ある一定のペースで走る時に、よりきれいなランニングフォームで走ることができれば、無駄な労力を使わずに済むため、体への負担も少なくなります。それでは、きれいなランニングフォームとは、どういったものなのでしょうか?この記事では、きれいなランニングフォームについて詳しく解説していきます。
1. ランニングは「ストライド」と「ピッチ」でできている
ランニングは、「とにかく速く走る!」というシンプルなスポーツです。どういったレースであれ、「先にゴールした方が勝ち」というのは、やっている人にも観ている人にも分かりやすいですよね。
その運動も前へ「走る」という動きのみであり、この「走る」という動きは、「ストライド」と「ピッチ」という2つの要素から成ります。
分かりやすく言えば、ストライドというのは歩幅のことであり、ピッチというのは歩数(テンポ)のことです。ストライドを広く取り、ピッチを上げることで、速く走れるというのは、感覚的にもお分かり頂けるかと思います。
1.1 ピッチを意識しよう!
どちらも重要ではありますが、ピッチの方をより意識すべきでしょう。なぜなら、ストライドは一定値に揃えることが難しいですが、ピッチであればそれが可能だからです。
例えば、スピードを上げて軽快に走る場合と、ゆっくりジョギングで走る場合を比較してみましょう。常に一定のストライドを保って走ることは、極めて難しいです。そもそも、ストライドの計測は難しく、仮にそれができたとしても、走るペースを問わずにストライドを保つということはできません。
短距離で全力疾走をする場合は自然とストライドは大きくなりますが、同じストライドをジョギングのペースにおいて保てないことは明らかです。
一方、一定のピッチを維持したままで、ペースを上げ下げすることは難しくはありません。スピードを上げて走る時はもちろん、ジョギングのようなゆっくりめのペースでも、ピッチだけを高く保つことは十分可能です。
実際、強豪選手がひしめくアフリカ勢のランナーは、ストライドの広さはもちろん、高いピッチをキープすることにも特徴があると言われています。ストライドは難しくても、ピッチだけでも真似することは決してできないことではありません。
走力のレベルを問わず、ピッチを意識することは大切なのです。
1.2 1分間160歩を意識しよう!
目安としては、1分間160歩以上をおすすめします。
ピッチは、トップレベルのランナーで180歩から200歩の間に収まりますが、これはアマチュアでも少し速いランナーにも当てはまります。つまり、ストライドはプロとアマチュアでは大きな差はありますが、ピッチにおいては差はありません。
そのため、アマチュアランナーであっても、180歩以上のピッチは刻むべきであり、初心者はその約1割減の160歩程度を目安にするとよいでしょう。ランニングに慣れてきたら、フォームに気をつけながら次第に180歩以上をキープできるようにしていけばよいかと思います。
少し早く感じられるかもしれませんが、走り始めて間もない頃から早めのピッチを意識しておくことは、後々のランニングライフにも好影響があると思われます。このくらいのピッチを最低ラインとして、走力のアップに合わせて、ピッチも上げていくとよいでしょう。
ちなみに、プロやアマチュアでも速いランナーは、1分間に180歩以上のピッチを刻んでいます。もし可能であれば、走り始めたばかりの初心者の段階でも、このぐらいのピッチを意識してもよいと思います。
ただし、ピッチを上げすぎると、その分ストライドは狭まってしまうため、ある程度以上は無理に上げる必要はありません。
2 骨盤を立てよう!
悪いランニングフォームでは、上記のストライドもピッチも、高い数字をキープすることはできません。
骨盤を立てることが重要です。
ランニングは脚だけではなく、腕をしっかり振る事によっても推進力を生みます。つまり、上半身と下半身を結合する部分である骨盤を上手く使うことが、エネルギーロスの少ないよい走りを生むことに繋がります。
また、ランニングは「重心をゴールまで届けるスポーツ」とも言い換えられます。重心はおへその少し下にあるため、そこから近い組織である骨盤の使い方は、非常に重要になります。骨盤を寝かせてしまうと、上半身の力が脚に伝わらない上に、重心の位置が不安定になるため、推進力を上手く地面に伝えられません。骨盤をしっかり立てて走りましょう。
2.1 骨盤を立てるための2つのステップ
1. おへそを前に突き出す。
2. そのままの状態で、つま先立ちする。
このつま先立ちの時の骨盤は、地面に対して垂直に立っているか、少し前傾するぐらいになっており、ランニングする上では理想の骨盤の状態と言えます。この骨盤のポジションで走るようにしましょう。慣れないうちは走っているうちに骨盤の状態が元通りになってしまいがちなため、時折止まっては骨盤の状態を確認してみるのもよいでしょう。
ランニングフォームのまとめ
●ピッチを1分間160歩以上を保つ。
この2つを意識しながら走れば、キレイなフォームを保ちながら、走力を上げていけるでしょう。ぜひ、今後のランニングフォーム改善に役立ててください。