筋肉痛に湿布は効果なし!?正しい治し方とは?

監修者

伊藤俊太

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

筋肉痛は運動につきものでもあります。早く筋肉痛を軽減させるためにアフターケアとして湿布は効果があるのでしょうか?今回は湿布のタイミング、湿布以外の対処方法、そもそもの筋肉痛が起こるメカニズムを解説していきます。

筋肉痛に対しての湿布薬の効果はあるのか?

筋肉痛のメカニズムも明確となってはいませんので、明確な対処方法もありません。
しかし、その中でも手軽に対処できる方法としては

・ストレッチ
・お風呂で温める
・アイシングをして冷やす

主にこの3つが挙げられますが、もっと手軽にできる筋肉痛の対処方法があります。

それが、サロンパスのような”湿布薬”を患部に当てることです。
例えば、お父さんがよく「腰が痛いから湿布を取ってくれ」なんて会話を聞いたことはよくあるのではないではないでしょうか。

そして、その湿布を腰に貼ってあげる・・・と言ったシチュエーションはよく見るかと思います。

実際に筋肉痛にも湿布をよく張るという人は多いかと思います。
では、実際に湿布を貼ることと筋肉痛との関連性はいかがでしょうか?

筋肉痛の時に貼る湿布は効果的か?

筋肉痛になったので湿布を貼ろうと思っています。何かオススメの湿布はありますか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

筋肉痛は運動にとって付き物なので自分は普段あまり湿布はしないのですが、少しでも早く筋肉痛を解消したいという時は湿布を貼ります。
あくまでも最終手段として捉えていますね。

湿布の種類はたくさんあります。
冷えた湿布、暖かい湿布、色の白いもの、茶色いものなどがあります。

その中でも、色の白い湿布や茶色の湿布があるかと思います。
白色の湿布をパップ剤、茶色の湿布をプラスター剤と言います。

どの時に、どの種類の湿布を使うと良いのか確認していきましょう。

白色の湿布”パップ剤”の効果とは?

冷えた湿布や、暖かい湿布に多いのがこのパップ剤といった湿布となります。
水分を多く含んでいるため患部に熱を持っている場合はこのパップ剤といった湿布がとても有効かと思います。

熱さまシートなんかもこのパップ剤でできていますよね。
そのため、患部の熱感を下げるのに最も適しているのはパップ剤を使用してもらえれば良いかと思います。

筋肉痛時にも使用はもちろん可能ですが、長時間の使用によりかぶれや皮膚の炎症が起こる危険性がありますので気をつけて使用してください。

茶色の湿布”プラスター剤”の効果とは?

密着感が強いため、テープの形状も貼りやすいものが多いかと思います。
そのため、関節やよく動かす筋肉の部分に貼り付けても、剥がれ落ちたり、ずれたりしにくい湿布だと思います。

こちらの湿布ももちろん筋肉痛の時には使用をしても問題ありませんが、長時間の使用ができる分皮膚の炎症も起こりやすくなりますので、丸一日湿布を貼り続けるなどあまりにも長時間すぎる使用は控えた方が良いでしょう。

筋肉痛に対してストレッチは効果があるのか?実は逆効果?

ストレッチは筋肉痛解消に逆効果も!

筋肉痛は、筋肉の収縮が優位でもあるため、常に筋肉が縮んでいる状態の可能性もあります。これは筋肉の過緊張と捉えることもできるかと思います。

しかし、筋肉には伸ばす役割もあることを忘れてはいけません。
筋肉を伸ばすことをストレッチと言いますが、実はストレッチのやり過ぎで筋肉痛になったという記録も残っています。

ストレッチで筋肉痛になるということは筋肉を伸ばす方が筋肉痛になりやすいのですか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

そういうことになります。実際に自分もストレッチのやり過ぎで筋肉痛になることは何回も経験しています。

ストレッチで筋肉痛になるくらいなので、筋肉は伸ばす方が力を発揮することとなります。
筋肉には”ポジティブ”とネガティブ”と呼ばれる動作があります。

◯ポジティブ
 筋肉を縮める働き

◯ネガティブ
 筋肉を伸ばす働き

筋トレでネガティブ動作となると、筋肉が伸ばされているときはゆっくりと戻す事でより増大な力を発揮します。

そこで1つ疑問となるのが、筋肉痛にはストレッチが有効と言われていますが、それにも関わらずストレッチをやると筋肉痛を改善できるのか?

という疑問も出てきます。
まだ正確に筋肉痛のメカニズムが証明されていないので、今後の調査に期待ですね。

そう言った点では、現時点では筋肉痛を早く緩和させるにはストレッチがやはりベストになるかと思います。

また、他の方法としては乳酸が筋肉痛の原因という説もあるので、軽い運動なども良いでしょう。
ジョグやウォーキング、それこそ「痛いけど少し気持ちがいい」というくらいのストレッチなんかとてもベストかと思います。

ストレッチをするならお風呂あがりにやろう!

ストレッチを行うベストなタイミングはありますか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

ストレッチは筋温が上昇しているタイミングで行うとベストです!

筋肉痛は筋温の上昇と共に症状は緩和していきます。
そのため、軽い運動をすることによって筋温が上昇します。
筋肉は、温まると弛緩しやすくなります。
弛緩とは、緩みやすくなる事です。つまり、引き伸ばされやすくなるということです。

そのため、ストレッチは筋温が高い状態でストレッチをしてあげるとより伸ばしやすくなり、絶大な効果を発揮します。

普段日常生活で、手軽に筋温を高める方法としては

1. お風呂に入る
2. ジョギングなどで身体を暖かくする
3. 腹圧を高めていく

この3つが手軽に始められるかと思います。

その中でも、我々はお風呂に毎日入るかと思います。
お風呂でもシャワーだけでなく湯船に浸かることが非常に重要となります。

我々は普段重力に逆らいながら日常を過ごしていますが、お風呂には浮力によって唯一重力に抵抗することなく脱力する瞬間となります。

抵抗せずにリラックスできるため、筋肉もリラックスすることができます。
また、お風呂に浸かる事で筋温の上昇も図ることができます。

つまり、ストレッチをするタイミングとしては”筋肉の温度が上昇した状態”で行うこととなります。

そもそも筋肉痛のメカニズムは?

筋肉痛には正式名称があった

そもそも筋肉痛って正式名称なんでしょうか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

筋肉痛は遅発性筋肉痛とも呼ばれます。トレーニーの中では『筋痛が気持ちいい』『昨日のdomsきた?』という会話も聞こえたりします。

トレーニングが好きな人からはよく、筋痛とかdomsと呼ばれたりしています。
ちなみに筋肉痛の正式名称は、遅発性筋肉痛の略を言い表しています。

筋トレを頑張った翌日や、高強度の運動を行った後日に筋肉痛の症状が見られたりします。

ちなみに、筋トレが好きな人は「この間の胸トレの筋痛きてないな〜これじゃあ筋肉もでかくならないよ」と言っている人もよく見かけたりしますが、筋肉の肥大と筋肉痛の関係性は実際はそこまで大きくないみたいです。

だから筋トレしたのに筋肉痛が来ない=筋トレを頑張ってないというわけではないのでご安心ください。
筋肉痛は負荷や強度、その日のコンディション次第で人によって変わってきます。

筋肉痛の有無で筋肉が大きくなるとは言い切れないと思います。

筋肉痛の原因はまだ解明されていない!

では、筋肉痛はなぜ起こるのですか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

実は筋肉痛の原因は未だに科学的に証明されていないのが現状です。そのため、筋肉痛の予防方法も対処方法も確立されていないのが現状です。

実は、筋肉痛の起こる原因もメカニズムも未だに科学的には証明されていないのです。

そのため、対処方法や予防方法も確立されていません。
しかし、完全に対策が不十分なわけでもありません。

例えば、筋肉痛の原因は筋繊維が傷ついているという説もあります。
傷ついた筋繊維を早く修復するにはタンパク質の摂取も必須となりますので、たんぱく質を多く摂取することで筋肉痛が早く抜けたという報告も出ています。

もし、筋肉痛のメカニズムが”筋繊維の傷つき”による現象でしたらたんぱく質の摂取を多くすることで筋肉痛の減少も考えることはできるかと思います。

また、筋肉を大きくしたい場合ですと体重の2倍ほどたんぱく質を摂取する必要がありますので、筋肉痛になった場合は1日に体重×2gのたんぱく質を摂取すると良いでしょう。

筋肉痛が起こるメカニズム

では、筋肉痛が起こるのは仕方ないことなのでしょうか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

正直そう言い切ることもできないことはないかと思います。
しかし、それだけで片してしまうのはよくないので、現時点で言われているメカニズムをお話しましょう。

筋肉痛のメカニズムは先ほども記載した通り、筋繊維の傷つきという説もありますが他にも説があります。

筋肉痛は運動をしている人なら付き物ですので、そこまで気にする必要はないかということです。
人によって筋肉痛の症状が現れる人とそうでない人もいます。

しかし、身体に痛みがあるということは少なくとも炎症を起こしていることは間違いありません。

今謳われている一般的な筋肉痛のメカニズムは、運動をしたことによって乳酸という物質が身体に蓄積されたことで、筋肉への酸素供給が滞ることを表します。

わかりにくいかもしれませんが、筋肉は伸びたり、縮んだりを繰り返しています。

伸び縮みするにたびに筋肉も呼吸をしているとイメージしてください。

呼吸するということは、筋肉も酸素を取り入れています。

しかし、乳酸が身体に蓄積されることで、筋肉の呼吸もスムーズに行え無くなります。

もっとわかりやすくいうと、人間は一生懸命に走ると息が切れますよね?
その原理と似ているのではないかと思います。

血液中に含まれる酸素運搬の低下によって起こる筋肉痛

酸素を運ぶ役割は身体の中のどの部分が担っているのですか?

伊藤俊太監修トレーナーからのアドバイス

全米ストレングス&コンディショニング協会ストレングス&コンディショニングスペシャリスト・NSCA認定パーソナルトレーナー

主にヘモグロビンという物質が酸素運搬を担っています。血液中に含まれる物質ですね。

少し細かく説明すると、血液中に含まれるヘモグロビンという物質が血液をたどって酸素を筋肉に運んでくれます。

そのおかげで、我々は普段特に不自由なく四肢を動かすこともできますし、かつ運動を元気よく行うことができるのです。

この運搬機能が低下することで、酸素を筋肉に運ぶことができず、回復に時間がかかります。
結果的に筋肉に炎症が起こり、筋肉痛という痛みが現れます。

ちなみに肩こりも同じような原理で肩こりが出現しています。
デスクワークなどによって姿勢が猫背のような姿勢になり、常に筋肉が緊張状態となります。

緊張=縮んでいる状態と捉えてください。

筋肉は、縮んでいる時に力を発揮します。
常に筋肉が縮んでいることで、筋肉疲労が起こり、伸ばしにくくなります。

肩こりも筋肉痛も同じような症状と捉えると良いかもしれません。

緊張状態が続いていることが現在の筋肉痛のメカニズムと言われています。

まとめ

今回は、筋肉痛時のおすすめの対処方法として解説していきましたが、やはり一番おすすめの対処方法はストレッチではないでしょうか。

理想は、軽い有酸素運動で乳酸をエネルギーに変えて乳酸を消費し、筋温が上昇した状態でストレッチをすることで筋肉痛の緩和が期待できます。

そして、ストレッチが終わったタイミングで熱感があればパップ剤のシップを貼って冷却効果を期待しても良いですし、プラスター剤の湿布で少し長めにシップを貼っても良いかもしれません。
なおかつ、たんぱく質の高い食品を摂取して筋繊維の回復に励んでも良いかもしれません。
また、お風呂上がりにもストレッチをすることで筋温が高い状態でストレッチをすることも非常にオススメします。

筋肉を伸ばす動作は筋肉痛にもなりやすいのですが、ストレッチ程度の軽くゆっくり伸ばすことで筋肉も回復効果が期待できます。
筋肉痛は運動にはつきものですが、嫌だな〜と思う痛みを少しでも早く緩和させるためには、最大限の努力を必要とします。
そのためには、サロンパスのような湿布もうまく利用してもらえらば良いかと思います。

筋肉痛も決して悪いものではないので、しっかりと運動後のクールダウンでストレッチを取り入れてあげることで予防をすることもできなくはありませんので、少しでも筋肉痛の時間を減らしていけるようにしましょう!