「ポッコリしたお腹を凹ませたいけど、そんな簡単に短期間で痩せられないでしょ…」と思い込んでいる方へ、実はお腹を凹ませるのは意外と簡単に、そしてジムに通わずに痩せる方法があるのです!お腹痩せのメカニズムと方法をマスターして、ダイエットを成功させましょう。
簡単に痩せるために大腰筋のトレーニングからスタート!
しかし、残念ながらそれは間違っています。
確かに筋トレや有酸素運動を行って、お腹を凹ませることはできます。しかし、ポッコリとしたお腹の原因である脂肪を落とす前に大腰筋を動かすことが大切となります。
1.腹腔内の解剖
まず大腰筋のことを知る前に、お腹の解剖について理解しましょう。
私たちの腹腔内は、「腹腔」と呼ばれるように空洞な状態となっています。なぜならば、胃や腸が動くスペースが確保されているからです。しかし、空洞の形に歪みが生じていたり、骨盤や腰椎の姿勢が崩れて内臓が下に落ちる「内臓下垂」が起こると、それがポッコリとしたお腹の原因となります。
一方で、お腹は空洞となっている分、細くするのは比較的簡単です。意識をしながらお腹に力を入れることで、お腹が内側に凹んで細く見えます。そこで、「意識をしながら」を「意識をしなくても」に変えれば良いのです。
そのためには、大腰筋を鍛えることが役立ちます。
2.大腰筋の役割
大腰筋とは、脊椎と両脚を繋ぐ筋肉のことです。
正しい姿勢を維持したり、歩く際に下肢を引き上げる役割を担うのが大腰筋です。しかし、大腰筋の筋力が劣ると骨盤の歪みの原因となったり、姿勢が崩れます。
そこで大腰筋を鍛えることで、その周辺の脊柱起立筋や大殿筋、中殿筋などのコアマッスルも自然に使うことになります。その結果、歪んでいた骨盤が真っすぐな位置に戻り、内臓下垂も解消されます。また、大腰筋を鍛えることでポッコリとしたお腹の解消だけでなく、相乗効果で便秘やむくみも解消されます。一石二鳥でなく、一石三鳥ですね。
3.大腰筋を簡単に鍛える方法
では、どのように大腰筋を鍛えればいいのでしょうか。大腰筋を簡単に、そして短時間で鍛える方法をいくつかご紹介します。
1.踏み台昇降運動
字のごとく、踏み台の上り下りをする運動です。特別な器具はいらず、家にある踏み台や雑誌を10~15cmに積み上げたものだけでできる運動です。
背筋をまっすぐにして10分程昇降運動をすることで、大腰筋が鍛えられます。
2.通勤しながら大腰筋トレーニング
実は、ウォーキングを少し工夫するだけでも大腰筋は鍛えられます。
①太ももを前に引っ張るようにして大股で歩く
②エスカレーターやエレベーターは使用せず、階段を一段飛ばしで登る
3.家でできる運動
通勤しながらのトレーニングはちょっと…という方は家でできる運動から始めましょう。
太ももが床と平行になるくらいまで上げて、その場で足踏みをするだけの運動です!最初は50回/日から始めて徐々に300回/日まで回数を増やしましょう。
お腹を凹ませるためには、まず大腰筋を鍛えることから始めましょう。その次に、本格的に筋トレや有酸素運動に取り組むことをオススメします。
【あわせて読みたい】
大腰筋とはどんな筋肉なのか?人間にとって非常に重要な役割を果たすインナーマッスルであり、大腰筋を鍛える・ストレッチすることは非常に大切です。自宅でも行えるおすすめ筋トレメニュー、ストレッチ方法を紹介します。
短期間で痩せるためには、筋トレ×有酸素運動
はじめに、筋トレと有酸素運動の掛け合わせがなぜ大切なのかを理解しましょう。
1.筋トレが大切な理由
まず筋トレをすることで、基礎代謝が上がってエネルギーの消費量も増えます。
そもそも「代謝」とは活動代謝、食事誘導性熱産生、基礎代謝の3つに分類されます。
活動代謝は日々の活動で消費されるエネルギー量を指し、食事誘導性熱産生は食事をした時に熱が発生することを意味します。そして、基礎代謝とは私たちが生命を維持するために最低限必要なエネルギーのことを言います。この3つの内、一番多くエネルギーを消費するのは基礎代謝なのです。代謝全体を100%に置き換えると基礎代謝は60%を占め、活動代謝は30%、食事誘導性熱産生は10%を占めます。
更に基礎代謝の60%の内、基礎代謝が使われる部位は肝臓が最も多く(27%)、続いて脳(19%)、そして筋肉(18%)があがります。肝臓や脳は意識しなくても、生命を維持する目的で勝手に動いています。しかし、骨格筋は自主的に動かさない限りエネルギーを消費しません。そのため、運動不足な方はエネルギー消費量が少なく太りやすい身体となってしまうのです。これを予防して痩せやすい身体を作るためには筋トレがとても大切となってきます。
2.有酸素運動ばかりすると、筋肉も減少する!?
一方で、有酸素運動は脂肪を燃焼して痩せる効果を持ちます。
有酸素運動開始後、最初の20分は脂肪も燃焼されていますが、糖質燃焼の割合の方が圧倒的に多いのです。15~20分経過後に交感神経が活性化されてアドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンが増えて脂肪が分解されるようになります。
しかし、脂肪は余分な栄養分から作られた「中性脂肪」だけでなく、筋繊維の中にも存在します。そして、筋繊維の脂肪分はもっと早くからエネルギー源として利用されてしまうため、筋肉量が減少する原因となります。筋肉が減少することは一番避けたいところです。そこで、筋トレが大切な役割を担います。
有酸素運動前に筋トレをすることで、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは体脂肪を分解し、遊離脂肪酸を増加させる働きを持ちます。筋トレによって増加した遊離脂肪酸を有酸素運動によって燃焼させれば良いのです。
では、簡単にできる筋トレと有酸素運動の手順を確認していきましょう。
【あわせて読みたい】
近年、運動目的のみならず趣味としてジョギングを行う人も増えています。それだけ健康面での恩恵が大きいのですが、一方で「筋肉を減らしてしまう」という弊害もあります。ジョギングで体重が減った場合、もしかしたら筋肉まで減少しているかもしれません。ここではジョギングで筋肉が減る原因と対策を紹介していきます。
簡単に家でできる筋トレ方法3選
その前に、消費カロリーについて軽く説明します。
消費カロリーとダイエットの関係
私たちが体脂肪1kg減らすためには7500kcalを消費する必要があると言われています。短期間内にお腹周りの体脂肪を減らしたり、全体的に体脂肪を減らしたい場合は1ヶ月計算で毎日約250kcalを消費する必要があります。
因みに「kcal」とは、「エネルギー」や「熱量」のことでもあり、食物による熱量や代謝によって生じるエネルギーのことを指します。
消費カロリーを計算する方法として、METs法(メッツ法)が有名です。
METs法は「消費カロリー=(体重×1.05)×メッツ×運動時間(h)」で求められます。「メッツ」は活動量や運動レベルが高ければ高いほど数値が上がります。
下記でご紹介する筋トレはそれぞれ消費カロリー(メッツ)が異なります。自身のダイエットの進行度や体調と相談しながら筋トレを組み合わせて取り組みましょう。
1.プランク
〈方法〉
①うつ伏せの状態から両肘と両足つま先で身体を支える
②①の体勢を腰が反れたり、お尻が持ち上がらないように30秒間保持する
③30秒を3セット行う
一見地味に見える筋トレではありますが、実はお腹を凹ませる効果が絶大なのです。初心者で①②の体勢を保持するのが困難な場合は、膝をついた体勢から始めることをオススメします。
そして肝心なメッツ数ですが、プランクは以外にもメッツ数が少なく、約3となります。例えば50kgの方であれば1分間あたり2~3kcalのカロリーが消費されます。
2.クランチ
〈方法〉
①仰向けになって、膝を90度に曲げる(初心者で膝を上げた状態で保持することが困難な場合はソファーを活用して支えにするのも有り)
②腹直筋を意識しながら上半身をゆっくりと肩が床から離れるまで起こし上げる
③頂点のポジションで1~2秒ほど耐えてから①の状態に戻る
④10回×3セットから始めて、慣れてきたら15~20回×3セットまで増量しましょう
クランチのメッツ数はプランクよりも少し多く、4メッツとなります。プランクの例えと同様に50kgの方であれば、1分間あたり3~4kcalが消費されます。
3.レッグレイズ
〈方法〉
①仰向けになって、両手は自然に広げて身体を安定させる
②両足を床と垂直になるまで上げる
(腰は浮かせずに、お尻を持ち上げることがポイント。初心者は軽く膝を曲げながら行っても良いが、徐々に膝を伸ばしていきましょう。)
③最終的には15回×3セット行うことが望ましい。10回×3セットから始めてみましょう。
レッグレイズのメッツ数は約4メッツです。50kgの方は1分間約3.5~4kcal消費するという計算になります。
おわかりの通り、筋トレはあまりカロリーを消費しません。そのため、有酸素運動を同時進行することがダイエットの鍵となります。
短期間で痩せるためには、有酸素運動を!
ここでは、有酸素運動の代表でもある「ランニング」の正しい方法と以外にも簡単にできることを説明します。また、家で楽にできて痩せる運動方法をいくつかご紹介します。
1.運動の前に呼吸方法をマスターしよう
実は呼吸で腹腔内圧を高めて体幹を鍛えることはお腹を凹ませるためにも大切です。運動前に下記で紹介する呼吸法を行いましょう。
〈方法〉
①仰向けになって、股関節・膝関節共に90度に曲げる
②曲げた膝は、身体の安定感を測るために軽く広げる
③両手は肩幅程度に曲げて上げる
④息を鼻からゆっくり吸う、このときお腹を膨らませることを意識しましょう
⑤お腹を膨らませた状態でゆっくりと口で息を吐く
①~⑤を30秒間行う
お腹を凹ませながら呼吸をする等色々呼吸方法はありますが、実は膨らませることがポイントなのです。なぜならば、お腹を凹ませてしまうと横隔膜の動きが抑制されてしまうからです。
では、なぜ横隔膜が関係するのか。横隔膜が極限まで下がることで、腹部に上から圧がかかり腹腔内圧が高まるからです。上から圧がかかることで内蔵の位置が下がって安定性が出ます。(内臓下垂の原因にはならないので、ご安心下さい。)重心が安定する結果、姿勢が良くなったり内蔵下垂予防にもなります。
2.ランニングの正しい方法
ランニングは脂肪燃焼に繋がるため、ダイエットには効果抜群な有酸素運動です。しかし、上で説明した呼吸法同様、手順次第で効果が下がったり無意味なものとなってしまいます。
それを避けるためには以下のポイントを抑えましょう。
①ランニングの姿勢:上半身は背筋を伸ばして方の力を抜く、下半身は自然な歩幅と踵から着地することを心がける。
②ランニング時の呼吸:基本は鼻から息を吸って、口から息を吐く。息を吸う時はお腹が膨らむことを意識する。
③ランニングペース:速すぎるのは厳禁、会話ができるペースを心がける。
④時間:20分が望ましい。初心者で20分行うのが困難な場合、10分から始めて徐々に時間を伸ばす。
ダイエットのためのランニングは気楽にそして継続して行うことが大切です。ダイエット仲間を探して、一緒にランニングすることもいいかもしれません。
3.家で簡単にできる有酸素運動
①踏み台昇降運動
上記でご紹介した踏み台昇降は大腰筋を鍛えるだけでなく、立派な有酸素運動の分類に入ります。また、ランニングと同じく、姿勢と呼吸を意識しながら行うとより効果的です。
②エア縄跳び
エア縄跳びとは、実際に縄跳びを使わなくても縄跳びの動作をする有酸素運動のことです。エア縄跳びは足を引き締める効果だけでなく、心肺機能を向上させることから消費カロリーも多いのです。
ポイントは膝を曲げずに軽く跳ぶことです。また、実施時間は10~30分が望ましいですが、いきなり10分から始めるのは難しいです。最初は5分以上を心がけて行いましょう。
簡単に筋トレ×有酸素運動で痩せて理想的なお腹を手に入れよう
しかし、ダイエットに効果的な食生活や休息時間を同時に確保することもダイエットには欠かせません。
1ヶ月で1kgの体脂肪を減らすためには250kcal/日消費する必要があると説明しました。そのためには、一日の摂取カロリー を上回るエネルギーを消費しなければならないことを意味します。
しかし、それは難しいからこそ食生活に工夫を施す必要があります。食生活の調節といっても、極端に食制限をすればいいということではありません。過度な食制限をしても結局基礎代謝量が低下して痩せにくい身体となってしまいます。それは避けたいことですね。そのためには、3食バランスよく食事を摂る必要があります。
また何事も継続が大切であるため、自身の身体と相談しながら1日の運動量を決めましょう。最初から無理して突っ走ってしまうことは継続に繋がらず、筋肉を過度に痛めつけてしまう原因となってしまいます。自身の身体や体力に応じた運動方法を簡単なものから始めて、徐々にレベルアップしていくことがいいかもしれません。
スリムで痩せた健康的な身体、そして理想的なお腹を得るためにも無理なく運動を継続して日常生活を工夫することが大切です。
【あわせて読みたい】
【プロトレーナー解説】正しい腹筋の鍛え方は体脂肪率ごとに変わります。腹筋をほとんど鍛えたことがなくお腹にたっぷりと脂肪がある人と、うっすら縦線は入っていてあとはくっきりとしたシックスパックを手に入れるだけという人では筋トレメニューが一緒でないことはイメージできますよね?正しい筋トレメニューを紹介します。