雑穀米の糖質量は?雑穀米は糖質制限ダイエット向き?

栄養が豊富そうなイメージを持たれる雑穀米ですが、糖質量はどれぐらいあるのでしょうか。糖質制限ダイエット中に雑穀米を主食として食べるのはベターな選択なのかどうか、検証してみます。

雑穀米ってどんな食品なの?

知名度上昇中の雑穀米

糖質制限ダイエットをしていると、主食であるご飯の種類や量をどのようにすればよいか、迷うことも多いのではないでしょうか。今やダイエット中の人にとって、糖質は最も注意を払わなければいけない栄養素になっている面は否めませんが、だからといって3食すべてご飯をカットするというのは極端。そこで、いつものご飯を雑穀米に変えてみるという手段があります。健康志向ブームの中で雑穀米の名前はかなり浸透してきていますが、実際にどのようなお米のことを指すのでしょうか?気になる糖質量などについても調べ、糖質制限ダイエット中に向いている食品なのかどうか、掘り下げてみましょう。

雑穀米の種類

雑穀米は白米に玄米やあわ、きびなどの雑穀を混ぜてできています。日本雑穀協会では、「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」を雑穀ととらえていて、黒米、赤米、大麦、ひえなども含みます。

雑穀米の糖質は?どんな栄養分がある?

雑穀米の糖質

白米と比べて、玄米や雑穀に含まれる炭水化物の量はそれほど変わらないようです。ただし、雑穀米は後ほど示すように、食物繊維が豊富です。炭水化物は糖質と食物繊維の合計で示されますので、炭水化物から食物繊維を差し引いた糖質の量に関しては、雑穀米の方が白米よりも低くなると考えることができます。以下に、白米、玄米、大麦、あわ、ひえの炭水化物の量を紹介します。

白米、玄米と雑穀の炭水化物(糖質)の量の比較(100gあたり) 

白米 77.1g
玄米 73.8g
大麦(押麦) 77.8g
あわ 73.1g
ひえ 72.4g

雑穀米のカロリー

カロリーの値は、白米とそれほど変わりません。白米100gあたりのカロリーは168kcalで、雑穀米は165~170kcalとされています。

雑穀米のそのほかの栄養分

白米は精米される過程でぬかや胚芽が除去され、栄養価が低下してしまいます。雑穀米は白米だけだとなかなか得られない鉄分やカルシウムを効率よく摂取することができ、食物繊維も豊富という点などが、強みとして挙げられます。ただし脂質量は白米よりも3倍ほど大きいと言われています。ここで、白米、玄米と大麦、あわ、ひえのたんぱく質、ビタミンB1、食物繊維の量をお示ししましょう。

白米、玄米と雑穀の栄養分の比較(100gあたり)

食材    たんぱく質 ビタミンB1 食物繊維
白米     6.1g     0.08mg    0.5g
玄米     6.8g     0.41mg   3.0g
大麦(押麦) 6.2g     0.06mg  9.6g
あわ     10.5g     0.20mg  3.4g
ひえ      9.7g     0.05mg  4.3g

雑穀米は糖質制限ダイエット向きの食品?

糖質制限中でも主食は重要

栄養分の豊富な雑穀米ですが、糖質制限ダイエット中の主食として向いていると言えるのでしょうか?そもそも「ダイエット中にはご飯やパンは口にしたくない」という人もいらっしゃるかもしれません。しかし、いかに糖質制限をしていても、糖質をカットし過ぎる食事を繰り返すのは危険です。糖質が足りなくなると脳や身体を働かせる栄養分やエネルギーが不足してしまうと言われ、実際に過度の糖質制限ダイエットを続けた人たちの中で「頭が働きにくくなった」と言う声も上がってきているようです。また、糖質不足を解消するため、糖に変換するアミノ酸を生成する必要から筋肉が分解される可能性もあります。筋肉が分解されてしまうと基礎代謝が落ちてしまい、かえってダイエットに不利になってしまうリスクも出てきます。

ですので、糖質制限中でも主食をとることが重要となってくるのです。この点を踏まえ、以下にダイエット中の人が主食として雑穀米を食べるメリットを挙げていきたいと思います。

血糖値の急上昇を防ぐ

雑穀米には食べた後の血糖値の上昇が比較的緩やかな傾向にあるという強みがあります。食べ物ごとの血糖値の上昇率を表わすGI値を比較してみると、精白米が80程度、胚芽精米が75程度と高い数値を示す一方、雑穀米や玄米は55程度にとどまります。GIは高いほど食後の血糖値の上昇率が高いことになるので、雑穀米は玄米と並んで血糖値の急上昇というリスクを避けやすい面があることが分かります。
血糖値の急上昇による弊害としては、インスリンの大量分泌から来る脂肪の蓄積があります。体内でブドウ糖となった糖質が血液に入ると、急激に上がった血糖値を下げる働きを持つインスリンが大量に分泌され、身体中にブドウ糖をエネルギーなどとして運んでいきます。一方で、インスリンには消費し切れなかったブドウ糖を脂肪として蓄積する機能もあります。そのためGI値の低い食べ物ほど、体内での脂肪の合成を防ぎやすくなります。

よくかんで食べるようになる

雑穀米は白米よりももちもち感や硬さがあり、かみごたえのある食感が特徴的です。そのため雑穀米を食事に取り入れると、よくかむ習慣が付くようになります。よくかんで食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。さらに、かむ回数が増えると食事のペースがゆっくりになります。そのため満腹感を十分に得る前に食べ物をいっぱい食べてしまった、という事態に陥る危険性も低くなります。

また、雑穀米は食物繊維や炭水化物に恵まれ、食べた後も満腹感が続きやすいため、さらに食べ過ぎ防止の効果が期待されます。豊富な食物繊維のおかげで便秘解消などデトックス効果も見込まれる点も、ダイエットの強い味方と言えるでしょう。

糖質制限ダイエット中に雑穀米を食べる際の注意点

食べ過ぎに注意

栄養素も豊富で、糖質制限ダイエット中の有利な主食候補になりそうな雑穀米ですが、注意すべき点もあるようです。まず、前述したように雑穀米は白米と比べてカロリーもそれほど変わらず、脂質に関しては白米よりも高いとさえ言われています。身体によいというイメージから、「雑穀米はいっぱい食べても大丈夫」と思い込み、たくさん口にしてしまうケースもあるかもしれませんが、やはり食べ過ぎはダイエットの大敵です。当然、いっぱい食べればそれだけ糖質や脂質も多く摂取することになりますので、注意が必要です。

たんぱく質をきちんととる

ダイエットを進める時に積極的に摂取すべき代表的な栄養素がたんぱく質です。前述したように、たんぱく質が不足してしまうと基礎代謝の低下など、ダイエットに悪影響を及ぼしかねません。肉、魚、豆類、卵などたんぱく質を豊富に含む食材を生かし、栄養バランスの取れた食生活を進めることが肝心です。以下に、たんぱく質の豊富なまぐろや味噌と雑穀米を組み合わせたメニューを紹介します。

雑穀米でねぎとろ丼とお味噌汁

<調理方法>
1、雑穀米にまぐろのたたきを乗せ、薬味として青じそや小ねぎを添えます。
2、絹ごし豆腐や小松菜を食べやすい大きさに切ります。
3、味噌汁のだしが取れたら、小松菜や豆腐を投入。
4、味噌を溶き入れます。

雑穀米を調理する場合のおすすめレシピ

雑穀米は調理して食べてもOK!

雑穀米は主食ですので、白米と同様に炊いた後に茶わんに盛って、おかずと一緒に食べるケースも多いです。しかし、玄米ご飯を食べた人などからよく「風味が強い」という感想が出ることがありますが、このような風味の強さというのは雑穀米にもあるようです。そのため、風味が気になる人にとっては普通にご飯として食べるよりも、味付けをして調理したり、カレーと合わせて食べる方がベターかもしれません。以下に、オムライスやカレーの食材として雑穀米を利用したレシピを紹介します。いずれも卵や肉も使っており、たんぱく質を効率よく摂取することもできるので、ダイエット中にぴったりなメニューです。

雑穀米でふんわりオムライス

<調理方法>
1、玉ねぎをみじん切りにし、ベーコンも食べやすい大きさにカットします。
2、玉ねぎとベーコンを炒め、雑穀米とケチャップを投入してさらに炒めます。
3、卵と豆乳を混ぜて作った生地をフライパンに伸ばし入れて焼きます。
4、生地を2の具材に包み込むようにして乗せます。

野菜たっぷりキーマカレー

<調理方法>
1、にんじん、玉ねぎ、ピーマン、パプリカを細かく切ります。
2、フライパンでひき肉を炒め、カットした野菜も投入。
3、玉ねぎが透き通ってきたらカレーのルウと水少量を入れます。
4、ルウが溶け、全体的にとろみが出てきたら器に盛った雑穀米の周りにかけます。

こんな時は、どんな雑穀米を選べばよい?

雑穀米は、いろいろな材料の組み合わせが自在

さて、糖質制限ダイエット中の食生活における雑穀米のメリットやおすすめメニューなどを見てきましたが、ここで雑穀米の種類について考えてみましょう。というのは、雑穀米は材料となる雑穀の組み合わせ次第で、いろいろな種類のご飯になり得るからです。健康ブームの中でよく耳にするようになった五穀米や十六穀米も、含まれる雑穀の種類は製造業者によっても違ってくるのです。
ですので雑穀米を購入する時は、それぞれの雑穀の強みや特徴を知っておくと便利です。自分がその時に抱えている体調の悩みやニーズによりなじみそうな種類の雑穀が含まれた商品を選べばよいのですから。以下に、主な雑穀の強みや特徴を紹介します。ダイエット効果はもちろんですが、それ以外にも身体の悩みの解消につながりそうな種類の雑穀を掘り出す参考にしてください。

大麦、ひえ

食物繊維を豊富に含むため、デトックス効果などが期待されます。

黒米、赤米

ポリフェノールが豊富。細胞を傷つけて老化やがんなどの疾患を引き起こす要因の一つともされている活性酸素の発生を抑える効果が期待されます。

きび

肝臓機能や免疫力アップに効果をもたらすと言われている必須アミノ酸のメチオニンが豊富。肝臓にたまった老廃物などをデトックスしたり、代謝を上げる効果も期待されます。

あわ

食物繊維のほか、ビタミンB1や鉄分も豊富。糖質代謝や血行の促進などが見込まれます。

キヌア

必須アミノ酸をすべて含み、たんぱく質や食物繊維にも恵まれています。近年注目度の上がってきている雑穀で、栄養をバランスよく摂取することが期待されます。

アマランサス

骨の原料のカルシウムのほか、鉄分、ビタミンB6などが豊富。血行が促進されたり皮膚、粘膜を健やかに保つ効果も期待されます。