腕立て伏せの呼吸法の基本|呼吸のタイミングで効果が上がる!

監修者

松岡羊輔

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

腕立て伏せのときの呼吸はとても大事です!呼吸1つで効果は大きく変わります。それはなぜか?正しい呼吸法とは?腕立て伏せは意外に正しくトレーニング出来ていない方が多い種目でもあります。正しいやり方を解説します。

正しい腕立て伏せのやり方と呼吸の方法とは?

腕立て伏せのときの呼吸のやり方に戸惑うことがあります。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

慣れていないと腕立て伏せの最中に息を止めてしまったり、変なところで呼吸をしてしまったりしますよね。まずは正しい腕立て伏せのやり方から見ていきましょう。

正しい腕立て伏せのやり方

基本的な腕立て伏せのチェックポイント
(スタートポジション)
・手のひらと足趾を床に着き身体を支える
・手の幅は肩幅より広くする
・頭から踵までを一直線に保つ

(動作)

①胸を床に近づけるように肘を曲げながら身体を降ろしていく(息を吸いながら)
②肘を伸ばしながら元のポジションに戻る(息を吐きながら)

※動作中は常に頭から踵までを常に一直線の状態をキープする
※対象となる筋肉:(主働筋)大胸筋・(補助)上腕三頭筋・(補助)三角筋前部

腕立て伏せを行うときの呼吸のタイミング

一般的には筋トレの際、

筋肉が収縮する時・・・息を吐く
筋肉が伸張する時・・・息を吸う

が基本となります。

これを腕立て伏せに当てはめると、

・スタートポジションの姿勢になる
・ゆっくり呼吸する
・息を吸いながら胸を床に着けるように体を降ろす(大胸筋が開き、伸張した状態)
・息を吐きながらスタートポジションに戻る(大胸筋が収縮した状態)

となります。

しかしハードなトレーニングになるとこの呼吸にズレが出やすくなります。どうしても筋肉が収縮するときに息を止めて力んでしまします。

また、「トレーニングの動きに合わせて呼吸をしている」と次第に呼吸と動きにズレが出てきます。呼吸を楽にやる方法は、「呼吸のリズムに合わせてトレーニングする」です。このやり方だと呼吸と動きのズレが出なくなります。

腕立て伏せの場合も、呼吸に動作を合わせるように行いましょう。

どうしても腕立て伏せで呼吸が止まる場合の対処法

トレーニング上級者になると息を止めて体幹の安定性を高めるテクニックを使用することがありますが、初心者のうちは呼吸とトレーニングをリンクさせるように練習しましょう。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

息を止めて力むと血圧が急激に上昇して危険です。

上記のことを意識しても、どうしても息が止まってしまうという場合は、負荷が高過ぎる可能性があります。

普段運動していない方、トレーニングをはじめたばかりの方や女性にとって腕立て伏せではハードルが高すぎることがあります。

そんな時は、膝を床に着けて腕立て伏せを行いましょう。

<やり方>
・スタートポジションで両手両膝をついて腕立て伏せのポジションになる

・頭から膝までを一直線に保つ

・動作は腕立て伏せと同じ

いかがでしょうか?
負荷が少なくなり、呼吸と動作を合わせやすくなると思います。腕立て伏せではどうしても呼吸が止まる方は、まずこちらからはじめましょう。

呼吸でさらにトレーニング効果を上げる

呼吸と筋トレを合わせるのは是非ともマスターしたいですね。血圧の不必要な上昇は避けたいですから呼吸をしっかりしたいですね。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

そうですね。血圧が過剰に上昇するのは避けた方が良いと思います。実は呼吸とトレーニングには血圧だけではなく、トレーニング効果を左右する大切な理由が別にあります。

呼吸でトレーニング効果に変化が出るということですか?それは面白いですね。早速教えてください。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

分かりました!

呼吸でトレーニング効果を引き上げる

皆さんは呼吸と自律神経の関係をご存知ですか?
自律神経とは自分の意志とは関係なく心臓や内臓を動かしたり、血圧や体温を調整している神経です。この自律神経は、「交感神経」「副交感神経」に分けることが出来ます。

交感神経・・・興奮・緊張状態、血圧上昇

副交感神経・・・リラックス状態、血圧低下

呼吸と自律神経の関係
自律神経は呼吸とも関連があり、呼吸を通して自律神経を筋トレに活用することができます。

息を吸う・・・交感神経(興奮状態)
息を吐く・・・副交感神経(リラックス状態)

これを腕立て伏せに活用すると、

体を降ろしていく(筋肉が伸張する)→息を吸う→交感神経→興奮・緊張状態
体をスタートポジションに戻す(筋肉が収縮する)→息を吐く→副交感神経→リラックス状態

このようになります。

いかがでしょうか、気になる事がありませんか?

「筋肉が収縮する」時にリラックスするのはおかしいと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、筋トレの際にトレーニングする部位の筋肉とフォームを固める筋肉以外は、リラックスしていることが欠かせません。無駄に力が入ると動きが硬くなり効果的なトレーニングが出来ません。だから腕立て伏せでは筋肉が収縮するときに息を吐いてリラックスさせる必要があるのです。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

効果的な筋トレには呼吸と動作の連動が欠かせないことがお分かりいただけたでしょうか?腕立て伏せに限らず、正しい呼吸で筋トレの効果を最大限高めましょう!