チーズは糖質制限ダイエット向きか?カロリー・糖質・脂質・タンパク量を分析

チーズのカロリーはどのくらい?糖質制限ダイエットにチーズは向いているのか?チーズのカロリー、含まれる糖質量、脂質量、タンパク質量、糖質制限中のチーズの食べ方について分かりやすく解説します。

チーズは糖質制限ダイエットに向きか?

チーズとは?

チーズとは、牛や羊、ヤギなどのミルクに乳酸菌と凝乳酵素を加え、発酵させてつくったものです。
古くからヨーロッパを中心に人々に愛され、各地で特色のあるチーズが作られてきました。
しかし日本ではチーズの独特な風味が人々に好まれず、開国され明治時代になってもチーズはあまり普及していませんでした。
日本で初めてチーズが製造されたのは1875年のこと。その後第二次世界大戦が終結し、本格的にチーズが普及するようになりました。
現在では日本でも様々な種類のチーズが作られ、子供から大人まで多くの人に愛される食材となりました。

チーズの種類

長い歴史のあるチーズには、世界中でたくさんの種類があります。その数なんと約1000種類以上と言われています。
そんなチーズは、大きく分けると8種類に分類されます。
ここでは、それぞれのチーズのタイプの製法や特徴について説明していきます。

・「フレッシュタイプ」
熟成させず、出来立ての味を楽しめるナチュラルチーズです。
生乳に酵素や乳酸菌を加えて、固めて水分を抜いて作られます。
水分を多く含んでいるため、やわらかな食感です。
くせがなくさわやかな酸味があり、初心者でも食べやすいチーズです。
料理やお菓子の材料に使われることも多いです。
【例:モッツァレラ・カッテージ クリームチーズとマスカルポーネなど】

・「白カビタイプ」
表面に白カビを植え付け、それを繁殖させることによって熟成させたナチュラルチーズです。
表面が白いことから、ホワイトチーズとも呼ばれます。
熟成が進むにつれて、表面に赤茶色の斑点が出てきて、中身はクリーム色で流れ出すくらい柔らかくなります。
もちもちした食感とまろやかな味わいを楽しめるチーズです。
【例:カマンベール・ブリーなど】

・「青カビタイプ」
内部に青カビを植えつけ、中の方から熟成させるナチュラルチーズです。
ブルーチーズとも呼ばれます。
このチーズはフランスの最古のチーズと言われており、約2000年の歴史があります。
固めて水を切った生乳に青カビをまぶしてからチーズの形を作ります。
熟成するにつれて、大理石のような美しい模様が浮かび上がります。
独特な風味を持ち、濃厚でかなり塩味が強いチーズです。
【例:ゴルゴンゾーラ・ロックフォール など】

・「ウォッシュタイプ」
外皮を塩水やその土地のワイン・ブランデーなどの地酒で何度も洗い、チーズの表面についている菌で熟成させたナチュラルチーズです。
中世ヨーロッパの修道院で考案されて以来、ヨーロッパを中心に人々に愛されてきました。
中身はとてもまろやかで美味しいチーズですが、外皮は独特な匂いが強いです。
強めの赤ワインによく合い、ワイン好きの人に好まれます。
【例:エポワス、リヴァロ、ランクル】

・「セミハードタイプ」
生乳を固めたあと、重しをかけて、水分を38%~46%まで取り除き、乳酸菌の力でゆっくり時間をかけて熟成させたナチュラルチーズです。ほとんどが牛乳を原料とするものです。
熟成がゆっくり進むので、ナチュラルチーズの中でも保存性が高いチーズです。
比較的かたく、プロセスチーズの原料としても使われており、日本人にもお馴染みのチーズです。
クセがなく食べやすいので、多くの人に好まれる味です。
【例:ゴーダ、チェダーチーズなど】

・「ハードタイプ」
セミハードタイプのチーズよりも、もっと水分を取り除いたチーズです。
チーズの中でも最も固いチーズで、主に粉状にして料理に使われます。
水分が少ないため、長期間にわたって保存することができます。
約1~2年と長い時間をかけて熟成させるため、濃厚な風味を楽しむことが出来ます。
【例:パルメザン(パルミジャーノレジャーノ)、ハードエダム、ラクレットなど】

・「シェーブルタイプ」
「シェーブル」とは、フランス語でヤギのこと。
その名の通り、ヤギの乳からつくられたチーズです。
牛乳から作るチーズよりも歴史が古く、長く人々に愛されてきました。
ヤギ特有の酸味の強い匂いがする、ホロホロとした食感のチーズです。
ジャムやフルーツとも相性が良く、料理のソースとして使われることもあります。
【例:ヴァランセ、クロタン・ド・シャヴィニョル、サント・モール・ド・トゥレーヌ】

・「プロセスチーズ」
日本で最も親しまれているチーズです。
一種類、または数種類のナチュラルチーズを細かく刻んで、加熱して溶かし、乳化剤などを加えて再び成形したものです。
スライスチーズや6Pチーズなど、多種多様な形に加工されます。
ナチュラルチーズの乳酸菌やカビなどが加熱により死滅するので、熟成が無く、一定の味で、保存性が高いのが特徴です。

チーズは糖質制限ダイエットに向いている?

カロリーが高いと思われがちなチーズですが、実はダイエットに効果的な食材なのです。
チーズはどの種類でも100gあたり糖質が1〜3g程度しかなく、糖質制限中でもおすすめの食材です。
さらに、チーズは栄養価が高く、脂肪の代謝を促進する効果のあるビタミンBや、肌のトラブルを防ぐビタミンA、筋肉の成長に欠かせないタンパク質などが豊富に含まれています。
糖質制限中はチーズを積極的にとっていきましょう。

チーズの種類別 カロリー・糖質・脂質・タンパク質比較

チーズの種類別カロリー比較(100gあたり)

食品 カロリー
プロセスチーズ(100g) 339kcal
カマンベールチーズ(100g) 310kcal
カッテージチーズ(100g) 105kcal
ブルーチーズ(100g) 349kcal
チェダーチーズ(100g) 423kcal
ゴーダチーズ(100g) 380kcal
クリームチーズ(100g) 346kcal
パルメザンチーズ(大さじ1杯6g) 29kcal
カロリーが一番低いのはパルメザンチーズです。料理に使いやすいタイプなので、日々の生活に取り込みやすいです。
次にカロリーが低いのはカッテージチーズ。低カロリーでありながらも、なめらかで美味しいダイエットにおすすめのチーズです。
一方でカロリーが一番高いのはチェダーチーズです。けれど、脂質が多く腹持ちが良いので、ダイエットにうまく活用することも出来ます。

チーズの種類別糖質・脂質・タンパク質量比較(100gあたり)

食品 糖質 脂質 タンパク質
プロセスチーズ(100g) 1.3g 26g 22.7g
カマンベールチーズ(100g) 0.9g 24.7g 19.1g
カッテージチーズ(100g) 1.9g 4.5g 13.3g
ブルーチーズ(100g) 1g 29g 18.8g
チェダーチーズ(100g) 1.4g 33.8g 25.7g
ゴーダチーズ(100g) 1.4g 29g 25.8g
クリームチーズ(100g) 2.3g 33g 8.2g
パルメザンチーズ(大さじ1杯6g) 0.11g 1.85g 2.64g
クリームチーズやカッテージチーズは、糖質量が多いチーズです。
食べ過ぎには注意しましょう。
脂質が最も多いのはチェダーチーズで、次いでクリームチーズが2番目に多いです。
タンパク質が多いのはチェダーチーズとゴーダチーズです。

チーズの特筆すべき栄養素・ダイエット効果

チーズはとても栄養価の高い食材です。
人間の体に欠かせない重要な栄養素を豊富に含んでいます。
チーズに含まれている主な栄養素についてご紹介します。

カルシウム

チーズには、カルシウムが豊富に含まれています。
カルシウムは、人間の生命活動に欠かせないミネラルの一種で、主に骨や歯の成分となります。
乳製品のカルシウムには、体脂肪の合成を抑制して分解を促進する働きもあるので、ダイエットにも効果的な栄養素です。
その他にも、体液をアルカリ性に保って免疫力を維持したり、神経や筋肉の興奮を抑えることで筋肉をスムーズに収縮させたり、様々な働きをしています。
カルシウムが不足すると、骨密度が減少し、骨がスカスカになってもろくなる「骨粗しょう症」のリスクが高まります。
若いうちから積極的に摂取しておくべき、重要な栄養素です。

たんぱく質

炭水化物、脂質と合わせて、三大栄養素のひとつであるたんぱく質。
たんぱく質は、チーズの約22%~28%を占める主成分で、筋肉や皮膚、髪の毛、血液などをつくるとても重要な栄養素です。
たんぱく質が不足すると、肌がボロボロになったり、髪の毛がパサついたりするだけでなく、内臓機能が低下し
代謝が落ちるので痩せにくい体になってしまいます。
エネルギー源にもなるので、良質なたんぱく質をしっかり摂取することはダイエットには必要不可欠です。

ビタミンA

ビタミンAには、目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を強める働きがあります。
また、ビタミンAに含まれているレチノールという成分には、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。
最近ではこの成分が発ガン物質の効果を軽減し、ガン予防にも効果的であるといわれています。

ビタミンB

ビタミンBには、細胞の成長を促進させて、生き生きとした肌を保ってくれる働きがあります。
糖質や脂質を分解し代謝を助けてくれるので、ダイエットに重要な役割を担う栄養素です。
また、新陳代謝を促進させるので、肌のターンオーバーを助け、ニキビなどの肌荒れにも効果的です。

ダイエット中のチーズの食べ方

チーズを1日に1回から2回ほど、毎日の食生活に取り入れましょう。
カロリーが低いのはパルメザンチーズやカッテージチーズですが、そればかり食べていると飽きてしまいますよね。
チーズにはたくさんの種類があるので、その日の気分や好みで選ぶなどバリエーションをつけるのがおすすめ。
チーズダイエットは、食生活を重視したダイエットなので、すぐに効果が出るわけではありません。
効果が出るまでに目安として2~3ヶ月ほどかかるので、継続することが大切です。
朝食や間食としてそのまま食べても美味しいチーズ。
柔らかくしてパンに塗ったり、野菜と一緒にサラダにして食べたり、メイン料理に混ぜ込んだりと様々な使用用途で活用できます。
自分の続けやすい方法で生活に取り入れると良いでしょう。
チーズと一緒に、野菜や果物などで食物繊維などの他の栄養素もバランス良く摂取できるような献立にすることも大切です。

チーズで太ってしまう原因

チーズは塩分が多い食材なので、食べ過ぎるとむくみの原因になってしまいます。
また、脂質が多い食材でもあります。チーズの脂質は牛肉などに含まれる脂質に比べると太りにくいものではありますが、それでも量を食べ過ぎると体脂肪として蓄積されてしまいます。
目安として1日60g程度にしておくと良いでしょう。

糖質制限中のチーズを使ったレシピ

チーズとトマトのカプレーゼ

糖質制限中にもおすすめのレシピです。
トマトには、悪玉コレステロールを減らし血液をサラサラにしてくれるリコピンという成分が豊富に含まれています。また、食物繊維が含まれているので美肌や健康にも効果的です。
そんなトマトとチーズを使った、簡単にできるお料理。
ぜひ作ってみてください。

【材料】
・トマト 2個
・モッツァレラチーズ 100g
・オリーブオイル 小さじ2杯
・乾燥バジル 適量
・岩塩 適量

【作り方】
1.トマトを薄くスライスします。
2.モッツァレラチーズを薄く切り分けます。
3.トマトの間に、切り分けたチーズを挟んでいきます。
4.オリーブオイル、バジル、岩塩をお好みでふりかけて完成です。