どれくらいの運動が効果的?自分に合った運動強度の設定方法!

『運動強度』という言葉を聞いたことがありますか? あまりなじみの無い言葉ですが、もしあなたが「運動するなら高い効果のある運動をしたい!」と思うなら、覚えておいて損は無いでしょう。この記事では運動の効率を最大までアップさせる『運動強度』について解説します。

運動の効果アップに役立つ『運動強度』という概念

運動強度というのは聞き慣れない言葉かもしれません。これは「運動の強さ」の事で、どの程度の負荷の運動を何分やればよいかを決める時の目安になる概念です。

人それぞれ身体の作りも耐久力も違うため、運動強度も各個人で異なります。運動強度を知ることで、自分がどれくらいの負荷の運動をどれほど行えば良いかを決める事が出来ます。そして運動強度にあった運動をすれば、より効果的で効率の良い運動が行えるようになれるのです。

そんなの知らなくても、運動なんてタダやればいいんじゃないの?

「運動して筋肉を使ったりカロリーを消費すれば、運動強度なんて知らなくてもいいんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし運動強度を知る事には、怪我のリスクを減らして運動の効果を大きく上げるという絶大なメリットが存在します。

激しい運動をしても平気な人がいますが、全員がそういう訳ではありません。自分の体に合わない強度の運動をすると怪我のリスクも増え、特にダイエットの場合は疲ればかりが大きくて肝心の効果がイマイチという事も往々にして起こります。

運動強度をふまえてトレーニングメニューを組めば、より安全で脂肪燃焼の良い運動が出来ます。「運動はしているけど、効果があまり無い気がする……」という人は、運動強度が合っていない可能性があります。自分に合う運動強度を知る事で、その悩みも無くなる程の運動が出来るようになります。

気になる運動強度の算出方法

運動強度は心拍数から計算することができます。
計算式は以下の通りです。

『運動強度=(心拍数-安静時心拍数)÷(最大心拍数-安静時心拍数)×100』

1つずつ説明します。
まず「安静時心拍数」とは朝に目覚めた直後など安静時の心拍数で、「心拍数」が運動後の心拍数です。手首の脈に指を当てて、1分あたりの心拍数を数えて計ってください。10秒間の心拍数に6をかければ算出できます。「最大心拍数」は220-年齢で出してください。

この「安静時心拍数」、「心拍数」、「最大心拍数」の3つがわかれば運動強度を求めることが出来ます。

たとえば30歳の人で安静時心拍数が60、心拍数140になる運動をしたとします。この場合、

(140-60)÷(190-60)×100=61.5

であるため、この人が行った運動の運動強度は約62%ということになります。
運動強度は50~70%がもっとも効率よく脂肪燃焼すると言われています。これ以上では筋トレのような無酸素運動に近くなり、脂肪燃焼の効率が落ちます。ダイエットが目的なら50~70%になるくらいの運動が理想的という訳です。

運動強度は高すぎても低すぎてもダメ!

運動をする時、必要以上に頑張り過ぎて負荷の高い運動をしてしまう場合があります。運動強度を踏まえるとこれは体によくありません。特に運動の習慣が無かった人や高齢の人がいきなりハードな運動をすると、体への負担が大きすぎて怪我をしてしまいます。

「運動強度が高すぎる」と言い換えれば良いでしょう。そうした人は運動強度40%くらいの軽い運動から始めましょう。いきなりランニングではなくウォーキングから始める……といった具合にです。

慣れて来たらランニングに切り替え、運動強度50%を目指し、さらに慣れたら60%になるくらいのペースでランニングを行う。このように体が慣れる毎に少しずつ運動強度を上げていくのが最も運動の効果を大きく得られます。

適切な運動強度は定期的に計るべし

ひとつ注意ですが、運動強度は1回計ればもう計らなくても良いという訳ではありません。計算式を見れば年齢によって変わるのは分かりますが、運動が習慣化することによっても変化します。運動に慣れれば心肺機能が上がり、最大心拍数も上昇していくからです。

同じ距離・同じペースのランニングでも、運動が習慣化するほどに運動強度が下がり、脂肪燃焼の効率も落ちていきます。なので今の運動に慣れたら運動強度を計り直し、強度60%の運動になるよう調節するのが理想的です。出来れば数週間~1ヶ月ごとに運動強度を計り直す事をオススメします。

運動強度を常に意識する

いかがでしょうか。

運動強度は少し専門的な知識であるため、あまり意識されません。しかしこれはぜひ意識して運動した方が良いです。自分の体にあった運動強度とは、つまり自分に最適な運動という事です。こうした運動は効果が高いのはもちろん、適度な負荷で継続しやすく、精神的な充実感も違います。強度の高すぎる運動をして体を壊す心配もないため、計算して出す価値は十分にあります。