糖質制限で痩せない原因・よくある間違いとは?

監修者

田中哲

加圧トレーニングインストラクター

【プロトレーナー解説】糖質制限を始めて最初のうちは痩せていったけど体重の数値が変わらない。なぜ体重が落ちないのか?その原因や糖質制限する上での注意点や正しいやり方を分かりやすく解説します。

糖質制限しているが痩せない原因とは

糖質制限を始めて数ヶ月経つのですが、体重が変わらなくなってきました・・・

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

意外と糖質制限出来ているようで出来ていない場合もあります。順を追って説明しますね。

糖質制限と停滞期

「糖質制限=炭水化物を食べない」これは間違いです。

炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。糖質と炭水化物は大きく捉えると同じなのですが糖質オンリーの食品を摂っていると、食物繊維が摂れず腸内環境が悪く便秘になり体重の変化が停滞する恐れがあります。

これを踏まえた上で糖質制限ダイエットを始めると、最初の段階はどんどんと体重が落ちていきます。
止めてしまえば元に戻りますが、これは糖質の性質で体内で糖質と水分はくっつくからです。

そして糖質制限をすることで体内に糖質が入ってこなくなり、余分な水分が体外へと排出されていきます。これが糖質制限の初期で起こる体重変化です。

いきなり脂肪が1kg落ちるなんてことはありえません。1kgの脂肪を落とすには7200kcal消費しないといけないからです。勿論、脂肪量も多少は落ちているのですが微々たる量です。

そうなんですね!では体重が変わらなくなった状態が続くということはどういうことですか?

これは停滞期というものなのですが、色々原因はあります。

停滞期の原因とは?

生物には身体を維持させようという機能を持っています。ホメオスタシス(恒常性)と言いますが、糖質制限ダイエットに限らずですが、昨日まで普通に食べていた食べ物が次の日から「ダイエットするぞ~」と、摂取を止めてしまうと身体は「あれ?そろそろ栄養がくるはずなのに・・・」と体内では飢餓状態に陥っていると勘違いしてしまいます。

ホメオスタシスはそんな飢餓l状態から身体を守ろうと体重を落とさないように省エネ状態になります。

ダイエッターからすると余計な事を・・・なんて思うかもしれませんが生きる上ではとても大切なことなんです。そんな停滞期ですが、個人的にはダイエットを行う上でとても良い兆候と捉えています。

えっ?停滞期が良い兆候なんですか?

停滞期という言葉があまり良くないですかね・・ホメオスタシスには身体の変化の良し悪しが区別出来ないので、急激に変化した体重を身体が覚えようと調整している時期なんです。
なので個人差はありますが、この停滞期が終われば

また体重は落ちていき→停滞期→停滞期終わり→体重落ち→停滞期

というサイクルになります。

その間も体重が変わらないからといって適当に食事せず、今まで通りの糖質制限なりバランスの良い食事は続けましょう。体重は減らなくても身体は必ず変化(脂肪量は落ちたり)していきます。

それでも体重の数値が気になるようであればサウナなり湯船につかるなど汗をかくようにしましょう。

間違った糖質制限ダイエット

間違った糖質制限① カロリー収支を無視する

よくある間違った糖質制限ダイエットですが、糖質制限していればいくらでも食べてもいいと考えちゃいそうですがこれは間違いです。
意外と体重を増やそうと思ってタンパク質や脂質だけ摂るというのは難しいものがあります。

私たちの身体には基礎代謝といわれる1日に必ず消費されるカロリーがあります。それとは別に身体を動かす上で使われる活動代謝というカロリーもあり、この二つの代謝を足した数値よりも摂取カロリーが上回れば体重が増え、下回れば体重は減ります。

<太るメカニズム>
基礎代謝 + 活動代謝 < 摂取カロリー

体重を落とす事において、カロリー収支は必須となります。いかにマイナスにしながらバランス良く栄養素を摂れるかが重要です。

間違った糖質制限② タンパク質や脂質を摂らない

また脂っこい物やお肉は脂肪に変わると思って全く食べないことも間違ったダイエットになります。

糖質制限に限らず、タンパク質・脂質を摂るという事はダイエットを行う上で非常に重要になります。
タンパク質とはお肉・お魚・卵・豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれています。
脂質は調理油・肉や魚の脂身・乳製品などがあります。

タンパク質はアミノ酸から構成されていて、筋肉量を増やすだけでなく身体を作る材料となります。

ただ、お肉やお魚などタンパク質を食べ過ぎてしまうと腎臓に悪影響が及んだり、糖尿病を患っている方にも腎臓に障害が及ぶ場合があるので多く摂取するのは控えましょう。目安として体重1kg当たり1gのタンパク質が1日に必要となります。

次に脂質はカロリーが高い為、多くは摂らない方が良いですが不足してしまうと、免疫力の低下や肌が乾燥したり、ビタミンの吸収がされにくくなってしまいます。
なので脂質の摂取量や質を意識しながら摂ってみて下さい。

間違った糖質制限③ 蒸留酒なら飲みすぎても良い

間違った糖質制限としてお酒を飲まれる方は、蒸留酒(ハイボールなど)であればどんなに飲んでもよい。

これも間違いです。蒸留酒は糖質がカットされている為、一見飲み過ぎても問題ないように思いますが、アルコールにもカロリーはあります。

アルコールは1g当たり7gカロリーがあるのですが、これはエンプティカロリーと呼ばれ栄養素がない事を指します。

「栄養素がない=カロリーもない」ではありません。
飲み過ぎてしまえば体重は増えますし、分解出来ない量のアルコールは微量ですが脂肪に変わりますのでご注意ください。

糖質制限する方は運動しましょう

糖質制限というのは普段食べていた人からすると、思っている以上にストレスがかかるものです。一生、炭水化物を食べないなんてことは無理だと思いますしオススメもしません。ですが、糖質の食べ過ぎは体重が増えてしまいます。

ではどうすれば良いのか?糖質を消費することを行えばいいんです!

オススメするのが筋トレです。
有酸素運動でもよいのですが、時間と効果との効率が悪いのであまりオススメはしていません。短期的にどうしても痩せたいという場合は有酸素運動をして下さい。おそらく一番運動の中では効果が高いです。ただ長期的にみるのであれば筋トレが良いです。

筋トレはダイエットの為に筋肉量を増やすだけではなく、健康面・美容面ににも非常に効果の高い運動になります。

筋トレを行う主なエネルギー源は、グリコーゲンというブドウ糖です。このグリコーゲンが枯渇すると血中にある糖を使ってグリコーゲンを再利用します。つまり、筋トレは糖を消費してくれるのです!

トレーニング後にも糖質を摂取することで、タンパク質の分解を抑制するのでタンパク質+糖質を摂るようにしたいです。

ですが、ここでいう糖質とはパンやケーキといった糖質+脂質というジャンクフードではなく、極力脂質が含まれていない物を選んで下さい。お米や玄米、ライ麦パンなどその他プロテインにも糖質が含まれている物もあるのでプロテインは特にオススメです。

運動に関してはどちらも取り入れられるのが一番良いのですが、どうしても時間が取れない方もいると思います。
有酸素運動の場合はジムに行かなくても、一駅前から歩くでも良いですしエスカレーターを使わず階段を使うなど工夫できます。

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

筋トレもジムに行きダンベルやマシンなどで負荷をかけた方がよいですが、行けない場合は自宅で腕立て伏せやスクワットなど行うのも良いですよ。