腹筋ローラーを毎日行うことは効果的か?正しい頻度は?

監修者

幸田 倫史

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

最近話題の腹筋ローラーですが毎日するだけでは割れた腹筋は手に入りません。ですが、腹筋を割る上で腹筋は必要不可欠なトレーニングです。今回は腹筋ローラーの回数や頻度について解説していきます。

腹筋を割るってどういうこと?

そもそも腹筋とは腹直筋外腹斜筋内腹斜筋腹横筋の4つの筋肉からなる筋群の総称で一般的に言われている「割れた腹筋」とは主に腹筋群の中でも一番外側にあり、一番見えやすいところにある腹直筋のことを指します。
この腹直筋自体も元々6つや8つに割れた筋肉です。この腹直筋の割れ目がしっかりと見えることがいわゆる「腹筋が割れた状態」といいます。
そして腹筋を割るためには

①お腹まわりの脂肪を落とす
②腹筋を鍛えて筋肥大させる

の2つのアプローチが必要になります。

腹筋を割るにはどのくらい体脂肪率を落とす必要があるのでしょうか?

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

一般的に男性であれば体脂肪率が15%、女性であれば20%程度で腹筋が割れ始めますよ。

そして腹筋ローラーは①、②両方の効果が得られるのです!腹筋を鍛えたり、ダイエットでウエストを引き締めるにはもってこいですね。

では、腹筋ローラーはどのくらいやれば効果がでるのでしょうか?
毎日やるべきなの?1日何回やればいいの?

このような疑問を解説します。

毎日やってもいいの?筋肉痛でもOK?

筋肉痛が起こっていても毎日、腹筋を行ってもよいのでしょうか?

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

みなさん悩むところですよね!よく「腹筋は毎日行っても良い」という意見も聞きますが、実際のところどうなんでしょうか?解説します。

腹筋ローラーを使うと腹筋全体(腹直筋や腹斜筋など)はもちろんのこと、他にも多くの筋肉を強烈に刺激します。
腹筋ローラーの効果については後述しますが、初心者や女性がやってみると、まず間違いなく筋肉痛になるでしょう。

その場合、筋肉痛が起こっていても毎日腹筋を行ってもよいのでしょうか?

結論から言うと、「よほどの上級者でない限り、毎日は避けたほうが良い」でしょう。

この理由を理解するには筋肉の「超回復」を理解する必要があります。

超回復とは?

超回復とはトレーニングを行い筋繊維が傷つきその部位を回復させながら強く太くなっていく現象です。この時に多くの場合は筋肉痛と呼ばれる痛みを伴っています。筋肉痛の痛みの明確な原因は未だに解明されていませんが、痛みを感じる時はトレーニングを無理に行う必要は無いでしょう。

腹筋に限らず、一部分だけ回復しきらないままトレーニングを行うとオーバートレーニング(普段からの脱力感など)を引き起こし、パフォーマンスやモチベーションの低下、怪我の恐れがあるからです。

超回復にかかる時間はどのくらい?

では超回復にはどのくらいの時間を要するのでしょうか?

部位によりますが、一般的には48〜72時間程度です。

ただし、腹筋は他の部位より超回復にかかる時間が短く、24〜48時間くらいです。
24時間程度で回復することがあるので、WEB上などの情報にはたまに「腹筋は毎日やってもいい」といった表現がされているのです。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

しかし、それでもやはり上級者でない場合は、腹筋ローラーは「1日おき」くらいにしておきましょう。

腹筋ローラーの効果とは?

腹筋ローラーの頻度がわかったところで、腹筋ローラーの効果について解説します。

腹筋全体の筋肉に効果あり!

前述したように、腹筋ローラーは腹直筋を始めとする多くの筋肉に強い負荷をかけることができ、他にも腹筋ローラーを前後に動かす動作では背中側にある広背筋や、胸の大胸筋、肩の三角筋を始めとする多くの筋肉にアプローチをすることが可能です。

腹筋ローラーを背筋により効かせるやり方については以下の記事を参考にしてください。

特に腹筋ローラーは腹直筋を縮めながら力を発揮するコンセントリック収縮(縮みながら収縮すること)させるための上半身を丸める動作がほとんどなく、腹筋ローラーを前方に転がす時に腹筋をストレッチしながら筋繊維が壊れないように力を発揮するエキセントリック収縮(引き伸ばされながら収縮すること)がメインの動きになります。

エキセントリック収縮の方が筋損傷を起こしやすく、筋肉が損傷部を回復させながらより強く発達していくという特徴もあるためとても効果が高いと言えるでしょう。つまり、腹筋ローラーは腹筋を鍛える効果がとても高いのです!

体幹まわりの筋肉も鍛えられる腹筋ローラーは非常に使い勝手のいいトレーニング器具です。

腹筋ローラーを使うメリット

上記で解説した通り腹筋ローラーは腹筋だけでなく、多くの筋肉のトレーニングに効果があります。

例えば、体幹周りの筋肉を強化できるため筋バランスが良くなります。腹筋を割ろうと考えた時に腹筋トレーニングしか行わない場合、身体の前面しか鍛えていないことになり、後面の筋肉はほぼ関与せずに身体の前後で筋バランスが乱れ、姿勢が悪化してしまい、筋肉を付けてもカッコいい身体とは言えずとてもアンバランスな体型になってしまう恐れがある他、局所疲労による怪我のリスクが高まります。

それに対し腹筋ローラーは動作の中で身体の前後左右に均等に負荷が掛かり、バランス良く身体を鍛える事が可能です。筋バランスが整うことで姿勢の改善や腰痛予防にもつながります。腹筋ローラーの使い道は腹筋だけでなく今ある身体の不調にも効果的です。

しかし腹筋ローラーはトレーニングの中でもフォーム取得の難易度が高いトレーニングメニューであり、腹筋ローラーを完璧にコントロールしながら前後に動かしきるのは相当難しいです。キツいけど全く効果のない、腰に負担のかかるだけのトレーニングにならないように最初は無理をせずに動かすことのできる範囲で動かしながら少しずつ可動域を広げていくのが良いでしょう。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

基本の腹筋ローラーの使い方については以下の記事をぜひ参考にしてください。

腹筋ローラーを使ったトレーニングバリエーション

腹筋ローラーを使ったトレーニングバリエーションを解説します。いつも同じメニューでは飽きてしまうという方は色々なバリエーションを試してみてください。

腹筋ローラープランク

体幹トレーニングとして有名なプランクを腹筋ローラーを使いながら行うやり方です。身体をまっすぐに保つだけのトレーニングなので身体の安定させることが重要です。動かさないので筋力がまだついてない初級者の方からでも取り組みやすいトレーニングメニューです。腹筋ローラーを持ち肘を伸ばし身体をまっすぐにします。30〜60秒ほどキープしこれを3セット程度行います。

膝コロ

腹筋ローラーのスタンダードな使い方の一つです。膝を付いて行うため強度を少し落とした形になります。膝を付いた四つ這いの状態から腹筋ローラーを前に動かしていき動かせない所まで来たらに元の四つ這いの体制に戻します。最初はキツくても最終的には5回3セット出来るようになると良いです。

膝をつかずに身体をくの字に折りながら行うやり方もありますが、これはかなりの上級者向けのトレーニングなので無理せずにマイペースに行いましょう。

Vロール

膝つき腹筋ローラーとほとんど同じですが、前に転がすときに少し斜め方向に転がしていきます。こうすることで腹斜筋と呼ばれる斜めに走る筋肉にトレーニングを行うことができ、斜めに筋の入ったカッコいい腹筋を作ることが可能です。最近の腹筋ローラーは片手ずつ持つタイプもあるので自分のレベルと腹筋ローラーの種類によってメニューをアレンジするのも飽き防止になるでしょう。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

ちなみに、腹斜筋を割るのは最も大変であり、男性であれば体脂肪率7%、女性であれば10%程度まで落とす必要があります。

腹筋を鍛えて脂肪を落としてシックスパックに!

上記の方法で腹筋のトレーニングはある程度の強度を保ちながら行う事ができるため継続的に行いましょう。しかし、それだけでがシックスパックのお腹を作ることができません。お腹は内臓を守るための骨が無く代わりに脂肪が多くついています。その為、脂肪が付きやすい部位でもあります。

しかし、脂肪が全身から均等にエネルギーとして使われることがわかっており脂肪量の多いお腹はそれだけ落ちやすいのです。

脂肪を落とすのは食事を気を付けると良いでしょう。週に2~3回有酸素運動を何時間も行うより、毎日少しずつ摂取カロリーを抑え自然と脂肪を使い身体が機能していく方が精神的なストレスも少なく継続的に行えるでしょう。トレーニングをしっかり行いタンパク質などの栄養を取りつつ余分な油やお菓子などでの余分な摂取カロリーを抑えることを小さく毎日積み重ねていくことで大きな身体の変化として目に見えてくるのです。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

まずが自分が1日で何を食べているか、何を飲んでいるかなどを把握し、変えない所・少し我慢する所・辞める所などを自分の中のルールを決め、それを見えるところに文章化して常に意識出来るようにしておきましょう。少しずつ身体を変わってくるはずですよ。

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