三角筋後部に効く筋トレメニュー!自重からダンベルまで!効かない原因も解説!

監修者

佐々木大地

NSPAパーソナルトレーナー

三角筋後部を大きく出来れば肩が丸みを帯びて、大きな肩幅と背中の厚みが作れます。そんな三角筋後部の筋トレメニューにはコツが必要です。しっかり行わないと三角筋後部ではなく背中に刺激が入ってしまうなど、鍛えるのが難しい部位です。正しい鍛え方を解説します。

三角筋後部を鍛える事のメリットについて

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

広い逆三角形の肩幅にあこがれる方も沢山いらっしゃると思います。三角筋は意外と皆さん鍛えていますが、三角筋後部はあまり一生懸命やっている方を見かけません。これは非常に勿体ないです。三角筋後部が発達してこないと大きく丸い肩は作れません。

肩幅を広くしたくて三角筋を鍛えてますがサイドレイズでは不十分ですか?

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

サイドレイズは三角筋の中部ですね。

そうなんですね。。三角筋後部の筋トレを教えてください!

三角筋の中央部は発達しても意外とボリュームが出て来ません。大きい部位なのでスペースを埋めにくいというのもあるのですが、中部と後部の境目が埋まってくることで全体のサイズが整ってきます。肩の筋肉に厚みを出すのは後部をしっかり鍛える必要があります。

背中の種目を行う際に三角筋後部が発達していないと先に肩が疲労してしまい、上手く背中に効かせられません。基本的にコンパウンド(多関節)種目はフォームがおかしくなっている場合を除いて弱い部位に刺激が伝わりやすいです。三角筋後部が発達してくれば、肩が先に疲労してしまう事は無くなりますので背中に刺激が伝わりやすくなります。

背中の筋トレを効果的にするためにも三角筋後部は大切なんですね!

肩のトレーニングを行うことで首から肩にかけての血流が促進されますので、肩こりや首の痛みなどの改善に役立ちます。肩の筋肉がしっかり発達してくるとローテーターカフなどの肩関節周辺の小筋群の負担を減らすことが出来ますので、肩周辺の痛みなどに悩まされている方は三角筋後部も含めて肩全体をバランス良く鍛えるようにしましょう。

三角筋後部を鍛える筋トレメニュー(ダンベル編)

ここからは具体的な三角筋後部のトレーニング方法をお伝えします。

ダンベルリアレイズ(ベントオーバーラテラルレイズ)

<やり方>
1.ダンベルを両手に持ち、上半身を前傾させる
出来るだけ上半身が平行に近い角度になるようにしましょう。

2.肘は軽く曲げた状態で固定し、上に持ち上げる意識ではなく外側に腕を広げるように意識して行う

<注意点とコツ>
・肩甲骨を固定する
上に持ち上げようとする意識が強いと肩甲骨が動いてしまい、三角筋ではなく背中の筋肉に効いてしまいます。

・腕は伸び切らない
腕が伸びきってしまうと重量が扱えなくなってしまい、しっかり効いているようでも刺激が弱くなってしまいます。ある程度重量を扱う事が出来るフォーム作りを意識しましょう。

ダンベルリアデルトロウ

リアレイズよりも更に高重量の刺激を入れたいときに行います。アジャストベンチで体を固定するか、立って行いましょう。

<やり方>
1.足の爪先に重心をかけて上半身を前傾し、地面に対し平行にキープする

2.両手に持ったダンベルを、肘を開いたまま両腕を左右に広げるようにして持ち上げる

<注意点とコツ>
・持ち上げる高さ
肘が肩と平行になる所まで持ちあがっていれば十分です。それ以上持ち上げようとすると三角筋から刺激は抜けてしまいます。

・肩甲骨を寄せる
もし、肩甲骨があまりに動いてしまって背中にしか刺激を感じられないという場合は、最初に肩甲骨を寄せた状態で固定しておくと良いでしょう。

ライイングダンベルリアレイズ

<やり方>
1.アジャストベンチを15度~30度程度に角度を付ける

2.横を向いてベンチに寝た状態でダンベルを体の正面に持つ

3.ゆっくり上に持ち上げ、肘が体の真上に来る辺りで動きを止める

4.ゆっくりダンベルを下ろす

<注意点とコツ>
・ダンベルの重さ
この種目は重さを扱う種目ではないので、可動域を大きく使い、常に三角筋後部への刺激が抜けないように行いましょう。重量は通常のリアレイズで使用する重さの40~50%程度の重さがオススメです。

・ダンベルの持ち方(グリップ)
グリップの形で効かせ方に変化をつける事が出来ます。通常はオーバーグリップでダンベルを保持します。

ここから手のひらを少し外側に向けるようにすると、三角筋中部の関与を減らし、三角筋後部に刺激を集中させることが出来ます。背中が関与しやすくなってしまう事を注意しながらコントロールして行いましょう。
手のひらを内側に向けたパラレルグリップで行うと背中側の関与が減り三角筋中部の後ろ側半分が参加するようになります。
この場合は肘が肩と平行になるようにダンベルを頭側の高い位置に保持して動作を行います。

三角筋後部と中部の溝を埋めるような刺激になりますので、1種目くらいはパラレルグリップの種目を取り入れたいところです。

三角筋後部を鍛える筋トレメニュー(マシン編)

マシンリアデルト

マシンによって負荷のかかり方やグリップの構造が違いますが、基本的な使い方は共通です。多くのマシンはリアデルト用のグリップがオーバーグリップで握れるようになっていると思います。

<やり方>
1.握るハンドルが肩と平行になるようにシートのセッティングする

2.マシンに座ったら腕を前に押しこむようにして肩甲骨を広げた状態を作る。肘は完全には伸ばし切らずに若干曲げておくようにしましょう

3.肘を外に広げるように力を入れて両肘が肩と平行になるくらいで動作を止める

4.力が抜けない程度にゆっくり戻す

<注意点とコツ>
・持ち上げる高さ
両肘が肩と並行になるまでにします。このポジションよりも後ろに押し込んでも、ほとんど背中の筋肉しか使えないので注意しましょう。

・少しお尻を後ろに引く
通常のポジションよりも少しお尻を後ろに引いて前傾させると広背筋が少し参加しますが、高重量を扱う事が出来ます。

・より刺激を高くする握り方
ハンドルの内側に手の甲を当てて、顔の高さでグリップしている状況を作るようにすると三角筋を幅広く狙った刺激を入れられます。もうすでに通常のポジションで行う刺激に慣れてしまった方におすすめです。

マシンショルダースクイーズ

<やり方>
1.ハンドルをリアデルトの奥から2番目にセットする
少し緩めても十分なストレッチが得られる事と肘と体が一直線になるところまで動作が出来るようになる為です。

2.シートの横で外側を向くように立ち、腰を低くし、背骨をシートの側面に合わせるようにして体を固定する

3.ハンドルを保持した時に肩とハンドルが平行になる位置に構える

4.腹筋に力を入れて体幹を固定した状態で、ハンドルを腕が体と一直線になるところまで開く

5.開ききった所で一瞬動きを止めてゆっくりとストレッチをかけていく
刺激が抜けない程度にしっかり戻したら同じ要領で動作を反復します。

ケーブルフェイスプル

ここではラットプルのマシンを使用します。

<やり方>
1.ケーブルにロープハンドルをセットし、ロープのコブを人差し指と中指で挟み、手のひら全体で持つ

2.マシンから少し離れて、両腕を前に伸ばした状態で、上半身をまっすぐにキープする
この時、少しだけ伸ばした両腕を離しておくように意識してください。力が抜けにくくなります。

3.肘を体の外に向けて、ロープを握っている部分を左右に引き離すようにしながら首元に向かってケーブルを引く

4.完全に引ききった所で三角筋後部と中部にしっかり収縮感を感じるようにしてください。そこからゆっくりとコントロールしながら前に腕を伸ばす

この種目も手のひらの向きで若干刺激の入り方が変わります。手のひらを内側に向けておくようにするのが個人的にはオススメです。

三角筋後部を鍛える筋トレメニュー(バーベル・自重編)

ベントオーバー・バーベルフェイスプル

この種目はベントオーバーロウの変形なのですが、肘を完全に開いた形になり、ローイング(漕ぐ)とは異なる動作になるため、フェイスプルと表現しています。

<やり方>
1.トップで肘の角度が90度くらいになる幅でバーベルを握る

2.体を前傾させ、極力地面に対して平行に近い角度にする

3.真っすぐにバーを下げた状態から頭の上に向かって持ち上げる感覚でバーを引き上げる

ワイドリバースチンニング

この種目は自重で三角筋後部を狙える懸垂(チンニング)のバリエーションです。

<やり方>
1.逆手で肩幅よりも拳2つ分程度広くバーを握る

2.胸を張った状態でお腹にバーを当てるくらいのイメージで体を引き付ける
肘を極力開いた状態で維持するようにしましょう。

3.ゆっくり腕を伸ばす

オススメはスミスマシンやパワーラックのバーを1番上にセットして行う方法です。ポジティブフェイラー(戻す動作は出来るが伸ばす動作は出来ない状態)まで追い込んでからジャンプしてトップまで引き上げ、戻す動作を耐えるようにして更に刺激を延長させましょう。

ワイドグリップインバーテッドロウ/斜め懸垂

インバーテッドロウとは仰向けの状態で体が平行になるようにセッティングして行う自重のローイングです。

前述のベントオーバーフェイスプルと同じ要領で肘を外側に向けて脇を開いた状態で首元にバーを引き付けるイメージで行います。斜め懸垂になると強度を少し落とした形になります。

<やり方>
1.両足をフラットベンチに乗せて体を平行にしますが斜め懸垂の場合は両足を床につけて行う
バーの高さによって強度が変わってきます。バーの位置が低いほど強度が高くなります。鉄棒などでも行うことが出来ます。

2.力が抜けない様に意識しながらテンポよく行う

まとめ

基本的に肩の種目は高回数を狙う前提で行います。無理な重量を選択しなければ怪我をすることもないでしょう。怪我をしてしまったり、ターゲットに効かせられていない場合は重量を扱いすぎたり、フォームが雑になって背中や腕に刺激が逃げている場合がほとんどです。

極力チーディング(反動)は行わない様に注意しましょう。どうしても身体を固定できないという方はアジャストベンチなどを利用して動きを制限するようにしてください。

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

三角筋を鍛える種目はフォームが雑になるとすぐに他の部位へ刺激が逃げてしまいますので、とにかく丁寧にフォームを作った上で各種目を行いましょう。三角筋後部を狙った種目では反復回数が8回以下になるような高重量ではほとんどの場合背中の広背筋や僧帽筋に刺激を逃がしてしまいます。重量の選択には注意ましょう。