【ベンチプレス世界チャンピオン解説】神経系トレーニングを行う事によってどのような効果があるのか?また、ベンチプレスの重量を伸ばすための神経系トレーニングのメニューや練習頻度、方法を解説していきます。
神経系トレーニングとは
神経系トレーニングとは
つまり、「伸張反射」のトレーニングのことを言います。伸張収縮の速さ(筋収縮速度)をコントロールしているのが「神経系」なので、この神経系を鍛えることによって筋収縮の速さが上がり、瞬発力が強くなります。
脳が「動け!」と指令を出して、それから筋肉が動き出すスピードが速ければ速いほど、どのスポーツにおいても優位に立つ事が出来ます。
トレーニングやストレッチをきちんとおこなっているのに、効果がでない。そんな経験はありませんか。もしかしたら、私たちの体に元々備わった機能を上手に活用できていないのかもしれません。その1つが、伸張反射です。仕組みを理解して、トレーニングやストレッチで最大限の効果を実感しましょう。
神経系トレーニングの効果
●サッカーならステップや切り返しが素早くなり、誰よりも先にボールを触る事が出来る。
●野球なら速い球をバットに当てやすくなる。
●ボクシングなら素早いパンチを打つ事が出来る、相手のパンチを避ける事が出来る。
など、スポーツにおいて神経系トレーニングはメリットが非常に多いトレーニングです。
自分の目的に合った方法の神経系トレーニングを取り入れましょう。
もちろん!筋トレにも効果抜群です。
ダンベルを下ろして上に持ち上げようとする瞬間、持ち上げるスピードが遅いと、とても辛く重いダンベルを上げることが困難になってしまいます。
逆にこの時、持ち上げるスピードが速いと、自分が持っている筋力を最大限に発揮し、重い重量をあげる事が可能となります。
よって、筋肉により良い刺激を与える事が可能となり筋肉の成長に大きく役立ちます。
神経系トレーニングはスポーツで結果を出すには必須。
神経系トレーニングを行うと何に効果があるの?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
神経系トレーニングを行うと 、突然の出来事でも瞬時に身体が勝手に動いてくれるようになります。
でもそれって運動神経が良い人ができる事で、自分には。。。
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
それは大きな間違えです!実は、運動神経と言うものは存在しません。
実はこの「運動神経」は神経系トレーニングによって高める事が出来ます。
例えば、皆さんは「ゴミが目に向かって飛んできて、無意識に目を閉じた。」なんて経験があると思います。
この当たり前の動作も、実際には目を閉じるまでに「ゴミが飛んできた」のを視覚で認識して、脳が目の筋肉に「動け!」と指令を出し、指令を受けた目の筋肉が「動く」、といった流れで行われているのです。
神経系トレーニングを行う事によって、この一連の流れを瞼のような脳に近い小さな筋肉だけでなく、大腿四頭筋のような脳から遠い大きな筋肉でも行えるようになり、様々な場面で脳と身体が一瞬で考えて動くようになります。
そして、これを複雑な動きの競技やトレーニングでもうまく使いこなせるようになると、色々な場面でかなり効果的です!
どのスポーツにおいても、考えながら動くより、瞬時に一番ベストな判断をして一瞬で身体が動くのが理想的ですね。
ベンチプレスの神経系トレーニング方法!
神経系トレーニングには様々なトレーニング方法が存在する!
神経系トレーニングで怪我をした。と、よく聞きますが身体の負担は大きいのでは?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
神経系トレーニングで怪我をしてしまった人の多くは追い込んだトレーニングをしています。
神経系トレーニングのポイント
②神経系トレーニングは最大出力(パワー)と最大スピード(瞬発力)を出すのが重要となります。
※疲労が蓄積していると最大出力(パワー)と最大スピード(瞬発力)を最大限に出すことが出来ないので質の良い神経系トレーニングが出来ません。
神経系トレーニングの1つ「プライオメトリスクトレーニング」
どのような方法があるのですか?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
「プライオメトリスクトレーニング」と言うトレーニング方法がありますので、今回はそちらをご紹介いたします。
一般的によく知られているプライオメトリクストレーニングに「ジャンプスクワット」や「ボックスジャンプ」などがありますが、今回はベンチプレス でのプライオメトリクストレーニングを解説いたします。
プライオメトリクスセット内容のやり方(ベンチプレス編)
レップ数:5レップ
セット数:5セット
トレーニング頻度:週に3回程度。(疲労によって変動あり)
ポイント①:1レップ目が大切!
最初の1レップ目でシャフトを下ろす位置がずれると、5レップ全てが崩れます。
1レップ目は必ず大事に胸まで下ろすようにしましょう!
ポイント②:スピードアップのタイミング
トップサイド(フィニッシュ時)にスピードを上げるのではなく、ボトム(胸についた時)にスピードを上げる意識で行いましょう。
肘は8割程度まで伸ばして折り返すようにしましょう。
8割で折り返すことによりフォームの乱れを最小限に抑える事ができます。
筋肉に刺激が足りないからといって重量を無理に増やすと疲労が溜まり、フォームが乱れ、スピードが落ち逆効果となります。
必ず、自分に合った適正重量で行いましょう。
ジムに行くとマッチョな人がベンチプレスをしている光景をよく見かけます。なぜトレーニー達はこぞってベンチプレスをしているのでしょうか?それはベンチプレスの絶大な効果を熟知しているからです。初心者でもできるようにやり方を解説します。ぜひベンチプレスの効果を肌で感じてください。
筋力アップメニューでベンチプレス の重量UP!
ベンチプレスの重量が伸びない原因
筋肥大目的で一ヶ月間ダンベルベンチプレスやダンベルフライを行なったのに、ベンチプレスの重量が伸びなかったんだけど何故?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
それは、筋力や筋肉量が増えたのにも関わらずベンチプレスでの動作時に使用する筋肉である「大胸筋」「三角筋」「上腕三頭筋」を使えていないからです。
ダンベルベンチプレスを行うのとシャフトでベンチプレスを行うのでは、ざっくりとした使う筋肉は同じでも細かい筋肉は違ってきます。
同じ筋肉量でも、スクワットをずっと続けている人はスクワットが強く、ベンチプレスを行っている人はベンチプレスが強いんです。
ではベンチプレス を行う時に最大限に筋出力を出すためにはベンチプレスをやればいいの?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
そうなんです。ベンチプレス で筋トレをすれば良いのです。
★注意★これだけは必ず頭に入れておいて下さい!!
ベンチプレスの練習と、ベンチプレスの筋トレをしっかり区別して行いましょう。
ベンチプレスでの筋力アップメニュー
⚫️フォームはパワーフォム(お尻を台に着け、足の裏も地面に着ける)で行います。
⚫️シャフトを大胸筋中部、もしくは大胸筋下部に下ろして大胸筋を意識して上げます。
⚫️フォームは足を真っ直ぐに伸ばして行います。
※この時、足でシートを押してお尻を浮かさないようにしましょう。
⚫️シャフトを大胸筋上部に下ろして上げます。
上げる時、大胸筋と胸鎖乳突筋(首)、肩甲挙筋(首)に力を入れておく意識で行います。
⚫️フォームはパワーフォームで行います。
⚫️シャフトの81cmラインを小指で握ります。
更に上腕三頭筋に効かせたい場合はシャフトの握り位置を狭くしましょう。
(上記、筋力アップメニュー①、②、③共に)
〜筋力アップメニュー〜
⚫️5回がギリギリの重量を5セット
⚫️インターバルは次のセットを全力でこなせるまで取ります。
※上げる時に肩を前に出さないように注意して下さい。
肩を前に出してしまうと肩を痛めます。
更にはしっかり大胸筋に効かせる事ができません。
〜筋肥大メニュー〜
⚫️15回がギリギリの重量を3〜5セット
⚫️インターバルは1分
⚫️筋肥大メニューは疲労が溜まりやすく回復にも時間がかかるため、週2回程度にしましょう。
※後半のセットがかなりきつくなるので安全のために補助員、もしくはセーフティーバーを必ずセットしましょう。
トレーニングを行いながら体重を増やすと筋量、筋力共にアップしてベンチプレスの上げれる重量も増えます。
決して間違えではありません。
しかし、競技的に体重を増やせないのであれば技術を高める必要があります。
前回の記事「ベンチプレス の重量を上げる方法!増えない原因!」を参考にしてみて下さい。
【ベンチプレス世界チャンピオン解説】ベンチプレスの重量が増えないのには原因があります。間違ったやり方でトレーニングをしてませんか?ベンチプレスの重量を上げるトレーニング・練習方法、トレーニング前の柔軟ストレッチ、グリップの握り方、サプリメントをご紹介します。
知っておくと得する。クイックベンチプレス !
クイックな動作で行うと何に効果があるの?
齊藤 敬太監修トレーナーからのアドバイス
BURST LIMIT 2016.2017ベンチプレス 世界チャンピオン
正確なベンチプレス が出来るようになります。
ベンチプレスで毎回同じ事を同じクオリティーで行うことは最も難しく、最も大事な事です。
クイックベンチプレスを行う事により限りなく毎回同じ事が出来るようになります。
クイックベンチプレスのポイント
イメージトレーニングの時は、勿論ですが重りを持っていないので軽いです。
その軽い状態で、クイックベンチプレスのイメージトレーニングを行いましょう。
イメージトレーニングで出来ない事は、重い重量を持った時に出来ないのは当たり前です。
まずは、毎日コツコツとイメージトレーニングから始めましょう。
②最初から最後までクイックベンチプレスを!!
シャフトをラックから取る所から、シャフトをラックに戻す所まで、全てをクイック動作で行いましょう。
⒈シャフトをラックから取る→⒉受ける→⒊下ろし始める→⒋胸に着いてから返す→⒌上げきる→⒍シャフトをラックに戻す
この⒈〜⒍の一連の動作を全てメリハリのあるクイック動作で行います。
③機械的な動きで!
自分の身体が機械になったようなイメージで自分の身体とシャフトを動かしましょう。
全て、機械的な動きを意識して行います。
そして、人生MAXチャレンジの時も、大会で緊張している時も、いつもと変わらないあなたの一番ベストなでベンチプレス を行いましょう。
神経系トレーニングと筋力アップトレーニングのまとめ。
自分の身体をよく知っておきましょう!
「疲労」「痛み」「回復力」「成長」・・・
自分の身体と相談しながら甘えずにトレーニングを進めて行き、絶妙なタイミングで回復の時間を身体に与えてあげるのがベストです。
これが上手くいくと、必ず大きな成長に繋がります!人それぞれ回復力等の能力は違いますので、他の人の練習頻度を参考にし過ぎないことも大切です。
始めたばかりの方はなかなか自分だと分からないので、最初は他の人を参考に練習メニューや頻度を考えて行くべきですが、上達して行くと同時に他の人の練習頻度などでは合わなくなってきますので、オリジナリティーも入れて行くべきだと僕は思います。自分の身体は他の人にはわからないものなんです。
トレーニング目的は人それぞれ
このように目的はバラバラでも「神経系トレーニング」と「筋力アップトレーニング」は必要不可欠です。
今回ご紹介したトレーニングメニューを参考に色々なバリエーションを加えて自分なりにトレーニングしてみて下さい。
必ず自分に合ったトレーニング方法が見つかるはずです。
もっと重いものを持ち上げたい!ベンチプレスを強くなりたい!筋力アップはただ筋肥大させればいいわけではありません。筋肥大の違いから、筋力アップに必要なトレーニングの方法・ポイント、効果的な食事・栄養摂取のコツをお教えします!