筋トレ前にウォーミングアップ(ウォームアップ)は必要?効果とやり方を解説!

監修者

高田洋史(たかだひろし)

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

そもそもウォーミングアップ(ウォームアップ)ってどんな効果があるの?スポーツの前であれば必要だと思うけど、筋トレの前でも必要なの?一説には、筋トレ前はしない方が良いとも言うし。逆にインターバル中はしても良いの?どうか教えてください!!

ウォーミングアップ(ウォームアップ)の効果

子供の頃、運動や水泳の前には、準備運動しましたよね?それと同じですか?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

はい!そうですね!準備運動も、立派なウォーミングアップ(ウォームアップ)です!

子供の頃は、ただ先生に言われてやっていましたけど、何か効果があったのですか?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

もちろんです!もし運動の前に体操していなければ、早くは走れなかったでしょうし、肉離れを起こしていたかも知れません。また水泳の前に体操していなければ、呼吸が続かなかったでしょうし、足が攣っていたかも知れませんね(笑)

つまりウォーミングアップ(ウォームアップ)の効果としては、
・パフォーマンスの向上:身体動作や心肺機能を高めて、運動効率をあげる。
・怪我の予防と再発防止:体温や身体の反応をあげて、柔軟性を高める。
などが言われています。
もう少し細かくいうと、

 ・心拍数の上昇
  血管を広げて血流をあげ、酸素の取り込みを増やすことで、持久力を高める。
 ・筋温の上昇
  筋線維の摩擦により体温をあげ、ゲル状物質の粘性を下げて、動きやすくする。
 ・柔軟性の向上
  関節可動域を広げて、関節を動きやすくする(関節液を増やし、軟骨を厚くする)
 ・神経反応を高める
  感覚&運動神経の興奮を高めて、また伸張反射(※後述)の反応を良くする。
 ・エネルギーの増加
  ホルモンを分泌し、グリコーゲンや体脂肪をエネルギーに変える。

といったことになりますね!

筋トレの前にウォーミングアップ(ウォームアップ)は必要?

なるほど、やはりウォーミングアップ(ウォームアップ)は、やったほうが良さそうですね!でも、筋トレの場合には、あまり必要に思えないのですが、どうなのでしょうか?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

では試しに、ウォーミングアップ(ウォームアップ)なしで、ベンチプレスMAXにチャレンジしてみますか?(笑)

いや、止めておきます!やはり重い重量などでは、とても怖くてできません!

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

そうですよね、その感覚は正解だと思います。同じく100mダッシュなども、ウォーミングアップ(ウォームアップ)なしでは、とても怖くてできませんよね。

要は、最大能力に近いパフォーマンスを発揮しようと思ったら、ウォーミングアップ(ウォームアップ)は必要だということなのです。

お恥かしながら、私はしっかりウォーミングアップ(ウォームアップ)をしなかったために、怪我をしてしまったこともあります。私も20代の頃は身体に故障も少なく、ウォーミングアップ(ウォームアップ)はしていませんでした。筋トレの時も、やっているうちに暖まってくるという感じでしたね。そして、ある冬の寒い日のことです。スクワットを行っていて100kgを担いだ瞬間、後ろから誰かに殴られたのです。「バシッ!」と音までしました。思わずバーをラック(元に戻す行為)し、「誰だっ!」と後ろを振り向くと、誰もいない・・・あれっ?
実は、首の後ろの筋肉を断裂していた衝撃だったのですね(笑)

やはり、しっかり身体のパフォーマンスを引き出し、怪我をしないためには、ウォーミングアップ(ウォームアップ)は必要です。
私は筋トレ前でも、最低15~30分は行っています。

ウォーミングアップ(ウォームアップ)の具体的な方法

では、いよいよ具体的な方法を教えていただけますか?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

はい、承知いたしました!

心拍数、筋温を高める

心拍数、筋温といった意味では、やはり全身運動(カーディオ・トレーニング=有酸素運動)をお勧めいたします。

一般的なフィットネスクラブには、ランニングマシン、バイク、ロウイングなどがありますが、私はランニングマシンをお勧めしています。
その理由としては、「人は原則として歩く動物として進化したため」です。
(もちろん、肥満傾向がある方や、膝に障害をお持ちの方はバイクもお勧めします)

別にランニングをしなくても、ウォーキングでも十分です。
それよりも大事なことは「傾斜をつける」ということです。

実はマシンでのランニング、ウォーキングはロードワークと異なり、少しも前に進んでいないのです。そうなると、お尻の筋肉が使われないので、ロードワークと比べて使う筋肉が不足してしまうのですね。

全身運動(有酸素運動)の時間としては5~10分程度、心拍数は年齢により異なりますが100~130程度をキープすると良いと思います。
要は、身体が温まって血流が増えれば良いので、夏場は時間は短めでも良いし、冬場は先にサウナやお風呂に入って暖めておくという方法もありますね。
ただあまり長時間は副交感神経優位になって、リラックスし過ぎてしまうので注意です。

神経反応を高める

また、サウナやお風呂に入るだけでは、神経反応は高まりません(笑)
やはり、実際に運動を行い、神経反応を高めていく必要があります。
これはマッスル・アクティベーション(筋の活性化)といわれています。

そのため、もしスポーツ前のマッスル・アクティベーション(筋の活性化)であれば、そのスポーツに類似した動作のほうが理想的であり、ランニングだけでは適切ではありません。
(例:格闘技でのシャドーボクシング、バスケットボールでのドリブル&パスワークなど)

同じく筋トレの場合においては、その日筋トレする部位だけは、最低限マッスル・アクティベーション(筋の活性化)しておく必要があります。
(例:胸の筋トレの前にプッシュアップ=腕立てや、脚の筋トレの前にヒンドゥスクワットなど)

ですので、複数部位を筋トレする場合は、その種目によりマッスル・アクティベーション(筋の活性化)を組み立てていくという方法がお勧めです。
もちろんお時間がある方は、全身行いましょう。基本的に、人は全ての筋肉を連動させて動いていますので。

「筋トレ前にウォーミングアップはしない方がよい」は本当か?

お話の腰を折って申し訳ないのですが、実は筋トレ前はウォーミングアップ(ウォームアップ)をしないほうがよいと聞いたこともあるのですが、その辺りはどうなんでしょうか?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

たぶん、そのお話はウォーミングアップ(ウォームアップ)の中で行われる、ストレッチについてはないでしょうか?

筋トレ前のストレッチはしてもいいの?

お話に出ているのは、ストレッチの中でも「スタティック・ストレッチ」といわれるものです。
実はストレッチにはいくつかの種類があります。

スタティック(静的)ストレッチ
 関節を可動域いっぱいまで動かして、同じ姿勢を保持する。
ダイナミック(動的)ストレッチ
 動作のなかで関節を動かしながら、可動域を広げる。
バリスティック・ストレッチ
 身体や重りを使って反動を使い、可動域を広げる。
PNF・ストレッチ
 パートナーに負荷をかけて貰い、動作を行いつつ可動域を広げる。

実際に、フィットネスクラブなどで推奨されているスタティック・ストレッチですが、関節可動域を広げたり柔軟性を高めてくれる反面、「伸張反射(ストレッチ・ショートニング・サイクル)を抑制してしまう」というデメリットがあるのです。
人は普通に歩いている時でも、足が着地した時の衝撃を上手に使って、筋肉の反応(伸張反射)を引き出しているのです。この反応がなくなってしまうと、歩くことも困難になります。ということは、スポーツシーンでは、より大事な反応だと解りますよね?

ただ、私はスタティック・ストレッチも工夫次第であり、行ったほうが良いと思っています
(※厚生労働省も推奨しています)

筋トレ前のストレッチ(<ウォーミングアップ(ウォームアップ))はどうすればいいの?

特に怪我や加齢によって、姿勢や関節可動域に左右差がある方や、デスクワークで猫背になっている方は、まずスタティック・ストレッチによって左右差をなくし、姿勢を正して筋トレを行うことが、とても大切です。
傾いた土台には、傾いた家しか建てることができません。つまり、悪い姿勢のままで筋トレを行うと、バランスの悪いボディラインになってしまうということですね。

各15~30秒程度のスタティック・ストレッチを行い、特に硬い部分はより長い時間をかけて行うと良いでしょう。

ただ、そのままの状態で筋トレに入ってしまうと、柔軟性は上がっているものの伸張反射が低下しているので、パフォーマンスは下がったままの状態です。

今度はパフォーマンスをあげるため、伸張反射を戻してあげる(≒ダイナミック&バリスティック・ストレッチ)必要があるのです。

具体的には、身体の重さや軽いウェイトを使って、筋トレに類似した動作を行い、筋トレする部位の反応を引き出すようにすると良いでしょう。
イチロー選手が好んで行っている、BMLT(初動負荷理論)などもこの部類に含まれますね。

筋トレ前のウォーミングアップメニュー(ベンチプレス編)

いろいろと勉強になりました!で、結局筋トレ前には、ウォーミングアップ(ウォームアップ)をするほうが良いのですよね?

高田洋史(たかだひろし)監修トレーナーからのアドバイス

NSCA-CPT、トレーニング指導士、整体師、介護予防主任運動指導員、スポーツシューフィッター、BSACライフセーバー、アメリカ赤十字協会、日本消防局救命講習 、Lesmillsインストラクター、VIPRインストラクター 、キネシオテーピング認定トレーナー、その他JCCAベーシックインストラクター、JOBAインストラクターなど

はい、私はそう指導しています。確かに若い方であれば、いきなり運動してもリスクは少ないでしょうが、高齢者や既往症のある方、また仕事がデスクワークの方であれば、あまりにハイリスクだと思います。

 例)ベンチプレスだけを行う場合のウォーミングアップ(ウォームアップ)

①カーディオ・トレーニング

・ランニングマシンでのウォーキング
・傾斜をつけて5分、心拍数は120前後をキープ

②スタティック・ストレッチ

・全身10種目程度
・特にペック・ストレッチ

③マッスル・アクチベーション

・プッシュアップなど

④サブセット

・まずメインセットの50%程度のウェイトで、10回程度
・軽いウェイトでも、フォームを重視
・更にメインセットの75%程度のウェイトで、10回程度
(初心者であれば、サブセット数は2セット程度でOK。上級者の場合は、ケースバイケースです)

⑤メインセット

・5~10回程度で限界に達するウェイト
(一般的な筋トレの場合です)
いかがでしょうか?
また、本番であるメインセットは、一般的に3~5セット程度行うことが多いのですが、その合間(インターバル)にもストレッチ(スタティック>バリスティックの流れで)を行うのがお勧めです。
怪我をしないよう注意しつつ、しっかり筋トレの効果がでると良いですね!!