筋トレ後に眠くなる理由は自律神経にあり|対処法も伝授!

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

筋トレ後に眠くなったことはありませんか?筋トレ後に眠くなるのは、身体のいろいろな働きによるものです。眠くなる原因について知っておくことで、眠気への対処法や筋トレの効率アップにも繋がります。

筋トレ後に眠くなる原因は副交感神経の働きによるもの

ジムで筋トレをしたあといつも眠くなってしまいます…。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

夜ならいいんですが、朝や日中に眠くなると仕事に気障をきたしますよね。
なぜ筋トレ後に眠くなるのか?その鍵は「自律神経」にあります。

自律神経とは、自分の意思では動かせない身体の部位を司る神経です。内臓や心臓の動き、血圧や血流の調整、食べ物を消化することなど、1日中活動して私たちの生命活動を維持しています。

自律神経は2つの種類に分類されており、「交感神経」「副交感神経」が挙げられます。交感神経は活動する時に働き、副交感神経は休んだりリラックスしたりする時に働きます。

交感神経と副交感神経は、一方が働いている時はもう一方は休むといった性質をもっています。それによって、活動する時には身体が動きやすい状態になり、眠るときには全身をリラックスさせます。

自律神経が活動しているお陰で、私たちは日常生活を送ったり、スポーツをしたり、部屋でゴロゴロしたりできるのです。

自律神経については以下の記事にさらに詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

なるほど。でもこの自律神経が筋トレ後の眠気にどう関係するんですか?

筋トレ中は身体が緊張し、興奮しているので交感神経が働いていることになります。一方で、副交感神経は筋トレ中ずっと休んでいます。

筋トレが終わると、副交感神経が活動を始めます。副交感神経は休む・リラックスすることを身体に促します。副交感神経の働きの比率が徐々に上がっていき、副交感神経が優位になると身体は休むモードに入ります。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

筋トレ後に眠くなるのは、交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に移行することが原因なのです。

成長ホルモンも眠くなる原因?

成長ホルモンはご存知でしょうか?成長ホルモンは、子どもの身体の成長を促すホルモンですが、成人の体内でもしっかりと働きます。

成長ホルモンの働きは、疲労の回復、筋肉や骨の修復、脂肪燃焼など多岐に渡ります。これらの働きから、成長ホルモンは筋トレで筋肉を肥大するために重要なホルモンの一つです。

疲労回復や筋肉の修復といった働きを見ると筋トレ直後に分泌されそうなイメージを持つかもしれません。しかし一般的に成長ホルモンが分泌されるのは、睡眠導入から約3時間後の深い眠りについた時であると言われています。

一方で成長ホルモンは睡眠を誘発するのではないかとも疑われているようです。深い眠りについた時に成長ホルモンが分泌されるのではなく、成長ホルモンが分泌されて深い眠りに導かれるという説もあるようです。

まだまだ医学的に未解決の部分が多い成長ホルモンですが、もし成長ホルモンが睡眠を誘発するのであれば、筋トレ後に眠くなる原因の一つになり得るでしょう。

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プロテインを飲むと眠くなる?

「プロテインを飲むと眠くなる」という方が少なくないようです。プロテインには眠気を誘発する作用はあるのでしょうか。

結論から言うと、プロテインに眠気を誘発する直接の作用はないようです。そもそもプロテインを直訳するとタンパク質。タンパク質には眠気に直接働きかけるような特性はありません。

しかし、強いて言うならば必須アミノ酸の一つであるトリプトファンには間接的に眠気を誘発する作用があります。トリプトファンはメラトニンやセロトニンといった眠気の誘発や快眠の効果をもたらす物質の材料です。トリプトファンを多く含むプロテインを飲むことで眠気は誘発されるのかもしれません。

眠い時に筋トレを行う場合は

眠い時に眠気を振り払い、頑張って筋トレをするとどうなるのでしょうか?

眠さの原因によっても変わるかもしれませんが、眠い時に筋トレを行うと一時的に眠気が無くなることでしょう。自律神経が正常であれば、筋トレによって交感神経が優位の状態となるので身体は活動的な状態となるはずです。一度身体が活動的になり、筋トレを継続できそうであればそのまま続けてみましょう。

反対に、筋トレに取り組んでも眠気が解消されなかったり、眠気を振り払えてもすぐに眠たくなってしまう場合は、身体に相当な疲労が蓄積されていると考えられます。その場合は無理せず筋トレを中断し、ゆっくりと休養を取るようにしましょう。休養をしっかりと取るために筋トレのメニューを変更し、副交感神経が優位になりやすいストレッチなどを行うと良いかもしれません。

筋トレ後に眠くなることへの対処法とは?

筋トレ後に眠くなる原因は、副交感神経の働きや成長ホルモンによるものだということは先ほどお伝えしました。しかし、この2つの原因以外にも筋トレ後に眠くなる原因はあるようです。

副交感神経が優位になることや成長ホルモンの分泌によって眠たくなった場合には、素直に仮眠をとるかしっかりとした睡眠をとるべきでしょう。なぜなら、この2つの働きは筋トレ後の筋肥大を促すものだからです。

副交感神経の働きで眠くなるのは、身体にとっては理想的なことであり深い睡眠につながります深い睡眠をとることができれば成長ホルモンが分泌され、筋肥大が効率的に促されることになります。成長ホルモンによって誘発される眠気は、成長ホルモン自体が筋トレの効果を最大化できるものであるため、素直に睡眠をとった方が良いのはイメージできることでしょう。

この眠気の2つの原因以外で筋トレ後に眠くなるのは、血糖値や体温が関係しています。これらはある程度の対処法があるので、次の章から解説していきます。

筋トレ後の眠気への対処法3つ!

筋トレ後に眠くなるのを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

主に3つあります。解説しますね。

① 筋トレ前にしっかりと食事を摂る

低血糖は頭がボーっとしたり、眠くなったりするような症状が出ます。脳が活動するためのエネルギーは糖分だけです。血液中の糖分濃度が低下し、脳にエネルギーが運ばれなくなることで先ほどの症状が出ることになります。

筋トレ前にしっかりと食事を摂ることで、筋トレ中や筋トレ後に起こる血糖値の低下を防ぐことができます。筋トレ前に血糖値を高めておき、低血糖に備えるようなイメージです。

筋トレ前の食事では、多糖類の糖質を含む食品や低GIの食品を中心に摂りましょう。これらは緩やかに血糖値を上げるとともに、数時間血糖値をほぼ一定に維持する特性があります。

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② 筋トレ後に血糖値を上げる

筋トレ中は思いの外糖分を消費するものです。高負荷の筋トレを意識していなくても、ほとんどの場合で筋トレ後は低血糖状態になります。

そこで、筋トレ後に血糖値を上げるために食事を摂るのがベストです。筋トレ終了から45分間はゴールデンタイムと呼ばれ、栄養の吸収率が高くなります。糖質を含むしっかりとした食事、もしくはチョコレートなどすぐに血糖値の上がる甘いものを摂ると良いでしょう。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

ただし、甘いもののほとんどは急激に血糖値を上げる特性をもっているため、食べ過ぎると身体への負担が大きくなります。チョコレートであれば3分の1程度のみの摂取で抑えておくのが良いでしょう。

筋トレ後の眠気への対処法③ 筋トレ後の体温低下を防ぐ

概日リズムというものがあり、体内時計を正常に保つ働きがあります。人の身体には睡眠前に体温が下がり、日中に体温が上がるというリズムがあるのです。

筋トレ後には副交感神経が優位になることや、筋トレ中にかいた汗が蒸発することによって体温が低下します。体温が低下すると、概日リズムの特性に従って眠くなります。

筋トレ後の体温低下の対処法としては、汗をすぐに拭く、服を着替える、クールダウンのストレッチをしっかりと行うことが挙げられます。汗を拭くことや服を着替えることによって、汗が蒸発する際の体温低下を防ぐことができます。クールダウンは筋トレ後にゆっくりと行うことで、急激な体温低下を防ぎ、眠気に襲われるといったことが軽減されます。体温の急激な低下は、眠くなるだけでなく風邪を引きやすくなるなどのデメリットもあるので注意しましょう。

筋トレ後に眠くなる理由やその対処法まとめ

●筋トレ後に眠くなるのは副交感神経が大きな原因
●成長ホルモンにも眠気を誘発する特性がある可能性が考えられる
●副交感神経や成長ホルモンが原因で眠くなったら、それに従って眠るのが良い
●筋トレ後の血糖値低下には食事で糖質を摂ること、体温低下は汗を拭いたりクールダウンをしっかりと行ったりすることで眠くなることに対処できる

筋トレ後に眠くなるのは自然なことですが、血糖値や体温の管理で対処することができます。ただし、筋トレ後の筋肉の修復や肥大は睡眠中に起こります。眠くなると困る場面でなければ無理に対処せず、良質な睡眠をとることを考えた方が良いでしょう。

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