痩せる部位に順番はあるのか

編集部

モデルのような美しいスタイルを目指して有酸素運動や食事制限でダイエットを始めたのですが、なかなか狙った部位が痩せません!

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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そうですか。ダイエットで体重は減ったのに、なかなか見た目の変化が現れない部位ってありますよね。多くの人が悩むところでしょう。

編集部

体には痩せる順番ってあるんですか?できれば狙った部位の脂肪を落としたいです!

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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わかりました。身体には痩せる順番があるのかどうか、について解説していきましょう!

部分痩せを目指す前に

部分痩せ。何ともわかりやすく、狙った部位の脂肪“だけ”を落として理想の体型になれる気にさせるワードでしょう。果たして部分痩せという甘い誘い文句に、根拠はあるのでしょうか?

そもそも部分痩せをしたいと願う人の多くは、すでに健康的なレベルの体重(BMIで言えば21~22)はキープできているが、さらに上の理想を目指している人が多いことが予想できます。

つまり健康を目指す(将来の病気のリスクを下げる為の)ダイエットというよりは、見た目の美しさを最大限追求する美容ダイエットということですね。
実はこの美容ダイエットには少し厄介な問題があって、まずはその問題について理解することから始めたいと思います。

本来人類は体脂肪率が異常に高い動物で、最も近縁な種である類人猿(チンパンジーやオラウータン)などと比べるとかなりの差があります(チンパンジーの体脂肪率は5%前後に対して、人類は20%前後)。

これは、人類最大の特徴でもある大きくて高性能な脳の機能を維持するために、過去の人類が進化させてきた素晴らしい仕組みです。
何と言っても私たちの脳は、体重に対して2%程度の重量しかないのにも関わらず、消費カロリーは全体の約20%も必要とするのですから。そのために、予備のエネルギーを体脂肪として蓄積しておくことは、原始時代のような過酷な環境で生き残るためにはさぞかし有利に働いたことでしょう。

したがってもしあなたが、テレビ画面に輝かしく映るモデルやタレントのような極端なスリムさを目指しているのであれば、並大抵ではない努力が必要ということです。

なぜなら、もっと脂肪を蓄えたいという本能に抗い続ける生活を、太ったら仕事がなくなるという危機感を常に持っているモデルたちと同じレベルで維持し続けなければいけないので。
私たち人類は(特に妊娠、出産、育児がある女性は)、正常より低いレベルの体脂肪率を簡単にキープできるようには設計されていないのです。


(参考までにお伝えすると、体脂肪率やBMIが極端に低くても難なく維持できる人は全人口の約5%存在すると言われていて、これは遺伝の影響が大きいとされている。なので、運よく選ばれた人たちを羨ましく思って、自分を非難するのはやめよう。原始時代なら、あなた方が生き延びる確率は確実に高かったはずだ!と言っても、何の慰めにもならないかもしれないが。。)

痩せる部位の順番

では話を戻しましょう。
痩せ始める部位に順番はあるのでしょうか?
全身に貯蓄されている脂肪は、どこから優先的に使われるのでしょうか?


ちなみに私が、このテーマでGoogle検索して上位にくるその他のブログや記事を読んでみると、ある程度一貫した答えが書かれていました。

大まかにまとめると、

①手首や足首、ふくらはぎなどの四肢末端と顔

②胸や背中、お腹などの体幹部

③臀部と大腿部(太もも)

といった感じ。
確かにこの順番は私の経験からもそう言えそうですが、根拠となる理論の部分に説得力が欠ける感じがします。(根拠として特に多かったのは“肝臓”との位置関係

ですが、だからと言ってこの手の研究がきちんと行われているかと言えば、そんなことはおそらくないでしょう。

このことは美容業界全体の問題なのですが、専門家と呼ばれる人たちのそれぞれの意見が事実として浸透してしまう現象。

それから相関関係を因果関係と見なしてしまう短絡的な思考。決して科学的な根拠がなくてもお構いなしです。
こんなことを書いていると、読者の皆さんにも美容関係者にも嫌われそうなのですが、美容業界のこういった現状が、美しくなりたいと願う人たちを混乱の渦に陥れている原因だと私は思っています。

ということでこの先は、痩せる順番が

①四肢末端、顔

②背中、胸、お腹などの体幹部

③臀部、大腿部

となる理由を、私の意見としての仮説を立てていきたいと思います。

なぜ痩せるのに順番があるのか検証

編集部

確かに何が真実なのかよくわからなくて混乱しそうです。。でも痩せる部位には順番があるということですね!?

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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私の経験上からもそう言えますね。

編集部

でも何でそう決まっているのかははっきりとはわかっていない??

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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厳密には、きちんと調べられた研究がない、と言ったところでしょう。そんな中でも色々な仮説は考えられるので、これから検証していきましょう!

検証①|「ポッコリお腹」問題

まずはわかりやすいところから始めるとします。
脂肪の蓄積機能が食糧難に備えた貯金だとして、その金庫には大きく2つの種類があります。


①皮下脂肪(=体脂肪)
②内臓脂肪


全身の皮膚の下にため込む皮下脂肪と内臓周辺にため込む内臓脂肪では、その場所を考えてもらえれば見た目に現れる影響も一目瞭然でしょう。そう、内臓脂肪が多い人はポッコリとお腹がでてくるわけですね。(男性は女性に比べて皮下脂肪の必要性が少ないので、内臓に脂肪を蓄える傾向が強い)

では皮下脂肪と内臓脂肪だと、どちらが正しい貯蓄法なのでしょうか?

この答えははっきりしていて、私たちの脂肪の蓄積法として正しいのは皮下脂肪として蓄える方法です。

したがって基本的に皮下脂肪は、私たちの身体に悪さはしません。
反対に、内臓脂肪はあなたの病気(2型糖尿病や心臓血管系疾患など)のリスクを大幅に押し上げます。今ではよく耳にするメタボリックシンドロームは主に内臓脂肪の問題を指していて、検査法は腹囲やウエスト:ヒップ比で測って行うのは周知の事実ですね。

問題はどういった経緯で、本来皮下に回されるはずだった脂肪が、内臓に蓄積されてしまうのか?です。
ここで登場するのが肝臓。肝臓は私たちが食べた物を脂肪に変換する主戦場です。
現代人の多くがそうであるように、手軽な加工食品やファストフード、あるいは炭水化物中心の食習慣では、血糖値の乱高下が避けられません。

そういった状況でも肝臓はせっせと余ったエネルギーを脂肪として蓄えようと働いているのですが、なにせ現代食はそのスピードが速すぎ。

結果的に肝臓の機能レベルを超えてしまうことと出過ぎたインスリンの影響が相まって、不適切なルートで内臓に脂肪がどんどん蓄積されるのです。(インスリンの機能の一つは脂肪をもっと蓄えるよう指令を出すこと)

しかしこの異常な脂肪蓄積法は、問題を解消すればすぐに改善されます。
つまり、フランス人のごとくゆっくりと食事を楽しむようにしたり、主菜・副菜などをきちんとバランスよく食べるようにすれば、内臓脂肪を落とすのにそれほど苦労はしないでしょう。
したがって皮下脂肪に比べると、内臓脂肪の方が落としやすいと言えるのです。
もしあなたのポッコリお腹の原因が過剰な内臓脂肪なら、早急に食習慣を見直すこと(多種多様な本物の食材を腹8分目まで!)を強くオススメします。

検証②|「足首、手首は細いのに」問題

次に検証したいのは皮下脂肪の方です。なぜ皮下脂肪がエネルギーとして使われる(=痩せる)順番が、①四肢末端、顔→②背中、お腹などの体幹部→③臀部、大腿部となるのでしょうか?

一つは単純な運動学から予想できます。
例えば5キロの腕時計を着ける場合と、5キロのベルトを着ける場合を比べたら、ベルトの方が明らかに動きやすいのはイメージできますよね。

つまり進化の過程を考えれば、身体重心に近い臀部や体幹に脂肪をため込む方が、腕や足や顔にため込むよりも優れた戦略と言えるでしょう。進化は確実にこちらを選択するはずです。

これで手首や足首、ふくらはぎや顔の方が、臀部や体幹より痩せやすい(太りにくい)理由は説明できるかと思います。
要するに私たちの身体は、末端より中心に脂肪をため込む仕組みになっているのでしょう。

検証③|「ウエストは細いのにお尻が痩せない」問題

続いてはこちら。「わたし、、ウエストは細いのに、お尻から下半身が痩せないの!」問題に行きましょう。

ここで興味深い研究を紹介します。
デヴェンドラ氏によると、ある美人コンテストとグラビア雑誌を調べた結果、ウエスト対ヒップの比率(WHR)は不変的に0.70であったそうです。また、拒食症患者、肥満の人、一般女性、ファッションモデル、グラマー系のモデルの計400人を対象行われた調査では、WHRの数値が以下のように示されました。


拒食症の女性:0.76
肥満の女性:0.77
一般女性:0.74
ファッションモデル:0.71
グラマーモデル:0.69


さらに、この調査ではバストとヒップとの関係も示されており、モデルではそれがほぼ1対1、一般女性ではヒップがバストよりもかなり大きいことも結論付けています。
これらをまとめると、世の男性が好むスリーサイズの黄金比率は「10:7:10」、つまり豊満なバストにくびれたウエスト、グラマラスなヒップをした砂時計型の体型となるのです。

男性がこういった女性の特徴を好むように進化してきたのは、原始時代には脂肪をある程度貯蓄している女性をパートナーに選んだ方が、自分の子孫を残せる可能性が高かったから。
現に、適切な女性ホルモン濃度(エストロゲン:アンドロゲン比率」)を維持している女性は、生殖能力が高く、臀部と胸に脂肪をため込みやすいこともわかっています。
(女性は1ヶ月に1キロ痩せただけでも妊娠の確率が下がることが示されている)

したがって「わたし、、ウエストは細いのに、お尻から下半身が痩せないの!」問題の背景には、こういった進化的な選択(専門用語で性淘汰という)が関わっていて、ある意味では健康的な証拠と言えるのです。

もちろん女性ホルモン濃度は遺伝の影響を強く受けるはずなので、太ると臀部から下半身に出る人(洋ナシ型)は、生まれつき女性ホルモン濃度が高いことが予想できます。

検証④|「胸は痩せたくないのに」問題

さてここまでの話しを理解できると、「わたし、、胸は痩せたくないのに!」問題も、同じ理屈で理解できるかと思います。
先ほど、適切な女性ホルモン濃度を維持している女性は、胸にも脂肪を蓄えやすい傾向があるとお伝えしたのを思い出してください。

つまり胸から痩せてしまう人は、何かしらの影響でホルモンバランスが乱れていることが示唆できますよね。
それには上記したように遺伝の影響も大きいでしょうが、おそらく不規則な食生活やライフスタイル、ストレスマネジメントの失敗、極端なダイエット法(過度な筋トレに過度な食事制限)なども大きく影響しているはずです。

検証⑤|「二の腕、背中が痩せない」問題

さらによく聞くもう一つの悩み、「二の腕、背中が痩せない!」問題も取り上げておきましょう。

おそらく胸と同様、ホルモンの作用で背中や二の腕にも脂肪は付きやすいのだと思いますが、この問題には年齢が関係しているように感じますよね。いわゆる“たるみ”です。
年齢とともに筋肉やコラーゲン線維が劣化するのは避けられない事実。しかしなぜ二の腕や背中のたるみに悩む人が多いのでしょうか?

その一つの理由として、現代人のライフスタイルでは二の腕と背中の筋肉を使う機会があまりないことが挙げられます。特に猫のように背中が丸まった人は、その可能性が特に高いでしょう。
なぜなら猫背の人は、二の腕と背中の筋肉が常に緩んだ状態になるので。人体の不変の原則、“使わなければ失われる”はここでも常に実行中なのです。


猫背の改善法は私の過去の記事を参考にしてください。

まとめ~痩せる!の、その先へ~

編集部

なるほどです!私たちの体は、私たちが考えているほど単純にはできていないんですね!

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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その通りです。狙った部位だけ都合よく脂肪を落としたいと望むのは、人体の仕組みを考えると少しばかり難しい要望かもしれませんね。

編集部

わかりました!もう他人と比較するのはやめて、自分のありのままの特徴を受け入れながら身体づくりを楽しみます!!

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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素晴らしい心意気です!では最後にこのテーマをまとめていきます。

今回のテーマでは、「痩せる=脂肪の減少」として話しを進めてきました。しかし読者の皆さんは、それだけが全てではないとお気づきのはずです。

二の腕と背中の問題の中でも触れましたが、筋肉やコラーゲン線維は外部からの刺激がなければ劣化していきます。
また、骨盤の歪みや開きはお腹の筋肉の適切な機能を損なうので、内臓が下垂し、そのことがポッコリお腹を助長しているかもしれませんし、同時にお尻や太もものたるみも促します。
さらに肋骨の開きはくびれの形成に悪影響を与えるでしょうし、頭部前方位姿勢は二重あごの原因にもなります。

健全な身体の維持には欠かせない肝心要の代謝機能が乱れれば、脂肪組織が線維化して癒着したり(=セルライト)、普通ではない場所に蓄積したり(=異所性脂肪)するでしょう。
これをエステの機械や脂肪吸引などで一時的に除去することは、根本的な改善にならないと主張することに間違いはないと私は思います。


肥満も不良姿勢も骨格の歪みも代謝機能の乱れも何もかも、複雑に絡み合う要素が織り成す相互作用の帰結です。
その原因のほぼ全てが、文明の発展とともに変化してきた現代のライフスタイルにあると、私は確信しています。

つまりこういうことではないでしょうか?

「毎日運動しよう!私たちはそう設計されているのだから。」
「多種多様な本物の食材を食べよう!私たちはそれしか食べてこなかったのだから。」
「自然と触れ合おう!私たちはその中で暮らしてきたのだから。」


これらが私たちの身体に素晴らしいメリットをもたらす証拠は、本当に数々の研究によって続々と示されています。
残念ながら、このことが多くの人に浸透するのはもう少し時間がかかるのかもしれません。でもたった今、あなたは知ることができましたね!?

未来永劫に渡る美と健康を、そしてその先にある本物の幸せを形作るのは、私でもその他のトレーナーでも美容家でもセラピストでもないですし、ましてや企業や政府でもありません。
あなたが日々の生活の中で行っている一つ一つの選択があなたの未来を決めるのであって、全てはあなた次第なのです。

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