ピーフンは糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

うるち米から出来ているビーフンですが、カロリーが非常に高く、糖質、脂質量も高い事でダイエットには向いていません。飽和脂肪酸と呼ばれる身体にネガティブな効果をもたらす脂肪も含まれています。GI値が低く、腹持ちが良いのは良い事ですが、ダイエット中に好んで食べる食材ではありません。

ビーフンの基礎知識

ビーフンとは

ビーフンは うるち米からできたコメ麺です。
中国東部の福健省がビーフン発祥の地で、漢字では「米粉」と表記されます。古い昔に中国から日本に伝わっています。日本ではお米が好まれる事や、うどんやそばなどの麺類が既に存在していた為に、日本人の食の中心にはなりませんでした。
英語ではrice vermicelli と呼ばれ、お米から作られる麺類全般を指しますが、日本で言うビーフンは、そうめんのような細いコメ麺のことのみを指す事が一般的です。
日本の他では、台湾、香港や中国、ベトナム、タイやマレーシア、インドネシアなどの東南アジアで非常に頻繁に食べられています。日本食には非常に豊富なメニューがあり、ビーフンを食べる機会は限られています。しかし、食べ物のバリエーションの多くない東南アジアでは、お米と同じくらいの頻度で食べられていて、人気の高い食べ物です。

ビーフンのカロリー・糖質・脂質・タンパク質量

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
ビーフン(一人前50g) 189 39.5g 0.8g 3.5g
ビーフン(100g) 377 79g 1.6g 7g
上の表がビーフンのカロリーや主な栄養素を示す表です。まずこの食品分析は、ビーフンのカロリーが高いことを表しています。ビーフンのエネルギー量は100g当たり377kcalです。そして、ビーフン100gの糖質量は79gと高い数値が表れています。これは白米の糖質量の2倍以上の数値です。とてもあっさりとして、軽いイメージのあるビーフンですが、糖質量が非常に高く驚きですね。そして脂質は100g当たり1. 6gとなっています。これは白米100gの5倍以上の脂質量です。ビーフンの脂質量は糖質量と同様に白米よりもはるかに高い数値を出しています。ビーフンのタンパク質量の7gは、主な炭水化物の主食としては高い方です。白米100gのタンパク質量が2.5gですので、ビーフンが豊富なタンパク質の源であることが分かりますね。

ビーフンの製造過程

ビーフンは古い昔の技術でも簡単に作れるので、主な製造過程はシンプルです。技術の大幅な進歩により、味の改良や大量生産、スピード生産が可能になりましたが、ビーフン生産過程の基本は以下のようになります。
まずうるち米を研いで水を切り、乾燥させます。その後に力強く突くことでうるち米の塊を作ります。このうるち米の塊を蒸して、形を整えます。最後に細く切る事で麺状にします。この麺を折りたたんで乾燥させることでビーフンの製造が完成します。現代では機械に冷却器がついていたり、均等な太さの麺を作り出せるようになっていたり、効率化が図られていますが、主な製造方法は同じです。

東南アジアのビーフン

ベトナムのフォーは日本でも人気のビーフンメニューですよね。牛肉煮込みにビーフンを入れた料理で、パクチーなどが加えられる特徴もありますね。マレーシアやインドネシアのミーゴレンもビーフン料理です。マレー語で「ゴレン」とは「揚げ物」を意味していて、ビーフンを鶏肉やシーフード、野菜と一緒に揚げる料理です。揚げると言っても日本の天ぷらやトンカツの様に大量の油を使って揚げる訳ではないので、「焼き」に近い調理方法です。タイではパッタイという、ビーフンと一緒に野菜やの肉を炒めた料理があります。ライムを絞って食べる料理で、日本人の口にも合いやすいでしょう。また、クイッティアオと呼ばれる「スープ麺」も日本人の口に合うタイのビーフン料理です。あっさりとした薄口の鶏側スープにビーフンとお好みの肉を加え、フィッシュボールやパクチーなどを載せた逸品です。タイ人は大量のチリやナンプラー、グリーンチリの酢を加えて食べますよ。台湾のビーフンは日本のビーフンに似ています。野菜や肉、エビなどのシーフードと一緒に炒めて出来上がりです。店によって、醤油やオイスターソースなどの調味料で味が調整されています。

ビーフンのカロリー・糖質・脂質・タンパク質比較

ビーフンと他の炭水化物とのカロリー・三大栄養素比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
ビーフン(100g) 377 79g 1.6g 7g
春雨(100g) 342 83.1g 0.2g 0.1g
白米ご飯(100g) 168 36.8g 0.3g 2.5g
そうめん(100g) 127 24.9g 0.4g 3.5g
うどん(100g) 105 20.8g 0.4g 2.6g
そば(100g) 114 20.6g 0.7g 4.8g
パスタ(100g) 149 26.9g 0.9g 5.2g
こんにゃく(100g) 7 0.3g 0.1g 0.1g
くずきり(100g) 135 32.5g 0.1g 0.1g
しらたき(100g) 6 0.1g 0g 0.2g
ここでは、ビーフンの食品分析を他の麺類と比較してみましょう。まず、カロリー量ですが、他の麺類と比べると、ビーフンがずば抜けて高い数値であることが明らかですね。ビーフンのカロリーはなんと、しらたき6kcalの62倍以上、こんにゃく7kcalの約53倍、うどんの約3.6倍、パスタの約2. 5倍もある事が分かります。春雨のカロリーは100g当たり342kcalと高い数値が出ていますが、ビーフンのカロリーはそれ以上です。
そして糖質量も非常に高いことが分かりますね。ビーフンの糖質量79kcalは、しらたきの79倍、こんにゃくの263倍うどんの3.7倍、そうめんの3倍以上です。春雨の糖質量よりは少し低い数値が出ています。
ビーフンと春雨がカロリー量と糖質量においてずば抜けて高い数値を出していましたが、春雨の脂質量は低く、ビーフンのみの脂質量がずば抜けて高くなっています。春雨の脂質量の8倍である1. 6gの脂質がビーフンには含まれています。こえはこんにゃくの16倍、うどんとそうめんの4倍、パスタの約1.8倍の脂質量です。しらたきの脂質量はゼロですので、大きな開きがありますね。
一方、ダイエット中に大切なタンパク質量ですが、この数値もビーフンは高く、ダイエット中の摂取に対してビーフンの唯一の強みと言えるでしょう。ビーフンのタンパク質量7gは、そばの約1.5倍、そうめんの2倍、こんにゃくの70倍、白滝の35倍です。

ビーフンの調理方法別のカロリー・三大栄養素比較

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
焼きビーフン(一皿分243.7g) 426 45.7g 17.45g 14.72g
汁ビーフン(一杯398g) 418 44.69g 13.65g 17.27g
ビーフンは食べる前に火を通す必要があるので、焼いたり茹でたりする必要があります。焼きビーフンであれば一皿426kcal、しっかりとタンパク質が含まれていますが、糖質量と脂質量も高くなってしまいます。汁ビーフンは1杯418kcalで焼きビーフンよりもタンパク質量が高く、糖質量と脂質量が低いことが分かります。ダイエット中には焼きビーフンよりも、汁ビーフンの方が適していると言えるでしょう。

ビーフンの良い点

ビーフンに含まれるビタミンやミネラル

ビーフンはうるち米から出来ていますが、製造過程でお米のビタミンやミネラルが失われてしまいます。その為、糖質や脂質、タンパク質の他には特別な栄養素や成分は殆どありません。ビタミンB6やナトリウムとカリウム、マグネシウムとカルシウム、鉄分が少量含まれている程度です。本当に少ない量ですので、ダイエットを行う上で、特別な効果を期待する事は難しいでしょう。

ビーフンには飽和脂肪酸が含まれている

ビーフンの脂肪は1.6gですが、そのうちの0. 5gは飽和脂肪酸という脂肪でできています。飽和脂肪酸は肉やバター卵黄などに多く含まれている脂質で、コレステロールの上昇を促す働きがあります。飽和脂肪酸の過敏な摂取は肥満の原因になるだけでなく、心血管梗塞のリスクが高まってしまいます。

残りの脂肪は多価不飽和脂肪酸が0.6g、一価不飽和脂肪酸が0. 4gから成り立っています。多価不飽和脂肪酸も一価不飽和脂肪酸も不飽和脂肪酸と呼ばれる血液をサラサラにすく効果がある脂肪です。 大豆油や植物油などがこの不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

ビーフンのGI値は低い!

ビーフンはGI値が低い食品です。GI値とは、血糖値の上昇量と上昇スピードを数値化したものです。GI値が高ければ高いほど、血糖値が著しく上昇する事を示します。血糖値が上がると、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。GI値の高い食品によって、血液が急上昇した場合、インスリンの分泌が著しくなり、必要以上の量分泌される事が証明されています。この過敏なインスリンの分泌はダイエットの大敵です。インスリンには、血液中の糖質や脂質を体内に脂肪として蓄える働きがあるからです。そして、体内にすでに蓄えられている脂肪の燃焼を妨げるので、脂肪量が増加して太りやすくなってしまうのです。さらに、血糖値の上昇は血圧を高める事にも繋がります。

ビーフンにはアミロースが含まれていて、腹持ちを良くする

ビーフンにはアミロースと呼ばれるデンプンが多く含まれています。アミロースはお餅に多く含まれている糖質の種類で、お餅の腹持ちを良くしている成分です。アミロースは分子の構造が複雑で、消化には時間がかかります。その為、お腹の中にビーフンが長い間とどまり、分解されて吸収されるまでに時間がかかります。また、ゆっくりと分解される事が糖質のリリースも遅いので、血糖値を急激に引き上げません。先ほどビーフンのGI値が低いと説明しましたが、その理由はビーフンはアミロースを多く含んだデンプンから出来上がっているからです。消化に時間がかかるため、ビーフンは腹持ちが良い食品になります。
腹持ちが良い食品を選んで食べる事で、お腹が空きにくくなるメリットがあります。無駄な間食の摂取を控えられますので、ダイエット中には嬉しいですね。お腹がすきにくいので、間食を我慢する必要が無くなるのです!

ビーフンは糖質制限ダイエットに向いている?

ビーフンはGI値の低いので、この点ではインスリンの分泌量を軽減させる事によってダイエットに向いていると言えるでしょう。アミロースによる腹持ちの良さもダイエット中にはうれしいアドバンテージです。
しかし、カロリー量、糖質量、脂質量が非常に高いため、糖質制限ダイエットだけではなくそもそもダイエットに向いている食品とは言えません。たまに少量食べる分には問題ありませんが、ダイエット中だからと自ら進んで食べる食品ではありません!あっさりとしていて、健康的なイメージのあるビーフンですが、ダイエットには不向きです!

ビーフンよりこんにゃくとしらたきがダイエットにおすすめ

こんにゃくとしらたきは超低カロリー&低糖質でダイエットにピッタリ

先ほどのカロリー量や栄養素の量を表した食品分析をもう一度ご覧ください。こんにゃくとしらたきが信じられない数値を叩き出していることが分かりますよね!100gのカロリー数が6kcalや7kcalなんて信じられません。そして糖質量も脂質量も殆どゼロです。これをダイエットに利用しない手はありません。カロリー量を減らす事でダイエットが成功しやすくなるでしょうし、糖質量をカットすれば、糖質制限ダイエットに簡単に取り組めるでしょう。

また、食物繊維も豊富に含んでいるので、体内の老廃物を排除するデトックス効果や便秘解消効果も期待できるでしょう。

こんにゃくとしらたきのお勧めの食べ方は

低カロリー、低糖質のこんにゃくやしらたきは、単品で食べても満足感が得られにくいので、食事の一部と置き換える事でダイエットに取り組む食事制限ダイエットが適しています。
毎日1食の白米をこんにゃくかしらたきで置き換えることで、白米から摂取していたカロリー、糖質、脂質をカットできるでしょう。毎日継続する事で1ヵ月で5000kcal以上のカロリー、1100g以上の糖質をカットできるでしょう。体重1kg当たり約7000kcalですので、1ヵ月間で約0.7キロ、半年で4.2kg、1年継続すれば8. 4kg痩せられる計算になります。貴方の目標や目標達成の時期設定、ライフスタイル等に合わせてこんにゃくやしらたきの置き換えダイエットをと取り入れてみては如何でしょうか?

もし1食の白米一膳の置き換えが難しいようでしたら、白米の量を半分に減らしてその分こんにゃくやしらたきに置き換えるだけでも、継続すれば必ず結果は現れるでしょう。
カロリー量、糖質量と脂質量を殆ど有していないこんにゃくやしらたきを利用すれば簡単にカロリーも糖質もカットできてしまいますよ。