筋トレの消費カロリーとは?ダイエット効果を最大限にする食事の摂り方も紹介

監修者

田口純平

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

【プロトレーナー監修】「筋トレって一体どのくらいのカロリーを消費するのだろう?」「筋トレを効率的に行うにはカロリーの補給が欠かせないっていうけど、どのタイミングでカロリー摂取をするのがいいのだろう?」など、筋トレのカロリー消費・カロリー摂取の基礎知識を解説します。

筋トレの消費カロリーは実際どのくらいなの?

ジムや自宅でしっかりと筋トレを行うと、かなり息が切れて汗もかきますよね。では実際、筋トレではどのくらいのカロリーを消費することになるのでしょうか?

筋トレの消費カロリーは数値にして出すことは非常に難しいです。というのも、筋トレの消費カロリーは、負荷の大きさを表す「強度」と、どれだけの筋肉を動員したか、によって大きく変わるためです。

筋肥大を目的とした、最大挙上重量の75〜80%(8〜10回行えるギリギリの重さ)を3セット、かつ筋トレ種目BIG3と言われるようなスクワットやベンチプレス、デッドリフトは多くの筋肉を使うため、消費カロリーが高くなります。

しかし、脂肪を燃焼させるには酸素が必要であり、無酸素運動である筋トレはランニングや水泳などの有酸素運動に比べると、脂肪燃焼効果は劣ります。

このメカニズムは、運動強度の差による体内で使われるエネルギーが変化することにあります。
有酸素運動は脂肪をエネルギーとして使われますが、高強度な筋トレは糖質をエネルギーとして使うためです(有酸素運動でも短距離マラソンなど心拍数が180以上に上がるものは強度が高くなり糖質の使用割合が高くなります)。

ちなみに、体重60kgの男性が1時間の軽いランニングをした場合は約400kcal、また1時間平泳ぎでスイミングをした場合は約500kcalになります。(あくまで目安ですが)

ランニングの消費カロリーの算出方法やダイエット効果については、以下の記事をご覧ください。

筋トレのダイエット効果は「トレーニング後」にある!

「筋トレには消費カロリーが望めないのか」というと、そんなことはありません。

筋トレのカロリー消費、ダイエット効果は「長期的」、「短期的」の2つの観点で存在します。

長期的には、身体の筋肉量を増やすことで基礎代謝があがり、太りにくい身体になることができます。

短期的には、EPOC効果(運動後過剰酸素消費量)と呼ばれるトレーニング後に身体が通常より酸素を必要とする状態になり、その状態の間は高い消費カロリーが期待できるのです。

EPOC効果は運動強度が高いほど高くなるため、有酸素運動をした後よりも筋トレ後の方がEPOC効果は長く持続することがわかっています。
「短期的に痩せるには筋トレは非効率」ということは決してありません。

高いカロリー消費が期待できる筋トレメニューとは?

有酸素運動には及ばないものの、筋トレの中でも高いカロリー消費が期待できる種目は何でしょうか?

冒頭で述べたように、多くの筋肉を使う筋トレや、高強度な筋トレは筋肉量を増やすにも、EPOC効果にも効果的であり、カロリーを消費するには良い種目です。

そのような種目の中でも最も効果的なものを紹介します。
それは筋トレBIG3と呼ばれる種目であり、ベンチプレス・スクワット・デッドリフトの3つのことです。

これらは一度に多くの筋肉を動員し、バーベルやダンベルなどの負荷を追加することにより非常に高強度なトレーニングになるのです。

それぞれのやり方を解説します。

ベンチプレス

ベンチプレスはたくましい胸板を作る、大胸筋を鍛える最強の筋トレです。
通常はバーベルを用いて行うトレーニングですが、自宅でも行えるようにダンベルを使ったやり方を紹介します。

ダンベルを使ったベンチプレスは、まずはベンチなどに仰向けになります。

ダンベルを構える位置は大体みぞおちの高さにすることで、大胸筋にメインに刺激が与えられます。乳頭の位置あたりだと、肩の筋肉や上腕三頭筋も鍛えることができますが、大胸筋にかかる負荷は分散します。

ダンベルを下ろす時はゆっくり、下ろせるところまで下ろしましょう。可動域が広いほど筋肉に刺激を与えることができます。ダンベルを上げるときは一気に上げましょう。
動作中、肩甲骨を内側に寄せて肩が動かないようにすることがポイントです。

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

ダンベルベンチプレスは、可動域が広がり、広範囲に刺激ができる反面、怪我のリスクが高い種目になります。 最初のうちは重さに拘らず、きちんとしたフォームできる行いましょう!

スクワット

スクワットは非常に有名な筋トレですね。絶大な効果があるBIG3の中で唯一器具を使わずに行うことができるため、「スクワットチャレンジ」という言葉が一時期流行るなど人気の高い筋トレメニューです。

大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングスという下半身の中でも大きな筋肉を鍛えることができます。

バーベルを担いで行うとその強度はとてつもないですが、まずは自重で正しく行えるようになりましょう。
自重で行うやり方は、まず両足を肩幅程度に開き直立します。両手は身体全面でクロスさせ、そのまま腰を落とします。
腰は上体が丸まらない状態で、下げれるところまで下げてください。可動域が広い分だけ筋肉に刺激を与えられます。ゆっくり腰をおろしていき、最下点まで落としたら一気に腰を上げましょう。

ひざが足のつま先より前に出てしまうと、大腿四頭筋ばかりに負荷がかかり、大臀筋に負荷がかかりづらないだけでなく、膝を痛める要因にもなってしまうので注意しましょう。

また、背中が丸まると腰に負担がかかり腰痛の原因になるので、これも気をつけましょう。

デッドリフト

BIG3の中では注目されにくいデッドリフトですが、脂肪燃焼という点において、デッドリフトは他の2つを凌ぎます。

デッドリフトは脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリングスといった上半身や下半身に渡って大きな筋肉を鍛えることができるのです。

通常はバーベルを使う種目ですが、初心者でもダンベルがあれば自宅で行うことができます。
ダンベルを両手に持ち、両足を腰幅に開いてつま先を正面に向けます。そのままひざを曲げて上半身を前傾させます。これがスタートポジションとなります。

両手にダンベルを持って立ちます。大きく息を吸って、口から吐き出し、助骨を下げます。脇は閉めて、背中の筋肉を収縮させ、胸を張ります(腰は反らないように)。膝は柔らかく、股関節を曲げて、後ろへお尻を動かします。ダンベルが膝の下まで降りたら、ハムストリングと臀筋を意識しながらお尻を前に持っていき、一気に立ち上がります。

腰痛にならないために、腰は動かさず体幹をしっかり固定しましょう。

筋トレ前のカロリー摂取で効果的なトレーニングを

あらゆるスポーツではエネルギー源としてカロリーを摂取することが必要不可欠です。それは筋トレにも言えることです。

筋トレでは主に糖質をエネルギー源として消費するのですが、これが不足してしまうとめまいや立ちくらみといった体調不良になってしまいます。これではせっかくの筋トレも台無しです。

そのため筋トレ時には空腹ではなく、ある程度カロリー摂取をするようにしましょう。目安としては1時間半〜2時間前に一度食事を済ませることがベストですが、忙しい時は筋トレ30分前にバナナやおにぎりといった軽食を摂るだけでも効果的です。

筋トレ直後の食事は筋肉を育てる絶好のチャンス

筋トレを趣味にしている人にとって、食事における「ゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯があります。

それは、筋トレを終えた後30分以内の時間です。この時間帯は、筋トレによって壊された筋繊維が修復しようと栄養を吸収しやすい状態になっているのです。このタイミングで筋肉を育ててくれる炭水化物やたんぱく質を含む食材・料理を摂ることで、筋トレの効果をさらに高めることができます。

もちろん、プロテインの摂取も有効です。以下の記事におすすめのプロテインについて紹介しています。

逆を言えば、この時間帯は暴飲暴食をしてしまうとしっかり体に蓄えられてしまいます。高タンパク低カロリーの鶏肉のささみを使った料理などを摂るようにするといいでしょう。

朝と夜のカロリー摂取のコツ

筋トレ前後のカロリー摂取の重要性はわかりました。ではそれ以外の時間帯ではどうすればいいのでしょうか。

特に大事にしていきたいのは、朝食と夕食の2つです。まず朝食ですが、仕事や通学を理由に朝を抜いてしまう人が意外と多くいます。しかし寝ている間栄養を摂っていなかった体は、飢餓状態で血糖値も下がっています。

この状態を放置すると、筋肉が分解されたり脂肪が蓄積される体質に変わったりとデメリットが多いので、朝起きたらなるべく早めに食事をする方がいいでしょう。それに対して、夕飯の量は少なめがおすすめです。

特に就寝2時間前には食事を終わらせておいた方がいいでしょう。この時間で食べてしまうと、寝ている間は動かないのでそのまま脂肪として蓄えられてしまいます。また寝ている間も消化のために内臓が休まらないので、疲労回復の妨げになってしまうのです。

筋トレは適切なカロリー摂取で効果を出そう!

筋トレに秘められたカロリー消費の効果やカロリー摂取の基礎知識をご紹介していきました。

体を鍛えるのには、運動だけではなく食事や休養といった要素が不可欠です。 それぞれのカロリー摂取のタイミングを参考にしつつ、現在のライフスタイルを見直してみましょう。

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

カロリー消費には、スクワット、デッドリフトがオススメです。トレーニングは効率よく行いましょう‼︎

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