骨盤底筋トレーニングの効果とやり方3選!尿もれ対策、産後の女性へ

監修者

小松裕幸

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

【プロトレーナー解説】骨盤は「骨盤底筋」によって保たれています。特に女性の場合、産後は骨盤底筋が弱くなり、尿もれ・姿勢など様々な面で問題が生じます。今回は、骨盤底筋を鍛えるトレーニング方法を解説していきます!

ハンモックのように骨盤を支える骨盤底筋

骨盤底筋の役割|骨盤を支えるハンモック

骨盤はいくつかの骨がパズルのように組み合わさってできています。そのパズルを下から支えるのが「骨盤底筋」です。

骨盤は上に背骨が積み上げられていて、その重さを支える役割もあります。背骨を支えるにはお腹の力が必要になりますが、インナーマッスルの低下によってなかなか支えることができない状態になっている方が多くいます。

その背骨を支える土台としてある骨盤も様々な筋肉によって支えられていますが、1番重要なのが「骨盤底筋」なんです。

骨盤底筋」は骨盤の下にある筋肉で、ハンモックのように下から骨盤を支えます。
このハンモックである骨盤底筋は女性特有のバランスを保つのに重要になります。

骨盤は男女で形が変わってきます。そして骨盤底筋の状態も変わってしまいます。

女性は産道を通して骨盤底筋が男性よりも弱い状態です。その弱さを補うことが骨盤を整えるうえでは必要になります。

このハンモック状になっている骨盤底筋が弱くなることで起こる問題はたくさんあります。
もちろん骨盤底筋も筋肉なので、加齢とともに弱くなっていきますし、姿勢などによる筋肉バランスの悪影響によって弱くなることもあります。

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

女性の諸問題を解決するには「骨盤底筋」を鍛えて、正しい骨盤の状態を維持できるようにしなければいけません。

骨盤底筋が弱くなる原因と弱くなって起こる問題

骨盤底筋が弱くなる原因①|出産〜産後ケアは大切〜

「骨盤底筋」が弱くなる原因として、直接的なものとしては「出産」があります。
出産による産道へのダメージは大きく、産道を赤ちゃんが通るときに「骨盤底筋」が引きのばされ、筋肉がキレてしまいます。

産道はのびることができるようにはなっていますが、実際には15%の伸び率までで、それ以上は筋の損傷が大きくなります。そして出産では13%から33%の伸び率があるため、骨盤底筋が引きのばされて弱くなる確率は高いのです。

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

日本では産後ケアをしてくれる場所は少ないですが、産後ケアはとっても大切!

骨盤底筋が弱くなる原因②|姿勢

出産以外では、姿勢の問題も大きく関わってきていると思います。最近よく見かけるのは「下半身のむくみ」が多い女性です。いわゆる下半身太りですが、この下半身太りがおきているということは姿勢から見ると良い姿勢とは言えません。

悪い姿勢というわけではありませんが、猫背だったり腰が反っていたりすることで、骨盤の正しい角度からは大きく離れてしまいます。
すると骨盤底筋のバランスも崩れてしまうので、結果的にハンモックが弱くなるという原因になってしまうのです。

骨盤底筋が弱くなる原因③|筋力低下

他には、単純な筋力低下などです。これは加齢とともに低下してしまうため、運動や筋トレをしていない方は骨盤底筋の低下を促進してしまいます。

骨盤底筋が弱くなると起こる問題①|尿もれ

骨盤底筋が弱くなることで起こる問題は、女性にとっては重要なことが多く、女性はできるだけ早い段階から骨盤ケアをしなければいけません。

骨盤底筋の弱化による最大の問題は「尿もれ」です。骨盤底筋が弱くなることで骨盤の状態が悪くなります。すると骨盤内にある臓器が「あるべき位置」からズレてしまいます。

例えば「膀胱」が骨盤底筋の弱化によって「下」へさがってくると、膀胱を圧迫してしまいます。その状態でくしゃみや咳などによる腹圧がかかると、「尿もれ」が起こるのです。

これは腹圧がかかった時に締まるべき骨盤底筋が締まらないことで、尿を抑える括約筋が働かなくなるためです。尿もれなどが起こりやすいと生活には障害が大きくなります。外出してもトイレの場所を探さなければ安心できなかったり、そもそも外出することが嫌になってしまったりもします。
こういった問題が起こらないようにするためにも、骨盤底筋の筋力トレはしておかなければいけません。

骨盤底筋が弱くなると起こる問題②|便失禁、便秘、性的機能不全

尿もれ以外にも、便失禁や便秘、さらには性的機能不全なども起こりやすくなってしまいます。もちろん先ほどの内臓が下がることで起こる「内臓脱」と言われる、いわゆる「脱腸」などの症状が出やすくなります。

内蔵脱の状態がひどくなると、手術をしなければいけないケースも出てきてしまいます。そうなる前の対策をしっかりとしましょう。

骨盤底筋トレーニングのポイント|3つの筋肉を「同時」に鍛える

重要となる「骨盤底筋」を鍛えるには3つの筋肉を「同時」に鍛えることが必要になります。
その3つの筋肉とは、「腹筋」「内転筋」「殿筋」です。
お腹と内ももとお尻。この3つを「同時」に鍛えることができるエクササイズであれば骨盤底筋が自動的に強化できます!

女性の気になる部分を同時に鍛えて、骨盤から美しくなる

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

今回ご紹介する3つのエクササイズはどれも簡単に自宅でできるエクササイズです。1日1回、5分でできる骨盤底筋エクササイズを試してみてください!

【お尻メインのエクササイズ】⇒⇒⇒「BRIDGING(ブリッジ)」

【内ももメインのエクササイズ】⇒⇒⇒「BUTTERFLY(バタフライ)」

【お腹メインのエクササイズ】⇒⇒⇒「CAT&COW(キャット&カウ)」

この3つのエクササイズは、骨盤底筋を鍛えるエクササイズの中で、「やりやすい」「簡単」「すぐできる」「続けられる」といった声の多いエクササイズです。トレーニングはなかなか継続が難しいため、簡単で続けられるようにストレスのない状態で行うことが大切です。

特に骨盤底筋は意識がしにくい筋肉のため、効果がわかりにくくなってしまいます。するとトレーニングを続けるためのモチベーションが下がりやすいですので、まずは簡単にできるものをチョイスしてみました。

骨盤底筋トレーニング①|ブリッジでお尻を鍛える

「BRIDGING(ブリッジ)」の効果|お尻から骨盤底筋を刺激する

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

まずはやりやすく分かりやすいブリッジからはじめてみましょう!

骨盤の問題を改善するには、「お尻」を正しく使うということは重要なことです。このブリッジのエクササイズでは「呼吸」を有効活用しながらおこなっていきます。
できれば「呼吸」の効果を最大限に発揮したいので、太ももでボールやクッションを挟みながらエクササイズを行うと良いでしょう。

「BRIDGING(ブリッジ)」のやり方

1.まず最初に、マットやタオルを床に準備していただき、その上に「仰向け」で寝ます。そこから膝を90度に曲げてください。この時に太ももでボールやクッションを挟みましょう。

2.次に、しっかりと「アゴ」を引きます。
ここでのポイントは「2重アゴをつくる」くらいの覚悟を持つことです。誰にも見られない場所で行うと良いでしょう。この「アゴを引く」という動作で、「呼吸」がしやすくなりますので、しっかりと「呼吸」ができる状態でエクササイズをすると、骨盤底筋は効果的に鍛えられます。

3.準備ができたら、お尻を床から持ち上げます。
ポイントは「お尻と太ももの境界線」です。この境界線に力が入っていることが大切です。その状態でボールやクッションを挟み、そしてお腹に力を入れる。
お腹に力を入れる感覚が分かりにくい方は、おへそがへっこむようにお腹を「薄くする」感じで行うといいでしょう。
呼吸に合わせて持ち上げて、呼吸に合わせて下げてくる。このときの呼吸はどんなものでも大丈夫です。トレーニングでは重いものを持ち上げるときにはくということがあったりもしますが、リラックスして呼吸が止まらない状態にできれば問題はありません。お尻の上げ下げを呼吸に合わせながら10回行いましょう。

10回目はお尻を高く上げた状態で止まります。そこで10秒止まっていてください。もちろん呼吸は止めずにです。
10秒止まったらお尻をゆっくりと下げてきましょう。

骨盤底筋トレーニング②|バタフライで内ももを鍛える

「BUTTERFLY(バタフライ)」の効果|内ももを引き締まる

このエクササイズでは「内もも」を鍛えることによって、骨盤底筋を刺激していきます。
呼吸を使って行うことはブリッジと同じです。呼吸は止めないようにしましょう!

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

バタフライは内ももとお腹を効率的に鍛えられるのでお勧めです!

「BUTTERFLY(バタフライ)」のやり方

1.マットやタオルに仰向けに寝たら、膝は90度にします。

2.その膝が股関節の上に来るように持ち上げます。

3.まずはその状態で、かかとが離れないように膝だけを開いていきましょう。
パカパカと開いている様子は、蝶が羽をパタパタとしているように見えます。しっかりと両膝を開けるところまで開きます。これも10回行いましょう。

10回行ったら、ボールかクッションを準備します。また内ももに挟み込んで、今度はその状態(膝が股関節も真上)でボールかクッションを「ギュッギュッ」と挟みます。10回挟んだら、挟んだまま10秒キープしましょう。
10秒経過したらゆっくりと脚をおろしてきましょう。

このエクササイズでは、「赤ちゃん」のような姿勢で行うことがポイントです。膝は常に股関節の真上に来るように気を付けましょう!

骨盤底筋トレーニング③|キャット&カウでお腹を鍛える

「CAT&COW(キャット&カウ)」の効果|骨盤底筋を鍛える

最後は「CAT&COW(キャット&カウ)」です。ピラティスなどで使われることの多いエクササイズですが、お腹を効率的に鍛えることができ、また、姿勢改善にも効果的です。
キャットは呼吸が重要になります。しっかりと呼吸をすることで、お腹と内もも、お尻を同時に鍛えていきます。このエクササイズは尿漏れ対策には1番簡単かもしれません。

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

背骨をコントロールできるかどうかは骨盤を意識することが大切!お尻から動かすよ由にイメージしましょう!

「CAT&COW(キャット&カウ)」のやり方

1.マットまたはタオルに「四つ這い」になります。手のひらは肩の真下に、膝は股関節の真下に来るようにしましょう。
2.そこから呼吸に合わせて「お尻から」動かすことを意識して、お尻を太ももの間に入れていくようなイメージで丸めていきます。すると背骨は骨盤につられて丸まっていきますので、そのまま大きな猫背をつくるように丸まってみましょう。
3.丸まりきったら、ゆっくりとお尻から今度は反対に背骨を反らせるように動いていきます。
反るときのポイントは、「腰骨」ではなくて「胸」から反ること。なかなか難しいのですが、お腹にしっかりと力を入れて、腰骨が動きすぎないように注意しながら反ってみてください。
4.そこからまた丸まります。

これを10回繰り返しましょう。10回目で丸まって止まり10秒止まります。しっかりと呼吸をしながら止まってください。

骨盤底筋を鍛えて快適ライフと美しい体を手に入れましょう

小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー

いかがでしたか?これなら簡単にできそう!続けられそう!と思ってもらえたらうれしいです!難しそう。と思った方も、あきらめずにできることだけでもいいので続けてみてください!

今回は女性が気になる骨盤底筋を効率的に鍛える3つのエクササイズをご紹介させていただきました。
まずは少しだけでもいいので、続けられそうなエクササイズを取り入れてみてください。