懸垂は毎日鍛えてもいいのか?効果的に背筋を鍛える頻度とは?

監修者

石井 利幸

加圧インストラクター

懸垂はジムに通わなくても出来るうえに、広背筋を鍛える為に大変効果的なエクササイズです。懸垂は毎日行ってもよいのでしょうか?懸垂を毎日行うことで得られる効果は?背中のトレーニングとして是非取り入れたい懸垂の頻度や効果、実際のやり方も解説していきます。

懸垂は毎日鍛えてもいいの?

逆三角形の上半身を作る為に懸垂がいいと聞きました!早く効果を出したいので毎日やっているのですが、毎日やってもいいものでしょうか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

逆三角形の上半身は男性のみならず、ウエストを細く見せる為に女性にもおススメです!毎日やってもいいものかどうか?まずは説明していきます。

懸垂は毎日行う人もいれば、そうでない人もいる?

懸垂は毎日やってもいいのか?という質問の答えについては、簡単にYES、NOと答えきれないのが正直なところです。

体操選手のように毎日懸垂やそれに近い動作や負荷をかけて素晴らしい背中になっている人もいれば、ボディビルダーのようにある程度の間隔をおいて十分な負荷をかけることで素晴らしい背中を作っている人もいるからです。

頻度についてはトレーニング経験によっても変わってきます。
一般的に筋トレ初心者のほうが1回のトレーニングで十分な負荷を対象筋にかける事が難しいと言われいます。その為初心者のほうが毎日行ってもいいと考えられます。

また毎日行っていいかどうかについては、どの程度の負荷でどの程度追い込むかによっても答えが変わってきます。

トレーニング後は筋肉が作られやすい(タンパク質の同化が活発)タイミングでもあり、反対の分解も活発になっています。さらにトレーニング翌日から数日間筋肉痛が残るようであれば、その間は本来の筋力が発揮できない為、毎日行うメリットはあまりないと言えそうです。

そうなんですね!では毎日やらない方がいいということですか??

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

絶対にダメというわけではありません。これから毎日行っていい方法とその目的を解説します!

懸垂を毎日行う目的と方法

先ほどお話した毎日行うメリットがないというのは、目的が『筋肥大の場合』です。

懸垂のフォームを習得することが目的であったり、何回懸垂ができるか?というように回数をこなせるようにすることが目的であれば毎日行うこともできます。
毎日行う為のポイントは、トレーニングの『量』を減らすことです。簡単に言うと追い込まないことが条件になります。

先ほどの説明にもヒントがありますが、十分な負荷でしっかりと追い込み、翌日以降筋肉痛がある状態ではトレーニングで重要な『日常より高い負荷』をかけることが難しい為、毎日同種目で同じ部位行うことにあまりメリットはないとお話しました。

この事から筋肉痛がでない、または疲労が少ない状態であれば毎日行ってもよいと言えそうです。
例えば、10回×3セット行うと筋肉痛が来てしまう場合、1セットのみを毎日行うようにするといいかも知れません。
量を減らすことで疲労や筋肉痛をコントロールしてやってみても初心者の場合は筋肥大する可能性も十分に考えられることは忘れてはいけません。

毎日やった場合どのくらいの期間でどの程度効果があるのか?

懸垂を毎日行った場合、どのくらいで効果が出ますか?またはどの程度の効果を感じることが出来ますか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

効果ががどの程度かは気になるところですよね!ではこれから効果の出方について解説していきましょう!

毎日懸垂をやった場合に、効果がでる期間

懸垂は毎日おこなっていいものか?を説明する際に目的や方法、トレーニング実施者の経験値でやってもいい場合とやらない方がいい場合があることは説明しました。

どのくらいで効果が出るのかという『期間』についても同様に個人差があるということは押さえておきたいところです。
一般的に言われるのは、筋細胞が全て生まれ変わるのに約80日程度かかため、トレーニング開始から2ヶ月~3ヶ月程度で変化があると思って取り組んでいただくことが多いです。

しかし、トレーニング初心者の方や筋トレメニューを変化させていつもと違った刺激となって場合はそれよりも早く変化を感じることはあります。

懸垂を毎日行うことが逆効果になる恐れも

毎日やった場合にどのくらいで効果が出るか?についてマイナスな効果としてオーバートレーニングによる筋力の低下や筋の萎縮が考えられます。

筋肥大を狙うような大きな負荷をかけて実施した場合、通常は1回のトレーニング実施翌日の筋力は65%程度に下がっていると言われています。

そのため、回復する前に実施しても更なる疲労を招くだけになってしまう可能性が高くなります。

懸垂を毎日行う場合のおすすめの回数

ですので、毎日実践すること自体を考えることはもちろん、実践する場合は疲労しない程度の量に抑える必要があります。
ちなみにトレーニング量というのは、一般的にはセット数×レップ数×エクササイズ数の合計を表します。
懸垂のみの場合はエクササイズ数は1なので、セット数かレップ数を減らすように調整することが勧められます。

毎日やるとどの程度の効果があるのか?

どの程度の効果があるかについては、先ほどお話したマイナスの効果(オーバートレーニング)が起こる可能性が高いと考えれられます。
特に筋肥大を狙った場合、1回のトレーニングで十分な負荷を欠ける必要がありますので、量を抑えたトレーニングよりも自力で出来る限界までを2~3セット行うことが望まれます。

懸垂の正しいやり方とバリエーション

オーバートレーニングはよくないと聞きます!効率よくやるなら避けたほうが良さそうですね!

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

その通りですね!では最後になりましたが懸垂の正しいやり方とバリエーションを解説していきます。

懸垂は同じような動作であるラットプルダウンと違い、身体が宙に浮いている為多くの筋肉が軌道を安定させる為に働きます。
また身体を自由に動かすことが出来るため、様々なバリエーションで行うことが可能です。
背中の筋肉を鍛える上では積極的に取り入れたい種目の1つです。

懸垂(チンニング)の正しいやり方(ワイドグリップチンニング)

①懸垂を行うバー(パワーラックや鉄棒)を肩幅よりこぶし1つ分広く順手で握る。
②膝を曲げて足を組み、やや後方に位置するようにする
③目線が握っているバーを見るようにする
④身体を少し反るようにして身体を持ち上げる
⑤力が抜けないように身体をスタートの位置に戻していく

懸垂ができない場合の対処方法

懸垂はラットプルダウンと違い、軽い重量からスタートすることが出来ません。
その為、力の弱い方や女性などはアシストチンニングというマシンを使用したり、チューブをパワーラックスにつけてサポートするやり方などもあるので覚えておきましょう。
これとは反対に自重では軽すぎる場合はディッピングベルトなど使い、ダンベルやプレートなどで荷重して行うことも出来ます。

余談ですが、大胸筋の種目で懸垂と同じように自重で出来る種目としてディップスも同じことが言えます。
自重で出来ない場合のバリエーションの1つがネガティブな局面のみ実施する方法があります(ネガティブチンニング)。
この場合、身体を持ち上げる局面はジャンプして行い、降ろす局面のみ自分の力で耐えるように行います。この方法で筋力を高めていくことで懸垂が出来るようになります。
ネガティブチンニングの場合非常に強度が高いので、1回のトレーニング実施後は4~5日空けて行うことをおススメします!

最後に懸垂のバリエーションとしては逆手で握るアンダーグリップチンニングや両手を向かえ合わせに握るパラレルグリップチンニングなどがあります。
トレーニングに身体が慣れてしまわないように、これらの種目を適時変えながら行っていくようにしてみましょう!