にんにくは糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

にんにくは糖質制限ダイエットに向いている?にんにくのカロリー、含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量、糖質制限ダイエット中のにんにくの摂り方についてなど分かりやすく解説します。

にんにくとは?にんにくの種類

にんにくとは

にんにくとは、ユリ科ネギ属に分類される野菜の一種で日本においては薬味などでよく使われる野菜の一つです。

その歴史は古く、平安時代よりも前には中国から渡来したと考えられています。また、古代エジプトではピラミッドを作る作業員たちの強壮剤としても支給されていました。

日本でもにんにくといえば「滋養強壮」に良いというイメージが強い野菜ですが、ピラミッドを作るという重労働においてもにんにくはその効用を発揮したのだと考えられます。

そんなにんにくですが、糖質制限ダイエット中に食べても良いのでしょうか?また、糖質制限ダイエット中ににんにくを食べる場合、どのくらいの量をどのように食べると良いのか?詳しく紹介します。

にんにくの種類

にんにくの種類はとても多く、また、葉、茎、球根部など食べる部分でも分類できます。ここれは、一般的によく食べられる国産で球根部に分類されるにんにくの種類を見ていきましょう。

・福地ホワイト六片
青森県原産のにんにくで寒地型といって寒い理域で栽培される品種となります。
日本では、青森県がにんにく生産量日本一となっておりこの福地ホワイト六片も一般的によく食べられる品種のにんにくとなります。

にんにく独特の香りはマイルドで様々な料理に使いやすいのが特徴です。

・北海道在来
北海道で古くから栽培されている品種です。他のにんにくと比べ病気に強く栽培しやすいのため、家庭菜園でも作りやすい品種となります。

球根部がピンク色をしているのが特徴で、香りや辛味が強いのが特徴です。

・富良野
北海道で栽培される品種のにんにくです。リン片が赤褐色をしている特徴があります。

球根部はもちろん、茎にんにく、葉にんにくとして栽培されることも多いにんにくです。

・遠州極早生
静岡県西部で古くから栽培されているにんにくです。
極早生といってにんにくは栽培途中において生育が止まる休眠がありますが遠州極早生は、休眠期がないため他のにんにくと比べて早く収穫することができます。

リン片は12個前後と多く小ぶりで、見た目は紫色をしているのが特徴です。

・上海早生
九州地方や四国地方など暖地型といって暖かい地域で栽培される品種のにんにくです。

熟成が早いため、収穫時期も早めとなります。リン片が12個前後と多いのが特徴で寒地型と比べると1つ当たりの大きさが小さく軽くなります。

・壱州早生
長崎線壱州市原産のにんにくで暖地型の品種です。1970年代に一度栽培者の高齢化に伴い規模が縮小されましたが、需要が増えたことで新たな栽培者が増え復活を見せたにんにくとなります。

リン片は12個前後と多く、寒地型と比べると1つ当たりの大きさが小さく軽いのが特徴です。

・沖縄早生
沖縄県で栽培されているにんにくです。極早生といってにんにくは栽培途中において生育が止まる休眠がありますが沖縄早生は、休眠期がないため他のにんにくと比べて早く収穫することのできる品種となります。

リン片は淡い桃色をしておりリン片は12個前後で小さく軽いのが特徴です。

・島にんにく
沖縄で栽培されているにんにくでその歴史は古く、現代でも根強い人気のある品種です。

歯は柔らかく、球根部は小ぶりで香りがとても強く旨味が凝縮されているのが特徴です。

にんにくは糖質制限ダイエットに向いている?

にんにくのカロリー・糖質・脂質・タンパク質

食品 カロリー 糖質 脂質 タンパク質
にんにく(1片6g) 8 1.24g 0.08g 0.36g
にんにく(100g) 134 20.6g 1.3g 6g
おろしにんにく(小さじ1杯4g) 7 1.3g 0.02g 0.19g
おろしにんにく(100g) 171 32.4g 0.5g 4.7g
茎にんにく(1本10g) 5 0.68g 0.03g 0.19g
茎にんにく(100g) 45 6.8g 0.3g 1.9g
にんにくのカロリーと含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量を見てみましょう。

カロリーは、球根部のリン片で1片8kcal、茎にんにくに関しても1本当たり5kcalですので低カロリーですね。

脂質量、タンパク質量に関しては気になるほどの量は含まれていません。

気になる糖質量ですが、球根部のリン片で1片1.24g、茎にんにく1本当たり0.68gと低糖質です。

にんにくは糖質制限ダイエットに良い?悪い?

にんにくの場合、薬味として使われることが多いため、一度に100gも食べるというのは現実的ではありませんし、一般的な量を食べる分には糖質制限ダイエット中でも気にせず食べることのできる野菜だといえます。

糖質制限中は、糖質を含む野菜は食べられる量に制限を持つ必要があるものが多いですが、にんにくに関しては今まで通りの量を食べていても問題ないでしょう。

但し、丸焼きなど一度ににんにくを丸々1個分食べるといった場合には、食べる量に気を付ける必要があります。

にんにくと他の野菜のカロリー、含まれる栄養素を比較してみよう

にんにくと他の野菜のカロリーを比較(100gあたり)

食品 カロリー
にんにく(100g) 134kcal
ごぼう 65kcal
にんじん 37kcal
じゃがいも 76kcal
キャベツ 23kcal
たまねぎ 37kcal
きゅうり 23kcal
なす 22kcal
大根 18kcal
レタス 12kcal
にんにくと一般的によく食べられる野菜のカロリーを比較してみましょう。

100g当たりのカロリーを見るとにんにくのカロリーが圧倒的に高いことが分かりますね。
カロリー的に見るとにんにくはダイエット中には良くなさそうな印象を受けますが、一度に食べる量を考えてみるとそうでもありません。

にんにくの種類によっても異なりますが、にんにくリン片1個(一般的に言われる一片)は約6g程となります。
丸々1個を食べても100gには全然満たないため、食べる量で考えるとそこまで高いとは言えません。

にんにくと他の野菜に含まれる糖質、脂質、タンパク質を比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
にんにく 20.6g 1.3g 6g
ごぼう 9.7g 0.1g 1.8g
にんじん 6.5g 0.1g 0.6g
じゃがいも 16.3g 0.1g 1.6g
キャベツ 3.4g 0.2g 1.3g
たまねぎ 7.2g 0.1g 1g
きゅうり 4.1g 0.2g 1.3g
なす 2.9g 0.1g 1.1g
大根 2.8g 0.1g 0.4g
レタス 1.7g 0.1g 0.6g
にんにくと一般的によく食べられる野菜の糖質量、脂質量、タンパク質量を比較してみましょう。

脂質量、タンパク質量に関しては、どの野菜も極端に高いということはありませんね。
注目したいのは糖質量ですが、100g当たりの糖質量を見るとにんにくは20.6gと圧倒的に高いのが分かります。

炭水化物に分類されるじゃがいもでも100g当たりの糖質量は16.3gですので、糖質制限ダイエット中ににんにくは向かないような印象を受けますが、カロリー同様、食べる量で考えるとそこまで気にする必要はありません。

にんにくリン片1個当たりの糖質量は約1.24gです。一度ににんにくを食べる量は一般的に1~2片程度が多いですし、薬味程度であれば1片にも満たないため、100g当たりの糖質量は高いにんにくですが、一度に食べる量を考慮すると糖質制限ダイエット中でもそこまでに気にする必要はないといえます。

にんにくの特筆すべき栄養素・ダイエット効果

にんにくの代表成分「アリシン」の持つ4つの効果

にんにくに含まれる代表的な成分として「アリシン」という成分があります。このアリシンには、4つの効果があります。

1.疲労回復効果
アリシンは、ビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という成分に変化します。そしてこのアリチアミンには、体外に蓄積された疲労物質を体外へ排出する効果があるのです。

にんにくには、アリシンの他、ビタミンB1も豊富に含まれていますので、にんにくを食べることでアリチアミンが生成され、結果、疲労回復効果を得ることができます。

2.タンパク質の消化促進効果
にんにくに多く含まれるアリシンには、タンパク質の消化を促進する効果があります。

糖質制限ダイエット中は、タンパク質を積極的に摂る方が多いですが、タンパク質の消化がうまくいかないと体に負担が掛かってしまいます。

にんにくを食べることでアリシンを摂り入れると、一緒に食べたタンパク質の消化がスムーズに行われるため、体に負担が掛かりにくくなります。肉類や大豆製品などタンパク質を食べる際には、薬味や調味としてにんにくを使うと良いでしょう。

3.胃液の分泌促進効果
にんにくに含まれるアリシンには、胃液の分泌を促進する効果があります。

そのため、食欲がない、消化不良を起こしているなどといった胃腸の不調を改善することが期待できます。

4.代謝機能向上効果
にんにくに含まれる「アリシン」には、代謝機能を向上させる効果があります。ダイエットを行う上で代謝機能がしっかりしていることは絶対条件といっても過言ではありません。

食事から摂り入れた糖質や脂質などがしっかり代謝されないと、脂肪として残ってしまうためダイエットの妨げになってしまいます。

にんにくを食べることで代謝機能が高まるとダイエット効果を高めることが期待できます。

「ビタミンB1」+「アリシン」の組み合わせで糖質の代謝を高める

にんにくには、「ビタミンB1」と「アリシン」という成分が豊富に含まれています。

ビタミンB1は、食事から摂り入れた糖質を代謝させるために必要な栄養素です。そしてアリシンは、体の代謝機能を高める効果のある栄養素です。

つまり、にんにくのように「ビタミンB1」と「アリシン」が豊富に含まれる食品を摂ることで糖質の代謝機能が高まり効率的にダイエットすることを期待できます。

糖質制限ダイエット中におすすめのにんにくの食べ方

糖質制限ダイエット中ににんにくを食べるにはどのような食べ方が良いのでしょう?

おすすめの食べ方は肉類や大豆製品などタンパク質を組み合わせる方法です。

にんにくは、野菜ではあるもののにんにくをメインとしたメニューよりは薬味として使われることが圧倒的に多い食品です。また、クセの強い食品でもありますし、大量に食べることでカロリーや糖質の摂り過ぎにもなり兼ねません。

そのため、糖質制限ダイエット中も一般的によく食べられる薬味としてにんにくを活用されると良いでしょう。

また、様々な料理に使えるガーリックオイルとして摂り入れるのもおすすめです。

肉にも魚にも合う!「ガーリックオリーブオイル」レシピ

<材料(作りやすい量)>
・にんにく 100g
・オリーブオイル 400cc

1.にんにくの皮を剥き、芽を取ります
2.にんにくをみじん切り、またはブレンダーに掛け細かくします
3.フライパンに刻んだにんにくとオリーブオイルを入れ強めの中火で炒めます
4.泡立ってきたらにんにくが焦げないように火加減を注意しながら加熱を続けます
5.にんにくの色がやや変わり始めたら火を止め常温になったら完成です

火を止めたた後も余熱によってにんにくが焦げてしまうことがあるので、早めに火を止めて様子を見ましょう。

容器に入れて保存し、料理や薬味として使います。

糖質制限ダイエット中、にんにくはどのくらいの量を食べて良いの?

にんにくの100g当たりのカロリーや糖質量は決して低くありませんが、一度に食べる量として100gは多過ぎて現実的ではありません。

にんにくの大きさにもよりますが、1片当たり6gほどのもので糖質量は1.24g、カロリーは8kcalとなります。
糖質制限中は糖質量の摂取に気を付けたいので、にんにくを食べる場合は、1片6gほどのものであれば1~2片程にしておくと糖質は気にならないでしょう。

薬味として摂り入れるなら1~2片で充分な量ですね。

糖質制限ダイエット中ににんにくを食べる際の注意点

にんにくは、ダイエット効果の高い食材ですが100g当たりのカロリーは134kcal、糖質量は20.6gにもなります。
薬味として食べる分には、せいぜい6~15g程ですのでカロリーも糖質量も気になりませんが、丸焼きなどにんにくを丸ごと食べる場合には薬味で食べるよりはるかに多い量を食べることができます。

そのため、丸焼きなどの料理としてにんにくを食べる場合には、食べる量に気を付ける必要があるといえるでしょう。

また、にんにくに含まれる「アリシン」という成分は摂り過ぎてしまうと場合によっては胃腸に負担をかけてしまい胃痛、腹痛、下痢などの症状が出る可能性もありますので、食べ過ぎは体にとって負担となりますので注意しましょう。