【プロトレーナー解説】皆さまおなじみの腹筋ローラー(アブローラー)ですが、腹筋だけでなく様々な部位を鍛えられます。今回は意外と知らない腹筋ローラーの基本をおさらいして、背筋など腹筋以外をを鍛えるバリエーションをご紹介させて頂きます。
腹筋ローラーの使い方 鍛え方の基本のおさらい
ジムでよく腹筋ローラーをしている人を見かけますが、腹筋ローラーってそんなに効果的なんですか?
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
はい、腹筋ローラーは腹筋を鍛えるにはとても効果的です。しかし、鍛え方を間違えないようにしたいところです。まずは基本のやり方について解説しますね。
お尻に力を入れて腰を丸めます。この状態は終始維持してください。そのままローラーを床に押し付けるように体重をかけてへそを覗き込むようにして背中全体を丸めた上体を作って下さい。この腹筋が完全に収縮しきった形がスタートポジションになります。ここからローラーを前に押し出していきます。
連続で20回程度コントロールして出来るようになれば次の段階で膝を伸ばした立ちコロの練習に入ることが出来るでしょう。
背筋にフォーカスした腹筋ローラーの鍛え方
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
ここから背筋を鍛えることにフォーカスした鍛え方のバリエーションをご紹介します。
背筋に効果的な鍛え方① ローラープルオーバー
この種目は背中を丸めてローラーを引き付ける動作を行わずに、身体を伸ばし切った状態から肩関節のみを動かして広背筋・大胸筋への刺激にフォーカスした種目です。ローラープランクの体勢を維持し続けなければならない為、かなり強度の高い種目になります。
①ローラーを持って床に置いた状態から立コロあるいは膝コロの体勢を作ります。そこから股関節だけを伸ばす動作を行い、肩から足までを一直線になるように構えてください。この時ローラーを握っている腕は床から垂直になるようにします。
背筋に効果的な鍛え方② ローラープッシュ&プル
この種目はプルオーバーよりも更に強度が高くなります。膝を伸ばした立ちコロ姿勢からできる人はほとんどいないでしょう。強度が高くなりすぎるとコントロールが利かなくなってしまいますので、基本的には膝をついた体勢でOKです。腹筋ローラーを極めたいという猛者はぜひ膝を伸ばして挑戦してみてください。
①ローラープルオーバーと同じく、ローラーを持って床に置いた状態から立コロあるいは膝コロの体勢を作ります。そこから股関節だけを伸ばす動作を行い、肩から足までを一直線になるように構えてください。ここから肘を90度くらいに曲げて構えます。
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色々な腹筋ローラーとその使い方
他にも車輪が二つ並んでついていることで安定性が高くなっている物や床が傷つきにくい材質になっている物、ブレーキがついているものなどがあります。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
僕の自宅に置いてあるものはブレーキがついたタイプです。最初に述べたように基本動作では壁などをストッパーにするといいです。ブレーキがついているタイプは周りに壁が無くても、手首を少しひねればローラーが固定されるようになっております。
ジムに置いてあるオリンピックタイプのバーベルで、EZバーなどのショートバーベルがあればこれに5~10㎏程度のプレートを装着してローラーの代わりに使用することができます。特にEZバーがオススメです。バーベルなので手幅の調整ができますので自分の動作がしやすい手幅にして行うことができます。幅によって筋肉への刺激の伝わり方が異なりますので色々な手幅を試してみるのもよいでしょう。EZバーはシャフトが斜めに波打つような形状をしていますので、まっすぐなシャフトを握ると手首が痛くなってしまう方もこのバーであれば腹筋ローラー系のトレーニングができるかもしれません。
珍しい型ですが、大きなローラーでハンドルの部分にベルトがついたものがあります。これは両足につけて行うタイプで、ローラーニータックやジャックナイフといった比較的高強度の腹筋運動を行うのに適した物です。両腕は支えで、両足を動かしてトレーニングを行うため、腹直筋・腹斜筋だけでなく股関節の腸腰筋や大腿直筋なども鍛えられます。両足が床から離れているのでバランス感覚が必要になります。体幹の様々な筋肉が鍛えられますので、機会があれば是非挑戦してみて頂きたい種目です。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
余談ですが、これらの腹筋ローラーを使ってお尻・ももうら・腰回りのトレーニングを行うことが出来ます。
ローラーヒップスラスト
仰向けに寝転がり、ローラーのハンドルを両足で踏み、固定します。足の裏の中央にハンドルが来るようにすると良いでしょう。両手で地面を抑えるようにして膝の角度を90度程度に固定します。そのまま腰を突き出すようにお尻を持ち上げてください。肩から膝までが一直線になるところまで持ちあがったら、お尻が床に触れないように降ろすようにして動作を反復します。
足が固定されていないのでバランスをとりながらの動作になります。体幹全体を使って体をコントロールします。大殿筋・中殿筋・ハムストリングス・脊柱起立筋群が強い刺激を受ける種目です。
ローラーレッグカール
ローラーヒップスラストできることが前提の種目です。ローラーヒップスラストの腰を上げ切ったポジションまで持っていきます。この状態で体を固定して、そのまま両足を伸ばしていきます。ハムストリングスにストレッチがしっかりかかったら、両足をまげて元のポジションまで戻します。この時腰が緩んで股関節をまげてしまわないように注意ましょう。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
いかがでしょうか。腹筋ローラー一つあれば様々な筋肉を鍛えられます。ジムでの腹筋運動の補強としては勿論、自宅で行うトレーニングとしても他の自重トレーニングと組み合わせれば全身を鍛える事が出来ます。腹筋ローラーその物は筋トレ器具としては非常に安価な部類に入ると思いますが、それなりに効果が期待できる良い道具です。全身を連動させてコアを鍛える事が出来ますので、競技スポーツを行っている方の補強にも向いているトレーニングです。是非、毎日の運動の一つに腹筋ローラーを加えてみてください。
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