サプリメントを服用する際は何かしらの水分が必要となります。コーヒー等のカフェインや乳製品で飲むといけないことは聞いたことがあるかもしれませんが、お茶はどうでしょうか?サプリメント服用時におすすめする飲料とそうでない飲料、その理由を解説していきます。
なぜコーヒーと乳製品はダメなのか?
また、乳製品は飲んだ時に胃に膜を張る特徴があります。胃に膜を張ることでサプリメントの吸収を阻害するだけでなく、錠剤やカプセルのコーティングが溶けにくくなります。
一方で、コーヒーなどはカフェインが豊富に含まれています。カフェインには利尿作用と他成分と結合する特徴を持っています。これらの特徴によって、サプリメントは体内に吸収される間もなく、体外に排出されてしまうのです。
つまり、サプリメントの成分の吸収過程を阻害しないために原則乳製品やカフェインとの同時摂取が禁止されています。
お茶に含まれている成分とその作用
これらのお茶に共通して含まれている成分は主にカフェイン、茶カテキン、タンニン、ポリフェノールです。
まず、カフェインの性質については前述した通りです。
次に茶カテキンとはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を持ちます。体内のエネルギー生産過程で作られた酸化力が強すぎる酸素(活性化酸素)は血管や細胞を傷つけて体内を錆びさせる(=酸化)させることで動脈硬化等を引き起こします。これを予防するのが抗酸化作用です。
タンニンとは、鉄分の吸収を阻害します。筋トレを補助するサプリメントには鉄分が含有されています。鉄分は筋肉に酸素を運搬する働きがあり、これがタンニンによって阻害されてしまうとサプリメントの効果が十分に発揮されません。
最後にポリフェノールとは、コレステロールの酸化を予防すると共に抗酸化作用を持つ働きがあります。また、ポリフェノールはタンニン、カテキン(茶カテキン)、アントシアニン、イソフラボン等の総称です。
お茶は体内に効果的な成分が豊富に含まれていますが、サプリメントと併用することとなると話は変わります。お茶と一緒にサプリメントを服用すると、サプリメント効果が十分に発揮されないことがあるのです。
【参考文献】
サプリメントは水と一緒に服用する
その理由は胃に程度な刺激をして活発に動かすことで、サプリメントの成分の吸収を効率よくしてくれるからです。
同じ水でも、冷たい水や白湯はサプリメント服用時に適していません。冷たい水は胃を過度に刺激してしまい、お腹を下してサプリメント成分の吸収過程を阻害してしまいます。それに加えて、体は冷えを感じることで熱を体外ににがさないように血管が収縮します。
血管が収縮してしまうとサプリメントの成分がうまく血管に行き届かず、体内循環量も減ってしまいます。また、白湯等の温かい水だとサプリメント錠のコーティング剤を溶かしてしまい、服用時に苦くなってしまいます。
軟水か硬水かでもサプリメントの効果の発揮力は変わります。
軟水と硬水の違いはマグネシウムとカルシウムの量で決まります。マグネシウムとカルシウム量が多い物が硬水、少ない物が軟水とされています。ダイエットにオススメされている硬水ですが、サプリメントと一緒に服用するのはいいのでしょうか?
硬水はミネラル成分が豊富に含まれている分、お腹を下しやすかったり、胃への吸収が遅いです。そのためサプリメントと硬水を一緒に服用しても、冷水と同じく胃に過度な刺激を与えてしまうため、オススメしません。
サプリメントはコップ1杯の常温軟水で飲みましょう。
プロテインとお茶の相性
では、プロテインとお茶は一緒に飲んでもいいのでしょうか?
実は、プロテインもサプリメント同様、お茶と一緒に飲むことはオススメしません。理由は2つあり、それを下記で簡単に説明します。
まず、プロテインについて簡単に説明します。プロテインとは、不足しているタンパク質を確実に摂取するための栄養補助食品に分類されます。
プロテインを飲む時は水や牛乳等組み合わせは様々ありますが、「プロテインと一緒に飲むもの オススメ」と調べてもお茶の評価は決して高くありません。理由は、不味いからです。
プロテインはサプリメントと違って、元々味が付いているため、組み合わせる飲料も相性があります。
次に、プロテインに含まれているタンパク質は、お茶に含まれているタンニン(カテキン)と相性がよくありません。タンパク質とタンニン(カテキン)が成分同士くっつくと、固い凝集物となってしまいます。凝集物になることで体内に吸収されず、そのまま排泄されてしまいます。
つまり、お茶とプロテインを組み合わせて一緒に飲んでもサプリメント同様、効果が十分に発揮されません。プロテインを飲む時は、お茶以外の自分にとって相性の良い飲み物と組み合わせて飲みましょう。
サプリメントと薬の飲み合わせにも注意
相互作用には2種類あります。1つが薬物力学的相互作用で、2つ目が薬物動態学的相互作用です。
薬物力学的相互作用とは、薬物の効果をサプリメントが増強させる、あるいは弱めてしまうことです。例えば、心疾患でよく使用されるワーファリンという薬物は血液凝固因子の産生を抑制する作用があります。しかし、納豆やビタミンKが含まれているサプリメントはワーファリンの効果を弱めてしまいます。
もう一方の薬物動態学的相互作用とは、サプリメントと薬物を同時摂取することでサプリメントが体内に作用して、薬物の吸収・代謝・分布・排泄に影響を与えることを言います。カルシウムや鉄等のミネラル成分は同時摂取する薬物によっては、その薬物吸収を阻害する作用があります。
また、ハーブ類が含まれているサプリメントと薬物の同時摂取は危険な可能性があるため、併用する場合は必ずかかりつけの医師に相談しましょう。
サプリメントはお茶と一緒に飲んではいけない
サプリメントとお茶を一緒に服用してしまうと、サプリメントに含まれている成分が十分にその力を発揮できなくなります。そのため、お茶とサプリメントを一緒に服用することはオススメしません。
サプリメントを飲む時は必ず、「コップ1杯の常温軟水」を守りましょう!
【あわせて読みたい】
筋力トレーニングやダイエットをしている方たちが、頼りがちなプロテインやサプリメント。実はこれらだけをとり続けると、栄養が偏り身体に大きな負担がかかります。栄養素が過剰に摂取されてしまい健康を害してしまう可能性があり注意が必要です。プロテインとサプリメントとの付き合い方をここで解説します。