【プロトレーナー解説】ナローベンチプレスはバーを握る手幅を狭くして行うベンチプレスの種目です。ナローベンチプレスの効果とは?肘を痛めない正しいナローベンチプレスのやり方を解説します。また、スミスマシンやEZバーを使用したナローベンチプレスのバリエーションもあわせてご紹介します。
ナローベンチプレスとは?鍛えられる筋肉部位と効果
通常のベンチプレスに比べ、胸筋へかかる負荷が少なく、その分上腕三頭筋に刺激を与えやすい種目です。
◯上腕三頭筋
しかし崩れたフォームにより肘を痛めるという事も多く、初心者の方にとっては怪我のリスクが高い種目とも言えます。
今回は、ナローベンチプレスで肘を痛めないフォームやバリエーションについてご紹介します。
ベンチプレスは一見シンプルに見えますが、間違ったやり方をしてしまっている人が非常に多いです。筋トレBIG3の1つに数えられるほど絶大な効果を秘めているので、正しいフォームで行い、その効果を十分に享受しましょう。ベンチプレスで鍛えられる筋肉部位・やり方・効果について解説します。
ナローベンチプレスのやり方・正しいフォーム
<やり方>
①グリップの手幅を決め、目線をバーに合わせて握る
目安は肩幅より拳半分内側で握るところからスタートして、徐々にご自身で微調整していくといいと思います。
②息を吸いながら、バーを胸に向けて下ろす
ナローベンチプレスは、肩関節の可動域は狭くなっているため、必ずしもバーを胸まで下ろす必要はありません。
上腕が床と平行になるくらいまで下げればいいでしょう。
③肘を伸ばし切る手前までバーを持ち上げる
肘を伸ばしきってしまうと、肘に重量の負担がかかってしまいます。
重量の目安
ナローベンチプレスで刺激を与えられる上腕三頭筋は、速筋繊維が多い筋肉です。
なので、メインセットは4回~6回ギリギリできるくらいの高重量を扱うことで成長が期待されます。
しかし肘や肩、手首などを痛めやすい動きなので、エルボースリーブやリストラップを使用して関節を保護することも大切です。
またストレートバーを使用した際に手首が痛くなる場合は、EZバーを使用することで手首の負担を減らすこともできます。
肘を痛めないナローベンチプレスのポイント2つ
上腕三頭筋のサイズアップを狙ってナローベンチプレスを筋トレに取り入れているんですが、だんだん肘が痛くなって…
小石川和彦監修トレーナーからのアドバイス
健康運動指導士
肘を痛めないためのフォームのポイントを2つ紹介します。
①グリップの幅は狭くしすぎない
極端に狭いグリップ幅で行うと、肘関節に大きな負担をかけてしまう為に痛める可能性があります。
ナローベンチプレスにおいて大切なのは、自分に合ったグリップ幅を見つけて上腕三頭筋の刺激を増やしていくことです。
体格にもよりますが、ただ単に狭いグリップ幅で行うことは故障につながります。もし「肘が痛いな」と感じられた方は、まずグリップの手幅を変えてみることをお勧めします。
②肘頭を下半身の方向に向けない
通常のベンチプレスでは、手幅が広いために肩関節の可動域が多く取れます。そのため、水平伸展、水平屈曲の動きで大胸筋を大きく動かすことができます。
しかし、ナローで行うことで肩関節の水平伸展の動きが減少します。その分を肘関節の屈曲で補う事で、上腕三頭筋を大きく収縮できるようになるわけです。
しかし肩や肩甲骨周りの筋肉がうまく使えず、肩の位置を安定させることができない場合、本来肩で受け止めるはずの負荷を肘で受け止めることになってしまいます。
ナローベンチプレスのフォームを横から見て、肘頭が見えなくなっているようなら肘に負担がかかったフォームだと言えます。
小石川和彦監修トレーナーからのアドバイス
健康運動指導士
肘頭にシールを張ってフォームを他人に見てもらうのもいいですし、今ならスマートフォンの動画撮影機能を使って横から撮影してみるのもオススメです。
ナローベンチプレスの応用編
①インクラインベンチで行う方法
大胸筋上部を刺激できる
②スミスマシンを使用して行う方法
肘にかかる負担を軽減できる
③EZバーを使用して、ライイングトライセプエクステンションとナロープレスを行う方法
上腕三頭筋をまんべんなく鍛えられる
インクラインベンチ ナローベンチプレス
一般的なインクラインベンチプレスも大胸筋上部を狙ったトレーニングです。
しかし、インクラインプレスを行っているのに大胸筋の中心部が何故か盛り上がらない。
そういったお悩みを抱えられてる方も多いのではないでしょうか?
そういう方の多くが収縮よりもストレッチが掛かったフォームで行っており、うまく大胸筋上部を収縮できていない可能性があります。
ナローベンチプレスではストレッチよりも収縮を意識しやすいので、ストレッチを掛けるベンチプレスとは別に、インクラインナローベンチプレスをトレーニングメニューに取り入れてみるのもいいかもしれません。
スミスマシン ナローベンチプレス
ナローベンチプレスで痛めやすい肘は、肩が安定しないために肘に負担をかけていることは先程も紹介しました。
フラット、インクライン問わず、スミスマシンは肩の安定性に不安がある方にはおすすめできる方法です。
ただし、上下の軌道が決まっているため、初めの位置を決めるときに、通常より胸に近い位置でポジションを取ることをお勧めします。
スミスマシンを使用する際は、親指をバーに巻きつけるオーバーハンドグリップではなく、親指を横に添えるサムレスグリップの方を選ぶことで刺激が入りやすくなると思います。
ライイングトライセプエクステンション(EZバー)
このトレーニングの最大のメリットは、上腕三頭筋をまんべんなく刺激できることです。
しかし、ご存知の通り上腕三頭筋は3つの筋で構成されています。
そのもう一つの筋が長頭です。
長頭は肩甲骨にくっついているので、収縮に肩甲骨の動きが作用します。
ライイングエクステンションを行う際に、EZバーを頭の上のほうに下すようにすることで長頭を刺激させることができます。
ナロープレスだけではなく、複数の種目を組み合わせることによってまんべんなくターゲットの筋肉を刺激することができます。
またこのトレーニングは、ダンベルでも応用して行うことができます。
ダンベルを使用することで肩や前腕の動きを使うことができ、その分可動を大きくとることができます。
ただし肩の安定性に不安のある方は、EZバーやバーベルを使用して行うことをお勧めします。
小石川和彦監修トレーナーからのアドバイス
健康運動指導士
ナローベンチプレスは、高重量で上腕三頭筋を刺激し筋肥大を狙えるトレーニングです。
しかし高重量を扱える分、故障のリスクが高い種目だともいえます。
だからこそ正しいフォームやポイントを押さえて、効果的に上腕三頭筋を発達させていくことが大切です。
この記事を読んでくださった方が、ケガなくナローベンチプレスに取り組み。
理想の上腕を手に入れられる参考となれば幸いです。
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