【プロトレーナー解説】「前腕」は腕の中でも露出しやすい部分であり、ここを鍛えているだけで、見た目の印象は大きく変わります。ダンベルなどの器具を使えば自宅でも十分に鍛えることができます。前腕の筋トレは毎日やってもいいのか?頻度や回数も合わせて解説します。
前腕の筋肉はとても多彩!
しかし、その前提として「前腕は様々な『角度』から筋トレをした方がいい」と覚えておきましょう。
これから紹介する3つのトレーニングでは、手首を前後に動かすものや左右にひねるもの、あるいは肘の屈曲を利用して鍛えるものなど、様々な動きをするメニューを選びました。
中島 健監修トレーナーからのアドバイス
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
デスクワークの多い人は、前腕部の筋トレをすることで筋肉のストレッチと腱鞘炎の予防などにも繋がるので、ぜひ取り入れてみてください。
前腕の筋トレ①リストカール(リバース・リストカール)
リストカールは前腕の主に手の平側の筋肉を鍛えることができます。ベンチに座って腕をももに置き、そしてダンベルを持ってください。そして手首を巻き込むようにして、ダンベルの上下運動を行います。トレーニング時はケガ防止のため、ゆっくりとした動作で行いましょう。
このトレーニングは手の平を上にして行いますが、逆に手の甲を上にして行う「リバース・リストカール」という種目もあります。この種目は尺側手根伸筋・橈側手根伸筋など手の甲側にある前腕を鍛えるトレーニングです。リストカールと1セットにして、両サイドの筋肉を鍛えるといいでしょう。
前腕の筋肉は胸筋などと違い大きい筋肉ではないため、ダンベルを使って鍛える場合は重量をあまり重くしすぎないように注意してください。
【リストカール(リバース・リストカール)をもっと詳しく知りたい方はこちら】
リストカールは、前腕の筋肉と手首と鍛えることができる筋トレです。男らしい腕を手に入れるだけでなく、男女問わず手を使う作業が多い人にとっては、腕や手首が疲れにくくなる効果が期待できます。また、ダンベルのような腕の負荷が大きい筋トレをおこなう場合の手首の怪我防止になります。
リバース・リストカールは手首の動作のみでゆっくり上げ下げすることで尺側手根伸筋、橈側手根伸筋を鍛える筋トレです。尺側手根伸筋、橈側手根伸筋を鍛えることで、ベンチプレスなどの腕に高負荷のかかる筋トレをする際に、前腕の引き締め、筋力、手首の強化はもちろん、脂肪燃焼にも効果が期待されます。
前腕の筋トレ②プロネーション(スピネーション)
プロネーションはベンチに座って行います。片手でダンベルを持ち、ダンベルを立てた状態でスタンバイをします。この時、もう片方の手は肘に添えて支えてあげるといいでしょう。
そしてダンベルをゆっくりと体の外側に倒していきましょう。この時、前腕の内側にある筋肉の伸縮を意識してください。 あまり高負荷で行うと手首のケガにつながるので、ダンベルの重量に気をつけて行うのがポイントです。
この種目も、ダンベルを反対側で上下に動かす「スピネーション」という種目があります。こちらは回外筋という逆側の筋肉を鍛えられるので、プロネーションと1セットで行うといいでしょう。
【プロネーション(スピネーション)をもっと詳しく知りたい方はこちら】
プロネーションは手首を外側にひねりダンベルの端を握り、手首を返してダンベルを引き上げる筋トレです。前腕内側の筋肉を意識しながらゆっくりと行うことで円回内筋、前腕屈筋群、方形回内筋に効果があります。
スピネーションとはベンチなどの安定した台の上で肘を固定しながら行い、ダンベルの先端を上下に動かす筋トレ種目です。前腕伸筋群、回外筋が鍛えられ、リストの強化や前腕の引き締めなどにも有効とされています。
前腕の筋トレ③ハンマーカール(リバースカール)
まず1つ目は、拳を縦にした状態でダンベルを持つ「ハンマーカール」です。このトレーニングでは、前腕筋群の中でも特に肘の連動と深く関係している上腕筋を鍛えることができます。肘の連動に欠かせない筋肉なので、普段のアームカールと一緒に使い分けて行うといいでしょう。
もう1つが、手の甲を上にして行う「リバースカール」という筋トレです。先ほどの上腕筋に加え、腕橈骨筋という筋肉も鍛えられます。腕橈骨筋は肘周辺の筋肉の盛り上がりを作ってくれる筋肉なので、ぜひ取り入れたい種目です。
オルタネイト・ハンマーカールは上腕の前面を鍛えることができる、ダンベルを用いたトレーニングです。主に、上腕筋を鍛えることに効果があります。同時に、上腕二頭筋にも効果があります。前腕筋や手首の強化が期待でき、握力向上にもつながります。
前腕の筋トレの頻度は?毎日やってもいいの?
筋肥大を起こしたいのであれば、負荷と回数は8〜10回がギリギリの重さ(8〜10RMといいます)で3セット以上行いましょう。
これ以上に負荷を大きくしてしまうと、例えば3RMほどの超高負荷で筋トレを行うと、筋肥大よりも瞬間的に爆発的な力を発揮するという神経系の能力がアップします。負荷を10RMより小さく、15RM〜20RMにすると動員される筋肉が筋肥大の筋肉から変わり、筋持久力(遅筋)が鍛えられます。
前腕は日常の生活から動員される回数が多いです。ペットボトルを持つ際や、ちょっと何かを運ぶ際です。
そのため前腕は意外と鍛えられていたりしており、そのため前腕の筋トレをする際は負荷を軽くしてしまいがちです。
引き締まった太い前腕を手に入れるためには、負荷に注意してください。
毎日鍛えても良いのか?
前腕は大胸筋や大臀筋などの筋肉と比較するとサイズが小さいため、筋肉痛になり、筋肉の修復までにかかる時間は比較的短いです。
しかし、だからといって筋トレ上級者でない方は毎日鍛えることは控えましょう。
筋肉痛にならなくても筋肉は修復をしている可能性があります。「筋肉痛=筋肥大」ではないのです。
他部位と同様、中1〜2日は空けて前腕の筋トレを行ってください。
前腕は自宅でたくましくすることが可能!
女性であればペットボトルに水を入れて行うだけで十分負荷をかけることができるでしょう。
ジムで筋トレをする場合は、胸・肩・背中といったトレーニングでも常に刺激されています。重いバーベルを握ってベンチプレスをしているだけでも前腕が鍛えられます。そのため、前腕を集中的に鍛えたい時にはトレーニングのラストに行い、最後の追い込みをかけていくといいでしょう。
前腕は露出機会が多い部位ですので、しっかり鍛えてアピールしましょう!
中島 健監修トレーナーからのアドバイス
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
前腕の筋群は比較的小さく、大きな筋力を発揮する筋肉ではないので特にはじめは筋肉の収縮を意識できる重量で行いましょう。
【プロトレーナー監修】腕の筋肉を鍛える筋トレを紹介します。腕の筋肉は主に上腕二頭筋、上腕三頭筋、前腕筋群からなり、美しい腕の筋肉を作るためにはそれぞれ適切な鍛え方をする必要があります。筋肉の付き方も含め、正しい鍛え方を動画付きで解説します。