無意識におこっている、伸張反射とは

『運動に関わる筋肉のしくみとトレーニング法 (徹底解剖) 』を出版されている、東京大学の石井直方教授によると、「筋を伸張すると、筋の中にある“筋紡錘”という感覚器が伸張を感知し、脊髄にある同じ筋の運動神経を活動させて伸張に対する抵抗力を発揮させる」というもの。

少しわかりにくいので嚙み砕くと、「筋肉が勢いよく伸ばされた場合、自動的に筋肉が元に戻ろうと収縮しようとすること」です。これは元々備わった反応のため、私たちが収縮させたくなくても、無意識のうちに引き起こってしまいます。

普段は特に意識している方はおられないと思いますが、運動をする方は怪我をしないためにも、トレーニングの効果を最大限得るためにも、ぜひ頭に入れておきましょう。

伸張反射をトレーニングに利用しよう

瞬発力などの、短時間に大きなパワーを発揮する能力を向上させるために、伸張反射を利用したトレーニングは有効とされています。

例えば、地面に足をつけるとしましょう。すると、そのために伸張された筋肉が、伸張反射によって元に戻ろうとして、腱が引き延ばされパワーが腱に充填されます。筋肉の伸張速度が速いほど、収縮速度も速くなり、腱にパワーが充填され、瞬発力が増すという仕組みです。

この“筋肉の伸張収縮速度の速さ”をコントロールしているのが神経です。つまりこの神経を刺激することで、筋肉の伸張反射速度を向上させることができます。

伸張反射の強さを測る

自身の伸張反射の強さを測る方法は一般的にはあまり知られていません。
以下の動画で自身の伸張反射がしっかりとついているか確認してみましょう。

膝立ちの状態から一気に立ち上がるにはまさしく伸張反射が求められます。
できなかった人は次に紹介するトレーニングをおこなってみてください。

反復刺激で、伸張反射速度を鍛える

伸張反射速度を鍛えるには、反復トレーニングがおすすめです。

縄跳びや足首の高さほどのハードルを両足を揃えて飛び越えていく“ハードルジャンプ”、膝くらいの高さの台から飛び降り、着地の瞬間に飛び跳ねる“デプスジャンプ”などをおこないましょう。

地味なトレーニングですが、継続することで筋力が強化され、伸張反射も養われますので、早い人なら1ヶ月で効果が実感できます。
しかし、筋肉や腱にかかるストレスも大きいというデメリットもあるので、週2回から軽めに始めてください。

伸張反射はストレッチにも上手に取り入れて

ストレッチをする際、一気に筋を伸ばしてはいませんか? すると「これ以上、筋が伸びてダメージを受けないようにしないと!」と体が反応し、伸張反射がおこってしまうのです。

これではストレッチの効果が薄れてしまいます。柔軟性を向上させていくためにも、伸張反射が起こらなくなるまで、しっかりと時間をかけるおこなうことが大切です。
反応が無くなるのには“40秒程”かかるとされていますから、最低40秒以上は伸ばしていくようにしましょう。

伸張反射を起こさせないストレッチ

運動後のクールダウンや足がつったときなどにおこなうと最適です。

実はとても簡単で、しゃがみこんだ状態で40秒ほど静止するだけでも、伸張反射を起こさせないストレッチを行っている状態になります。

しゃがみこむだけで、四頭筋やハムストリングス、腓腹筋など足のほとんどの筋肉の緊張を緩ませ、ほぐすことができるのです。

通常のストレッチも、ゆっくりと伸ばしていくこと、40秒以上伸ばすことを意識すれば、伸張反射が起こらなくなり、筋肉に負荷をかけずに緩めることができます。ぜひ、意識しながら実行してみてください。

伸張反射を理解して、効果的なトレーニング&ストレッチを

私たちの体には、元々備わった機能があります。せっかくある機能を利用したり、意識したりしないのは、宝の持ち腐れです。

伸張反射について理解をした上で、トレーニングやストレッチを行なうようにしましょう。理解した分だけ、意識しておこなうことができ、より効果を実感できるはずですよ。

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