背中はVラインの基礎になる部分ですので当然優先度は高いです。
背中や肩など身体の上部を鍛えた次に、身体の中部を作る種目を行います。体の姿勢を作る筋肉をある程度優先して鍛えたいので、ここに脚が入ってきます。
足腰が強くなることで上半身で扱うことが出来る重量が増えます。デッドリフトが80kgも持てない人が、アームカールやショルダープレスなどで80kgは扱うことが出来ません。扱えたとしても大きなケガを負うのは間違いありません。
スクワットやデッドリフトの重量が増えてくればそれを支えるために強靭な腹筋が作られます。デッドリフトやスクワットは体重の1.5倍~2倍程度扱えるようにしておきたいです。
胸や腕が発達していることはVラインを作るには優先順位は高くありません。アウトラインが発達してきた時に自分の体の厚みがなく見えるようであれば、優先順位を高くしましょう。
なるほど!背中や胸などの筋トレを高重量で行えるようになるためにも下半身の筋トレが重要なんですね!
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
そのとおりです!
逆三角形を作るおすすめ筋トレメニュー(背中・肩)
具体的な分割例は、以下のような感じです。
肩(メイン)・腹筋→背中(メイン)→脚→胸・肩(サブ)→腕・背中(サブ)
オススメの種目を各部位ごとに紹介します。
部位別プログラム例
肩のメインプログラム
アーノルドプレス(orショルダープレス)
腹筋
ボールクランチ/ハンギングレッグレイズ/ロシアンツイスト/アブドミナルクランチ/アブローラー
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
ここは詳しくは後述します。
背中のメインプログラム
背中の厚みを作る種目
トップサイドデッドリフト/ベントオーバーローイング/ダンベルワンハンドロウ/シーテッドローイング
懸垂/ラットプルダウン(ワイド・パラレル・リバース)
懸垂が終わったら、ワンハンドロウかシーテッドロウを行い、ラットプルダウンで締めます。上記のパターンで行った場合はパラレルグリップやVハンドルを使って追い込みます。
逆三角形を作るおすすめ筋トレメニュー(脚・腹筋)
◯ノンロックフルレンジスクワット
普通に行ってしまうとトップで刺激が逃げますので膝を伸ばし切らないようにして力が逃げないようにしましょう。
◯ブルガリアンスクワット
◯ルーマニアンデッドリフト
◯カーフレイズ
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
私の場合はレッグプレスのマシンで軽く膝をクッションさせながら高重量で腓腹筋を狙い、そのまま重量を40%ほど下げて膝を完全に伸ばし切った状態でストレッチをかけながら行うことでヒラメ筋を狙うスーパーセットを良くやります。
ストレッチをかける種目
◯バランスボールクランチ
慣れてきたらフォームローラーを使って行うことも出来ます。より強いストレッチをかけられるでしょう。
◯ハンギングレッグレイズ
慣れてきたらワイパーの練習をしましょう。かなり高強度な種目です。この種目がスムーズに出来るころにはある程度腹筋が割れている方も多いと思います。
◯腹筋ローラー
腹筋ローラーはお尻を引かないようにして基本に忠実に大きな動作で行いましょう。
◯マシンアブドミナルクランチ
◯ロシアンツイスト
◯ケーブルクランチ/チェストプレスマシンクランチ
ストレッチを狙う種目は5~20回程度の比較的多い回数が出来るように強度設定をしましょう。高重量を扱う種目は10回前後反復出来るように強度を設定します。
上記の種目から2種目程選択して行います。2週間から1ヵ月程度で種目を入れ替えてルーティンに変化を出しましょう。
逆三角形を作るおすすめ筋トレメニュー(胸)
大胸筋の厚みをつくるためには、大胸筋の上部・中部・下部を鍛える必要があります。
大胸筋の下部を鍛えるにはデクラインベンチを使って行いましょう。
大胸筋全体で見たときに大胸筋の上部や内側は発達しづらいので、出来るだけ大胸筋上部を刺激する種目を行うべきです。
ダンベルベンチプレスやダンベルフライなど、ストレッチが入りやすく、バランスをしっかりとる必要がある種目を優先的に行うことでより刺激の強いトレーニングが出来ます。
また、これらの種目が上手くなってくるとバーベルベンチプレスやマシンチェストプレスなどの種目がコントロールしやすくなり、刺激が入りやすくなります。ダンベルを使った種目は基本ですので優先的に行いましょう。
大胸筋上部・内側を狙ったオススメ種目
◯インクラインダンベルフライ&プレス
出来るだけしっかり肩甲骨を寄せてください。限界までフライの動作を行ったらプレスに移行してそのまま限界まで行います。
◯インクラインリバースダンベルプレス
脇を閉めるようにしながらダンベルを押し上げていきます。
◯スミスマシンリバースベンチプレス
バーベルは肩幅よりも若干広く持ちます。ダンベルではコントロールが難しい方はこちらの種目を選択してください。
大胸筋全体のバルクアップ種目
◯フラットダンベルフライ/ダンベルベンチプレス
肩甲骨を寄せたままダンベルを持った腕を開いていきます。ストレッチがしっかりかかったところで1秒静止し、そのままゆっくり両腕を閉めるように動かします。
ダンベルが先行し過ぎてしまうと腕ばかり刺激されてしまいます。最初に肘を伸ばし切るようにイメージしながら動作を行ってください。トップでダンベルをくっつけてしまうと刺激が逃げますから閉じ過ぎないように注意が必要です。
◯マシンペックフライ
グリップは肩関節の高さよりも少し下になるようシートをセットします。手首を背屈させて肘をしっかり曲げた状態でグリップします。そこからダンベルプレスの要領で押し込みながら腕を前方に伸ばします。
ある程度腕が伸びたらそのまま内側に閉じていくようにしましょう。このやり方なら肘の角度を固定した状態よりもより強いストレッチと収縮感を得られます。是非試してみてください。
◯ダンベルプルオーバー
ベンチに足をのせてお尻を浮かせることでデクラインの姿勢を作り可動域を増やすと同時に肩の負担を減らすことが出来ます。
今回は逆三角形を作るのにおすすめの種目ということで、腕トレーニングの説明は省かせて頂きますが、身体全体のバランスを見ながら腕の種目も取り入れていくようにしてみてください。
特に優先しないのであれば背中の種目やプレス系の種目で使われますので行わなくても大丈夫です。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
体のラインを綺麗に作るためには自分の弱点を見つけて優先的に取り組むことが不可欠です。嫌いな種目、苦手な種目は特に優先して行ってください。食事をしっかり管理してトレーニングに取り組めば、短い期間でも体は変化します。根気強く取り組んでください。
【プロトレーナー解説】三角筋は前部・中部・後部と大きな筋肉で、それぞれ構造の性質が違うため、鍛え方にコツがあります。三角筋の構造と筋トレメニューを徹底解説します!