腕立て伏せの正しいやり方とフォームとは?効果を上げるコツと種類を紹介!

監修者

小川 雄翔

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

筋トレ種目の中で最も有名とも言える「腕立て伏せ」。実は多くの人がやり方を間違えています。鍛えたい部位に効果的に鍛えるために、正しいやり方やコツ、そして腕立て伏せの種類について解説します。

腕立て伏せで鍛えられる筋肉と効果

腕立て伏せ、筋トレでは「プッシュアップ」と呼ばれる種目は、上半身を鍛える代表的な種目ですよね。実際にこのメニューをこなすことで、次のような部位を鍛えることができます。

大胸筋

胸にあるアウターマッスルです。大胸筋は非常にサイズが大きく、「上部・中部・下部」に分けられます。

一般的な腕立て伏せでは、主に上部〜中部が鍛えられ、胸の見た目を大きくするのに効果的な部位になります。

上腕三頭筋

いわゆる二の腕にある筋肉です。力こぶを作る上腕二頭筋よりもサイズが大きく、たくましい腕を作るのには欠かせない筋肉です。

三角筋

肩回りにあるアウターマッスルです。
大きく「前部・中部・後部」と分けられ、腕立て伏せでは主に肩の大きさ・見た目に影響しやすい、前部・中部を鍛えることができます。

腹筋

「腕立て伏せで腹筋!?」と思うかもしれませんが、腕立て伏せで常に背筋をまっすぐに保つためには他ならぬ腹筋の力が求められます。

腹筋にはシックスパックに代表される「腹直筋」、脇腹の「腹斜筋」、インナーマッスルの「腹横筋」の3種類がありますが、腕立て伏せで主に鍛えられるのは、インナーマッスルの腹横筋になります。これはぽっこりお腹の解消効果がある部位です。

腕立て伏せのダイエット効果

これだけ大きな筋肉を鍛えることができる腕立て伏せは、やっぱりとても魅力的。
その効果は筋肉を大きくするだけでなく、ダイエット効果にもつながります。

大胸筋のように身体の大きな筋肉を鍛えるということは、全身の基礎代謝を上げることにつながり、自然と脂肪燃焼効果も高まります。

おお!これはスゴイですね!

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

このことから腕立て伏せは、「自重筋トレBIG6」の1つなんて言われることもあるんですよ!

腕立て伏せの正しいやり方とコツ

これだけ大きな筋肉をたくさん鍛えることができる腕立て伏せですが、正しいやり方をしないと効果が半減してしまいます。それではとてもモッタイナイ。ぜひ正しいフォームを身につけましょう。

<やり方>
1.両手を胸の外側、肩幅より手の平2つ分ほど広く取る

2.足のつま先と両手で身体を支え、頭からつま先まで一直線に構える

3.背筋を一直線にしたまま、腕をゆっくり曲げて上体を下ろす

4.地面に着く手前まで下ろしたら、一気に戻る

回数は10回×3セット行いましょう。
できれば、10回ギリギリできるくらいの負荷で行うようにゆっくり行えるとさらに効果的です。

<コツと注意点>
・手の位置

うつ伏せで横になった時、自分の乳頭の「真横」に手が来るようにおいてください。手を支えにしたまま少し体を浮かせた時、肘の角度が90度になる幅が適正な手の位置です。

・上体は常に一直線

動作中は背筋、そして足が一直線になるように腹筋に常に力を入れておきましょう。この時お尻が浮いたり沈んだりすると、腕・胸以外に負荷が逃げてしまい腰痛の原因にもなります。

・呼吸

初心者は呼吸を止めるのは禁物です。低血糖症などの危険性があります。
以下の点を守りましょう。
・息を吸いながら身体を下ろす
・息を吐きながら身体を上げる

呼吸法については以下の記事を参考にしてください。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

腕立て伏せの最中、どうしても腕に負荷が入ってしまう人は、肩甲骨を少し寄せてみてください。これによって背中の筋肉を固定し、大胸筋を意識した動作ができるようになります。

腕立て伏せの種類4つ

最後に腕立て伏せのバリエーションを4つ紹介します。
それぞれ通常の腕立て伏せと比べ、鍛えられる筋肉や効果が変わるので、ぜひトレーニングメニューの一環に組み込んでください。

① ワイド・プッシュアップ

手の幅を通常より広く取ることで、より大胸筋への負荷を集中させる種目です。

<やり方>
1.手の幅を通常の1.5倍程度広く取る

2.動作については通常の腕立て伏せと同じ

② ナロー・プッシュアップ

今度は逆に手幅を狭くします。上腕三頭筋に負荷を集中させる種目です。

<やり方>
1.両手幅を肩幅より手の平0.5個分狭く取る。胸の横の位置

2.脇を常に締めながら、上体を一直線にしたまま下ろす

3.戻すときも脇を締めることを意識する

脇が開くと上腕三頭筋から負荷が逃げてしまいます。常に脇を締める意識をしましょう。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

大胸筋より上腕三頭筋の方が筋肉が小さいので、当然ナロープッシュアップの方が難易度は高くなります。難しい場合は膝をついて行いましょう。

③ スイングプッシュアップ

スイングプッシュアップは、通常のの腕立て伏せが単純な上下の動きに対して、よりダイナミックな動きが加わります。体の連動が必要になり負荷も増えますが、動きを大きくすることで全身に適度な刺激を与えられる上級者向けメニューです。

<やり方>
1.手の位置は通常と同じくらいで、足は普段より広めする

2.お尻をやや上げて身体を下ろしていく
この際、真横から見たときに体全体で楕円形を描くように、体を前後にスライドさせながら腕立て伏せを行う

④ プッシュアップバーを使った腕立て伏せ

プッシュアップバーという器具を使った腕立て伏せです。
何が違うかというと、手が地面ではなく、プッシュアップバーを握ることになるので地面より高い位置にあり、その分上体をもっと深く落とすことができ、大胸筋への刺激を強くすることができます。

<やり方>
1.プッシュアップバーを胸の横に縦向きに置く

2.手の平が身体内側を向くようにバーを握り、後の動作は通常の腕立て伏せと同じ

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

大胸筋がより引き伸ばされるので効果が高くなります!自宅で強度を上げるにはもってこいです!

自重トレーニングでも効果は高い!

腕立て伏せは自重トレーニングですが、とても効果の高い筋トレです。
初心者であっても週に3回、3ヶ月継続できるとかなり見た目はたくましく進化しているはずです。

どうしてもジムに行ってベンチプレスやマシンなどを行いたくなるかもしれませんが、マシンは基本的に特定の箇所を集中的に鍛えるものです。「どうしても大胸筋の上部を盛り上げたいんだ!」という欲望が出るまでは自宅で自重トレーニングでも十分効果的ですよ。

小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス

日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。

「囚人筋トレ」という、囚人が監獄の中で行う自重トレーニングが非常に効果的であるという本もあるくらい、自重トレーニングは実は奥が深いです!腕立て伏せを侮るなかれ!

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