胸筋の種類4つ

大胸筋

「大胸筋」は、厚い胸板に欠かせない胸筋の代表的なアウターマッスルです。胸に膜を張るように広く存在し、以下の2つの役割があるとされています。

①両腕の動きの安定や、動きの制御
②呼吸、特に空気を吸うときの胸郭の動きを補助してくれる

大胸筋を鍛えると運動時のパワーアップや体力の向上などのメリットがあります。また、胸板を作るための唯一のアウターマッスルと言っても良い存在なので、筋トレなどで胸筋を鍛えると言えばこの大胸筋を指します。

宮城島大樹 監修トレーナーからアドバイス

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

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胸筋の中でも最も大きく、分厚い胸板を作る役目を果たすのがこの「大胸筋」です。

小胸筋

「小胸筋」は、大胸筋の内側にある胸筋のインナーマッスルの1つとも言える小さな筋肉です。上側にある肋骨から肩甲骨にくっついていて、主に肩甲骨の動作に関して様々な役割を持っています。

また小胸筋は、人間が生活する上で欠かせない「呼吸」をする際に大きな役割を果たしています。呼吸時には胸郭と呼ばれる部分が上に動くことで息を大きく吸うことができるのですが、その動きの補助をしてくれるのです。そのため、運動時などの持続力に大きな効果を発揮してくれる筋肉です。

また、小胸筋を鍛えることで胸部を上へと引き上げてくれるため、女性にとってはバストアップなどの効果が期待できます。現代社会ではデスクワークが多く、前かがみになっている時間が多いので、衰えやすい筋肉の1つとも言われているのです。

前鋸筋

大胸筋に次いで、体の表面にあって見た目の変化が出やすい筋肉が「前鋸筋」です。肩甲骨の裏側から肋骨のそれぞれの骨に伸びている筋肉で、体の表面からは胸の下でノコギリのようなギザギザの形に見えます。ちなみに、体の表面から見えるのですが「インナーマッスル」の一種でもあります。

前鋸筋は小胸筋のように、肩甲骨周りの動きを制御してくれる筋肉です。ただし、小胸筋が主に下方面の動きを担っているのに対して、前鋸筋は上方面の動きや、腕を前に出す動きに関わっています。ですが、両者の筋肉は似たような動きで連動することもあるので、完全に真逆の働きをしているわけでもありません。

前鋸筋は腕を前に出す動作で大きな力を発揮するため、ボクシングなどパンチ力が必要なスポーツで重要視されています。また、前鋸筋はインナーマッスルのため大きな筋肥大は起こしませんが、筋肉の密度が上がり体の引き締め効果を得られるので、女性であればウェストのくびれを際立たせ、男性であれば逆三角形の体で鍛え上げた胸板をさらに強調することができます。

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肋間筋

最後に紹介する「肋間筋」も、胸筋のインナーマッスルに分類することができる筋肉です。肋骨の間に膜のように広がっている筋肉で、位置によって以下の3つに分類することができます。

・外肋間筋:肋間筋のうち、肋骨の肩甲骨や腕側から背中にかけてを覆っている筋肉
・内肋間筋:肋間筋のうち、肋骨の肩甲骨や腕側から前にかけてを覆っている筋肉
・最内肋間筋:内肋間筋の一部だが、神経や動脈よりもさらに内側にある筋肉

3つに分類される肋間筋はさらにそれぞれでもその位置で役割分担があるのですが、いずれも大まかに「呼吸」に大きな関係があります。胸郭を広げてより大きく息を吸い、そして吐くことができるので、運動時などの体力向上に欠かせません。

この肋間筋の動きは、呼吸時に胸を大きく開く「胸式呼吸」でより実感しやすいと思います。

お腹を大きく膨らませる「腹式呼吸」に注目が集まりがちですが、腹式呼吸は体の「リラックス」が大きな目的です。
それに対して、胸式呼吸は交感神経が優位になるため体が活発になるというメリットがあります。そのため、1日の始まりや運動時などに高い効果を発揮するのです。

大胸筋の鍛え方の基本

ここからは、それぞれの筋肉の鍛え方について見ていきましょう。まず初めに、胸筋のアウターマッスルとして欠かすことのできない大胸筋から解説していきます。

大胸筋の鍛え方は、以下の2点を意識した行うと良いでしょう。

「上部・中部・下部」の3分類で行う

大胸筋はできれば単独ではなく、いくつかの種目に分けて行うのがオススメです。そのときに取り入れたいのが、大胸筋を「上部・中部・下部」の3分類でトレーニングメニューを組むということです。

大胸筋は非常にサイズの大きい筋肉で幅広いため、単一の種目だけでは大胸筋全てに負荷をかけるのは難しいというのが大きな理由です。この後で紹介する3つの種目を参考に、胸を鍛えていきましょう。

胸を張り、肩甲骨を寄せてトレーニングする

大胸筋の筋トレは自重やダンベル・バーベルで多数ありますが、そこで注意したいポイントがあります。それは「胸を張り、肩甲骨を寄せてトレーニングする」という点です。

宮城島大樹 監修トレーナーからアドバイス

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肩甲骨が固定されていないと前鋸筋や小胸筋が機能してしまって大胸筋の出力が落ちるので肩甲骨は寄せましょう。

大胸筋中部のオススメな鍛え方:ワイドスタンス・プッシュアップ


大胸筋中部は、上部や下部と比べてオーソドックスなトレーニングで鍛えることができます。その中から、今回は「ワイドスタンス・プッシュアップ」を紹介します。

通常のプッシュアップと同じく、うつ伏せで両手を広げ、ゆっくりと体の上下運動を行うのですが、ワイドプッシュアップでは、両手を肩幅より大きく広げた状態で行うのが大きな特徴と言えるでしょう。背筋は曲げずに伸ばすようにしましょう。

普段のプッシュアップと違い、ワイドプッシュアップでは大胸筋をより集中的に刺激することができます。また、両手を開いて行うので大胸筋の外側の負荷が強くなります。この理屈は身体を一番下まで落としたときに一番筋肉が引っ張られるため最も刺激が強くなり、その部位が大胸筋の外側になるのです。ちなみに両手は平行に置くのが一般的ですが、両手の開き具合に合わせて八の字など大きく角度を広げて行うと、より安定度が増すでしょう。

両足は基本的に閉じて行いますが、少し広げることで体が安定して負荷がやや軽くなります。女性でも簡単に行うことができる筋トレ種目であり、女性であれば大胸筋の外側はバストアップ効果が期待できるため、ぜひ行ってください。しかし、女性では全体重を使って行うと難しい場合もあるでしょう。その場合は膝をついて行うことで負荷を小さくすることがでいます。

大胸筋上部のオススメな鍛え方:インクラインダンベルプレス


大胸筋上部の鍛え方でオススメなトレーニングは「インクラインダンベルプレス」です。通常のダンベルプレスでは、体を仰向けにして天井に向けてダンベルを持ち上げますが、インクラインダンベルプレスでは仰向けよりも体を起こした状態でダンベルプレスを行います。

この種目では、上体の角度を調整できる「インクラインベンチ」を使用しますが、それがない場合はベッドなどに体を預けるようにすると良いでしょう。上半身が地面に対して30度〜45度になるのが大きな目安です。この体勢で、ダンベルを天井に向けて持ち上げる動作を繰り返します。ダンベルを下ろす時は、顔よりやや下の高さまでにしましょう。肩より下に下ろすとケガに繋がる可能性があります。

このインクラインダンベルプレスは、上半身の角度を60度程度にすると肩にある三角筋に刺激が加わります。次で紹介する前鋸筋のトレーニングにも応用が可能な、便利な種目です。

前鋸筋のオススメな鍛え方:インクラインダンベルプレス

前鋸筋は「腕を前に押し出す動き」で働く筋肉ですので、その動きを意識したトレーニングを行うのが重要です。この動きをするのにオススメなのが、先ほど紹介した「インクラインダンベルプレス」です。

インクラインダンベルプレスでは、ベンチやベッドを活用して体を30度〜45度に傾けて行います。体の角度は30度程度の低い傾きを意識しましょう。通常のダンベルプレスでは腕が伸びる直前までダンベルを持ち上げるのですが、前鋸筋を鍛える場合はその状態からさらに肩を上へと持ち上げます。

そしてこの時、まっすぐとダンベルを持ち上げるのではなくさらにもう一工夫をしましょう。
前鋸筋は肩甲骨を上の方に回旋させる動きでも働きます。そこで、ダンベルを持ち上げる時に「親指側が下になるようにして、手の甲を内側に向ける」ようにして腕をひねります。この動きによって、肩甲骨が上方向に回るので、前鋸筋をさらに刺激することができます。

大胸筋下部のオススメな鍛え方:インクラインプッシュアップ

大胸筋下部の鍛え方は、大胸筋上部や中部よりも自宅でのトレーニングでは鍛えにくい種目です。フィットネスジムでは、ケーブルマシンなどを使って上から下への動作を意識したトレーニングで鍛えることができます。

このような負荷・刺激を加えるのにオススメなのが「インクラインプッシュアップ」です。通常のプッシュアップを行う場合、負荷を上げる時は両足をバランスボールなどに乗せますが、このインクラインプッシュアップではベッドやベンチに両手を乗せてプッシュアップを行います。

姿勢や両手の位置、体の動かし方などのコツは、通常のプッシュアップや胸筋のトレーニングの基本とほぼ同じです。そして両手はベッドやベンチのへりなどに置くのですが、体を下ろした時、手の位置に胸が来るような立ち位置を意識してトレーニングするようにしましょう。

この角度を意識すると、体を起こす動作が手を下に押し出すような動きになります。これにより、大胸筋下部により大きな負荷をかけることができるでしょう。もしもこの動きで負荷が軽く感じるようになったら、この後に紹介する小胸筋のトレーニングを生かすのがオススメです。

小胸筋のオススメな鍛え方:ディップス


大胸筋の内側にある小胸筋を鍛える時には、「ディップス(リバースプッシュアップ)」を行うと良いでしょう。ただし、ディップスはいくつかやり方があるので、そのうちの1つのバリエーションを行うようにします。

自宅で行うディップスには、仰向けの状態でベンチやベッドのヘリに手をのせ、肘を90度程度に曲げる要領で体を上下させるというやり方があります。しかしこの方法は、主に上腕三頭筋を刺激する方法です。

小胸筋を狙うディップスを行う場合、背もたれのある椅子を2つ用意しましょう。背もたれが内側になるように椅子を2つ並べ、その間にまっすぐ立ちます。
この状態から背もたれの上に両手をのせ、膝を曲げて体を浮かせましょう。この状態で肘が90度になるくらいまで曲げながら体を下ろすのがもう1つのディップスのパターンです。

これはフィットネスジムにあるチンニングスタンドにあるバーを使ってもできるので、むしろこちらをオーソドックスなディップスと考えている人も多いでしょう。体の上下運動では上半身がやや前に傾くのですが、これによって上腕三頭筋と大胸筋下部を鍛えることができます。

この状態で小胸筋を鍛える場合、腕が伸びているところから肩をすぼめるようにして、体を上下させましょう。この時、胸を張って肩甲骨を動かすイメージを行うと良いでしょう。

肋間筋のストレッチとオススメの鍛え方

肋間筋はトレーニングで鍛えるのと同時に、柔軟性を確保するためにストレッチにも重点を置きましょう。

肋間筋のストレッチ方法

うつ伏せの状態から両手を床につけます。そして両手を使って上半身を持ち上げ、顔は前を向くようにしましょう。この時腰から下は地面についていることに注意します。上半身が大きく反ることで、体の前がストレッチされていることを意識してください。

肋間筋の鍛え方:バイシクルクランチ


肋間筋を鍛えるトレーニングでオススメなのは「バイシクルクランチ」です。
ツイストクランチは仰向けの状態で、両手を後頭部で組んで行います。そして片足の膝を90度に曲げつつ、上半身をひねって反対側の肘を膝とつけるようにしましょう。そして元の位置に戻り、今度は反対側の膝と肘をつけるように、上半身と足を動かしていきます。

このツイストクランチでは、上半身をひねる動きで肋骨周りにある肋間筋への刺激を与えます。そのため上半身を左右にひねる動きを意識して行うのがポイントです。肋間筋はインナーマッスルなので、ゆっくりとした動作を心がけましょう。

多彩な胸筋の鍛え方でたくましく健康的な体を手にいれよう

胸筋でも最もメジャーな大胸筋から、胸にある様々なインナーマッスルまで基礎知識と鍛え方を解説しました。胸の筋肉は、呼吸という私たちの生活で欠かすことのできない行動を支える大切な役割があります。

たくましい胸板を作るために大胸筋だけを鍛えるのではなく、インナーマッスルも一緒に鍛えて日常生活を楽しく送ることができる健康的な体も手に入れてください!

宮城島大樹 監修トレーナーからアドバイス

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大胸筋はたくましい胸板を作るためには必須な筋肉です!ぜひ積極的に取り組んでみてください!

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