HIITとは!?トレーニングの効果から、メリット・デメリットまで初心者向けにわかりやすく解説!!

HIITとは!?トレーニングの効果から、メリット・デメリットまで初心者向けにわかりやすく解説!!.png

  • 健康的に痩せたい
  • 短時間の運動で効率よく鍛えたい
  • 自宅でもできるハードな運動を知りたい

こんな悩みをもったあなたに見ていただきたい記事です。
HIITは現在見つかっている運動方法の中でも最も効果のある運動と言われています。

なぜHIITがよいのか?
どんな科学的な根拠があるのか?

エビデンスをもとに解説していきます。

この記事を書いているユキと申します。
医療機関で働きつつ、24時間のジムと水泳で日々トレーニングをしています。
普段から理系論文に触れる機会が多いので、HIITについても海外の論文を参考に執筆しています。

この記事ではHIITとは何なの?と気になっている初心者向けに、HIITトレーニングの効果を解説します。メンタリストDaigoさんが紹介し有名になったHIITですが、意外とその効果効能については知られておりません。本記事では、HIITのメリット、デメリットから、実際の事例も含めて、医療機関で働く立場からわかりやすくまとめました。

なお、別記事の「HIITトレーニングメニュー・消費カロリーなどわかりやすく解説!HIITはダイエット効果あるか等の疑問も一気に解決!」の」記事ではHIITの効果などについて詳しく理解したい方向けの記事です。合わせてご参照ください。

HIITとは?

HIIT(エイチアイアイティーorヒート)は「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略です。

これは現在筋トレ・ダイエットなどに関する運動法の中で最も有益な運動法だと思います。
まず運動を始めるのでしたら、間違いなくHIITをお勧めします。

HIITには、初心者や高齢者向けのものから、現役のプロアスリートが行っているような超高強度トレーニングまで、様々なパターンがあります。
普段運動をしない方が始めると、オーバートレーニングになってしまうため、食事やサプリメントで疲労をケアすることも必要な程のトレーニング方法です。
すでにジムなどに通っていらっしゃる方には「クロスフィットに似ているトレーニング」とお伝えするとイメージしやすいかと思います。

HIITはクロスフィットのインターバルトレーニングの延長線上にあるようなものです。
息切れを起こすような非常に激しい運動を短時間で行い、短い休息時間を挟んで不完全な回復状態で行う運動の一種です。

短い休息と不完全な回復の繰り返しにより高強度のトレーニングを行います。
HIITよりも短時間・高強度で行うSIT(Sprint Interval Training)と呼ばれるトレーニング方法もあります。

HIITの高強度のトレーニングの例

高強度の運動というのは、ランニングマシーンでの全力ダッシュや階段ダッシュのような運動のことです。
ジャンプして腕立て伏せをするバーピージャンプも高強度の運動です。
20秒の高強度運動の後、10秒の低強度運動を8回繰り返します。

どんな運動でもいいのですが、大切なのはいかに心拍数を上げるかということです。
もちろん、心肺機能に問題がある場合は、かかりつけ医に相談してから行ってください。
具体的には、高強度の運動は最大酸素摂取量の90%程度まで追い込みます。
これは人によってはずれてしまうかもしれませんが、単純計算で220から年齢を引いた値です。

詳細については、健康長寿ネットに公的な期間が公表しておりますのでご確認ください。

220から年齢を引くと最大心拍数の100%になります。
つまり、最大心拍数の90%程度を目安にすればよいのです。

例えば、40歳の人であれば、220から40を引くと180になります。
180は100%なので、その90%は162です。
この心拍数162を維持するために、20秒間の激しい運動をすることになります。

通常健康的な人の心拍数は、1分間に60回前後なので、通常時の倍以上と考えるだけでもハードな状況だと言うことがわかります。
最初から8セットできる人ばかりではないので、自分の無理のない範囲で徐々にセット数を増やしていきましょう。
HIIT1回で45分のエアロビクスと同じ量の脂肪が燃焼されると言われています。

HIITの効果とは?メリット、デメリットを解説

HIITを行う時間は一般的に4分から28分と様々ですが、いずれにしてもかなり短い運動でも運動能力や心肺機能の向上、糖代謝の改善、糖尿病などの予防に効果があると言われています。

血管をきれいにして痩せやすくしたり、脂肪を燃焼させたりする効果もかなりあると言われています。
認知機能の向上も期待できる夢のような運動です。

運動には軽いものからハードなものまで様々な種類がありますが、もちろんハードな運動でしか期待できない効果もあります。

HIITのメリット

誰もが自分の状況に合わせて始められるよう、効果や具体的な方法まで解説していきます。
それではメリットからです。

短時間でカロリー消費が高い

時間に対して非常に高い費用対効果が得られます。
短いものでは4分、長くても28分程度でできますし、ジムでなくとも自宅で可能です。
どんなに忙しい方でも自宅にいるときに4分の隙間すらないという方はまれだと思います。

例えば、ウィスコンシン大学による2013年の論文によると、20秒の高強度運動と10秒の休息を繰り返すタバタ式トレーニングを合計4分間行うと、1分間に14.5キロカロリーを消費することが分かっています。

通常、ジムで1時間〜2時間トレーニングしても、消費カロリーはせいぜい300キロカロリー程度。消費カロリーが多いと言われる水泳でも、1分間のクロールで9キロカロリーの消費です。

8分トレーニングを行うと、約290キロカロリー消費できるため、ジム1時間〜2時間トレーニングしたものと同様の効果が得られます。つまりHIITは短時間で効率的にカロリーを消費できます。

時間効率が良い

特に今の時代、運動する時間を確保するのは難しいことです。
ジムに通おうと思っても、育児や仕事で忙しいとなかなか通えません。
しかし、運動するために「毎日ジムに行かなければ」と考える方もいると思います。

数時間運動しようと思っても、運動前後の移動や着替えの準備、その他を含めるとかなりの時間がかかってしまいます。
現代人が1日に2〜3時間も運動することは、ほぼ不可能です。

ですから、4分~28分で終わるトレーニングは、現代のライフスタイルにおいて健康を維持するためにピッタリです。
時間対効果という点でも、HIITは最小のコストで最大の効果を生む運動と言えます。

なお、HIITは原則的に連日行うものではありません。HIITは週に2〜3回が目安だと思います。
体がもたないですし、休息の時間を作らないと逆効果にもなりますので、2日に1回は必ず休みましょう。

空腹を感じなくなる

よく「たくさん運動するとお腹が減る」と思われがちですが、これは有酸素運動に存在する一般的なイメージです。

ドーパミンが出ることにより、筋トレ全般やHIITのような運動が空腹感を減らすというのは学術的な常識です。
特にHIITは、筋トレなど他の運動よりも空腹感を抑える効果が高いと言われています。

人間含め、普通の生物として考えた場合、運動して体を使った後は栄養が欲しくなり、お腹が空くのは当然のことのように思います。
ですがこれはランニングのように、長時間の運動でコルチゾール(ストレスホルモン)が出た場合の話です。

空腹感の抑制に重要なのは、運動の長さではなく、運動の強さです。
そのため、ゆっくりとした運動よりも、HIITのような短時間で強度が高い点でが有利です。

ただし、筋トレで非常に重い負荷をかけようとすると、専用の器具が必要になり、気軽にできなくなります。
忙しいときにわざわざジムに行くわけにもいきません。HIITなら、場所を選ばず気軽に体を追い込んでいくことができます。

冷え性の女性にメリットあり

脂肪分の多い女性にとっては、全身運動であるHIITを行うことによって脂肪が燃えやすくなったり、血行がよくなることで冷え性の改善にもつながります。

血行が悪いことによる肥満や浮腫み改善にも期待できます。
HIITはダンベルのような重いものをもって行うトレーニングではないので、もともと力の弱い方にも向いているトレーニングです。

冬はもちろんのこと、夏も冷房で末端が冷えます。
末端が冷たい原因のほとんどは決了不足です。

心疾患を抱えている人についても末端が冷える傾向があります。
基本的には血流不足なので、HIITにより心肺機能を鍛えると末端の冷えも改善できます。

心疾患や糖尿病の予防

生活習慣病の予防にもHIITは有効です。
一般的な有酸素運動の2倍くらい、心肺機能を高める効果があります。

日本人の死亡原因の第2位は心疾患です。
HIITをやることにより心肺機能を鍛えてリスクを減らすことが可能です。
心肺機能はトレーニングをすれば機能はアップしますので、歳を取った時にも健康的な状態を確保できます。

HIITのデメリット

効果が高いものにはデメリットもあります。
注意すべき点として認識しておきましょう。

高負荷の運動をした方が良いのは間違いないのですが、タイミングを間違えると少し損をします。
ぜひ参考にしていただき、ご自身のトレーニングに役立てていただければと思います。

HIITのあとに勉強は非効率

人は、報酬だけでなく、自分がやったことを褒めたり、積極的に認めたりすることでも学習します。
仕事では、ベストを尽くして良い結果を出し給料が上がることで認められ、ゲームでは、ガチャでレアキャラが出ることで喜びを感じます。

これが報酬学習であり、人間にとって非常に重要なものです。

ところが、激しい運動をしてから勉強するのと、自然の映像を見ながらリラックスして勉強するのとを比較したところ、激しい運動をしてから勉強すると、報酬学習のための脳活動が低下していることがわかりました。
これは特に学習の初期段階において顕著です。

この報酬学習がうまく機能していないと、特に学習の初期段階において効率が低下する可能性が示唆されています。

したがって、激しい運動の後に勉強したり、何らかのインプットをしたりすると、効率が若干低下する可能性があります。
体育の授業の後に難しい勉強があると身に入らないというとわかりやすいでしょうか。

つまり、激しい運動をした後は、ご褒美やポジティブなインプットに反応しにくくなるのです。

逆に考えると、運動は欲求や誘惑から私たちを救ってくれるとも言えます。
甘いものが食べたいときに、その場でももあげやスクワットをすると食欲が抑えられます。

強度の高い運動の後は、インプットではなくアウトプット作業を行うことが推奨されます。
HIITがダメというわけではなく、使い分けを考えた方が効率よく学習できます。

ケガのリスク

高強度の運動のため、関節の軟部組織を損傷することがあります。
関節の周りの靭帯、腱、筋肉、これらは伸びたり、捻挫したり、切れたりすることがあります。

そのためHIITのような激しい運動では、休息日を設けることがさらに重要です。
運動しているときは、体中に本当に小さな細かい傷ができてます。

運動中のケガのリスクを減らすためにも、ヨガマットを敷いたり、腕立ての際はプッシュアップバーを使ったり、リスクを最小限にする準備はしておきましょう。
人間の体は長時間HIITのような激しい運動をするようにはできていないので、何事にも注意が必要です。

継続が難しい

そもそも論になってしまいますが、HIITは前述したように心拍数を自身の90%まで高める程高強度なトレーニングです。

実際にやってみるとその辛さに驚く方もいるでしょう。
それに、トレーナーが隣で見ているわけでもなく自分自身でトレーニングを管理するため、いくらでも強度をあげることもできますが、逆にいくらでもサボることや中断することもできます。

そのしんどさゆえに、数日でHIITを中断してしまう方も珍しくありません。
いままで運動の習慣がない方にとっては、4分間のHIITでも挫折する可能性があります。

HIITと他の運動との違い

健康に良いと言われている運動と、HIITにはどのような違いがあるのかを解説します。
ここではランニングと水泳を例に出していきます。

HIITとランニングとの違い

ランニングなどの有酸素運動は消費カロリーが少なく、長時間のランニングは膝を痛めたりもするリスクがあります。
反面HIITは有酸素運動のデメリットを帳消しにしています。

そして実はランニングをすると太るというのは意外と知られていないことです。
もちろんマラソン選手のような走るアスリートは別として、走るとコルチゾールが分泌されます。
このコルチゾールはストレスホルモンと呼ばれ、食欲増進やストレスにつながります。

そのため、普通の人が走ると、走ってもカロリーが消費されないにもかかわらず、走った後にコルチゾールが食欲を増進させ、いつもより多く食べてしまうことがあります。
その結果、「走ったのに太ってしまう」のです。

ランニングの消費カロリーは非常に少ないのですが、それに比べて食欲が増します。
増えた食欲をコントロールできればランニングは理にかなっているのですが、そもそも太ったから走るという気持ちの問題には無理があるのです。

ランナーズハイと言いますが、ランニングは気分や精神状態を向上させるので、それが目的ならいいのですが、減量を目的にして走るのはあまり意味がないのです。

体に炎症が起きる

さらに、45分以上走る有酸素運動は、先に述べたコルチゾールの影響で体に炎症が起こり、老化につながる可能性があるそうです。
つまり45分以上の有酸素運動はしないことが大切です。

長時間ダラダラやるよりも、短時間で集中的に運動したほうが体にも心にもいいのです。
その意味で、HIITはメリットがあります。

45分以上の有酸素運動のデメリットは、コルチゾールが筋肉を分解してしまうことです。
長く走り続けているランナーは、とても痩せていますよね、これはコルチゾールが筋肉を分解してしまうからです。

もちろん、趣味でランニングを楽しんでいる人には問題ないですし、プロにとってはランニングをする上で避けられないことですが、体の炎症や老化につながる可能性があります。

HIITと水泳との違い

水泳は水の抵抗もあり全身運動のため、健康的なスポーツの代表例として挙げられます。
ランニングのように膝への負担も浮力により解決できますが、水泳も有酸素運動のためHIITとはまた別物になります。

長距離を泳ぐ事により、心拍数の増加はありますがランニング同様コルチゾールが分泌されますので食欲が増します。
プールでウォーキングをしている方がなぜか太っている人が多い理由はこのあたりにもあります。
長時間ウォーキングにより食べる量は増えるのです。

もし水泳が好きでHIITのようなトレーニングをしたい場合は

  • 25メートルを全力で泳ぐ
  • 25メートルを歩く

こちらを8回繰り返すとHIITのトレーニングになります。
工夫次第でどんな種目もHIITトレーニングにはなれますが、一般的な運動との違いは把握しておきましょう。

まとめ

この記事ではHIITのメリット・デメリットについて解説してきました。
HIITは短時間で高強度のトレーニングを行うことで、時間の効率もよく体を鍛えることができます。

ジムに通っている方は、ランニングマシーンを使い全力ダッシュをしたり、階段の昇降ができるようなマシンを使うと良いでしょう。
自宅であれば、バーピージャンプやその場でのももあげ、ジャンピングスクワットなどなら特別な道具がなくとも可能です。

血行が良くなることで冷え性が改善したり、心疾患や糖尿病の予防にもなるという研究結果もでているトレーニング手法です。

高強度のため怪我のリスクを最小限にするために、ヨガマットや手首を保護するサポーター、プッシュアップバーなどがあると更に安心です。
休息日を設けるため毎日やらなくても大丈夫なので、継続が難しいと感じる方も週に1~2回からまずはお試しください。

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