腹筋はもともと割れているということをご存じでしょうか?割れていない腹筋は、体脂肪によってお腹の内側に隠れてしまっているだけの状態なのです。トレーニングをする中で、腹筋運動の回数を増やせばいいというものではなく、食事の改善によって体脂肪を落とし、全身の筋力を上げるトレーニングを行うことが重要になるのです。
腹筋を効率的に割るために必要な基礎知識
腹筋のメインと言っても良い腹直筋。腰椎の屈曲と左右への側屈。腹直筋によって骨盤の傾きをコントロールし、腰の動きに関与します。腹直筋によって、骨盤の位置が安定し、反り腰を防ぎます。
外腹斜筋・内腹斜筋は、腰椎の屈曲、側屈と回旋に関与します。柔軟に腰を動かすためにかかせない重要な筋肉の1つです。
腹横筋は腹圧を高めたり、体幹の安定に関与します。
腹筋を鍛える為には、それぞれの筋肉の作用を意識してバランスよく鍛えていくことが大切です。
体の表面にある筋肉は主に腹直筋ですので、腹横筋や内腹斜筋は直接表面からは見えません。腹筋を皮膚の表面から見えるようにするには脂肪を減らす、ということがもっとも大切です。
腹筋の形は遺伝によって大きく異なり、シックスパックに割れて見える人もいれば同じようにトレーニングしていても、シックスパックで表面に現れない人もいます。
腹筋が割れていない原因とは?
つまり、腹直筋はもともと割れているのです。ブヨブヨのお腹の中でも腹筋は割れているのですが、表面についている脂肪によって隠れてしまっているのです。
お腹に脂肪がついていると感じている方は、腹直筋の筋肉を鍛えることと並行して、体脂肪を落とすことも併せて行う必要があります。イメージとしては、「割れている腹直筋を外面的に見えるように体脂肪を減らす」、「くっきりと腹筋を明確に目るようにするために腹筋を大きくする」という2つの要素が必要となってきます。
ただし、腹筋の構造は遺伝によって変わるため、綺麗に割れて出るかは遺伝によります。
体脂肪を落とすにはどうしたらいいの?
食事の摂取カロリーを抑え、運動による消費カロリーを増やす、という両方のアプローチが大切です。
通常の生活の上では、ヒトの1日の消費カロリーは生きるために心臓をバクバク動かしたり、呼吸をしたりするために使う基礎代謝により使うカロリーが約7割で、運動による消費カロリーが3割です。
この割合から分かることは、筋トレやランニングによる運動で1日の消費カロリーを大幅に上げることはかなり大変だということです。
よって、体脂肪を落とす為には、食生活の改善が最も重要です。
特に男性であればもともと身体の筋肉量が多いため、基礎代謝が高いです。食事のコントロールを行うことにより、体脂肪を効果的に減らすことができるでしょう。
食事制限と聞くと何もかも我慢をするイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。以下の記事に正しい食事制限(食事のコントロール)の方法を記載していますので、ぜひ参考にしてください。
【プロトレーナー解説】食事制限ダイエットは多くの人が失敗しがちです。なぜ失敗してしまうのでしょうか?原因を知り、しっかり対策すれば必ずダイエットは成功します!間違えがちなやり方と、正しい食事制限ダイエットのおすすめの方法を紹介します。
千陽 ハーヴェイ監修トレーナーからのアドバイス
NSCA認定パーソナルトレーナー
「腹筋はキッチンで作られる」と言われるくらい、腹筋を表面から見えるようにするには、先ずはそのまわりの脂肪を減らすことが大切です。
腹筋を効率的に割るトレーニングは多関節運動
トレーニングで脂肪を燃焼させるためには複数の関節を一度に使う「多関節運動」の筋トレが効果的であり、それは例えば筋トレ種目BIG3と呼ばれる「デッドリフト」、「スクワット」、「ベンチプレス」などになります。
特にBIG3は一度に全身の大きな筋肉を鍛えることができるため、非常に効果が高いです。
バーベルを担ぎながらスクワットをする「バックスクワット」では、重いバーベルを支えながら姿勢を保持してスクワットをするため、体幹や腹筋を強烈に刺激します。
クランチやシットアップなどの腹筋運動を行わなくても、多関節運動を行う方がお腹まわりの脂肪を落とし、かつ腹筋自体も鍛えることができるためオススメです。
腹筋を割るためにクランチを何百回も行っていた方は、ぜひこの機会にトレーニング方法を見直してみてください。クランチを何百回やるよりも、多関節運動を10回×3セットのほうが腹筋を割るのに効果的なのです。
「筋トレBIG3」をご存知でしょうか?筋トレの種類は数多くありますが、BIG3はその中で最も効果が高いとされる3つの種目です。筋トレBIG3だけでも絶大な効果が期待できるほどであり、初心者の方もぜひチャレンジしてください。
鍛える筋肉の部位を強く意識してトレーニングを行おう
無意識にトレーニングをしてしまうと、本来鍛えたいと思っていた部位に効率よく負荷をかけることができないためです。では、鍛えたい部位を意識するにはどうしたらよいのでしょうか?
一番簡単な方法としては、鍛える筋肉の部位をトレーニング前に、見ること。そして実際に触れてみるということです。
力を入れてみて筋肉の収縮を感じることで、実際のトレーニングでもどのような形で行えば負荷をかけることができるのかを知ることもできますので、非常に重要な要素となります。
トレーニングを行っている最中も、鍛えている部位を常に意識しながら行うとより効果的に鍛えることができます。
腹筋は、多関節運動の最中に大きく働いています。多関節運動のトレーニングを先に行い、最後に数種類加えるかもしくはウォームアップの際に取り入れるようにすることがオススメです。腹筋だけを時間をかけてトレーニングしても、全身の筋肉は増えない為、非効率的です。
自重トレーニングで腹筋を鍛えるトレーニング法
自宅に居ながら器具を使用せずに行うことができる方法として有名なのはクランチです。
腹筋を鍛える最強の自重トレーニングと言っても過言ではなく、クランチの腹筋に与える負荷は強烈で、さらに毎日短時間で継続的に鍛えることができるため、初心者にもオススメの方法です。
以下にクランチの正しいやり方を紹介します。
①まずは、寝転がった状態でゆっくりと息を吐き出しながら、お腹をへこませます。おへその下の奥深くに、自分の持っている全てのパワーを溜め込むイメージを持つと良いでしょう。足を持ち上げ、軽く膝を90度に曲げます。
②その状態を保ったまま、腹筋の収縮のみを使って、ゆっくりと上半身を持ち上げます。
ゆっくりと息を吐き出しながら、10秒程かけてこの動作を行って下さい。上半身はしっかりと最後まで持ち上げて下さい。
腹筋の力のみを使って上半身を持ち上げる事がとても重要なポイントです。下半身の筋肉には力が入るべきではないので、お尻や膝の角度は固定したまま、上半身のみを動かす事が大切です。
③息を吸い込みながら腹筋とお腹周りの筋肉で動作をコントロールして上半身を下ろします。この同様も10秒程かけて、腹筋の力だけで行う事が大切です。
【プロトレーナー解説】腹筋の筋トレ種目の代表「クランチ」の正しいやり方、効果について紹介します。また、シットアップとの違いやクランチには他にも数多くの種類があるので、それらのバリエーションについても紹介します。クランチで美しい腹筋を手に入れましょう!
以下に詳しく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
腹筋を鍛える器具とは?効率よく腹筋を鍛えるトレーニング法
シットアップベンチや腹筋ローラーが代表的に器具となりますが、ウェストをひねりながら腹筋をすることで、理想的な腹筋運動ができますので効率の良いトレーニングを行うことができます。
また、MULTI GYMと呼ばれる器具は、体の全身を鍛えることができる便利な器具です。自宅の空いたスペースに簡単に設置することができますので、シットアップベンチのように腹筋運動ができるだけでなく、上腕三頭筋や肩、大胸筋などもバランスよく鍛えられる全身をバランス良く鍛えることができますので、日常的に体全体の筋肉のバランスを整えることが可能です。
腹筋を鍛える筋トレグッズの中で最も高負荷なものは?という質問が出たときに名前が挙がるのが「腹筋ローラー」です。腹筋ローラーの人気の高さにはどんな秘密が隠されているのでしょうか?腹筋ローラーの持つ高い筋トレ効果やその使い方、注意点などをまとめました!
ダンベルを使って腹筋を鍛えるトレーニング法
腹直筋を鍛えるためには、先程紹介した自重で行うクランチで十分ですが、腹斜筋はダンベルを使うと効率的に鍛えることできるようになります。
その腹斜筋をダンベルを使って鍛える種目がサイドベンドです。
ダンベルを右手で持ち、左手を後頭部に持っていきます。ダンベルを持ち上げるようにして、体を左側へゆっくり曲げていきます。腹筋を意識しながら、目線をまっすぐに保ち、この動作を左右10回3セットを行いましょう。
ダンベルが重すぎるとフォームを崩し、腰を痛める危険性があるため、無理をせずに10〜20回ギリギリ行える重さにしましょう。
臀筋にしっかりと力を入れて、骨盤の位置を固定させることで、腹斜筋だけでなく、臀筋も鍛えられます。腰が反れないように、体幹全体の筋肉を使って姿勢を安定させて腰椎の屈曲運動を行うことが大切です。
上半身のラインをキレイに保つためには、腹筋や背筋だけでなく、お腹の両脇の筋肉も鍛える必要があります。男性であればたくましい逆三角形に、女性であればキレイなくびれに効果的です。そこで今回は、ダンベルを使って腹斜筋を鍛える『サイドベンド』についてご紹介します。
効率的な腹筋の鍛え方まとめ
●腹直筋はもともと割れており、割れていない理由は以下の2つ
1) 遺伝的な要因
2) 体脂肪で腹筋が隠れている
●体脂肪を落とすには食事が大切
●腹筋を割るトレーニングは多関節運動を主に、全身を鍛える!
腹筋を割るためには腹筋運動だけでは足りないということがお分かりいただけたでしょうか。
「腹直筋の筋肥大」と「体脂肪を落とす」この2点は腹筋を割るためのキーポイントです。自身に足りないところがどちらなのか判断し、それぞれ今回紹介した方法でアプローチしてください。
数ヶ月後にはきっと美しい腹筋を手に入れていることでしょう。
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