【プロトレーナー解説】テニスの上達に必要な筋トレ&ストレッチメニュー11選

監修者

和田 裕貴

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

テニスが上手くなるには筋トレは必要なのでしょうか?筋トレをするならどこを鍛える必要があるのか解説します。そして今回は自宅やジムで出来る内容をご紹介します。

テニスが上手くなる為に筋トレは必要?筋トレをする理由

テニスが上手くなるのに筋トレは必要でしょうか?

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

少し極端な言い方をすると、今テニスの練習だけしていて問題が無ければ筋トレは必要ありません。しかし、今よりも強いサーブやストロークなどを手に入れたいなら筋トレは必要です。

アスリートと言われる人の中には筋トレをしない方がいるかもしれません。ただそれはごく一部の人の例で大半の人は筋トレは必要なものです。

また「筋トレをすると動きが悪くなる。」「筋トレをすると体が硬くなる。」という事をいう方もいます。「筋トレをすると動きが悪くなる」という事についてもう少し考えてみると「筋トレをした事で自分の感覚が変わってしまい今まで通りの動きが出来なくなってしまう」という事かもしれません。

これは実際にありえる事です。ただそれは競技の練習をしっかりする事で解決出来ます。そして「筋トレをすると体が硬くなる」という話については正しいトレーニングが出来ていなければ体が硬くなる事はありますが適切なフォーム・負荷・動きをすれば体は硬くなるどころか柔軟性は上がります。

筋トレをする理由について考えてみると100キロのサーブを打つのに今まで自分の筋肉の80%の力を使っていたとして、筋トレをする事で同じ100キロのサーブを70%の力で打てるようになればパフォーマンスが上がります。もし今以上のパフォーマンスを出すには筋トレは必要です。

テニスが上達する筋トレの優先順位〜パフォーマンスピラミッド〜

テニスが上手くなるのに筋トレが必要な事は分かりました!バリバリ筋トレしたいと思います!

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

ちょっと待って下さい。筋トレは勿論必要ですが筋トレの前に知っておいた方がよい考え方があります。

パフォーマンスピラミッドという考え方があります。このパフォーマンスピラミッドには色々な考え方がありますがベースはこのような形です。
このピラミッドの考え方としてピラミッドの下層からしっかり作っていくことでより効果的にテニスが上手くなる事が可能です。

皆さんがよくしている筋トレは比較的中層に当たる「可動性・安定性」「機能的な動作」や「筋力・持久力・スピード・パワー」に当たります。しかしそのベースとなるのは最下層の「姿勢・呼吸」といったものになります。どんなに筋トレをしていても普段から姿勢が猫背のような状態だと怪我のリスクも上がりますしパフォーマンスも上がらないのです。

一つ姿勢の例をだしてみましょう。
真っすぐ立った状態で手を上げるのと、猫背の状態で手を上げるのでは真っすぐ立った状態の方が上げやすいはずです。もし猫背のままで手を上げようと思った場合腰を反ってあげるしかありません。姿勢が変わるだけでもパフォーマンスは変わってしまうのです。

テニス上達に必要な「呼吸と姿勢」を手に入れるエクササイズ5選

呼吸と姿勢が大切な事が分かりました!どんなエクササイズをすれば良いか教えてください!

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

はい!今回は5種目のエクササイズをしていきましょう。

呼吸

腹式呼吸・胸式呼吸など呼吸にも考え方はありますが基本の呼吸を身につける事が大切です。

基本の呼吸とは、息を吸った時にお腹と胸(肋骨)が膨らみ息を吐いた時には膨らんだお腹と胸(肋骨)が元の位置に戻る事です。簡単なようですが意外と出来ていない方が多いのが現状です。特に最近は細くお腹を締め付けるような服装が多く最初っから肋骨が開いていてしまいお腹が膨らまない方がいます。紹介しているエクササイズは肩こりや腰痛に効果的なエクササイズですがパフォーマンス向上にも効果的です。特にお腹を膨らませる感覚を身につけて下さい。

●肩こり解消~ストレッチクロコダイルブリーシング~
●肩こり・腰痛改善エクササイズ~3months position SA ALT〜

姿勢

テニスにおいて特に大切な部位は肩回りと股関節周りです。しかし肩と股関節は普通に生活しているとなかなか動かさないものです。テニスの前は勿論、普段の生活の中でもちょっとした時間を見つけて紹介するエクササイズを続けてみて下さい。呼吸編でご案内したエクササイズと合わせて行って頂くとそれだけでも肩が動かしやすくなったり股関節周りが動かしやすくなったりしますよ。

●肩こり・腰痛解消ストレッチ 〜ブレッツェル〜

●腰痛改善ストレッチ 〜股関節まわりのストレッチ〜
●肩こり・腰痛解消ストレッチ 〜ソラシックローテーション〜

テニスが上手くなる為の筋トレ6選

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

やっと筋トレの話をしたいと思います(笑)

テニスに限らずスポーツの為の筋トレをする時に知っておいて頂きたいのは「胸を鍛える」「ふくはぎを鍛える」といったように体のパーツごとに鍛えるというわけではありません。もちろんテニスの中では胸やふくらはぎを使っていますが、パーツ単体で動いているわけではなく色々な動作で動いています。つまり鍛えるのは体のパーツではなく「動き」という事になります。そのパターンを図にするとこうなります。
そしてその動作を鍛える事でパフォーマンスピラミッドの最上階にある「スキル」(今回であればテニスの技術)を効率よく身につける事が出来るのです。
今回ご紹介するエクササイズどの動きを鍛えるかに注目してみてください。
デッドリフト – DEAD LIFT(ヒップヒンジ・体幹)
プッシュアップ – PUSH UP(プッシュ・体幹)
スクワット – SQUAT(スクワット)
ワンハンドローイング – ONE HAND ROWING(プル・体幹)
プランク – PLANK(体幹)
オルタネイト・サイドランジ – SIDE LUNGE(スクワット・ランジ)

テニスが上手くなる為に必要な筋トレ以外の事

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

最後に筋トレ以外の事にも考えなければいけない事を解説していきます

筋トレだけではダメなんですか?

和田 裕貴監修トレーナーからのアドバイス

日本コアコンディショニング協会アドバンストトレーナー,PHIピラティス MatⅠ&Ⅱ プロップスインストラクター、CFSC Level.1

もう一度パフォーマンスピラミッドを見てみましょう♪

パフォーマンスピラミッドの最上階はスキルです。つまり筋トレをしてそれをテニスに活かす為にテニスの練習をする必要があります。
また、テニスには色々な要素が含まれています。
画像がテニスのパフォーマンスに関係する歯車だと思ってください。要素はもっとあると思いますが今回は簡単に書いています。テニスが上手くなるという真ん中のギアを回すには周りの要素全てに対応しなければいけないのです。どんなに筋トレをしても相手の方が技術が上手い場合はなかなか勝てないかもしれません。また、試合環境によっては戦術を変えていく必要もあります。スポーツニュースなどでは選手が肉体改造をしたからパフォーマンスが向上したという事が言われます。勿論、筋トレによる影響はありますが筋トレもパフォーマンスの一要因でしかありません。日本は昔から「心・技・体」という事が言われます。まさにその通りで全ての要素を今よりもレベルアップする事が出来ます。是非、筋トレも筋トレ以外の要素もしっかりとトレーニングしてどんどん上手くなっていってください。