トマトは糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

トマトに含まれる糖質はどのくらい?トマトは糖質制限ダイエットに向いているのか?トマトのカロリー、含まれる糖質、脂質、タンパク質他、糖質制限中のトマトの食べ方やトマトの持つダイエット効果について詳しく解説します。

トマトは糖質制限ダイエットに向いている?

トマトとは

トマトとは、ナス科の一年草で、南アフリカのアンデス山脈からメキシコにかけてが原産の植物です。

その歴史は古く、16世紀半ばにはすでにヨーロッパにあり、日本でも17世紀初期には伝えられたといわれています。

しかし、食用として栽培されるようになったのは明治後期になってからで、それまでは観賞用として広くしられていました。

トマトの種類

トマトの種類は非常に多く、全世界で約8,000種類あるといわれています。日本で栽培されているトマトだけでも約120種類あり、現在でも品種改良が重ねられ新しい品種が生まれています。

中でも代表的なトマトの種類を見てみましょう。トマトは大きさによって大玉、中玉(ミディトマト)、小玉トマト(ミニトマト・プチトマト)に分かれます。
目安となる重量は、150g以上で大玉トマト、40~150gが中玉トマト、40g以下が小玉トマトとなります。

【大玉トマト】
・桃太郎

日本の市場で出回る約80%がこの桃太郎系のトマトとなります。1玉が200~230g程と大きいのが特徴で皮が固いためカットしても崩れにくくなります。

栽培方法にもクセがないため、家庭用として栽培されることの多いトマトです。

・ファーストトマト
桃太郎が出回る以前に日本ではよく食べられていた品種で1玉が200~250gと大きく先が尖っている特徴があります。

皮が薄く甘みがある反面、傷みやすいため保存にはあまり適していませんが、昔ながらのトマトらしい旨味があり人気のある品種です。

【中玉トマト(ミディトマト)】
・フルティカ

2008年に登録された新しい品種で、糖度が7~8%と高い上、酸味が少なく皮が薄く食べやすいのが特徴の中玉トマトです。

1玉は40~50g程で味にクセがないことから生食が人気の中玉トマトです。

・レッドオーレ
糖度が高く、酸味が少なくコクのある味で家庭菜園でも人気の中玉トマトです。

果肉に粘りがあり、濃い赤色をしており、見た目もピンポン球程の大きさのためかわいらしいのが特徴です。

・シシリアンルージュ
調理用トマトに最適な中玉トマトで、加熱することでコクとうまみがでることからソースなどに用いられることが多いのが特徴です。

リコピンというトマトに多く含まれる成分が大玉トマトに比べて8倍もあることから、美容面、健康面でも優秀だといえます。

【小玉トマト(ミニトマト・プチトマト)】
・アイコ

小玉トマトの代表的な品種の一つともいえるのがこの「アイコ」になります。
卵型をしており、皮が厚く歯ごたえのしっかりとした小玉トマトです。

最もポピュラーな赤色のアイコの他、「イエローアイコ」といって実が黄色い品種のものもあります。

病気にも強く、収穫量も多いため家庭菜園でも人気の品種となります。

・千果
全国の小玉トマトの大半を占めるメジャーな品種の一つとなる「千果」は、小玉トマトの中でも重さは1玉15~20gと大ぶりで糖度が8~10%と高いのが特徴です。

栽培方法にもクセがないため、家庭菜園でも人気のある品種です。

トマトのカロリー・糖質・脂質・タンパク質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
トマト(M1個165g) 31 6.11g 0.17g 1.16g
トマト(100g) 19 3.7g 0.1g 0.7g
ミニトマト(M1個10g) 3 0.58g 0.01g 0.11g
ミニトマト(100g) 29 5.8g 0.1g 1.1g
トマトのカロリー、含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量を見てみましょう。
一般的によく食べられる大玉トマトとミニトマトの1個当たりの栄養価に注目してみると、カロリーは大玉トマトで31kcal、ミニトマトに関しては3kcalと低カロリーですね。

脂質量、タンパク質量に関してはどちらも微量といったところです。ダイエット中であっても気になる量ではありませんし、野菜ですのでタンパク質量が低いのが仕方のないことだといえます。

気になる糖質量ですが、大玉トマトに関しては1個当たり6.11gとやや高い印象を受けますね。

ミニトマトの糖質量に関しては、1個当たり0.57gと低いので沢山食べなければ糖質量も気にならない程度だといえます。

トマトは糖質制限ダイエット中に食べても良い?悪い?

トマトは、大玉トマトで1個当たり6.11gの糖質を含みますので、厳しい糖質制限ダイエットを行っている方にはあまり向かない食品だといえます。

但し、緩めの糖質制限ダイエットをされている方であれば食べ過ぎにさえ気を付ければ問題ない範囲だといえるでしょう。

厳しい糖質制限を行っている方でもトマトを食べたい場合は、食べる量に気を付けることで絶対に食べてはいけない食品ではなくなります。

特にミニトマトに関しては、糖質量が1個当たり0.58gですので1~2個食べる分には問題ないでしょう。
トマトには、ダイエットにも健康面にも有効な栄養素が含まれていますので糖質制限ダイエット中であっても糖質量に気を付けながら食べることをおすすめします。

トマトのカロリー・糖質・脂質・タンパク質量を他の食材と比較

トマトと他の野菜のカロリーを比較してみよう(100gあたり)

食品 カロリー
トマト 19kcal
ごぼう 65kcal
にんじん 37kcal
じゃがいも 76kcal
キャベツ 23kcal
たまねぎ 37kcal
きゅうり 23kcal
なす 22kcal
大根 18kcal
レタス 12kcal
トマトと一般的によく食べられる野菜のカロリーを比較してみましょう。

こうしてみるとトマトは野菜の中でもカロリーが低いことが分かりますね。トマトより低い野菜には大根やレタスが挙げられますが、どちらも淡色野菜で緑黄色野菜であるトマトと比べると栄養価が低いため、健康面を考えると緑黄色野菜となるトマトの方が栄養面も安心です。

トマトと他の野菜の糖質・脂質・タンパク質を比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
トマト 3.7g 0.1g 0.7g
ごぼう 9.7g 0.1g 1.8g
にんじん 6.5g 0.1g 0.6g
じゃがいも 16.3g 0.1g 1.6g
キャベツ 3.4g 0.2g 1.3g
たまねぎ 7.2g 0.1g 1g
きゅうり 4.1g 0.2g 1.3g
なす 2.9g 0.1g 1.1g
大根 2.8g 0.1g 0.4g
レタス 1.7g 0.1g 0.6g
トマトと一般的によく食べられる野菜に含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量を比較してみましょう。

脂質とタンパク質に関しては野菜ですのでどの野菜もずば抜けて高いということはありません。
注目したいのはやはり糖質量ですね。100g当たりの糖質量は、ごぼうやにんじんなどの根菜類、また、炭水化物となるじゃがいもは糖質量が多くなります。とまとじゃ多からず、少なからずといったところでしょうか。

トマトは、野菜の中でも糖質が高い野菜という印象を受けますが、100g当たりの糖質量を比較すると圧倒手的にトマトは糖質量が高いというわけではなく、平均的な量だということが分かります。

トマトの特筆すべき栄養素・ダイエット効果

「βカロテン」の働きで免疫効果を高める

トマトは、緑黄色野菜であるためβカロテンを含んでいます。βカロテンには、免疫効果を高める作用や抗発がん作用があるため、健康を維持するために有効に働きます。

ダイエットを行う上で、健康であることは絶対条件といっても過言ではなく、健康的にダイエットに取り組むことでダイエットによって起こり得る体調不良を予防することもできますのでおすすめです。

「ビタミンC」の働きで食欲を抑制

トマトには、「ビタミンC」が豊富に含まれています。ビタミンCというと、美肌効果など美容面での効果に注目されがちですが、ダイエットにおいてもなくてはならない存在です。

ビタミンCには、レプチンといって脂肪細胞から分泌される満腹を感じさせるホルモンの分泌量を減らす効果があります。
満腹感を減らすというと一見、ダイエットには逆効果な印象を受けますが、脂肪細胞が多くレプチンの分泌が多い方の場合、レプチンの感受性が低下し満腹を感じにくくなっている傾向にあります。

いくらレプチンが多く分泌されていても満腹を感じなければ意味がありませんね。ビタミンCによってレプチンの分泌量が減るとレプチンの感受性が戻るよう作用するため、結果的にレプチンの感受性が高まり食欲抑制効果につながるのです。

「リコピン」によるアンチエイジング効果

トマトに含まれる代表的な栄養素として挙げられる「リコピン」にはアンチエイジング効果があります。アンチエイジングとは、体内のありとあらゆる細胞の老化を防止する効果です。

トマトに含まれるリコピンによって、アンチエイジングができると美容面はもちろん、健康面においても様々な効果を得ることができるのです。また、体内の細胞がアンチエイジングされるということは、代謝機能や消化機能も高まってきますのでダイエットにも有効だといえます。

「リコピン」には血糖値の上昇を抑える効果も!

トマトに豊富に含まれる「リコピン」には血糖値の上昇を抑える効果があります。トマトは、野菜の中でも糖質は平均的に含まれる食品となりますので、トマトを食べることである程度、血糖値は上昇します。

しかし、食べる量だけ気を付けていればトマトに含まれるリコピンの働きによって血糖値の上昇を抑え、結果、ダイエット効果を期待することができるのです。

リノール酸「13-oxo-ODA」によって脂肪燃焼効果を高める

トマトには、「13-oxo-ODA」というリノール酸が含まれています。この13-oxo-odaには、肝臓で脂肪を燃焼させるために働いているタンパク質を多く作る効果があるため、トマトを食べることで13-oxo-ODAを摂ることができ、その結果、脂肪燃焼効果を高めることができるのです。

糖質制限ダイエット中のトマトの食べ方

厳しい糖質制限ダイエットをしている人は控えるべき

トマトに含まれる糖質量は1個当たり約6.11gと決して低くありません。そのため、厳しい糖質制限ダイエットをされている方の場合、トマトを食べることで糖質を摂り過ぎてしまう可能性があります。

厳しい糖質制限ダイエット中にトマトを食べる際には、食べる量はもちろん、一緒に食べる食材の糖質量にも十分気を付ける必要があるといえるでしょう。

緩めの糖質制限ダイエットをしている人は量に気を付けて食べて欲しい

緩めの糖質制限ダイエットをされている方がトマトを食べる際には、摂取量に気を付ける必要があります。
トマト1個当たり、含まれる糖質量や約6.11gですので、上限は1個までとしなるべく半分~1/4個程に抑えておくと良いでしょう。

また、トマトは、食物繊維量は少ない野菜ですがその分、含まれる水分量は多いため、食べごたえのある野菜です。ごはんの代わりにトマトを食べるというダイエット法もありますので、ごはんなどの主食の代わりにトマトを食べて、他のメニューでは低糖質のものを中心に選ぶことで糖質の摂り過ぎを防ぐことができます。

ダイエット中のおすすめのトマトの食べ方

糖質制限ダイエット中でも、糖質を摂り過ぎることなく満足できるトマトの食べ方としておすすめしたいのが、「タンパク質」を多く含む食材と組み合わせて調理することです。

例えば、低糖質、低脂質の鶏むね肉や鶏ささみ肉をソテーしてフレッシュなトマトソースをかけて食べる。また、大豆製品との相性も良いため、トマトと大豆の水煮を一緒に煮込んで食べるのも良いですね。

加工食品として市販されているトマトソースは、砂糖など糖質の高い調味料を使用しているため、どうしても糖質が高くなってしまいますが、フレッシュなトマトを使ってトマトソースを作ることで加工食品よりも低糖質なトマトソースを作ることができます。

基本のトマトソースとして、調味料としても使えるトマトソースレシピを紹介します。

【低糖質な基本のトマトソース】
<材料(作りやすい量)>
・トマト水煮 1缶
・にんにく 1個
・塩 適量 
・オリーブオイル 大さじ1
・バジル 適量

<作り方>
1.にんにくをみじん切りにします
2.小なべやフライパンににんにくとオリーブオイルを入れ、弱火で火にかけます
3.オリーブオイルが熱されにんにくの香りがしてきたらトマトの水にを加えかき混ぜながら煮立たせます
4.トマトが軟らかくなってきたらバジルを加え更に1~2分煮込み塩で味を調えて完成です

味が濃いと感じたら水を加えて伸ばしましょう。
これをトマトソースの基本として、料理に合わせて調味料を加えていくことで加工食品として販売されているトマトソースよりも低糖質で幅広いメニューに使用できるトマトソースができます。

糖質制限ダイエット中にトマトを食べる際の注意点

トマトの糖質量は、野菜の中では平均的な量とはいえ、糖質がある程度含まれている野菜に変わりありません。糖質制限ダイエットのように、糖質を摂る量を制限されている方の場合、いくらトマトにダイエット効果のある栄養素が含まれているからといっても糖質の摂り過ぎになってしまいますので、糖質制限ダイエット中にトマトを食べる場合には、食べる量には十分気を付けましょう。

また、トマトを食べる際には、一緒に食べる食材の糖質量にも十分気を付けるようにして下さいね。