ピラティスのダイエット効果はどのくらい?やり方や頻度について

監修者

井野美瑞希

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

【プロトレーナー解説】ピラティスにダイエット効果はどのくらいあるのでしょうか?ピラティスの基本知識を解説した上で、具体的なやり方についても紹介します。

ピラティスとは?ヨガとの違いや基本について

今回はピラティスのダイエットの効果についてお聞きしたいと思います。まず「ヨガ」と「ピラティス」の違いから分かっていないのですが何が違うのか教えてください。

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

そうですね。よくヨガとピラティスの違いが分かっていらっしゃらない方が多いのですよね。あとなぜか「ピラティス」を「ティラピス」という方もいらっしゃいます。デザートの「ティラミス」にかけているのでしょうか?(笑)

たしかに。(笑)僕も最初はティラミスだと思っていました・・・(汗)

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

ヨガはもともとインド人が考案したものでストレッチ性が高くポーズを取らせるのが主流です。それに対してピラティスは第一次世界大戦時に負傷した兵士のリハビリのために考案されたメソッドです。

ヨガとピラティスは全然違うものなのです。ピラティスの基本を解説します。
ピラティスの基本は「呼吸・腹筋・骨盤運動」の3つです。
世間では美容のためのピラティスというイメージが強いですが、もとはリハビリからきています。治療家や理学療法士の方もピラティスをリハビリの一つとして取り入れる方も増えてきました。

「呼吸・腹筋・骨盤運動」が基本なのですね。ピラティスの呼吸はどのような呼吸なのでしょうか?

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

ピラティスの【呼吸】は胸式呼吸になります。胸式呼吸は鼻から吸って口から吐く呼吸になります。

呼吸に使われる呼吸筋はインナーマッスルでもあります。きちんとした呼吸を繰り返すことでインナーマッスルが鍛えられ、それだけで身体のラインは変わりダイエット効果も高くなります。逆に正しい呼吸ができずにメニューだけやり方を真似ても違うトレーニングになってしまいます。

中には呼吸を固めて身体を抑えつけた筋肉でゴツゴツの身体を作り上げて動きにくい身体にしてしまう方も見受けられます。しっかりと呼吸を取り入れながら骨盤を支える骨盤底筋群を鍛えていけば、おのずと身体に必要なインナーマッスルから腹筋が鍛えられ健康的で綺麗な身体を作ることができるのです。

ただピラティスにもいろんな流派があり、中にはただの筋トレでアウターマッスルを鍛えて凸凹な骨格に歪めているものや、フィットネスになっているものが見受けられます。ピラティスはただのフィットネスではなく、もとはリハビリのために考案されたメソッドであることを理解していただきたいと思います。

なるほど。ピラティスはただのフィットネスではなく、リハビリをもとにしたメソッドであるということなのですね。

ピラティスのダイエット効果とは?

ピラティスはダイエットに良いのでしょうか?

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

はい。ピラティスのダイエット効果は高いですね。

ただし、ダイエットに必要なメニューを選択することが必要です。また筋肉量が少ない方は体重の数値だけ見ていては駄目です。脂肪より筋肉の方が重いわけですから体脂肪率を下げて引き締まった身体を目指すのが理想です。

また一般の方のダイエットとモデルやダンサーやアスリートのダイエットはレベルが違います。まず太っている方がダイエットするのであれば普通の食事量に戻せば良いだけです。でも標準体重から更に絞らなければいけないレベルのダイエットは当然違います。よく糖質を全く取らないダイエットや激しい筋トレで痩せるようなダイエットが流行っていてそれに飛びつく方もいらっしゃいますが疑問です。

少なくともプロレベルのダンサーやアスリートはきちんと炭水化物も取っていますし、実際に炭水化物を取らないと筋肉が割けるような感覚があります。また、炭水化物を抜いて一時期は痩せても今度は炭水化物を取ると太りやすい身体にもなってしまいますから長期的な視野で見た場合、きちんとしたバランスの良い食事と運動は健康で長生きをする上で欠かせません。

炭水化物の重要性については以下の記事に紹介してありますのでぜひ参考にしてください。

私は世間で話題になった短期間で痩せた某芸能人のダイエットを担当したことがあります。芸能人は企業にお金をもらって短期間で痩せる結果を出す仕事をしているのです。ただ現状はいくらダイエット向けのサプリやドリンクを飲んでもそれだけでは痩せません。それで困って私のところに来たくらいです。可哀そうですよね。(笑)ダイエットをしたいならきちんとした食事とトレーニングで必要な筋肉量をキープしながら有酸素運動を取り入れていくことが必要です。

芸能人の方もピラティスでダイエットをされているのですね?

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

そうです。根本的なインナーマッスルからアウターマッスルをバランスよく鍛えて有酸素運動を取り入れることが一番の近道です。よくマシーン等のトレーニングでアウターマッスルばかり鍛えている方がいますが最終的には太くなります。外側に余計な筋肉をつけているわけですから、もっと絞りたければインナーマッスルに近づけていくトレーニングがベストです。

脂肪燃焼や代謝効果

編集部:ピラティスは実際どのくらいダイエット効果があるのでしょうか?

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

ピラティスの効果ですがこれはその人の普段の運動レベルにもよります。以下から説明しますね。

全く運動したことのない方にとってはちょっとしたトレーニングや運動でも効果は高いです。一方、プロのダンサーやアスリートは常にトレーニングをしているので更に効果を求めるのであれば更にレベルの高いトレーニングを行います。

例えば、通常のピラティスのマットでのインナーマッスルを鍛えるトレーニングをするだけで痩せる方もいますし、更にダイエット効果を得たい方はダンサーやアスリート向けのバランスボールトレーニングを取り入れると効果は倍増します。代謝を上げてから脂肪を燃焼しやすい状態で運動をするわけです。

ただやみくもに走って腰や膝を痛めるよりは、骨盤運動で骨格を整え骨盤を支える骨盤底筋群を鍛えることで身体が軽くなり、安全にかつ効率的に痩せることができます。朝と夜に体重、体脂肪率を計測していくと、朝ピラティスを行った日はピラティスを行わなかった日に比べて体重がかなり落ちています。

例えばダイエット中の食事の量でピラティスをやらない日は体重が朝と夜ごはんを食べたあとで変わらない数値だとすると、ピラティスを行った日は0.3~0.5kg違っています。更にバランスボールを行った日は1kg違う日もあります。

効率的に脂肪を燃焼しやすい身体にしたければ午前中にピラティスをするのをお勧めします。そうすることで1日の前半から代謝が上がり、その状態が長く継続するのでより早く体重を落とすことが可能です。ピラティスにより身体も整えられシャキッとするのでメンタル面においても有意義な一日を過ごすことができます。

頻度はどのくらいがベスト?

ピラティスの頻度は週に何回が理想ですか?

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

何を求めるかによると思いますが週3がベストだと思います。これは飽きずに必要なトレーニングを継続しうる回数とも言えます。

最低限週1回は継続することが必要ですが、週2回ピラティスを継続している方は身体の感覚が変わるのをご本人が実感しますし、週3、4回通っている方はどんどんレベルを上げていくことができます。トレーニングはよく一日おきにやると良いと言われています。筋力トレーニングで疲労した筋肉を休めるためと言われます。

ただ、例えばバレエダンサーは毎日レッスンをします。毎日必要なトレーニングをしているわけです。身体に必要な筋肉を使い続けることは身体に記憶させることにも繋がりますし、より良いパフォーマンスをする上でも欠かせません。効果の持続を考えた場合、身体を整えるメニューであれば毎日が理想です。

ダイエットを念頭におき、ハードなトレーニングを取り入れるのであれば、2,3日間効果が持続すると考えると【一日おき】が理想と言えます。ピラティスを何のためにやるかによってペースは変わっていきます。

・身体を解す目的なのか?
・強い身体を作るための体幹トレーニングや筋力トレーニングが目的なのか?
・ダイエットが目的なのか?

目的によって必要な回数は変わっていきます。また何よりもご自身の筋力レベル、体力レベルと目的に合わせた最適な回数があります。これはご自身の身体と対話していただくことで丁度良く継続できる回数が算出されるかと思います。これはとても大切なことですが、身体は強制されてもなかなか変わりません。自分自身が本当に変わりたいと思えば同じ回数でもより早く変わっていきます。それは筋肉を自分の意思でコントロールし、自分の身体を本質的に変えていくことに他ならないからです。

井野美瑞希監修トレーナーからのアドバイス

ネバダ州立大学認定ピラティス指導者資格/ RAD(ロイヤル・オブ・ダンス)intermediate

私が本質的な骨格改善トレーニング「バーオソルピラティス」を教えていて一番大切にしていることでもあります。「身体」を変えていくということは本当に奥が深いのです。

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