ベントオーバーローイングで背中の筋肉を鍛える!【プロトレーナー解説】

監修者

松岡羊輔

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

背中のトレーニングは意識するのが難しく、変化が出にくく難しいという方が多いようです。しかし、背中のトレーニングは全てのトレーニングフォームに関係します。正しいベントオーバーローイングのやり方をマスターして「出来ない」「難しい」を脱出してアナタが望む身体を手に入れてください!

背中のトレーニングは筋トレの基本

背中のトレーニングで悩んでいる方が多いようです。背中のトレーニングもたくさんありますが、しっかり結果を出すには何から始めたら良いですか?

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

背中のトレーニングは難しいとおっしゃる方が多いですね。フィットネスクラブでは最初にラットプルダウンを指導している事が多いようですが、私のパーソナルトレーニングセッションでは特に問題がなければ背中のトレーニングはベントオーバーローイングから指導しています。

この種目の体幹や肩甲骨の使い方は筋トレ全体の基本になりますので、まずはここからマスターした方が良いと思います。

ベントオーバーローイングもまずは良い姿勢から

背中のトレーニングに限らず、全てのトレーニングで姿勢が大切な事は言うまでもありません。しかし実際に正しい姿勢を作るのは難しい方が多いですね。どうしても猫背だったり、腰が反りすぎたりしていてなかなか良い姿勢を作る事が出来ません。

これには幾つかの問題があるのですが、今回は背中のトレーニングの基本中の基本ベントオーバーローイングについて説明致します。

ベントトオーバーローイングの姿勢(スタートポジション)
・足を股関節の幅くらいに開いて立つ
・背筋を伸ばし、胸をはる
・股関節を曲げ上半身を前傾させる
・膝は伸ばしきらず、軽く曲げておく
・上半身は背筋を伸ばしたまま

太ももの裏(ハムストリングス)やお尻(大臀筋)等が硬くなっていると背中が丸まり腰に負担を掛け腰痛の原因になります。普段からストレッチをして柔軟性を維持しておきましょう。

また、どうしても腰が反りすぎてし腰が痛くなる方は、太ももの表(大腿四頭筋)の股関節付近(大腿直筋)と胴体と脚をつなぐ筋肉(大腰筋)のストレッチをして骨盤の過度の前傾(反り腰)を解消しましょう。

ベントオーバーローイングのやり方と鍛えられる筋肉部位

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

いかがでしょうか、姿勢はキチンと出来ましたか?慣れないうちはベンとオーバーローイングの姿勢だけで背中(腰ではなく)が疲れると思います。

確かに背中の真ん中辺りが疲れます。今まで感じた事がない場所に、感じた事がない疲労感がありますね。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

良いですね。腰に負担を掛けず正しい姿勢が取れいるので問題ありませんよ。これからいよいよトレーニングになりますので頑張りましょう!

ベントオーバーローイング動作をマスターする

ベントオーバーローイングはバーベル、ダンベル、スミスマシン、チューブなどいろんな負荷のかけ方がありますが、ここではバーベルでのローイングで説明致します。

・バーベルを持ってスタートポジションの姿勢をとる。背中を丸めないように注意しながら肩甲骨を左右に開く

・バーベルを持つ、この時の手幅は肩幅と同じくらでオーバーハンドグリップ(順手)にする

・骨盤を固定して背中の中心辺りから体を反らせる

・同時に肩甲骨を寄せながらバーベルをへその下に向かって引き付ける

・バーベルを引き付ける際に脇を締めて肘が外に広がらないように注意する

・バーベルを引き付けた状態からさらに筋肉を収縮させる(フィニッシュポジション)

・スタートポジションに戻る

鍛えられる筋肉部位はどこ?

ベントオーバーローイングで鍛えられる筋肉は背中の筋肉群です。
具体的には、僧帽筋、広背筋、大円筋、脊柱起立筋群などです。

人体の中でも大きな背中の広い部位を鍛えられることがわかりますね。

ベントオーバーローイングのポイント

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

ベントオーバーローイングは大切なポイントがあります。ポイントを抑えてトレーニングすることでこれまでとは全く違うトレーニングになりますので、確実にマスターしましょう!

背中のトレーニングのポイントは胸椎と肩甲骨!

ベントオーバーローイングに限らず、背中のトレーニングでは負荷を腕の力で引いている方を良く見掛けます。こうなると、腕ばかり疲労して背中を使っている感覚がありません。背中を上手くトレーニング出来ていない方のほとんどが腕で引いています。

ではどのようにすれば良いのでしょうか?チェックポイントを挙げてみますので、ご自身のフォームを確認してみましょう。

チェック①:フォームは正しいか?
 スタートポジションで背中や腰が丸まっていませんか?

チェック②:(スタートポジション)肩甲骨は左右に広がっているか?
 チェック①と関連しますが、スタートポジションでは肩甲骨がしっかり左右に広がった状態です

チェック③:頭のポジションは適切か?
 ベントーバーローイングでは頭を起こしすぎている方を良く見掛けます。
 首を屈曲して頭を起こすと背中側の筋肉が収縮しやすくなりますが、
 顔が正面を向く程頭を起こすと腰が反りやすく腰痛の原因にもなりますので注意しましょう。

チェック④:肩甲骨を寄せる
 ベントオーバーローイングの動作は肩甲骨を寄せることからはじめます。
 多くの方は肘を曲げながらバーベルを引きはじめますが、これは肩甲骨を寄せた後の動作です。
 この時肩が耳に近づかないようにしましょう。胸を張りながら肩は後(背中側)に引きます。

チェック⑤:バーベルはへそより下に向かって引く
 バーベルが体から離れると腰の負担は大きくなり、腰痛の原因になりますので注意しましょう。

チェック⑥:フィニッシュポジションでは胸を張る(胸椎の伸展)
 動作の最後は胸を正面に向けるように起こしてきます(胸椎の伸展)。この時へその向きが変わらないように注意します(腰椎の伸展)。
 へその向きが変わるのは、腰が反っているか股関節が動いているかどちらかです。

いかがでしょうか?
これらの項目を確認しながらトレーニングしてみましょう。自分では分かりにくい場合は誰かに確認してもらうか、動画を撮影してみて確認してみましょう(フィットネスクラブ等ではルールに従って撮影してください)。

正しいフォーム、正しい動作でトレーニング出来ると背中の中央(肩甲骨の下辺り)に筋肉の収縮感があります。この収縮があるのとないのではトレーニングの効果が全く違います。

さらに重量設定にも注意が必要です。慣れないうちから高重量でトレーニングすると、上半身の前傾が不十分で僧帽筋上部ばかり刺激してしまします。また、腰痛の原因にもなりますのでまずは高重量ではなく、正しいフォーム、正しい動作で背中の筋肉の収縮感を得られるようにトレーニングしましょう。

あと一つチェックポイントではありませんが、バーベルの持ち方をアンダーハンドグリップ(逆手)も是非試してみてください。オーバーハンドグリップとアンダーハンドグリップどちらでも構いませんので、背中の筋肉をしっかり収縮出来る方でトレーニングしてください。

さらにステップアップ:目線を利用する

ベントオーバーローイングの正しいフォーム、正しい動作には体本来の柔軟性や関節の可動域が欠かせません。そういった意味では普段のコンディショニングも大切になります。これはベントオーバーローイングに限った話ではなく、トレーニング全般に言える事ですね。

また、もともと骨盤が前傾しやすい方は、バーベルを引き付ける際にどうしても腰を反らせる動作になりがちです。腰を反らせ過ぎると腰痛の原因にもなりますので普段から姿勢も意識しておきたいですね。

ここでどうしても腰に刺激が来ると言う方向けにFSEM®のテクニックを使ってベントオーバーローイングをレベルアップする方法をご紹介します!
FSEMⓇとは:五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)から受ける刺激をコントロールしてパフォーマンスを上げるメソッドです。

FSEM®流ベントオーバーローイングのポイント

どうしても腰に力が入ってしまうという方、是非試してみてください。

まずペットボトルや小さめのダンベルなど何か目印になるものを一つ準備します。
ベントオーバーローイングのスタートポジションになり顔と目の向きを同じ方向に合わせ視線の先に目印を置く。目印を見ながらベントオーバーローイングを行います。

フィニッシュポジションで背中のどの部位に一番力が入っているか確認しましょう。同様のことを目線が顔に対して上向き、下向きでも試します。この時目印があると目線が安定します。また、目が向いている方に顔が動く方もいらっしゃいますので、はじめは誰かに確認してもらいながら行うとようでしょう。

背中の中心辺りの筋肉が一番収縮する目線を確認します。目線によって力が入りやすい場所が変わります。この違いを感じてみましょう。

同じフォーム、同じ動作でも目線の違いで刺激がくる部位が違います。是非ご自身で腰ではなく、背中がトレーニング出来る目線を探してみてください。

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