筋トレに炭水化物が必要不可欠!ダイエットと両立させるための摂取方法も紹介

監修者

田口純平

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

炭水化物は筋トレ後に必要なのか?ダイエットと筋肥大の両方を行いたい場合はどのように糖質(炭水化物)を摂取するべきなのか?付き合い方の難しいこの栄養素について解説します。

筋トレに炭水化物は必要な理由とは?

炭水化物はボディメイクの際に敬遠しがちな栄養ですが、実は筋トレには必要不可欠なのです。
その理由は主に以下の3つです。

① 筋トレ時のパワーになる

炭水化物は5大栄養素(たんぱく質・炭水化物・脂質・ミネラル・ビタミン)のうちの1つで、体を動かすことのできる重要なエネルギー源です。

パワーが出れば
重い重量を扱える→筋肉に強い負荷をかけられる→筋トレの効果が上がる
という理屈です。

また、炭水化物は体を動かす力だけでなく、筋トレで傷ついた筋肉を修復にも役立ちます。筋肉の修復時にエネルギーが不足していると筋肉は充分に修復されず、大きくなりません。

効率良くトレーニングの効果を得るために、炭水化物を摂取する必要があるのです。

② タンパク質の吸収率が高くなる

筋肉を構成する栄養素はタンパク質ですが、タンパク質のみ摂取しても効率が悪いです。
炭水化物と一緒に摂取することで、タンパク質がより筋肉に取り込まれるようになるのです!

その理由は、炭水化物を体の中に取り込むことで分泌されるインスリンにあります。物体の中で筋肉が作られる働きを「同化」と呼ぶのですが、インスリンはこの同化を促進して、より筋肉が効率的につくられるよう働きかけてくれるのです。

また、インスリンは筋肉量・骨密度を高めてくれるテストステロンやたんぱく質を、効率的に筋肉に送り込んでもくれます。

【参考文献】『アスリートの筋肉合成に最適なたんぱく質の摂取量、摂取形態、摂取タイミングの検討』(早稲田大学)

③ グリコーゲンの材料になる

グリコーゲンはエネルギーとして使われるものです。糖質(炭水化物)は体の中で、血中グルコース、肝グリコーゲン、筋グリコーゲンに変換されて貯蔵されます。体を動かすときのエネルギーは筋グリコーゲンから使われ、筋グリコーゲンがなくなるとグルコース→肝グリコーゲンの順番で使われます。

グリコーゲンが枯渇してしまうと低血糖などになりやすくなるので、そうならないために糖質を摂取する必要があります。

炭水化物を多く含む食材

炭水化物を多く含む食材の代表例が以下のような食材です。

・白米や玄米
・パンなどの穀類
・パスタ、うどんなどの麺類
・野菜、果物

野菜にも含まれてるんですか?

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

はい、野菜はジャガイモなどのイモ類や人参などの根菜にも多く含まれます。

果物ではバナナに糖質が多く含まれ、エネルギー補給のためによく食べられています。

摂取するタイミング・量(ダイエットと両立)

タイミング

筋トレを効果的にするための摂取するタイミングは「トレーニングの前後」に摂取できると良いです。

◯トレーニング前
トレーニングの2時間前に炭水化物を摂ることでトレーニングに必要な筋グリコーゲンを貯蔵しておき、パワーが出ます。

◯トレーニング後
トレーニング後すぐに摂取することで筋グリコーゲンを回復させ、筋肉の分解を防ぎます。筋トレ後すぐに食事ができるのがベストですが、難しい場合はおにぎりやバナナなどで補うようにしましょう。

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

筋トレ後は炭水化物に加えて、プロテインなどでタンパク質も摂取するようにしましょう。

筋肥大をさせるための糖質の適切な量は「体重(kg)×6g」です。
体重が60kgの人は360g必要ということになります。目安として茶碗1杯のご飯は150gです。なので360gは茶碗2杯半のご飯が必要になります。

炭水化物を摂りすぎてしまい、筋グリコーゲンが使われない分は体の中に貯蔵されます。それが使われないままだと、結果的に体脂肪増加の要因となってしまいます。

また、炭水化物によって分泌されるインスリンは、多すぎると脂肪燃焼の妨げになってしまう(体脂肪の貯蔵を促進させるため)場合もありますのでダイエットを目的としている人は注意しましょう。

田口純平監修トレーナーからのアドバイス

ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ

ボディビル系の大会に出場する人は炭水化物を多く食べることで一時的に体を大きくすることもありますが、基本的に現代人は炭水化物をとりすぎと言われているのが現状です。そのため、あまり食べ過ぎるのは一度に過剰摂取するのはNGということを頭に入れておくといいでしょう。

◯ダイエットと筋肥大を両立するための炭水化物摂取量
筋肥大だけでなく、ダイエットも両立して行いたい場合は、「体重(kg)×6g」の炭水化物摂取量に加え、以下のカロリー摂取量も注意してください。

摂取カロリー = 除脂肪体重 × 40kcal

※除脂肪体重 = 体重 ー (体重 × 体脂肪率)

【参考文献】岡田隆(2015)『除脂肪メソッド』

例えば体重60kg、体脂肪率20%の場合、
除脂肪体重 = 60kg ー (60kg × 0.2) = 48kg

となるので、必要な摂取カロリーは、48kg × 40kcal =1920kcal となります。

糖質摂取量:「体重(kg)×6g」
摂取カロリー:除脂肪体重 × 40kcal
この2つを守れば、ダイエットと筋肥大の両方を実現できるでしょう。

炭水化物を上手にとって効果的な筋トレをしよう!

ダイエットの天敵と思われがちな炭水化物ですが、適切にとることで筋肉を効率良く育てることができるのです。例えば1日のエネルギー量が1500kcalほどだとすれば、その60%の900kcal程度を炭水化物でとることが推奨されています。(出典:日本人の食事摂取基準2015)

これは、だいたいお茶碗3杯〜4杯分のご飯と同程度です。まずはこのあたりを目安にして、体重の増減や筋肉のつき具合などの様子を見ながら調整してみるといいでしょう。