サプリメントと薬の組み合わせはいいのか?相性ってあるの?

サプリメントと薬の同時摂取は薬の効果を下げたり、逆に過剰な作用をもたらす等様々な影響を体内に及ぼします。サプリメントと薬の違いや、なぜ同時摂取が危険なのかを解説します。

サプリメントと薬の違いは?

はじめに、薬とサプリメントの違いを理解しておきましょう。

まず、厚生労働省の医薬品の定義によると薬とは「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く)。」と定義されており、服用目的は「病気の治療や予防」とされています。

また、薬は身体の構造や機能に直接影響を及ぼして病気を治療・予防するため、副作用もあります。

一方で、サプリメントは「補足」という意味を持ちます。サプリメントは正に「栄養補助食」であり、食事だけでは足りない栄養を補う食品という意味を持ちます。また、サプリメントは基本的に「食品」として扱われているため、薬のように副作用について大きく心配する必要はありません。

だからといって、規定量を守らなくてもいいというわけではありません。多量摂取は栄養を過剰に摂取していることになり、肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。

つまり、薬物は病気を治療・予防するためのものであり、サプリメントは栄養を補充するためのものです。薬とサプリメントは全く違う利用目的と役割を持つため、摂取する時は同じ感覚で摂取しないように注意しましょう。

【参考文献】

薬とサプリメントの相性① 薬物力学的相互作用

薬とサプリメントには相性はありません。しかし、同時摂取することによって「相互作用」が発生します。

相互作用とは、薬効が減弱あるいは増強されたり、有害作用が起こることです。また、相互作用は2種類に分類されます。まずは、「薬物力学的相互作用」というものについてみていきましょう。

薬物力学的相互作用とは、同じ作用・構造を持つ成分同士が同時摂取されることによって薬効が増強・減弱することです。代表的な薬物力学的相互作用で注意したいことは、血液を固まりにくくしている薬物を摂取している場合です。

血液凝固能の亢進を予防するためによく処方されるのが「ワーファリン」というビタミンKに類似している薬です。ビタミンKはサプリメントとしても売られていますが、同時に摂取すると薬効が増強してしまいます。

逆に、エネルギー生産に関与すると言われているコエンザイムQ10が含まれているサプリメントとワーファリンを同時摂取した場合、ワーファリンの薬効を下げてしまいます。

その他に、同時摂取を注意したい薬とサプリメントを以下にまとめました。
※「(サ)=サプリメント を意味します」

1.インスリン+クロム(サ)=インスリンの活性化が過剰となり、低血糖状態を招く
2.カルシウム製剤(骨粗鬆症治療薬)+カルシウム(サ)=薬の吸収が阻害され、薬効が減弱
3.抗生物質+ビタミンA(サ)=薬効が増強し、頭痛を引き起こす

薬とサプリメントの相性② 薬物動態学的相互作用

ここでは、薬とサプリメントを同時摂取することで生じる相互作用の2種類目について説明します。
2つ目の相互作用は「薬物動態学的相互作用」です。

薬物動態学的相互作用とは、薬とサプリメントを同時摂取することでサプリメントが身体に作用して、薬の吸収・代謝・分布・排泄に影響をきたすことです。

薬の吸収・代謝・分布・排泄の一連の過程を「薬物の体内動態」と言います。

まず、口から服用された薬は胃で溶けた後、小腸から吸収されて血中へと移動します(吸収)。血液に移動したものは肝臓で代謝されます(代謝)。血中にある薬の成分がそれぞれ全身の組織あるいは作用部位に移動します(分布)。最後に、肝臓で代謝された薬が腎臓を経て体外へ排出されます(排泄)。

しかし、同時摂取によって体内動態が阻害されてしまうと、薬の成分が吸収されなくて薬効がなくなる、薬効が過剰に貯蓄して副作用が出現するといった悪影響が出ます。

例えば、カルシウム・鉄・マグネシウム等のミネラルが含まれているサプリメントとテトラサイクリン系(抗生物質)を同時摂取すると、薬の吸収過程が阻害されます。

また、一番注意したいのが、ハーブ系のサプリメントと薬の同時摂取です。ハーブ系との同時摂取は吸収過程だけを阻害するのではなく、その他も阻害する可能性があり害を及ぼす可能性があります。

薬とサプリメントは自己判断で同時摂取せず、必ず医師に相談しましょう!

サプリメントだけじゃない!食品も薬と相互作用をもたらす!

上記では、薬とサプリメントを同時摂取することは危険だと説明しました。しかし、サプリメントだけでなく食品の中にも幾つか薬との同時摂取を注意したい物があります。

まず、ビタミンKが含まれているサプリメントとワーファリンの同時摂取が危険なことを説明しました。そこで、ビタミンKが豊富に含まれている食品も避ける必要があります。

筋トレやダイエットをしている方によく勧められている「納豆」がその1つです。納豆は大豆製品であることからタンパク質が多く含まれていますが、同時にビタミンKも多く含まれています。

ワーファリン等の抗血液凝固薬を服用している方は薬の服用前後に、納豆を食べることを避けましょう。また、健康づくりに欠かせないDHA・EPAやカルシウムが豊富な青魚も要注意です。
避けるべき飲料も存在します。

例えば、上記ではハーブ系のサプリメントが薬との同時摂取が危険だと説明しましたが、ハーブティーも同様です。また、緑茶等のお茶類はカテキンやカフェインが多く含まれていることから、薬物力学的相互作用だけでなく薬物動態学的相互作用も引き起こします。

その他に、筋肉作りや脂肪燃焼促進、筋肉疲労の抑制でよく飲まれているBCAAも薬との併用に注意する必要があるという一説があります。BCAAの服用はセロトニンの分泌を低下させてしまうとも言われているため、セロトニン分泌促進薬との併用は避けましょう。

サプリメントの併用も注意

最後に、サプリメントの併用において避けるべきものについて説明します。

サプリメントの併用は薬との飲み合わせと違って効果の減弱や体内動態に影響を及ぼすといったことは起きませんが、効果の増強が主に併用によって起こる可能性があります。特に、同じような成分が含まれているものを同時を摂取したり、規定量より多量に摂取した場合に効果が増強して体内に悪影響を及ぼします。

例えば、ダイエット目的で摂取されるカフェインが含まれている燃焼系のサプリメントは多く摂ることでカフェイン中毒を引き起こす可能性があります。

それに加えて、カフェインが多く含まれているサプリメントやデトックス効果のあるサプリメントと一緒にミネラルサプリメントを併用する場合、ミネラル成分が吸収されずに排泄されることがあります。そのため、カフェイン入りやデトックス作用のあるサプリメントとミネラル成分が含まれているサプリメントを摂る時、ある程度の間隔をあけて摂取しましょう。

その他に、「脂溶性」という水に溶けにくい性質を持つサプリメント(ビタミンA・D・E・Kが代表的)を多く併用するのは避けましょう。脂溶性のサプリメントは水に溶けにくい性質を持つことで、体内に貯蓄されやすいです。そのため、体内に成分が過剰に貯まって副作用を引き起こすことがあります。

サプリメントを併用する時はサプリメント同士の相性を確認し、安全に飲みましょう。

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サプリメント同士や薬、特定の食品の併用には注意

薬は病気を治療・予防するものであり、サプリメントは栄養を補助するものです。全く異なった役目・目的を持つ2つを併用することは健康被害を及ぼす可能性があり、自己判断で同時摂取したり、食べ合わせが危険な食品を一緒に摂ることは危険です。

サプリメントと薬の効果を十分に得られるように、それぞれを安全に飲みましょう。

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