とうもろこし1本の糖質は?糖質制限ダイエット向き?

とうもろこし1本あたりの糖質やカロリーはどのぐらい?このとうもろこしは、糖質ダイエットにはNGなのでしょうか?ここでは、とうもろこしのカロリーと糖質を含む栄養価と、とうもろこしが糖質ダイエット向きなのかどうか、ほかの野菜と比べながら検証しました。ぜひ、ご参考ください。

とうもろこしとは?

トウモロコシは、イネ科の一年生植物。
稲や小麦よりも雑草に強い性質があり、高温や乾燥に強いという特長があります。
栽培の歴史は古く、中南米原産でメキシコやアメリカを中心に栽培されています。
食用(コーンスターチ、ボップコーン、コーンフレークなど)、油、酒、茶、漢方薬に加工されるほか、家畜のえさ、バイオエタノールの原料としても重要な、世界三大穀物(主食)の一つです。
一般に食用とされているのは甘味種(いわゆるスイートコーン)、爆裂種(ポップコーン)など。他に、馬歯種(デントコーン)、もち種などがあります。
日本に伝えられたのは16世紀ごろ。
とうもろこしの名は、唐から来たもろこし(きび)が由来で、日本語では地方により様々な呼び名があり、トウキビまたはトーキビ(唐黍)、ナンバ、トウミギ、などと呼ぶ地域もあります。

プロがすすめる、とうもろこしの加熱法

<材料>
トウモロコシ 1本
<作り方>
1. 皮つきのトウモロコシを皿にのせ、ラップをせずにそのまま電子レンジ(500w)で5分加熱する。
2. 茎と葉のつけ根から2センチほど上の実の部分を切り落とす。(切り落とす場所は、上の写真を参考にしてください。)
3. ヒゲを持ってトウモロコシを振る。実だけがツルンと落ちたら出来上がり。
出典:やまでらくみこのレシピ

とうもろこしのカロリー・糖質はどのぐらい?

気になるとうもろこし(スイートコーン)のカロリーと糖質、その他栄養素をみてみましょう。

とうもろこし(可食部100gあたり)のエネルギーと栄養価

品名:エネルギー:水分:たんぱく質:脂質:炭水化物
スイートコーン:92kcal:77.1g:3.6g:1.7g

とうもろこしは、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていることが分かりますね。
では、とうもろこしはほかの野菜と比べて、どの程度のカロリー・糖質なのでしょうか?
主な野菜を糖質が多い順にピックアップしてみました。

主な野菜のエネルギーと糖質量の比較

品名:エネルギー:糖質量
じゃがいも:76kcal:16.3g
かぼちゃ:91 kcal:17.1 g
とうもろこし:92 kcal:13.8 g
さといも:58 kcal:10.8 g
たまねぎ:37 kcal:7.2 g
にんじん:37 kcal:6.4 g
キャベツ:23 kcal:3.4 g
ピーマン:22 kcal:2.8 g
レタス:12 kcal:1.7 g
ほうれん草:20 kcal:0.3 g

こうして比べてみると、とうもろこしは世界三大穀物に数えられるだけあって、野菜の中ではカロリー・糖質は高めということがわかります。

とうもろこしは糖質制限ダイエット向き?

とうもろこしのカロリーは、100g当たり92kcal(生)、99kcal(ゆで)と穀物の中ではカロリーは低め。
ただ、水分以外の80%を糖質(炭水化物)であり、野菜というより穀類ともいえます。
そのため、糖質ダイエットに積極的に摂るべき食材ともいえません。
しかし、小麦や米と比べてカロリーが低く、栄養価も高いため、間食として食べれば、一日のカロリーを抑えられやせやすくなります。
また、とうもろこしの糖質は多糖類で、砂糖などの二糖類、フルーツやはちみつなどの単糖類よりも、ゆるやかに消化吸収されるため、インスリンの急激な分泌を抑えてくれます。
つまり、甘みが欲しいときはスイーツやフルーツではなく、とうもろこしというのも良い選択といえます。
また、缶詰のコーンは、甘みを引き立てるために塩が使われています。
生からゆでたものよりも、塩分高めなので注意してください。

とうもろこしの栄養価

とうもろこしは、栄養価の高い植物です。
とうもろこしは穀物としての乾燥コーンと、野菜としてのスイートコーン(未熟)の両方の顔を持っています。
乾燥コーンは、米や小麦に並んで三大穀物の1つで、炭水化物やたんぱく質、脂質などを豊富に含んでいます。
とうもろこしは、胚芽(はいが)部分にビタミンB1・B2・Eなどのビタミン類、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類をバランスよく含んでいます。
また、たんぱく質を構成するアミノ酸には、疲労回復に効果的なアスパラギン酸、脳機能を活性化させるグルタミン酸、免疫機能をアップさせるアラニンを含まれています。
とうもろこしの粒の皮は、セルロースという不溶性の食物繊維が主な成分です。

とうもろこしに含まれる主な成分と効果

ビタミンB1:炭水化物をエネルギーに変えるのに不可欠の成分です。消化液の分泌を促し、糖質の代謝を助けます。

ビタミンB2:たんぱく質や脂質、糖質などの代謝を助ける効果があります。皮膚や粘膜を健康に保ち、肌荒れやニキビを防ぐことから、別名「美容のビタミン」と呼ばれています。

ビタミンB6:たんぱく質の代謝に不可欠の成分。脂質の代謝も助け、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐために必要なビタミンです。

ビタミンE(脂溶性):植物油や種実類に多く含まれている成分。血行をよくし、細胞の老化を予防する効果が期待できます。ビタミンCとともにとると効果的です。

カリウム:体内の水分調節や、浸透圧の調整をおこなう成分です。高血圧を抑制するほか、筋肉や心筋活動を正常にする効果が期待できます。

カルシウム:骨や歯をつくり、上部にする成分。出血時の血液の凝固や神経を鎮める働きもあります。日本人に不足しがちな成分の一つです。

食物繊維:水溶性と不溶性があります。水溶性は血糖値の上昇とコレステロールの吸収を抑制し、生活習慣病の予防に貢献。不溶性はデトックス効果が期待されます。

リパーゼで脂肪燃焼

とうもろこしには、脂肪燃焼効果のある「リパーゼ」という酵素を含まれています。
リパーゼの働きを活発にするのに、一番効果的なのはミネラルの摂取です。
カルシウムやマグネシウムなどが不足すると、リパーゼの働きが鈍って効率的に脂肪を代謝できなくなってしまいます。
つまり、とうもろこしはミネラルを含み、なおかつリパーゼを持っていることから、さつまいもなど糖質の高いものの代わりに摂りたい食材です。

小麦アレルギーに要注意!

とうもろこしは、同じイネ科穀物である米や、小麦、あわやひえなどと品種が近い高いため、小麦アレルギーなどアレルギー症状をきたすことがあります。
とうもろこしのアレルギーの発症例は非常に少ないですが、とうもろこしはポップコーンなどコーンスナックをはじめ、多くの食品に広く使われているので、小麦アレルギーを持っている人は注意が必要です。